日記・予定表


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2014 6月


6月2日 畏敬の念

私は特定の宗教を信仰していません。また、神頼みで自分の幸せなどを願ったこともありませんが塾には神棚を置いています。その理由は自分が傲慢にならないためです。



私は塾を始める前に学校で働いていて上司や先輩がいました。その中で自分が一番上の立場になったことはありませんでした。組織の中で働いていると、自分で判断できることもありましたが他人の決めたことに従う場合が多いです。

今は1人で塾を運営しているので、指導方針や生徒への対応、自身の行動など全て自分で決められるようになりました。だからこそ謙虚でなければならないと思っています。

人に気を使う、もっと言えば、人ではないものにも気を使う方が、自分のためだけに行動するよりもきちんと出来ることもあるように思います。

それが畏敬の念だと思います。

畏敬の念を感じられる人は、自分のためだけに行動する人よりも、信念を持って生きていくことが出来るのではないでしょうか。

学級崩壊や、社会規範の欠如は自分自身を最優先に生きていくところからきているようにも思います。

若者は知識だけではなく、信念を得るために勉強をしていって欲しいと願っています。


6月3日 掃除と勉強

私はルーティンワークとして塾に来たらまず掃除をすることを心がけています。初めに神棚を掃除して、次に教室の机と椅子を拭いていきます。

こういうことは習慣化していくことが大切で、やらないと申し訳ない、やらないと気持ち悪い、という状態にしていかないといけません。

これは勉強にも当てはまることです。

大学入試に向けてまずやらないといけないことは勉強の習慣化です。毎日勉強することを当たり前にして、今日1日くらいはいいかということに気持ち悪さを感じられるようにならないといけません。どんなに楽しいことがあっても、悲しいことがあっても、体調が良くても悪くても必ず毎日やるという意思を持つことが大切です。

勉強の習慣を身につけるときに気をつけないといけないのは、時間が経過しただけで勉強した気にならないということです。

学校の掃除の時間によく見る光景ですが、時間が過ぎれば掃除は終わりで、実際にはキレイに出来ていない人がいます。

そもそも掃除をやる気がないのかもしれませんが、こういう人は自分のやっていることの意味や、どうしたら良くなるのかということを考えずに過ごす癖がないでしょうか。

どうすれば効率的か考える、本当に出来ているか確認する、きちんと出来ていないと嫌な気持ちになるなど、掃除と勉強には類似点があります。

そして、掃除以外の行動と勉強にも類似点は多くあります。

日常の全ての行動が、勉強や人生に繋がっていると考えて行動をすることが大切です。


6月4日 大学へ行く理由

今日は1年生の授業で何故、大学へ行くのかという話をしました。高校一年生の1学期の段階で明確な目標を持ち、この大学へ行きたいと思えている高校生は、正直、そんなに多くありません。

もし、いたとしても目標としている大学の良さを理解して、自分の考えを述べられる高校生はどれだけいるでしょうか。

意見を言ったとしても、ほとんどの高校生は誰かの受け売りでしょう。しかし、それは仕方がないことです。

大学へ行った経験も無く、就職活動をしたこともない高校生が大学のことや社会のことを完璧に理解しているわけがありません。

高校生が進路を考えるときに、家庭や学校や塾、それ以外の場所で、色々な大人から様々な意見を聞くと思います。

そういうときに自分にとって都合のいいことだけを信じてはいけません。自分にとって都合の悪いことでも、まずは素直に聞いて心にとどめておくことが必要です。

そして、色々な状況を加味して最終的には自分の中で答えを出していかないといけません。

何故、大学へ行くのかという理由は1つだけではありません。何故、勉強を頑張るのかという理由も1つだけではありません。

本当に頑張って勉強をしている人はその理由が分かる日が来ます。

そのような大学生が増えて欲しいと思います。


6月5日 勉強と集団

授業をしていると、生徒が「すごい」とか「楽しい」とか合いの手を入れてくれることがあります。そうするとコチラも気分が乗ってくるので、授業をしていて楽しくなってきます。

この生徒の発言は、指導者に向けられたものではなく勉強、もっといえば「数学」に向けられたものだと思っています。

生徒が勉強に向かう姿勢が良いと教室の雰囲気が変わります。指導をしていてそういう瞬間に出会うとなんともいえない気持ちになります。

人数が多くなるとこの雰囲気は作りにくくなりますが、もし出来ると全員の念のようなものが教室に渦巻いて勉強への集中力が1人のときよりも格段に強くなります。

人間の集団の力というのは不思議なもので、協力する姿勢は全体のためだけでなく、自分に返ってきます。これが集団で勉強をするメリットの一つだと思います。


6月6日 自習室

当塾には12席ほどですが自習室があります。現在は、次の授業の待合室として利用している生徒が多いですが、授業時間より随分早く来て勉強している生徒もいます。

今日は授業がない生徒が自主的に勉強するために自習室を利用していました。もちろん授業が無い日でも利用して構いません。

空き時間や授業後など、可能であれば質問にも対応するので自習室を活用して、自分の目標へ近づくように頑張りましょう。


6月7日 2次関数の壁

1年生の2次関数の授業が今日で終わりましたが、中々問題が解けないと落ち込んでいる生徒がいます。

ここが高校数学の大きな壁のように思います。

苦労する生徒が多い理由は、多種多様な問題パターンがあり、公式や解法を覚えただけでは問題を解くことが難しいため、本質的な理解が必要になるからです。

当塾では本質的な部分の説明をしていますが、問題を解かないと実感が沸かないので、習って直ぐに出来るという生徒は中々いません。

気をつけないといけないのは、分からない、出来ないからといって直ぐに諦めて丸覚えに走ってしまうと、ますます分からないという悪循環になります。

時間をかけて理解をしながら問題に取り組む姿勢が必要になります。楽をしようとせずに、正面から努力を続けた者だけがこの壁を越えていけます。

苦しいのは自分だけではないので、焦らずにじっくりと取り組んで下さい。


6月8日 学校の課題

勉強が出来ない生徒は、学校の提出物や宿題をきちんと出来ていない場合が多いです。

ここで課題が出来ていないというのは、提出していないということではなく、理解して解いていないということです。

塾できちんとやっていても、学校での生活態度がおかしいと成績は上がりません。過ごす時間は学校の方が多いので、塾はプラスアルファという考え方で取り組む方が良いと思います。

勉強(数学)が出来なくなってから通塾し始める生徒がいますが、学校の課題がこなせていない場合は学校の課題も確認をするようにしています。

学習習慣が付いていないと判断したときは、授業時間以外に塾に来てやらせることもあります。

ただ、学校の課題と現在の実力があまりにも乖離しているときには、学校の課題をストップさせて基礎からやり直すこともあります。全く分からない問題を解いてもほとんど意味がありません。

一度レールから外れてしまうと高校の勉強は出来る集団に追いつくのは難しいです。そうならないように手を打つ必要があります。


6月9日 模試の活用

先週末の土曜日は、2・3年生は模試でした。模試が終わったら解答が配られますが、きちんと解き直しているでしょうか。

模試を作成する業者は、商売にしているだけあって良問を出題する可能性が高いですし、最近の入試の傾向を研究して流行の問題を出題してくれます。

また、時間を区切って100分以上真剣に取り組む機会を中々自分では作れないという点でも模試は有用です。

模試は、準備・本番・復習を行えば学習効果が非常に高いので活用するべきですが、準備・復習をきちんと行えている生徒はあまりいないように思います。

準備は過去問を解いて、模試の点数を取りに行くということではありません。全般的な復習が出来る人はやればいいですが、数学が苦手だと感じている人は、苦手な範囲を集中的に復習をすることが大切です。もっと言えば、そういう姿勢で日常的に勉強をすることが大切です。

復習は答えが合っているかどうかを確認して、解答をパラパラと目で追うだけではいけません。解答を復元できるように、実際に書くことが大切です。


6月10日 複素数平面

現在3年生は数学Vの複素数平面の授業をしています。この分野は新課程で新たに追加された分野になります。

前課程では存在していませんでしたが、二つ前の教育課程には入っていて、そのときは数学Uだったのでセンター試験にも出題されていました。

現在の大学生は高校時代にこの分野は学習していないので、もし家庭教師で高校生を教えることになったら苦労するのではないでしょうか。

どの分野を教えるにしても、最終的にどのようなレベルの問題が出題されるかを知っいた方が良いので、そのためには過去の大学入試問題を数年分以上は解いておく必要があります。

責任を持って教えるためには、過去に得た知識だけで対処するのではなく、常に勉強をしていかなければならないと思います。


6月11日 同期

今日は教員時代の同期が、研修の帰りに訪ねてきてくれました。

当塾は1人でやっているので、人との繋がりを求めていかないと人と接する機会が少なくなります。ですから、こうして話をしてくれる友人がいるというのはありがたいことです。

訪ねてきてくれた2人はとても優秀で、教員1年目にお互いの授業を見て感想を言うという研修があったのですが2人とも授業が上手く刺激になりました。その他の研修にも真剣に取り組んでいて、意見も的確だったように思います。

そんな2人の現在の状況を聞くと不遇だなと感じる部分がありました。彼らは決して愚痴のようなことは言いませんが、彼らの能力を活かせる職場ではないように感じました。

細かいことは書けませんが、教員の配置は必ずしも適材適所で行われているわけではないように思います。

もちろん、万人が納得するような配置などはありえませんが、能力のある彼らの力を発揮できない状況はもったいないなと感じます。

彼らに限らず、社会では自分の意思でどうしようもない状況におかれることはよくあります。その中でも腐らず前向きに頑張っている人が、きっと報われるのだと思います。


6月12日 勉強と信頼関係

塾に通うメリットは勉強を教えてもらうことだけではありません。勉強をする状態を作ることもメリットだと思います。

当塾では勉強量が少ない、もしくは勉強するペースが作れていないと感じる生徒には、勉強する量を個別にアドバイスすることがあります。

ただし、それを実行しているかのチェックはほとんどしません。基本的には声かけ程度の確認で済ましています。

細かいチェックをしない理由は、目の前で解いている姿を見ていない限りどのように勉強しているかは不明だからです。

例えばノートを見て細かい指摘はやろうと思えば出来ますが、してもあまり意味がないと思っています。

自分でやる気がない生徒は、いくら細かい指摘をしても自主的にやるようにはなりません。

全ての勉強時間を管理することは本人以外には不可能です。たくさん勉強をするように他人がいくら言っても、本人が自覚していなければ決して実行出来ません。

塾以外での勉強に関して私に出来ることは声かけをしてあげることだけです。信頼関係が築ける間柄ならそれできちんと出来るようになると思います。

誰かに師事するということは信頼関係を築くということです。逆に言えば信頼関係が築けないのなら、一人の先生にずっと教えてもらう意味がありません。

現在通っている生徒たちは勉強のペースを作れるようになってきています。これを継続していけるように見守っていきたいと思います。


6月13日 目の前で見る

昨日の日記で、目の前で解いている姿を見ていない限りどのように勉強しているかは不明だから
家での勉強の取り組み方について細かいチェックをしないと書きました。

逆に言えば、塾で問題を解いているときは、どのように問題に取り組んでいるかを細かくチェックしています。

例えば、3年生のセンター対策の指導では、どのように取り組んでいるのかを確認しています。

現在指導している生徒は、計算の途中でマークの枠に合うかの確認する頻度が多すぎるように感じます。

あきらかにおかしな数値のときは確認をするべきですが、センター試験でも記述の問題を解くような感覚で解いた方が時間の短縮になる場合があります。

センター試験の数学は時間が足りないとなりがちなので、練習のときからどのように取り組むかを意識しておかなければなりません。

一人で勉強していると自分の癖に気がつかないこともあるので、そういった部分も修正できそうなことは指導していきます。


6月14日 他人の言葉

学校に勤めているときに、こんなことを言う生徒がいました。

「先輩が3年生になってからは勉強が忙しくて遊べなくなるから1,2年のときに遊んでおけよ。って言ってたんで、3年生になったら頑張ります」

「勉強が出来なくても最終的には推薦でなんとかなるって先輩が言ってました」

「今の時代、学歴なんて関係ないから、無理して大学に行かなくてもいいってよく聞きます」

自分にとって都合の良い言葉だけを信じるというのは、辛いことから逃げるための口実でしかありません。

そのような言葉と同じくらいに「今、努力することが将来のためになる。」という言葉も聞いているはずなのに、そちらは何故信じようとしないのでしょうか。

そもそも、3年生や卒業生の先輩はなんとかなった人たちなんでしょうか。社会人になっていない先輩たちは高校時代の努力の結果を語る立場にあるのでしょうか。

また、何か突出した才能や実力があれば学歴に関係なく活躍ができると思いますが、ほとんどの人はそういうものが無いので、大学に行って能力の向上を目指すわけです。

もちろん、目指しているものが明確であれば専門学校に行ったり、就職をするのも良いと思います。ただ、勉強がしたくないから大学に行かなくてもいいと考えているのであれば、それは間違っています。

人の話を聞くときは、常にフラットな感覚で聞かなければなりません。そして、耳障りのいい言葉や、自分を楽にする言葉には気をつけなくてはいけません。

自分の行動の責任を取れるのは、最終的には自分だけだという考えを持って、今何をするべきかを考えてもらいたいと思います。


6月15日 猫

最近、塾の入り口でよく猫が寝ています。初めは扉を開けたら逃げてたのに、今は扉を開けても寝っぱなしです。

  


6月16日 待つことが仕事

「先生っていう仕事の大半は、待つことじゃないかなあ」と、昔、友人が言っていました。

板書を写すのを待つ。
問題を解くのを待つ。
勉強をするようになるのを待つ。
質問をしに来るのを待つ。
言葉が伝わるのを待つ。
成長するのを待つ。

確かにその通りだと思います。こちらが待ちきれなくて焦っているときは、大体良い結果になりません。

しかし「待つ」というのと「放っておく」というのは違います。どこまで待つか、どのように働きかけるかを考えることも大切だと思います。


6月17日 『論語』

時間が空いたときや休憩のときなどに『論語』を読むことがあります。

偉そうに言ってますが、原文で読めるような知識は無いので現代語に訳している本を読んでいます。現代語訳の本は多く出版されていますが、本によって訳し方が違っていて、それも面白いです。

その中で、高校生にお勧めしたいのが

『高校生が感動した「論語」』 佐久協

です。

全文が載っているわけではなく意訳も多いので入試には使えないかもしれないですが、高校生にも分かるような内容に訳してくれているので読みやすいです。

当時の時代背景や文化、人間関係などの注釈も付けてくれているので、これで興味を持てば、漢文の勉強がしやすくなるかもしれません。

入試に必要という以前に、『論語』を読むと自分の生き方を考えるきっかけになるので、是非読んでみて欲しいです。




6月18日 中学校の現場

ニュースによると、大阪市で一定レベルを超える悪質な問題行動を起こす生徒を市立学校から引き離して別の場所で教育する「特別教室」を設置することを検討しているそうです。

ニュースでは学校と表現されていますが主に中学校のことだと思います。中高一貫校で働いていたこともありますが中学校の現場は非常に苦しい現実があります。

まず、高校では問題行動が多い場合は退学に出来ますが中学では出来ません。更に、学校によっては別教室に入れておくことも出来ません。

教員の人員不足ということもありますが、教育を受ける権利を尊重するために授業に出席させないといけないからです。

私が以前勤めていた学校では、授業中に立ち上がり叫びながら教室の外に飛び出していく生徒がいたり、授業中にカッターやはさみを周りの生徒に投げつける生徒がいました。いずれの生徒も中学部から高校部に移って直ぐに学校を辞めました。

そのような行動を突発的に取ってしまう生徒に対しても、中学部にいる限りは次の時間も授業に出席させないといけませんでした。もし、これが高校であれば、直ぐに別室に呼び指導をすることになると思います。

法令や権利があるのは分かりますが、それが現状に即していないのならば変えなければいけません。それが遅くなるほど現場は疲弊してしまいます。

問題行動を起こす生徒と同じ空間で過ごすことがお互いの成長に繋がるという意見もありますが、その意見を語る人は、その人自身、またはその人の子供がそのような生徒と同じ空間で一緒に勉強をすることは考えていないのではないかと思います。

学ぶ権利は問題行動を起こさない生徒の側にもあるということを考えて議論をしてもらいたいです。


6月19日 高校の現場

学校にもよりますが、中学校の現場は大変な学校が多いです。では高校はどうでしょうか。

指導には大きく分けて「教科指導」と「生活指導」がありますが、今回は「教科指導」について書いていきます。

一般的な公立中学校は様々なレベルの生徒が入り混じるのに対し、高校は入試があるので学校内の学力がある程度均一化される傾向にあります。

進学校でも教育困難校でも学校内で学力差はありますが、入試が機能していれば一定の幅に収まります。その幅が小さいほど集団の指導はしやすくなります。

しかし、入試が機能しておらず、受験すれば合格するというような状況では、想定を超えた学力差のある生徒が入学する可能性があり、集団での指導が難しくなることがあります。

私が個人的に「教科指導」が難しいと感じていたのは生徒の学力差が大きい学校です。

ある学校では、小学校の内容が全く身に付いていない生徒にも、高校の内容を教えないといけなかったりしました。そういう生徒は、小学校や中学校の内容を復習させようとしても、途中で学校を去っていく頻度が高かったです。

そういう生徒を入学させない方がいいということではなく、受け入れるのであれば、責任を持って面倒を見る仕組みを考える必要があると思います。

ただ、そのための人員や時間をどのように確保するのかは現状では難しい課題です。

中学でも高校でも全ての生徒のために何かをしようとするには人員が足りません。まず、物理的な量の問題をどのように克服するかを考えなくてはならないと思います。


6月20日 行ってはいけない大学

大学生という肩書きは昔とは違ったものになっています。現在、私立大学が乱立し、選ばなければ誰でも大学生になれるようになりました。その結果、行ってはいけない大学が存在するようになってしまいました。

ニュースで大学生が就職できないと報道されることがありますが、そのときに、どの大学の学生がどのような企業を希望しているのかということは報道されません。

現在の就職活動はインターネットを使って申し込みが出来るようになったこともあり、一部上場企業には一社に何万人という人数が申し込みます。その状況で細かく全員の審査をすることは不可能です。第一段階の選抜として大学の名前を用いても何も不思議ではありません。

また、大学名などで人を絞らず、出来る限り多くの人と面談をする有名企業もありますが内定を勝ち取るのは国公立大学、または有名私立大学出身者となることが多いそうです。理由は簡単で、真面目に勉強をしてきた人は優秀である可能性が高いからです。

私は大学卒業後、一般企業に勤めていました。就職活動で集団面接がありましたが、2次、3次試験まで進んでいる、きちんとした受け答えが出来る人はそれなりの学歴でした。

高校までは先生や親など、周りが面倒を見てくれることが多いでしょう。しかし、それ以降は、自分で考えて行動しなければなりません。

ですから、目標を達成するために何をすればよいのかを自分で考えて実行した経験が少ない人は就職活動で通用しませんし、おそらく、社会に出てからも苦労するでしょう。

大学の話に戻りますが、生徒を集めるのに必死な大学では名ばかりの推薦を行ったり、試験でどのような成績でも合格させるなど生徒確保に乗り出しています。昨日書いた高校と同様、入試が機能していません。

就職活動も入試と考えれば、高校、大学と機能した入試を受けずに進学した生徒は、就職のときに初めて機能した入試を受けることになります。

私は学歴で人間性を判断しませんし、勉強さえできれば良いという考え方ではありません。しかし、入試の機能していない大学に入ることが、その人のためになるとは思えません。

無理に大学に行かなくても、資格を取ったり、手に職をつけて生きていくという選択肢もあります。しかし、それらも結局は努力をしないといけません。

毎日遊んでいて自分の思い通りの人生が送れるということはありません。まず、その当たり前のことに気づくことが大切ではないかと思います。


6月21日 考査対策

公立高校は来週から1学期末考査が実施されますが、当塾では基本的に定期考査対策は実施しません。

私は学校で働いていた経験があり、定期考査を実際に作っていたので、考査とほとんど同じ予想問題は作ろうと思えば作れます。

しかし、そんなことをしても意味が無いので、予想問題を作成して事前に解かせるようなことはしません。

定期考査は範囲と期間が決まっているので、そのための勉強は自分で出来るようにならなければなりません。それくらいの計画を自分で立てて実行出来なければ、大学入試には対応できません。

当塾は、入試に照準を合わせて実力をつけることを目的としているので、そのための最善の方法を取りたいと考えています。自分で計画を立てて勉強をするというのも、実力をつけるためには必要なことです。

語弊が無いように書いておきますが、定期考査対策はしないと言っても、定期考査の点数を上げるためだけの指導はしないということで、定期考査に向けて勉強をしている生徒の質問には答えます。

定期考査はどうでもいいと言っているわけではなくて、総復習の機会と考えて、入試に繋がるような勉強をしてほしいと思っています。


6月24日 休み

昨日と一昨日は休みだったので、たまっていた雑務を片づけることが出来ました。そして、恩師と久しぶりに話をしたりと非常に有意義に過ごせました。

学校の教員をしていたときよりも今のほうが時間に余裕はありますが、授業を出来るだけ入れるようにしているので休みの日は減りました。

特に8月は生徒にとっても私にとってもかなりハードな日程になりそうです。

昔、ある学校で8月に午前4時間、午後5時間の合計9時間というスケジュールで、2週間ほど補習をしたことがありました。

ハードでしたが、やりきったあとは確実に成績が伸びていました。それだけやれば成績は伸びるのですが、1人でやることは難しいですし、それだけやらないと短期間で目に見えて成績が伸びることはありません。

大学受験に向かって努力する高校生の勉強に休みはありません。集中して成績を伸ばせる夏の環境を用意していきたいと思っています。


6月26日 二宮金次郎

「二宮金次郎」の小説を読みました。

二宮金次郎のといえば薪を背負いながら本を読んでいるイメージくらいしかなく、何を成したということは知りませんでした。

簡単に言ってしまえば、各地の農村を復興させたことが二宮金次郎の功績です。しかし、農民の出なので封建社会ではやりたいことが順調に進まず、多くの苦労を重ねながら人々のために働いた話です。

この本によると、二宮金次郎の大切にしたことは

「学ぶだけではなく実践しなくてはならない」

「現実的な手法を取らなければならない」

「徳を持って人に接していかなければならない」

ということです。

時代が移り変わっても通用する考え方を持ち、それを実践したということが素晴らしいです。是非、中高生にも読んで欲しいと思います。





6月27日 教育現場の疲弊

「日本の先生、世界一多忙なのに指導には胸はれない」というニュースがありました。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140626-00000008-asahi-soci

記事を見ていると、学級運営や教科指導などのアンケートに対し「かなりできている」「よくできている」を選んだ人の割合が、調査国34カ国のなかで最も低く、「ある程度できている」を選ぶ割合が高かったそうです。

これは、国民性が大いに関係しているので、大して気にすることは無いように思います。日本人には責任感の強い人が多いので、完璧にこなせていないと「かなりできている」は選ばないでしょう。例えば、教科指導では、全体的には良くても、クラスに1人でも成績の悪い生徒がいれば「ある程度できている」を選ぶのではないでしょうか。

このような国際的なアンケートには、そんなに信憑性が無いと思っています。各国の教育水準、学校の在り方、国民性も全て違うため、共通のアンケートをとっても単純に比較することはできないのではないでしょうか。

比較するならば過年度比較にするべきで、日本の教育の現場がどのように変化しているかを調査するべきだと思います。そして、調査するのと同時に、どのように現場を変えていくのかも議論するべきです。

指導に胸がはれる、はれないという主観的なものよりも、客観的なものとして労働時間の方が問題だと思います。

上記の調査で日本の教員の勤務時間は世界で最も長く一週間平均53.9時間となっていました。これは平均値ですが労働基準法に定められた時間は大きく超えています。

しかし、忙しい先生はそんな労働時間なはずがありません。私が学校勤務で最も忙しかった時期は週86時間が3週間ほど続きました。それでも仕事が終わらなかったので、家に帰ってもずっとやっていました。これは過労死するラインを大幅に超えています。

今の学校の問題は、先生にさせている仕事の種類が多すぎることだと思います。

これを解決するには

例えば、教科指導は全員が行うものとして、それ以外の仕事を

ホームルーム担任を行う先生
部活動を行う先生
校務分掌を行う先生

に分け、3つのうちから2つを行うようにする。あとの1つはしなくてよい。というように分業制にするなど抜本的な改革をする必要があると思います。

また、教員の給料を上げて、優秀な人材を集めるとともに、教員の絶対数を増やさなくてはなりません。

それに伴って教員免許更新などの研修も見直す必要があります。現状は、誰でも合格できるように形骸化してる上に自分で研修費用を払わされています。これは時間とお金を浪費させているだけです。

国を支える教育の現場がこれ以上崩壊しないように改革が必要ですが、効果のある改革をしなくては意味がありません。


6月28日 単語テストを始めました

中学のときは英語が出来ていたのに、高校生では英語が出来ない、英語が苦手だという生徒が増えます。その原因は、語彙力が無いことがほとんどです。

中学校では覚えないといけない単語量がそんなに多くないので、同じ英単語が繰り返し何度も出てきますが、高校では覚えないといけない単語の量が多くなるので、繰り返し出てくる頻度が減ります。

このような理由で、中学のときと同じやり方では通用しなくなるので、語彙力を増やすために単語帳で繰り返し反復して覚えていくしかありません。

理想は、個人で毎日コツコツと覚えていくことですが、よほど意思が強くないと一人でやり続けることは困難です。

こういう理由で、単語テストを行います。

1年生は今から取り組めば、受験までには十分間に合うでしょう。
2年生は今から取り組めば、受験までにかろうじて間に合うでしょう。
3年生は今から始めたのでは、受験までに間に合わないかもしれませんがやるしかありません。

どのような状況でも、英単語はやるしかありません。


6月29日 悪癖

当塾では、定期考査が終わったら直ぐに授業を再開します。

定期考査中は(きっと)一生懸命勉強したはずなので、その内容を長期記憶に変えるために、定期考査明けは勉強しなければなりません。ここで休まず勉強をすれば、更に学力が伸びます。

受験が終わるまでは勉強しない日を作らないことが大切です。その意識を持てるかどうかが、合格、不合格の命運を分けるように思います。

特に高校3年生が気をつけなくてはいけないのは、センター試験後と前期試験後です。

センター試験終了後に受験が終わった気になってしまう生徒がいます。

センター試験で合格が決まるわけではありません。少し休憩をしようという人は、すぐに2次の勉強を始めた人に気持ちの面で遅れをとっています。

また、前期試験が終わった後、合格している保証も無いのに、自分の出来たという感覚だけで後期試験に向けての勉強を開始できない生徒がいます。

前期試験に落ちたことが分かってから慌てて勉強を始めても、不合格だったショックもあり、そのまま勉強をせずに後期試験を受けて不合格になるというケースを見ます。更に、諦めて後期試験を受けないという生徒もいます。

そういうことがあるので、最後まで頑張る生徒は周りが勝手に脱落してくれて合格できることがあります。

目標を達成していなのに終わったと勘違いして休憩するのは悪癖です。

そういう悪い癖をつけないように、考査が終わっても、学校行事があっても、勉強をしない日を作らないようにしないといけません。


6月30日 問題児

定期考査が終わってテストが返却されたら、全教科確認をしています。指導しているのは主に数学ですが、全体でどれくらいの力があるのかを見ておきたいからです。

生徒によっては点数が低いと見せないことがありますが、それは本人だけではなくこちらまで現状認識が出来なくなってしまうので非常に危険です。

今日、テストを見せにきた生徒は欠点を多く取っていました。そこで生徒が「私、問題児ですよね」と言っていました。

テストの点数が取れないということには問題があるかもしれまんが、それは問題児というわけではありません。

勉強を頑張ろうという姿勢は感じられますし、塾に入ってきたときに比べて、授業中の反応は良くなっています。

今のまま努力を続けていけば結果が良くなる可能性が高いので、そのような生徒は何の問題もありません。

テストをすると点数が出るので一喜一憂してしまいがちですが、大切なのは、どのようなアプローチでそのテストに臨んだのか、出来なかったところをやり直して出来るようになったのか、だと思います。

練習では結果よりも過程を大切にしないといけないと考えています。

結果を出さないといけないのは本番だけです。そのために、結果が出ない時期にいかに頑張れるのかが大切だと思います。



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