日記・予定表


基本情報


塾の情報

2016 4月


4月1日 増設

新高校1年生のクラスを増設するので、4月の授業時間を大きく変更することになりました。
クラスを増設といっても、1クラスに生徒が入りきれないというような事情ではありません。

体験授業で指導をしてみて、高等学校と中高一貫校で勉強の進度がかなり違うので、こちらの判断で別に教えることにしました。

当塾ではこのような措置は今回限りではなく、授業のコマが組めるのであれば、出来るだけクラスを細分化して指導をするようにしています。昨年も高校3年生を3クラス作って、変則的に通ってもらうようにしていました。

一人で運営しているので出来ることには限界がありますが、今後も対応可能な範囲で、通塾する生徒に最も良い形にしていきたいと考えています。


4月2日 それは指導と言えるのか

今日は他塾の春季講習に行っていた生徒が、別の塾も見てみたいということで、当塾に体験で指導を受けに来ました。

春休みの課題の範囲を一通りは指導を受けているとのことなので、おそらく知識的に足りていないであろう部分を重点的に指導をする予定でしたが、課題を解いたノートを見せてもらって、根本的にやり直さないとダメだと感じました。

あまり他塾のことを悪く言いたくはないのですが、その生徒が春季講習で行っていた塾は基本的に分からないところを教えてもらうというスタイルのようでした。

ハッキリ言いますが、高校1年生の初期に、生徒に教科書を読ませて分からないところのみ指導するというのはよくありません。公式を丸覚えする癖がついたり、本当は分かっていないのに分かっていると勘違いして、高校数学の基礎部分が壊れてしまう危険性があるからです。

更に言うと、その生徒に教えた指導者は一般的ではない自己流(しかも数学的な流れを無視している)の解法を教えていて、絶対に教えないといけないところは教えていないという状況でした。

当塾のやり方のみが正しいとは思いませんが、地方には高校以上の数学をきちんと理解して、大学入試を見据えて教えられる塾はそれほど多くないと思っています。

数学の指導をするということは、公式を覚えさせるとか、問題の解き方を教えるというだけのことではありません。

論理的な思考力をつけるために、数学という学問を媒介として、考える力を鍛えることが指導だと考えています。

塾に求めるものは生徒それぞれ違うかもしれませんが、当塾ではそういうことを目標としてやっています。


4月3日 感受性

数学の勉強をしていると、たびたび感動する場面に遭遇します。

私が特に感動を覚えるのは
「全く関係ないと思われていた事象が、実は密接な関係を持っていたとき」
「複雑な事象をシンプルな式で表現できたとき」
「簡単な事象の裏に、複雑な式が隠れているとき」
などです。

これ以外にも、他にも様々な感動するポイントが存在します。そういう内容は何度授業をしても、その度に心を打たれます。特に数学Vでは、それまでに習ってきたことが全て集約されるので、感動する点が多々あります。

数学Vまで勉強を進めていなくても、高校に入って直ぐに習う数学Tでも感動できる内容は存在しています。指導の際にはそのような感動することを紹介したり、数式をどのように表すと美しいかなど、一見受験に関係がないようなことも話をします。

内容的には受験に直接関係無い話もするので遠回りのように感じるかもしれませんが、数学の力を付けるためには、数学に感動したり、美しさを感じられる心を育てることが必要だと思っています。


4月5日 言葉の違い

私達が日常で使っている言語は、作られたものではなく自然発生的に生まれたものに由来しているので「自然言語」と呼ばれます。

それに対して、数学で使われている言語は、論理体系を考えるために人工的に作られた言語なので「人工言語」と呼ばれます。

数学で使われる「人工言語」とは言っても全く未知の言語ではなく、日本で数学を勉強をするにあたっては、日本語をベースに作られています。

そこで気をつけなければいけないのは、同じ言葉であっても「自然言語」と「人工言語」では意味が違うものが存在するということです。

有名なものとして「または」という言葉があります。
自然言語の「または」は「どちらか一方」という意味になりますが
人工言語の「または」は「どちらか一方」と「両方」という意味になります。

その他にもこのような事例はあるのですが、大切であると思うことの一つに「解」と「答え」は違うというものがあります。

日常において「解」と「答え」は同じ意味で使われますが、数学においては全く別のものとなります。「解」とは何なのかを明確に理解しておかなければ正確に答えられない問題があるので、当塾ではその違いについて相当しつこく説明します。

今日はその話を始めて高校1年生にしましたが、高校2年生で始めから通塾していた生徒は、昨年1年間で嫌というほど言われたことだと思います。

このような一見軽視されがちな部分にこそ、数学の本質的なことが含まれているのだと考えて指導をしていきます。


4月6日 4月8日以降の高校1年生の入塾について

明後日が始業式&入学式ですので、当塾での春期講習は明日までとなります。

高校1年生は3月後半から講習を進めてきましたが、明日の授業で「数学T」の第1章が7割方終わる予定です。ページ数で言うと、進学校で使われている教科書の40ページ分程の分量になります。

入学前にこれだけ勉強を進めておくと、春休み中にあまり勉強をしていない生徒との差はかなり大きなものになります。ただし、これで終わりではないので、学校が始まってからも定着のための復習、その先の予習と、生徒が手を緩めることが無いように指導をしていきたいと思います。


さて、高校生活が始まってから、塾を探し始めるという方もいると思いますが、当塾では途中入塾も受け付けています。

ただ、上記のように、既に塾に通っている生徒とは進度面でかなり差が付いています。これから入塾をお考えの新高校1年生の方は、通常の授業の他に、追いつくための補講を受講していただくことになります。

ここ数日の日記にも書きましたが、数学は始めの分野できちんと基礎を身につけないとその後の内容が身につきません。

当塾の進度は基本的には学校より早いので、入塾のタイミングが遅くなるほど追いつくための補講の量が増えてしまいます。もし、入塾をお考えの方がいましたら、早めのご連絡をお待ちしています。


4月7日 補講をします

当塾の春季講習は今日で終わりました。明日は入学式もあるので1日休みにして、明後日から授業を再開します。

新しい区切りの日には頑張ろうと思えるものですから、どの学年の生徒も「さあ頑張ろう」という気持ちで新学期のスタートを切ってもらいたいなと思います。


さて、当塾では、苦手な分野がある生徒に対して個別指導を行ったり、集団で補講を行ったりすることがあります。

特に高校3年生は受験まで時間が無いので、これから補講の機会を多く作りたいと考えています。さしあたって、4月12日から授業後、毎日40分程度補講を行っていきます。

分野は「数列」「三角関数」「ベクトル」を予定していて、順に指導をして5月の半ば頃までに終わらせたいと思っています。夏に本格的な演習に入れるようにするためには、今の時期に頑張って、ある程度基礎を固めておかなければなりません。

補講に参加する、ある生徒に
「毎日だからハードだけど頑張ろう」と言うと
「1、2年の時にサボってたツケが回ってきたんで、しんどくてもやるしかないです」
と返ってきました。
そういう気持ちを1年間持ち続けて、必死で努力をしてもらいたいと思います。

高校1、2年生はこの先輩の言葉を胸に刻んで、毎日コツコツ頑張りましょう。


4月9日 謙虚

当塾では一般的な公立高校の授業よりも先行して授業を行っています。

勉強は、どの科目であっても、先行している者が絶対に有利になります。そのことが知られているからこそ、進学に力を入れている中高一貫校では出来るだけ早く授業を進めようとしているのです。

例えば、塾で学習をして先の内容を把握していることで、学校で今やっていることの意味や必要性が分かり、知識の連結をもたらすという効果があります。内容を知っていると、初めて習う生徒よりも格段に多くのことを理解することが出来ます。

それと、早く学ぶことでなにより有利になるのは、定着までにかける時間を多く取ることが出来るという点です。定期考査ギリギリまで授業を進められたときなど、ほとんど定着していない状況でテストを受けて悲惨な結果だった経験がある人も多いのではないでしょうか。

ここで私が言いたいのは、勉強を塾だけでやったとしてもあまり効率が良くないということです。塾で既に習っているので、学校の授業を聞かないという生徒がいますが、それは非常にもったいないと思います。既に知っていることでも、自分が勘違いをしていないか確認をしたり、新たな発見が無いか注意深く説明を聞くことで、内容をより深く知ることができる可能性があります。

当塾では、内容を知っていたとしても、学校の授業をしっかりと受けるように生徒に伝えます。もしかしたら塾で習ったやり方よりも、より生徒に合っている考え方を学校で学ぶことが出来るかもしれません。そういうチャンスを逃さないように、全ての機会を活用してもらいたいのです。

また、当塾では、数学が苦手だという生徒には、基礎的なことを一から指導していきますが、そういう時には、分かっていることでも確認のためにしっかり聞くようにと言います。本人は分かっているつもりでも、分かっていないことがあるからです。

勉強が出来るようになるためには、謙虚な心で学ぼうという姿勢が大切です。どれだけ勉強が出来るようになってもその気持ちを失わないでいたいものです。


4月10日 出来るようになるために

今日の1年生の授業は、これまでに塾で習った高校の内容をテストしてみましたが、あまり出来ていませんでした。生徒たちは、説明されたときには解けて、出された宿題を真面目にやってきていますが3割〜6割程度の正答率でした。これは予想通りで、それくらいの出来だろうなと思っていました。

それは「宿題をする」以上の勉強はまだ出来ていないなと思っていたからです。「宿題をする」ことはもちろん大切なのですが、ノートを見ながら「宿題が出来た」だけではダメなのです。「宿題をする」というのは「勉強が出来るようになる」ための手段の一つであって「宿題が出来た」としても問題が解けるようになっていないのであれば、自分で考えて更に演習を行わなければなりません。

今まで多くの生徒を見てきましたが、自分の意思で全教科に対してそこまでストイックに勉強に取り組めている生徒は400人に1人(大規模校で学年に1人)程度だと感じます。

ですから、当塾では授業中に復習をさせたり、課題を出して復習をさせていきます。学年が下になるほど強制的に復習させる量は多くなります。

これは、どれくらい復習をすれば身に付くのかということを把握していない生徒が多いからです。始めはこちらがやらないといけない量を教えることで、やらないといけない量を徐々に理解していってもらいたいのです。

勉強は自分自身で行わなければならないということを伝えて、生徒が自立できるような手助けが出来る塾でありたいと思っています。


4月12日 進路の話

年度初めということもあり、各学年、面談を行っていきます。

生徒の希望や状況が変わってくれば指導も変化させないといけないので、当塾では定期的に面談を行い、学習内容の微調整を行います。

基本的には生徒の考えを尊重して進学先を考えたり、これからの勉強の仕方の話をしますが、現時点の学力と志望している大学に必要な学力の差が大きいときや、希望している職業への適性があまり無いと感じる場合は、他の大学や学部の提案をすることもあります。

自分の人生なので人にとやかく言われたくないと思う生徒もいるでしょうが、他の可能性を排除せずに色々と考えられるようになってもらいたいと思います。勉強でも進路でも、話を聞いたら一度は自分の中に入れて考えて、納得をしてから結論を出すという手順が大切なのではないでしょうか。

考えを変えることをかっこ悪いとか、優柔不断だと思う人もいるようですが、まだ高校生なのですから、考えが変わっても、なかなか決められなくてもいいのです。

また、「なりたいもの」や「やりたいこと」という理想の中からしか進路を考えられない生徒がいますが、それと合わせて「自分の適性」も考えるようにしてもらいたいと思っています。

進路を考えるときに、得意な教科や好きな教科があるのならば、それを使って受験できる大学を調べてみるといいと思います。その中に、興味を持てるものがあるかもしれません。

「やりたいこと」を優先して進路を考えると、理系教科が苦手なのに「数学はVまで必要」「理科発展が2科目必要」というような学科を志望することになり、かなり厳しい場合があります。

苦手だったらやらなくていいということではありませんが、苦手な分野で勝負をするよりも、得意教科を伸ばして自分の適性がある方向に進む方が、進学先や就職したときに活躍しやすいのではないかと思います。

今日、ある生徒に、君はこういう職業に適性があるかもしれないねと話をしたところ、全く考えたことが無かったと言っていました。その職業に就いた方がいいとまでは思いませんが、将来を考えるときに、選択肢の一つにしてもらえればいいなと思います。


4月13日 利用して下さい

当塾はそこまで広くはありませんが自習室を用意しています。

次の授業までの時間を過ごすために利用する生徒が多いですが、塾の無い日でも自習室を利用してもらって構いません。

昨年度の自習室を利用している生徒の割合は、圧倒的に高校3年生が多かったのですが、今年度も高校3年生になった生徒が自習室で勉強する姿が徐々に見られるようになって来ました。

自分の家で集中して勉強が出来ることが理想なのですが、勉強するための環境が整っていない生徒もいると思います。そういう生徒は、勉強をしないといけない、勉強しかすることが無いという環境として自習室を利用して下さい。

塾のある日は22時30分位までは教室は開いていますので、安全に帰宅できるのであれば、その時間まで残ってもらっても大丈夫です。


4月14日 シラバス

高校生にはあまりなじみが無い言葉かもしれませんが「シラバス」というのは「授業や評価方法など教育活動の計画書」のことです。

愛媛県ではほとんどの公立高校のHPでシラバスを公開していますが、高校生や保護者の方で各高校が出しているシラバスを確認している人は多くないと思います。

大学と違って高校では学習内容は学校に任せることが基本となりますし、経験が無ければシラバスを見ても内容が良いのか悪いのか判断は難しいので、あまり見る人もいないのかなと思います。

しかし、塾を運営していて、更に学習計画を立てるような立場にいる者にとっては、各学校のシラバスは非常に重要な情報源となります。

毎年、年度初めに各学校のシラバスを確認しているのですが、毎年更新する学校もあれば、ずっと据え置きの学校もあります。そういうところで学校の考え方も分かりますし、次のようなことに気づくこともあります。

ある学校では以前は「数学T」と「数学A」を並列で教えていたのですが「数学T」→「数学A」のように直列に教えるように変わりました。
また、ある学校では以前は「数学T」の内容を全て終えてから「数学A」を教えていたのですが「数学T」「数学A」の各分野を交互に教えるように変わりました。

どちらが良い悪いとかではないのですが、このように教え方が変わる可能性があるので、確認をしておくことは塾には必要だと思っています。

ただ、気をつけないといけないのはシラバスは絶対に守らないといけないものではないので、書いてある通りに学校が進めないこともあります。また、見ていると絶対に受験に間に合わないような内容が記載されている学校もあります。

そういう事情もあり、学校に合わせることを目標とした指導は行わないようにしています。

受験に向かって勉強していくのに最も適した指導を、目の前の生徒を見ながら調整していくことを心がけています。


4月15日 信頼関係

とある生徒と話をしていると

「先輩から聞いたのですが、学年が変わって担当になった○○の先生の教え方が分かりにくいらしいので、自分で勉強を進めようと思うのですが、どの教材を使ったら良いですか?」

というような話が出てきました。

新年度になって、このような情報が入ってくる人もいると思います。自分で勉強を進めようという意識や、情報を手に入れようとするのは良いことなのですが、気をつけないといけないことがあります。

先生と生徒は信頼関係が得られないと、学習効率が下がってしまいます。信頼できる先生であれば難しい話でも聞こうと思えますが、信頼できない先生の話というのは聞いても頭に入りにくいものです。

無理にでも先生を信頼しろということではないのですが、先入観で始めからダメだと決め付けてしまうと、本当はきちんと教えてくれているのにも関わらず、内容が頭に入らないかもしれません。

先生に限らず人と付き合うときには、先入観や第一印象に捉われず常にフラットな感覚を持って接する方が、自分の成長の機会が増えるように思います。

ただ、どうしても教え方が自分と合わない先生もいるので、そういうときには全て自分で勉強しなければなりません。与えられた環境をどのように活かしていくのかを考えることも、成長するためには必要なことだと思います。


4月16日 始めが肝心

愛媛県の公立高校は、春休みの課題テストを実施する学校がほとんどです。特に高校1年生にとっては高校での始めてのテストとなるので、事前にしっかりと勉強をして良いスタートを切りたいところです。

今日、1年生の生徒が数学のテストを持ってきて「なんだか、すごく簡単でした」という感想を聞かせてくれました。

「でも、あまり出来ていない人も多かったんじゃない?」と聞くと
「そうです。皆、出来ているってわけじゃなかったです」と言っていました。

一番初めの分野で、範囲もそんなに広くないので内容的には難しくないのですが、計算や式の意味をきちんと理解をしていなければ出来ない問題が出題されています。この部分でつまづいてしまう生徒が多いので、当塾では相当しつこく説明しますし、問題演習もかなり多くやらせます。

その生徒が「すごく簡単」に感じたのは、きちんと理解をして、何度も繰り返し練習していたからです。始めに、このような勉強のスタイルを身につけて習慣化していけるかどうかが、高校数学がモノになるかの分かれ目になります。

今回出来ていても、これから先、高校数学は難易度が一気に上がってきます。油断をせずに、コツコツと勉強を続けていってもらいたいと思います。


4月19日 生徒側の調整

高校3年生の生徒から
「2年生のときと比べて、学校の宿題や予習の課題の量がものすごく増えて最近大変です。」
というような話をされました。

更に話を聞くと、受験で使わないと考えている教科でも宿題の量が多く、宿題だけで1日が終わってしまうということでした。

高校3年生になり、本格的な受験勉強をしていくときに考えておかなければならないのは、勉強の計画を人任せにせず、自分で立てるということです。

学校の指導は基本的に前年度までのやり方を踏襲することが多く、補習などで生徒を拘束する学校と、自主性に任せる学校があります。また、それに加えて担当となった先生の考え方によって、具体的な指導の仕方が変わってきます。

生徒を拘束しない学校や先生であれば、自主的に勉強をする意識を強く持って計画を立てなければいけないでしょう。

生徒を拘束する学校や先生の場合、強制的に勉強時間を確保してもらえるのは良いことなのですが、自分の受験に必要無い教科や、必要無いハイレベルな内容を強制される可能性もあります。

ハイレベルなことを学習することは無駄では無いのですが、それに時間をかけるだけの余裕があるのか、また、基礎的なことを習得できていて学習して意味のある状況なのかは考えなければなりません。

学校では全体にとって簡単すぎることや、難しすぎることは普通はあまり指導しません。ですから、現在の自分の状況を考えて、どこまで学校の勉強を利用するのかを生徒側で調整するべきだと思っています。課題や予習に対しての取り組み方で言えば、力を入れるものと力を抜くものを選別することも必要です。

こういう話をすると勘違いをする人がいるのですが、高校1、2年生の段階では受験に使う気が無いからといって嫌いな教科の勉強をやめてはいけません。本来、勉強は受験のためだけにするものではありません。各自の考え方や、生き方の幅を広げるために様々なことを勉強することが大切です。


4月20日 問われているもの

数学の試験において、高校入試と大学入試では、大きな違いがあります。

過去の愛媛県の県立高校入試を例にあげると、作図、文章問題、証明問題の3題においては、問題を解く過程に点数が与えられますが、それ以外の問題は答のみに得点が与えられます。途中が間違っていて、たまたま答が合っていた場合でも得点が与えられます。

対して、大学入試の場合は、記述式の試験では答が合っていたとしても、論理的な説明が出来ていなければ点数が与えられません。中学校まで数学が出来ていた(試験で点数が取れていた)生徒でも、なんとなく問題を解いていたり、ただ解法を覚えていたような場合は、説明をするという部分でつまづいてしまうことがあります。

また、内容をしっかりと理解できている生徒であっても、それを表現して相手に伝えることが出来ていなければ、大学入試では通用しません。特に男子生徒に多いのですが、文字が雑であったり、日本語をほとんど書いていなかったり、順序立てて書けていなかったりして解答が読みづらい場合があります。こういう解答は、採点の時に不利になると思ってください。

当塾では、少し難しめの問題の演習をさせることもありますが、そのときの採点は全て私が行います。解説を行うときには、内容の指導だけでなく、上記のような点も指導を行っていきます。

ただ、これは言われたからといって直ぐに直るものではありません。文字を丁寧に書くことや、相手に分かるように伝えることは、普段の生活の中から現れてくる部分です。記述式の試験は総合的な人間力を問われているのだと思って、普段の行動を考えてもらいたいと思います。


4月21日 睡眠時間

生徒から睡眠時間はどれくらいが適性ですかと聞かれることがあります。

私の意見ですが、万人に当てはまる答は無いと思います。睡眠時間が少なくても平気という人もいれば、多く取らなければ日中起きていられないという人もいるでしょう。

高校では、中学と比べて授業の進度も早いですし、内容も難しくなります。そのため、睡眠時間を削って宿題や予習をする生徒がいます。

今まで、学校時代も含めてそのような生徒と関わったことがありますが、頑張って睡眠時間3〜4時間で勉強をしているという生徒の中には、体調を崩したり、睡眠障害になり日中起きていられないといった症状に苦しむ者もいました。

勉強のために睡眠時間を削るのであれば、まずは睡眠以外の時間を出来る限り削ってみて、それでも宿題や予習を全て出来ないのであれば、どれを優先的にやるかを考えて、出来ないものは諦めるべきだと思っています。

勉強をすることや学校へ通うことの目的は、幸せになるためではないでしょうか。私の考えでは人間にとっての幸せは、健康であること、生きることなので、それを失ってまで勉強をするべきでは無いと考えています。

目標のために必死に頑張るのは良いことかもしれませんが、自分にとって可能なペースでなければ長続きしません。限られた時間の中で出来ることを考えるというのも大切なことだと思います。


4月22日 管理

予定表を見てもらえれば分かるのですが、4月の中旬から授業後に毎日30〜40分程度、補講を行っています(授業後の赤くなっているところ)。

高校3年生で苦手分野があり、安全な通塾手段がある生徒を対象に行っているのですが、間にポツポツと補講を行わない日も入れています。

更に延長をして22時30分や23時まで毎日補講を行う方が成績は上がるかもしれませんが、そんなことを瞬間的に行っても、こちらも生徒も長続きしないので、1日の量は少なめにして、少しずつ休みを入れながら行っています。

部活動をやっている生徒は6月までは忙しいでしょうし、新学年になって環境も変わるので、そろそろ疲れが溜まりやすい時期になっています。学校に関わる分の体調管理は生徒自身が行わなければなりませんが、塾に関わる分は指導する側も生徒の体調管理を考えなければならないと思っています。

また、高校3年生は、体調面だけでなく精神面での管理も大切になってきます。高校3年生になると、受験生になったという盛り上がりで急に頑張り始める生徒もいるのですが、長続きしないことが多いように感じます。

これから受験が近づくにつれ、体調管理も精神管理も難しくなってきます。自分一人でどうしようもないときは、周りの助けも借りて無理なく継続できる環境を整えていってもらいたいと思います。


4月23日 勉強することの意味

少し前の話なのですが、大学生が塾の作業を手伝いに来てくれたときのことです。作業が終わって解散となったときに、大学生の一人が、英語の試験を受ける予定なので自習室を使わせてくださいと言ってきました。

私の大学時代を振り返ってみても、大学生になっても努力を継続して頑張れる者と、大学生になると勉強をしなくなってしまう者の二極化が激しいように思います。

勉強することは、大学へ合格することだけが目的ではなく、また、会社に就職することだけが目的でもありません。社会に出て活躍する力を付けるためには、このように努力を継続する姿勢が必要なのだと改めて考えさせられました。

この前の段階で、高校に入って勉強をしなくなってしまう生徒も少なからずいます。今だけ楽しく過ごすのではなく、これから先どのように生きていくのかを考えて日々の行動に移していってもらいたいと思います。




4月24日 5月の予定表

5月の予定表をTOPページにアップしました。

5月は中旬に考査がある学校が多いので、授業をゴールデンウィークなど前半に多めに入れています。

これは定期考査対策の勉強をその時期に行うということではなく、定期考査中は塾の授業を進めることが負担になるため、5月の前半に進められるだけ進めるということです。

当塾では、基本的には授業で定期考査の対策は行いません。定期考査前に質問があれば対応しますが、過去問を渡したり、予想問題を作成するようなことはしません。

これには、いくつか理由があります。

当塾は、数学の実力(考える力)を付けることを指導の前提としています。推薦で大学に行くことを否定はしませんが、一般の試験で合格する力を付けることを目標にやっています。そのためには、その場しのぎの指導ではなく3年間を通じて一貫した指導が必要だと考えています。ですから、配慮はしますが、完全に学校に合わせた指導とはならないことがあります。

また、復習を自分で考えて行ったり、定期考査のスケジュールを見て勉強の計画を立てることは、高校生になれば一人で出来るようになるべきだと思っています。入試に向かって行う勉強はアドバイスはもらったとしても、計画を立てて実行するのは自分自身です。日ごろからそのような意識を持ってもらいたいという思いもあります。

最後に、大学入試では一般入試では内申点は不要ということも理由の一つになります。高校入試では内申点が入試で大きな比率を占めるので定期考査で結果を出すことが重要になります。もし、当塾が中学生を対象としているのであれば、定期考査対策を行うことになると思います。


何度も書いていることなのですが、合わせて書いておきます。

塾では定期考査の対策を行いませんが、定期考査の勉強をしなくて良いということではありません。結果だけを求めるのではなく、目の前の試験に必死で努力をして、自分の実力を伸ばすことを求めてもらいたいと思います。


4月25日 表記は正確に

数学には問題を解く以前に守らなければならない「表記のルール」というものがあります。指導していると「表記のルール」を徹底できていない生徒を見かけます。ルールを守れていない理由は、何故そのようなルールがあるのかが理解できていないのではないかと思います。

最近授業中に見たのですが、計算の途中で「x・(-5)」という式が出てきたときに「x・-5」と書いている生徒がいました。案の定、次の行で「-5x」では無く「x-5」と間違って書いていました。

これはそのように書くと間違いやすいからダメというだけでなく、四則演算の記号を連続して書くと数式の処理が「エラー」となってしまうからダメなのです。

このようなちょっとした(本当はちょっとではないですが)省略や、自己流の表記を続けていると、数学が壊れる原因になります。

数学のルールには守らなければならない理由があります。単純な計算処理でも、感覚や勢いに任せて行わず、何故そのようになるのか意識をして練習すると、機械的に反復練習するよりも数学の力が付いてきます。


4月26日 あえて

数学の面白いところの一つに、答までの道筋が色々と存在するということがあります。参考書を読んでいると、同じ問題でも出版社によっては違うアプローチをしていることもあり興味深いです。

問題の解説を行うときに、どの解法を生徒に伝えるのかは指導者の考え方に大きく左右されることだと思います。

ちなみに、私が問題解説の時に意識しているのは
@ 論理的に正しい
A 考え方が他の問題にも使用できる
B 生徒がその解法を思いつく
という点です。他にも伝えたいことはあるのですが、まずはこの3点を重視しています。

問題解説の授業では、あえて、始めに簡単な解き方を教えずに少し回り道をすることもあります。解法の最短距離だけを伝えてしまうと、その途中で手に入るはずの大切な考え方を伝えられないことがあるからです。

問題が解ければ良いというだけではなく、1問からより多くのことを学べるように意識して授業を行っています。




4月27日 冠婚葬祭

当塾は、数学の指導がメインとなりますが、英単語テストをしています。英語が出来ないという生徒は単語を覚えていないことがほとんどで、習慣付けを行いたいという思いで実施しています。

今日のテストで生徒が興味深い間違いをしたのでその話を。

和訳の正しい答えが「結婚式と葬式」のところを「冠婚葬祭」と答えた生徒がいました。一見良さそうですが「冠婚葬祭」は「結婚式と葬式」以外も含んでいるのでダメだよねという話をした後、「冠」って何か分かる?と聞くと、分かりませんという答が返ってきました。

それから他の生徒も話に入ってきて「冠」は分かりますけど「祭」ってなんなんでしょう?というような話になりました。

受験そのものには必要の無い知識かもしれませんが、日常生活ではこういう知識を知っておくことは大切です。そして、知識も大切ですが、興味を持つという過程も大切です。

それって何だっけ?という気持ちや、何故そうなるんだろう?という気持ちが自然と沸きあがってくるようになると勉強がより楽しくなってくると思います。


4月28日 大幅変更

5月の授業予定を大きく変更しました。理由は、部活動の関係や、他の塾に通っている生徒がどちらの塾にも通えるようにするためです。

当塾では、授業の曜日を固定しようとはしていますが、出来るだけ多く授業を入れようとする関係で、曜日が固定できないことの方が多いです。

また、授業数を均等にするために、月によって授業の曜日が変わる可能性もあります。

新たに部活動に所属した場合や他の塾に通い始めた場合などは、出来る限り配慮をした予定を組みますので速やかに連絡をしてもらいたいと思います。


4月29日 得点開示

センター試験の後、どの大学を受験するのかはデータを基に考えますが、データだけで大学を決めることはお勧めしません。

センター試験で点数が取れすぎた場合や、想定していたよりも取れなかった場合には、考えていなかった大学を受験することになるかもしれませんが、そのときは現時点の実力に加えて、2次試験までの1ヶ月でどれくらい成長するのかも考えなければなりません。

どれくらい伸びるのかを生徒自身で判断することは困難ですが、それは指導者にとっても困難です。生徒の成長は、能力だけでなく性格も含めて総合的に考える必要があり、大学の合格ラインを越えられる力が付くのかを判断するためには、経験が必要になってきます。

もちろん世の中に同じ人間はいませんから、過去の生徒と同じデータになることは無いのですが、自分で実際に教えた生徒がどれくらい伸びて、本番でどれだけ点数を取って合格(不合格)したというのは、指導者の経験値として貴重なものになります。

そういうわけで、卒業生には大学入試の得点が開示されたら教えて欲しいとお願いしています。

今日は今年卒業したばかりの生徒が成績の報告に来てくれたのですが、その生徒の通う大学は合格者の得点開示はしていないということで、2次試験の結果は知ることが出来ませんでした。

知ることが出来たのはセンター試験の結果のみだったのですが、聞けば合計点が4点ずれていたそうです。

センター試験では、こうした多少の得点のズレはよくあることなのですが、現役生はマーク模試のときに自己採点をして、大きなズレが出ていないかを確認しておかなければなりません。データがあってもそれが間違っていれば、その後の予測も何の意味もありません。

高校3年生はこれから本番までに多くのマーク模試を受けることになります。自分の人生に関わることなので、毎回、自己採点まで真剣に取り組んでもらいたいと思います。


4月30日 あっという間

今年度が始まって1ヶ月。今日で4月が終わりです。

高校1年生の人は良いスタートが切れたでしょうか。高校2年生の人は中だるみの学年などと言われますが、努力を継続できているでしょうか。そして、高校3年生の人は、受験に向けて計画的に勉強が進められているでしょうか。

今日の段階でセンター試験まで残り258日です。

考えてみれば、1月にセンター試験が終わって既に100日以上が経過していて、これを2回半繰り返せば入試本番です。

高校3年間は本当にあっという間に終わるのですが、高校3年生の1年間は特に短く感じることだと思います。これからの1年間、苦しいことも多いでしょうか、自分のために勉強を出来るという状況はとても幸せなことです。

今はまだ、そのように心から感じられないかもしれませんが、本気で努力をした人は必ずそう感じる日がやってくると思います。



松山数学塾
住所 愛媛県松山市小坂3丁目4−32 ホワイト岡田ビル1F
TEL 089-948-8908