日記・予定表


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塾の情報

2015 5月


5月1日 進路について

GWを利用して東京から友人が帰省していて、色々な話をする機会がありました。その友人は一部上場企業で働いているのですが、今回話していて興味深かったのは、彼の大学進学に至る経緯でした。

彼は高校1年生の時に親と進路の話をして、学費や仕送りなどを考えると東京に行くのはやめてほしい。そして、出来れば国公立大学に行ってほしいということを言われたそうです。

彼は、都会に出て行きたいという思いがあったので、東京以外だと、大阪、名古屋、福岡に行きたいというところから大学を絞り込んで、その都市にある国公立大学の中で自分が行ける可能性のある大学を考えました。入試制度を調べると、センター推薦で受験できる大学があったので、利用することを考えて評定を上げるために定期考査と提出物に力をいれて勉強をしていたようです。そして彼は、センター試験で目標としていた点数を取り、センター推薦で国公立大学に入学しました。

自分がどのような道に進みたいかという目標を持つということは大切なのですが、受験の経験のない高校生が目標を立てるときに難しいのは、自分の能力を分析できるかどうかです。彼のすごいところは、自分の力を把握して冷静に目標設定していた点ではないかと思います。

目標を持てといわれても、何を考えてよいのか分からず進路の方向性が決まらない高校1年生は、親の意見を聞いてみることも自分の考えを深めるきっかけになるかもしれません。


彼の受験の話を聞いてもう一つ感じたことがあります。

今はインターネットの普及などもあり、情報を得ることはそんなに難しくありませんが、20年ほど前は情報が手に入り辛い時代でした。その時代に、上記のような取り組み方が出来たのは、彼に年の離れた兄弟がいたことも要因の一つだと思います。情報が手に入りにくかった地方で、有益な情報をもたらしてくれる兄弟がいたことは彼にとって幸運だったと感じます。

現代では、情報を得ることよりも情報を選別することが難しくなりました。センター推薦に限らず、受験についての情報を簡単に得られるようになりましたが、何が自分に適しているかを見つけることは困難です。ですから今、大切にしないといけないことは情報に踊らされないということだと思います。

受験の大前提として一番大切なのは、本物の力をつけるということです。そこをないがしろにして、小手先の情報に飛びつかないようにしていきたいものです。


5月2日 ネコ

塾の玄関や駐車場によくネコがいて、私を見つけると遠くから走って寄ってきます。
私にだけかと思っていたら誰にでも寄ってくるらしく、塾生たちにも懐いているみたいです。
これだけ警戒心がないネコもめずらしいというくらい、逃げません。

塾を開けた後、掃除をしている時は換気のために扉を開けているのですが、今日も玄関でじーっとこちらを伺っていました。

授業中もたまに中をのぞいているので、ものすごく頭が良いネコになるかもしれません。




5月3日 勉強のサイクル

県総体が近いということもあり、GWを利用して県外に遠征に行く部活動もあるようで、授業に出られない生徒がいます。当塾では、事前に授業に参加できない生徒がいることが分かっていれば、授業を進めずに演習や復習をすることが多いです。

現在塾では、2年生は数学U「三角関数の加法定理」まで、3年生理系は数学V「積分の計算」まで授業が終わったのですが、公立高校ではどちらの学年もその分野に入っていません。内容を定着させるために復習をしないといけないと考えていたので、GWはいい機会になりました。

この期間、部活動で塾に来れない生徒には、事前にプリントを渡して出来る限りやっておくように指示を出しています。やりきれなかったり、分からなかったところは、個別指導で対応していく予定です。


実力を付けるためには、学習した内容を忘れない程度に時間を空けて、何度も反復練習をする必要があります。それを踏まえた、理想的な勉強のサイクルは

塾で予習 → 学校の授業を受ける → 学校の課題で復習 → 塾で復習 → 定期考査前に自分で復習 → 学校の長期休暇の課題で総復習

というようなものです。今回は「塾で予習 → 学校の授業を受ける」の期間が長くなりすぎるため「塾で復習」を前倒しして、サイクルを崩さないようにする予定です。

塾に通っていない生徒は「塾で」の部分を「自分で」に置き換えてみるとよいでしょう。しかし、「自分で」ここまで管理できる生徒は、少ないのではないかと思います。

本当は、どれくらい期間をあけて何回くらい復習をすればよいのかを、生徒が自分自身で考えて実行できることが理想です。しかし、何事も経験が無ければ上手く出来ません。素質のある生徒であっても、正しい勉強の仕方が出来ているとは限りません。始めはこちらでペースメイクすることで、勉強の仕方も伝えていきたいと思っています。


5月5日 焼肉

GW中の大学生は時間があるようで、学校時代の教え子が兵庫県から訪ねてきてくれました。
遠くからせっかく来るんだから、食べたいものがあれば何でもいいなよと聞いたら

若者らしく
「焼肉が食べたいですっ!!」
と、はっきり答えてくれました。

ここまではっきりと言ってもらえると店を選ぶ側はとても楽です。
せっかくなので、松山でも人気の店に連れて行ってあげました。

学校も塾も含めて、卒業した生徒と関係が続いていくことは当たり前では無く、こうして食事に行って成長した姿を見られるのはとても幸せなことだと感じます。





5月6日 浪人生

昨年、塾に在籍していた生徒がGW休暇を利用して会いに来てくれました。

会いにきてくれた生徒は、今年の2月に京都大学を受験したのですが合格ならず、浪人することを選択して現在は県外の予備校に通っています。

私の塾では基本的に浪人生の受け入れは行っていません。浪人をするのであれば、単科の塾に行くよりも予備校に行く方が本人のためになると考えているので、そのようにお勧めします。特に難関大学を目指して浪人するときは、全寮制の予備校に行き、1年間頑張る方が合格の可能性は絶対に高くなると思います。

予備校に行くメリットは、全科目を見てもらえるということもありますが、時間を管理してもらえること、周りに同様に浪人している人がいることが何より大きいと思います。勉強自体は自分自身で行うものですが、1年間、一人だけでペースを崩さず勉強し続けることは困難です。長い期間、勉強に集中するためには、精神的な負担を軽減することが必要になります。

今回は、挨拶だけではなく、予備校で勉強をしていて、どうしても理解できないところの質問も兼ねて会いにきてくれました。久しぶりに一緒に勉強できて、楽しい時間が過ごせました。




5月7日 おみやげ

昨日、一昨日と日記に書いていた卒業生たちはとても気が使える人たちで、おみやげを買ってきてくれました。

と書くと、会いに来るときはおみやげを持ってこないといけないと感じる卒業生がいるかもしれないので言っておきますが、手ぶらで来てもらって全然構いません。

買ってきてくれたおみやげは、偶然にも袋の色まで同じで、どちらも日持ちのするお菓子でした。授業をしていると、長時間食事を取れないことが多いので、とても助かります。

中を開けてみると、ラッピングに似顔絵まで描いてくれていました。自分では絶対に思いつかない&出来ないことをやってもらえると嬉しいものですね。




5月8日 計算成功率と問題正答率の関係

数学に興味がある人は「大学への数学」という雑誌を知っていると思いますが、今月号の内容で、計算成功率から問題正答率を考えるという話が書いてありました。面白い内容ですので、ここで紹介させてもらいたいと思います。

雑誌をそのままというわけにもいきませんので、計算成功率と問題正答率の関係表を作成してみました。



左端の数値が、計算で一つの手順を成功する確率で
上端の数値が、その手順を実行する回数を表しています。

上記の表から
一つの手順を90%成功する場合、10回実行すれば正答率は約35%
一つの手順を95%成功する場合、10回実行すれば正答率は約60%
一つの手順を99%成功する場合、10回実行すれば正答率は約90%
ということが読み取れます。

中学生のときに取り扱う問題は、標準的な計算であれば手順の回数がそれほど多くありません。そのため、計算成功率に対しての正答率の減り幅が少ないため、自分の計算力の無さに気づいていない人がいるかもしれません。

しかし、高校で出題される問題の計算は、手順の回数がかなり増加します。特に高校3年生理系が行う積分計算は標準的なものでも手順が10を超えてきます。これは、一つの手順を99%間違えないような人でも10回に1回は間違えるということで、限りなく計算成功率が100%に近くなるように練習しなければ、安定した点数は望めないということを意味しています。

計算練習で答だけ合わせるような直し方をしていると、計算成功率は中々上がりません。こうした問題に対応できるようになるためには中学生や高校1年生のときから、意識をして計算成功率を上げていく必要があります。

自分はどこでどのような間違い方をしているのか確認しながら反復練習を行い、100%を目指して努力しなければなりません。


5月9日 焦った3年生にならないために

現在1クラスの定員は12名となっていますが、4月に入塾した3年生が多く、3年生理系クラスは残席が1つとなっています。クラスや人数を増やせればいいのですが、現状ではあまり多くの生徒を受け入れることができません。それは、授業時間や1度に教えられる人数の限界量の他に、個別指導に使える時間が足りなくなるという理由からです。

受験まで時間のある1、2年生とは違い、3年生はセンター試験まで残り250日程度になり、現時点で焦りを感じている生徒が多いようで、個別指導を申し込んでくる生徒の数も増えています。

出来る限り対応してあげられるように努力をしていますが、当塾はあくまでも授業がメインですので、全員の希望通りの時間に個別指導をしてあげることが出来ないこともあります。授業で苦手な範囲の復習を行えればよいのですが、3年生理系は数学Vの演習量を確保するために復習ばかりやっているわけにもいきません。

このような状況の中、3年生文系で復習している範囲を3年生理系のアナウンスして、希望する生徒は一緒に授業を受けてもらうようにしました。7月までに苦手分野を潰しておかないと本格的な問題演習に入ることが出来ないため、今頑張っておいてほしいと思います。

このように個別指導や授業を織り交ぜて、3年生からの入塾でも出来る限りの対応をしますが、生徒の負担はかなり大きなものとなります。1、2年生のうちから通塾をすれば、余裕を持って3年生を迎えられるようになりますので、意欲のある人は早めの行動をとってもらいたいと思います。


5月10日 補助

体操選手の練習で難易度が高い技に練習するときに、補助をする人がついているのを見ることがあります。

もしかしたら、優秀な選手は、始めから技のイメージを鮮明に持つことができて補助を必要としないのかもしれませんが、ほとんどの選手は、新たな技の動きを体に覚えさせるために補助をしてもらっているのではないでしょうか。

勉強でも同じようなことが必要だと思います。3年生の理系は現在、積分法の応用の授業を行っているのですが、これまでの基本計算から難易度がグッと上がっています。

数学の勘所が備わっている生徒は難なく処理していくのですが、何から手をつけてよいのかわからないという生徒の方が割合的に多いように感じます。

しかし、全ての問題を1から全て説明してしまうと、どの部分で自分は引っかかっているか分からなかったり、考える力が付かなかったりします。ですので、現在は、基本的には生徒に問題を解かせて、少しずつ手助けするような授業を行っています。

指導は難しいもので、すべて懇切丁寧に行えばよいというものでもありません。生徒の状況を見て、どこまで手助けするかを判断するのも指導者に求められる資質だと思います。


5月11日 紙

これは、塾で使っている紙の画像です。



コピー用紙は通販で購入しているのですが、右側が以前のもので、左が今回購入したものです。値段がほぼ同じだったので深く考えずに発注したところ、以前までと違う用紙になってしまいました。

今日印刷して思ったのですが、以前使っていた紙の方が勉強に向いていると感じます。今回買った紙は色味の問題なのか、裏の文字がやたら透けてしまいます。それと、文字を書くときのシャーペンの引っかかり方が以前の紙の方が良いように感じるのです。

人から見ればどうでも良いようなことであっても、自分の中で理由があれば、こだわりをもって選択していきたいと考えています。こういう紙一つでも、適当に選んではいけなかったなあと、反省しました。


5月12日 再構築

現在、高校3年生文系の授業は、生徒の希望で「整数」の授業をしています。

新課程の数学Aにおける「整数」の分野について色々と書いてきましたが、私なりに感じていることをもう一度書いておきたいと思います。

まず、この分野を習うのはほとんどが高校1年生のときなのですが、その段階で完全に理解することは難しいのではないかと思います。

整数の性質は単純なようで難しく、計算だけで処理できないような問題が多いのです。また、「場合の数・確率」に繋がるような考え方をすることもあり、総合的な数学力が問われる分野のため、他の分野の習熟度も理解度に関係してきます。

次に、難しい問題と、比較的易しい問題が混在していて、勉強をやりづらくさせているという特徴もあります。一般的な問題集や参考書を見る限り、問題が系統立てて整理されてはいるものの、学習の順番に適した配置にはなっていないように感じるのです。

以上のようなことを前々から感じていたので、今回「整数」の分野の授業をするにあたって、生徒が理解しやすいような順番に内容を組み替えたプリントを作成することにしました。「求値問題」と「証明問題」の2つに分けて、比較的取り組みやすい「求値問題」から学習を進めていきます。

プリントを作成していて改めて感じたのですが、1つの分野の学習計画を立てることは、その分野を深く理解する手助けになります。次の授業の予習だけでなく、今から教える分野をまとめて予習することで、1つ1つの授業の質が上がってくるのではないかと思います。




5月14日 グラフの描き方

高校1年生の授業が今日から2次関数のグラフに入りました。今年は復習の時間を多く取っているため、授業の進度は少し遅めで、公立高校より少し早い程度となっています。

グラフの範囲に入るといよいよ、高校の数学らしくなってきます。

中学校までとの一番の違いは、グラフの軸を自分で描かないといけない点ではないかと思います。当然、目盛りも無いので、目分量でグラフを描くことに慣れる必要があります。

また、グラフを描くための最低限の作法というか、ルールを身に付けなくてはいけません。練習をする前に、どこに気をつけてグラフを描かないといけないのかを、きちんと理解していないと、間違ったグラフしか描けません。

何事も初めが肝心なので、私の場合、このような導入の授業では細かく作法を伝えて、実践できているかを必ず全員確認するようにします。今日も、ここに気をつけるようにと言った直後に間違っている生徒がいました。こういう作法は、繰り返し注意されて意識しなくては身に付かないものなので、始めは間違っていても全然構いません。

グラフを習い始めたときは、指導者に見てもらわないと合っているかが分からないと思うので、塾に通っていない人は、学校の先生に自主的に見てもらって確認するのが良いと思います。


5月15日 受験にどう向かっていくか

高校3年生の中には危機感を感じている生徒が少なからずいます。
危機感を感じることは悪いことではないのですが、焦ってしまって、色々なものに手を出さないようにしなくてはいけません。

受験までの残り日数を考えたら、これから本番までにどれだけのことが出来るようになるのだろうかという気になってきます。それは生徒だけではなく、指導者の側にも同じことが言えます。理想を言えば、全ての問題が解けるようになってほしいとは思いますが、なかなかそんなわけにもいきません。

塾に来ているからには、勉強をできるようにしてあげなくてはいけないという思いがあります。しかし、目の前の点数にだけこだわって、表面的な勉強をさせたくないという思いもあります。

高校受験と違い、大学受験では、全ての科目が完全に仕上がった状態で受験できる生徒はそんなに多くありません。時間が限られているという状況の中で、受験を現実的に捉えて、どのような取り組み方をするのか、そういうことを一緒に考えてあげられるような指導をしていきたいと思っています。


5月16日 意外と出来ない、出来てあたりまえのこと

今日、単語テストをしたら、名前の欄が白紙の生徒が複数いました。
覚えているうちに急いで単語を書こうと解き始めたため、書いていなかったのだと思います。
また、名前を書いていても、苗字だけであったり、ひらがなで書いている生徒がいました。塾の単語テストだからこれくらいで良いと思っているのかもしれません。

言いたいことは色々とあるのですが、名前は一番初めに、フルネームで、漢字であれば漢字で、書くように習慣づけたいものです。

気になることをもうひとつ、塾に来たときと帰るときは挨拶をきちんとするように言っていますが、塾に通って暫く経つと、反対を向いたまま「さようなら」と小さい声でいいながら帰る生徒がいます。

その都度注意しますが、こういうことは勉強以前の問題で、あたりまえに出来なければいけません。

当塾は、勉強がだけができればいいとは思っていません。出来てあたりまえと言われることを、自然に出来るような人になってほしいと思って接しています。


5月18日 検算をすると、数学が出来るようになるかもしれない

計算ミスの少ない生徒は、頭の中で検算をして確認しながら問題を解き進めていく習慣がついています。逆に、計算ミスが減りませんと言っている生徒は、検算の習慣がついていないのだと思います。生徒が問題を解いているところを見ていると、書いていなくても、頭の中で検算を行っているかどうか分かります。

生徒を見ていて思うのですが、ことは計算ミスの量だけにとどまらず、検算をするという習慣が数学が出来る人と出来ない人を分ける要因じゃないのかと感じます。

検算をするということは、自分の行動の確認作業を自分自身で行うということです。この行為が批判的思考を養成し、何が正しくて、何が間違っているのかを考える力が付いてくる、というのは言い過ぎでしょうか。

また、検算を毎回行うということは、本来面倒な作業です。勉強が出来るようになるためには、面倒に感じるであろう反復練習を行わなければなりません。そういった点でも、勉強に対する姿勢に繋がるところがあるのかもしれません。

指導をする側は、問題の解き方や考え方を教えることは当然なのですが、このような、問題への取り組み方を伝えることも大切ではないかと考えています。

ただ、検算をしながら解き進めるように指示をしても、ほとんどの生徒はなかなか実践してくれません。一朝一夕に変化しないということは分かっているので、根気強く指導しています。時間はかかっても、塾に通っている生徒には検算の習慣を身に付けてもらいたいと思います。


5月19日 夏の準備

これから入塾する生徒がいれば変更することもあるので、仮の状態ですが、塾のスケジュールは8月末まで出来ています。

仮であっても、この時期に8月までのスケジュールを組むのは理由があって、スケジュールをある程度決めてしまわないと、教材が作成できないのです。

高校2年生までは、まだ習っていない範囲があるので、市販されている教材をメインに指導しますが、高校3年生はこれからの時期、本格的な演習を行います。使用する教材は、生徒の進学先、能力などを考慮して、生徒に合ったものを作成しています。

今のうちから作成していかなければ、7月中旬から8月末までは授業に切れ目がなくなるため、余裕をもった指導ができなくなってしまいます。こちらはこちらで生徒のことを考えて計画を立てているのですが、生徒自身も8月末までの全科目の勉強スケジュールを早めに立ててほしいと思います。

高校3年生の1年間は本当にあっという間です。計画を立てて実行して、悔いの無い1年間を送ってほしいと思います。


5月20日 理想の勉強の仕方

先日、生徒が学校の先生に
「何で1度教えた問題が出来ないんだって怒って、私たちのこと見下してくるんですよ。」
と話してきたので
「そんな風に怒る先生もいると思うけれど、1度教えたことが出来ないと怒るのは、1度教えたらみんなが出来ると思っているからで、見下しているわけではないんじゃないの」
と生徒には話しました。

勉強は、一度教えてもらったら、あとは自分一人で演習を繰り返して身につけていくというのが理想だと思います。その学校の先生は、生徒に自分ひとりで勉強を出来るようになってほしくてそのように言っているのかもしれません。

そのようなことが理想だとは思っていても、私は1回教えて、あとは生徒任せで出来るようになることはあまりないと思っているので、塾ではしつこく復習をさせるようにしています。

ただし、これも一長一短で、やりすぎると復習をして学力が伸びる反面、塾への依存度が高くなって、自分で復習する習慣がつきづらくなってしまう可能性があります。学校でも塾でも、勉強において依存しすぎるというのはあまりいいことではありません。

塾に通い始めた頃は、復習の仕方を教えたり、勉強の習慣を付けるためにしつこくやりますが、塾での指導は徐々に減らして、自主的に勉強していってもらいたいと思っています。


5月21日 数式で遊ぶ

今日、生徒が授業後に教えてほしい問題があると言うので教えていて、数学は面白いなと改めて感じることがありました。

質問された問題は、自力で考えるだけでは難しく、ある程度知識が要求される問題でした。
この式は、この値になるということは知っておかなければ解けないねという話をすると、

生徒から
「じゃあ、式の一部がマイナスに変われば、値が変わって解けなくなるんですか」
と新たな質問が出たので
そのときは、元の式を少し変形して対処すればいいんだよと、式変形をしていきました。

さらに生徒から
「じゃあ、式の項が増えたら、値が変わって解けなくなるんですか」
と新たな質問が出たので
そのときは、知っておかなければ難しいけどこういう変形をすることで対処すればいいんだよと、式変形をしていきました。

題材は基本的な問題だったのですが、元の式から類推したり工夫したりして、興味深い式変形が出来るという話に繋がっていきました。そのような説明を生徒は「面白いですねー」と言っていました。

数学の勉強は、このように、こうするとどうなるんだろうと考えて拡張していくとすごく面白いものです。受験のために問題を解けるようになる訓練も必要なのですが、こうして数学で遊ぶことで、数学が好きになって、力がついていくということもあると思います。


5月22日 ごまかし

小学校や中学校のときによく勉強が出来たといわれる人でも、高校で急に勉強が出来なくなる人がいます。高校の勉強にごまかしは効かないということです。

全ての科目において中学校までと高校では、勉強の量と質が全く違います。そういうことを言われても自分で実体験をしない限り、今まで通りで何とかなるだろうと思っているうちに出来なくなってしまうのです。しかし、今まで通りではいけないと気づいたのなら、行動に移さなくてはなりません。

最近、ここまでやってくるようにと指示を出してもやってきていない生徒がいます。全員のノートを逐一チェックしている訳ではないのでごまかせていると思っているかもしれませんが、分かっています。

そういう行動を今まで取ってきた結果が、現状であるということを理解しなくてはいけません。学校でも塾でもごまかせていると思っているのは自分だけです。そういう人は入試本番で、ごまかしが効かないことに気づくことになります。

塾に通うことを今までの自分を変えるきっかけにしようと思って、通塾しなければ何も変わりません。

誠実さが無ければ、結局はどこかで破綻してしまうのです。これは勉強だけでなく、なんにでも言えることです。そういうことを何より大切にしてほしいと思います。


5月23日 6月の予定

6月の予定表をアップしました。

3年生理系は定期考査明けから
「全員共通の講座」「数学Vの演習講座」「数学TAUBの演習講座」に分けます。
どの講座に出席するか、進路のことも含めて6月中旬頃に面談をしたいと思います。
出来る限り明確な目標を持って、夏を迎えてほしいと思います。


5月25日 下準備

6月の初旬に県総体があり、全国大会まで進まなければ、そこで部活が引退になる高校3年生が多いのではないかと思います。引退してから勉強を頑張ろうと思っている生徒もいるかもしれませんが、出来る限り早く取り掛かってもらいたいものです。

特に苦手だなと感じる分野は、出来るだけ早く復習をして克服しておかなければなりません。苦手分野を潰しておけば、授業で同じ分野を勉強したときに理解の度合いが変わってきます。今日出来ることが増えていれば、明日の勉強が効率の良いものになる可能性があるのです。

勉強を早く始めた方が有利だというのは、分かることが多いことで更に出来るようになるという面もあるからです。これは3年生だけの話でなく、1、2年生にも言えることです。分からないことを後でまとめてやるのではなく、出来る限り苦手なところを無くしていくように復習をしてほしいと思います。

既に部活を引退している3年生の生徒には塾の授業前に来てもらって、苦手範囲の穴埋めを行っています。生徒毎に苦手範囲が違っていたり、時間の都合などもあるので、小集団で教えたり、個別で教えたりして対応しています。

8月に必死に勉強して力を伸ばすためには、今のうちに基礎的なことを身に付けておくことが大切です。


5月26日 実験

5月は定期考査や修学旅行などがあり、2年生が全員揃って授業を受けられないときが多かったため、全員揃ったときは「三角関数」の授業をして、全員揃わないときは復習をしたり、今までに習った分野の発展的な内容を取り扱いました。

今回、発展的な内容は実数条件をテーマに授業をしたのですが、高校数学の中でも難しい考え方になります。問題を解くだけだとそれほど難しくないのですが、完全に理解できている生徒はそんなに多くないように感じます。

私がこの分野を教えるときは、実数条件がなぜ使えるのか、なぜ必要なのかを、出来る限り具体的な場合を考えることで理解してもらおうとしています。分かり難いことを考えるときは一般的にだけ考えるのではなく、具体的な数で考えてみるということが大切になります。数学は一般化を求める学問ですが、理解を深めるためには実験的な思考も必要になります。

実験的な思考は、数学だけに限らず他の科目でも、社会に出てからも必要になる能力です。勉強を通じて、そうした能力も高まってくれれば良いなと思って指導しています。




5月27日 誠実な人

6月初旬に県総体があるため、運動部に所属している塾生たちは肉体的に辛そうな日々を送っています。

出来る限り休んだり遅れたりしてほしくありませんが、部活をしている生徒の状況も理解できるので、大会前で延長練習などがある場合などは、授業のコマを移動させて対処をしたり、コマが動かせないときは遅れてきてもいいよと声をかけることもあります。

前回の授業の時に19時半からのコマの授業を受ける生徒が、大会前の延長練習で学校を出るのが19時半になるというので、遅れていいから気をつけて来るように言っていたのですが、19時25分に塾に来ました。

「今日は、遅れるんじゃなかったの」と聞いたら、「片付けや着替えを急いで頑張って来ました」と言っていました。遅れてもいいと言われても、それを当然と思わない誠実さに感心しました。

何より大切なのは怪我をしないことなので、遅れても安全に来てくれればいいのですが、出来る限り努力をしている姿を見ると、信頼を覚えるのも確かです。


5月28日 長話

卒業生が来て話をしていたら、日をまたいでしまいました。

私が学校時代に関わった生徒で、大学院に進学したり、就職をするという人たちも増えてきました。そういう人たちと話をすると、個人で異なった体験にはなるのでしょうが、高校時代や大学時代に感じること、就職して思うことは、時代が変わっても共通点があったりするようです。皆、同じように悩みや苦しみを感じているのだなあと思います。

話をしても解決することがないようなことでも、話をするだけで救われる気持ちになることもあります。そういう存在がいてくれるという幸せもありますが、自分が誰かのそのような存在になれるということも幸せだと思います。

学校や塾で関わっているときは、誰と付き合いが続くかは分からないので、出会いは不思議なもんだなと感じます。


5月29日 教員採用試験(愛媛県の場合)

昨日、塾を訪ねてきてくれた卒業生は、愛媛県の教員採用試験を受けるらしく、今は教科の勉強や、面接の練習をしているようです。とても真面目で、思いやりもあって教員に向いていると思うので、是非合格してもらいたいと思います。

ここを読んでいて学校の先生を目指している人がいるかどうかは分かりませんが、教員採用試験について書いておきます。

愛媛県の場合は教員採用試験は年に1回となっていて、7月に一次試験があり、合格すると9月に二次試験があります。

一次試験では、ペーパーテストと集団討論などがあり、高校の場合、配点は以下のようになっています。

100点:一般教養(中学校の範囲の国英数理社),教職専門科目(法律など)
400点:専門科目             
300点:集団討論,面接          

合計800点

ただし、大学時代に部活動で全国大会に出場したり、青年海外協力隊に参加して外国で2年以上ボランティア活動をしていた場合などは、800点とは別枠で最大50点まで加点されます。

加点が外枠で発生するため、体育など元々の採用枠が少ない科目の場合は、加点が無い場合は合格するのが難しい仕組みになっています。また、集団討論と面接の配点が300点と大きいのですが判断基準が不明のため、ここに時間を割くよりは専門科目できちんと点数を取れるように勉強した方が合格の可能性が高くなると思います。

二次試験は、作文と面接になっています。合否判定は一次試験のときの点数を0.1倍して80点満点として換算して合計で合格が決まります。

20点:作文
20点:面接
80点:一次試験×0.1

合計120点

一次試験の配点などはホームページで調べたのですが、私が教員採用試験を受けていたときは加点の上限が100点だったように思います。このように配点等は変更されている可能性があるので、二次試験の配点も当時と変わっているかもしれません。(二次試験の情報は、合格した人にだけ書類がくるため、募集要項には書いていませんでした。)加点の部分が合否判定に左右されるのかどうかは不明です。

学校の先生を目指す人が教員採用試験に不合格となった場合は浪人となるわけですが、働かずに勉強だけしている人は少ないようです。不合格になった場合、講師名簿というものに名前が載ります。そこに名前が載ると3月末の人事異動の時期に、講師枠というものが発表されるので学校から連絡が来て、講師として働きながら正採用を目指すというのが一般的な流れになります。

どのようにして、この講師を選ぶかという話ですが、それはまた今度にします。


5月30日 学校の講師になるには

昨日の続きになりますが、学校がどのようにして講師を選ぶかですが、ハッキリ言ってしまえばコネです。コネというと聞こえが悪いような気がしますが、これは非常に合理的で、仕方の無い部分もあることなのです。

講師として働いている人は基本的には一年契約になります。普通の会社で言えば、派遣社員と同じような扱いで、教員で枠が埋まってしまえば来年度は同じ学校で働くことが出来なくなります。早めに対処をしておかないと、生活が立ちいかなくなります。

そのため、既に働いている講師の方は、当該校の校長が次年度の講師の口を見つけてきてくれることがほとんどです。高校の教員の人事権は、県の教育委員会にあるのですが、そのベースは各高校の校長の話し合いで作ります。辞令が出る前に校長だけが人事についての情報を持っているわけです。

毎年、1月頃の話し合いで、校長の力関係によって欲しい教員を引っ張って来るということもあるようですが、教員と講師の枠はどの学校もある程度均等に割り振られることが多いようです。教員の枠は急な病気や、申告していない産休の場合を除いて確実に埋まりますが、講師の枠は早めに動いておかないと埋まらず、最悪人員が足りない状態で新年度が始まります。そうなると、現場の負担が大きいものになるのです。そういう理由もあって、来年度以降も働いてくれる可能性が高い講師経験者には声がかかりやすくなっているという面があります。

しかし、コネで講師を選ぶ理由は、それだけではなく、どのような人なのかが分かっているという点が大きいように思います。

講師は制約はあります(高校の場合、原則担任業務は出来ない、単独での生徒引率は出来ない)が、学校で働く以上、他の教員と同様に授業を行い、生徒の指導をして、部活動も見ます。能力や適性が全く分からない人を、呼んでくるというのは学校としてはリスクがあります。ですから、ある程度情報がある人に優先的に声がかかるというのは、合理的だと思うのです。

将来的に教師になろうと思っているけれど、教員採用試験に不合格だった場合、自分の母校に挨拶に行ったり、高校時代の担任の先生が転勤していれば勤務校を調べて会いに行くというのは立派な就職活動になります。

そういう活動と平行してやっておいてほしいのは教科の勉強です。採用試験のためというだけでなく、講師として現場に出たときに、生徒に迷惑がかからないレベルの学力を保持しておくことは最低限のマナーだと思います。



松山数学塾
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TEL 089-948-8908