日記・予定表


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2016 5月


5月1日 初夏

5月に入って急に暖かくなりました。ニュースを見ていると、今日は屋外では熱中症の危険もあるということでした。

気温自体はそれほど高くなくても、体がまだ暑さに対応できていない状況で急に体温が上がると熱中症になりやすいと聞いたことがあります。

高校1年生は受験勉強で運動能力が落ちている可能性もあるので、運動部に所属している生徒は急激な運動で体調を崩さないように気をつけてもらいたいと思います。


急に暖かくなったからなのか、塾の入り口に、何の虫かは分からないですが芋虫のような幼虫が這い出てきていました。

暑すぎるのは困りますが、こうした天気だと、自然と頑張ろうという気持ちが沸いてくるので続いてほしいですね。


5月2日 GW

世間はゴールデンウィークですが、当塾では休みなく授業を行っています。当塾では暦の祝日は関係ないスケジュールになっています。

どちらかというと祝日の方が学校の授業が無い分、塾の授業が多くなる傾向にあります。そのかわりに学校のテスト期間中には塾をお休みさせてもらっているのですが、受験のことを考えればこういうスケジュールの方が勉強を休むことが無いので良いと思っています。

高校生の間は、完全にオフになるような日はあまり無いと思った方が良いです。というのも、高校の教育課程で習得する内容は、普通のカリキュラムで過ごしていては全科目を3年間で終えられる量では無いからです。

そういう事情もあり、中高一貫校では量や内容の薄い中学校の内容を早く終わらせて、中学3年生の時に高校の内容を前倒しして教えているのです。普通の高校の生徒は本気で国公立大学への進学を考えると、のんびりしている暇はありません。

ゴールデンウィークだからといって家でゴロゴロばかりしないように気をつけましょう。

 


5月3日 マニアックなルール

今日の授業で、次のような問題を取り扱ったときのことです。

「2つの2次方程式 〜〜〜〜 … @,〜〜〜〜 … A が共通な解をもつように,定数mの値を定めよ。また、そのときの共通な解を求めよ。」 (数式は省略してあります。)

ある生徒が、この問題文を見て
「どうして『mの値は定めよ』で『共通解は求めよ』なんですか。何か違いがあるんですか。」
という質問をしてきました。

非常に細かいところに気が付いた、面白い質問だと思います。

これは実は、数学の問題文のマニアックなルールで
「〜となるように」にかかる言葉は「定めよ」となり
「〜であるとき」にかかる言葉は「求めよ」となります。

意味的な違いとしては
「〜となるように」は成り立っていないという前提で考えるべきで
「〜であるとき」は成り立っていることが前提で考えてもよいとなります。
解答をするときに、ほとんどの問題で気にすることはないのですが、厳密に言えば、使える条件が違う(論理展開が違う)こともあります。

これは問題を解く側が気にするというよりも、問題を作成する側が気にすることだったりします。私も昔、問題を作成するときに混同していて注意されたことがあります。その経験がまさか活かされる日が来るとは思いませんでした。


5月4日 身に付かない理由

高校3年生理系の授業は、現在、数学Vの積分法をやっているのですがようやく積分法の3割程度が終わりました。まだ積分法の序盤なのですが、今の段階で生徒達はかなり苦しんでいます。というよりも、今の段階だから苦しんでいるといった方がいいかもしれません。

微分積分は発展的な問題は当然難しいのですが、標準レベルの問題であれば他の範囲より解答しやすいという特徴があります。解答がしやすいという段階になるまでには、計算練習や問題に対する慣れが必要ではあるのですが、一度身に付いてしまうと安定する分野だと感じます。

しかし、世の中の受験生の多くは理系であっても微分積分がよく分からないまま受験当日を迎えることになります。

その最大の原因は習う時期が遅すぎるということです。遅くとも高校3年生の夏休み前には数学Vを終わらせて問題演習を行わなければ、十分に慣れている状態で受験が出来ません。

中高一貫校では高校2年生の間に数学Vを終わらせてしまうのに対して、一般的な高校では高校3年生の9月から10月位まで数学Vの授業をしています。その頃に授業が終わったとしても、センター試験の対策を行わなければならない時期になっているので数学Vの演習を十分に行うことは難しく、せっかく勉強した数学Vの内容をセンター試験後にほとんど忘れてしまっているということになります。

数学に限らず、勉強は早く進めたほうが有利になるようになっています。今は苦しいでしょうが、受験が近づいたときに楽が出来るように、この時期に必死に頑張ってもらいたいと思います。


5月5日 絶対、無理

今日、生徒から学校のGW課題が分からないので教えて欲しいと頼まれたのですが、その課題を見て愕然としました。

高校1年生の生徒なのですが、その生徒の通っている学校ではまだ授業で「2次関数」の授業を1回も行っていないにも関わらず、GWの課題の範囲に「2次関数の始めから最大値・最小値の場合分け」までが入っていました。

これがどれだけ無茶苦茶な課題なのかということは、数学を指導する人なら分かると思います。

断言できますが、これだけの内容を一切授業で取り扱っていない状況で、教科書や参考書を見てGWの間に一人でやって来るというのは、県内トップの進学校の生徒でも不可能です。

更に、その課題の解答を渡されていないので、計算問題などを解いても答え合わせも出来ない状況です。

どの学校ということは書きませんが、こんなことをやっていては確実に数学が嫌いな生徒が増えます。きちんと生徒の方を向いて、現実的な指導をしてもらわなければ、あまりにも生徒がかわいそうです。


5月6日 部活動について

塾に通っている生徒や、問い合わせをいただいた方から、部活動をどうしたらよいかという質問をされることがあります。

個人的な意見を言えば、国公立大学への進学を本気で考えるのであれば、長時間拘束されるような部活動に入ることはやめておいた方がよいと思います。

中学校のときはハードな部活動に入っていても勉強が出来る生徒がそれなりにいますが、それは中学校で求められる勉強量が大して多くないからです。能力の高い生徒であれば、こなせる確率も高いと思います。

ただし、高校の勉強内容は量も多い上に内容も難しくなります。そのような状況で、国公立大学へ進学するためには全ての教科を勉強しなくてはならないのですから、とにかく勉強時間を確保することが大切になります。高校でも中学同様部活動を続けて勉強が全く分からなくなったというのはよくある話です。

少なめに考えても平日2時間、休日3時間で、週16時間、月64時間、年768時間、部活動をやっている生徒とやっていない生徒では、これだけ自由に使える時間に差が生まれてくるのです。

また、部活動は自分で活動の量を調整できないということを自覚しておくべきです。全ての部活動の顧問がそうではありませんが、部活動に力を入れている先生ほど、生徒の勉強のことを考えていない傾向にあります。しかし、それは先生が悪いわけではなく、そのような部活動のあり方を求められているのです。

世の中の学生が全員、勉強を頑張って国公立大学に行きたいなどとは思っておらず、部活動を頑張りたいという人もいます。それはそれで良いですし、自分がどのように生きていくのかを考えて、それぞれの分野で努力すればよいと思っています。

しかし、塾に通ってまで国公立大学を目指そうという生徒が、長時間拘束される部活に入ることは、どっち付かずになる可能性があるのでお勧めはできません。

部活動に限らず、自分の好きなことを好きなだけやっていて進学できるほど国公立大学の受験は甘くありません。特に、学校の勉強についていくのもやっという生徒は、何を優先するべきなのか真剣に考えるべきだと思います。


5月7日 8分の5

5月1日から8日までの間、GWと土日を利用して高校3年生理系クラスは5回授業があります。

2日に1回以上のペースで授業を進めているのでかなりハードだとは思いますが、生徒達の頑張りもあり、内容はかなり進みました。このペースで行けば、6月末までには「数学V」の全範囲を終えて、7月からは大学入試に向けた本格的な演習に入れそうです。

公立学校よりは随分早い進度ですが、受験に対応するためにはこれがギリギリだと考えているので、何とかこの調子で進行していきたいものです。

5月に入ってからは8分の5で授業を受けている彼らですが、去年は8月前半は7分の5で授業を行っていました。今年も、そのような勉強する夏にしたいと思っています。


5月8日 授業の形式

ある生徒から
「学校の授業で数学の解説を聞いても、全く分からないんです」
という話をされました。

担当してくれている先生の説明がそんなに分かりにくいのかと聞くと、そうではなくて
「授業中に板書をするのも、解説をするのも生徒なので、よく分からない」
ということでした。

賛否両論あるでしょうが、個人的にはこのような形式の数学の授業は好きではありません。理由は、生徒のレベルや、やる気によって学習効果が安定しないからです。

全員が学習に前向きで、数学が得意な生徒が多く、人前で発表することがステイタスであるというレベルの集団であれば学習効果は高いかもしれませんが、数学が苦手な生徒が多かったり、順番に当たるから仕方なくどこかで解答を見つけてくるといったような状況ではあまり意味がありません。

そして、私がこの形式の授業を好まない最大の理由が、数学の説明が上手な生徒はほとんどいないということです。高校生が、何故このように考えないといけないのか説明したり、生徒が勘違いをするであろう注意点を述べることは不可能だと思います。

生徒に刺激を持たせるために、稀にこの形式にすることは良いかもしれませんが、日常的な授業がこの形式である場合、よほど自立した生徒でなければ習熟は難しいと思います。

他の先生がこのように教えているからとか、今までこのように教えてきたからという理由で、この形式を取っている先生が多いように思いますが、このように授業をしないといけないというルールは本来無いはずです。

私が学校で教えていたとき、数学が苦手な生徒が多いクラスで、毎時間テストをして合格出来なければ、出来るまで放課後残って再テストを受けるというルールで授業を行っていたことがあります。その授業では生徒に発表させたりすることはありませんでしたが、定期考査では安定した点数を取らせることが出来ていました。他のクラスとは違うやり方でしたが、別にそれで構わないのです。

生徒のレベルや、やる気に合わせて授業形式を変化させたり工夫をしていくことが、指導する側の成長につながり、それが生徒に還元されていくように思います。


5月9日 課題の取り組み方

数学が出来るようになるためには、出来るようなるための適切な勉強の仕方をしなくてはいけません。最近、指導していて気になることがあったので、次のような取り組み方をしていないか、考えてもらいたいと思います。

学校や、塾で課題が出されたときに、答が合わない場合どのような対応を取っているでしょうか。生徒のノートを見ていると、方針は合っているにも関わらず、計算をして答が合わないから、分からない問題としている場合が多々あります。このとき、計算をやり直した跡が無い生徒は数学の勉強の仕方が間違っています。

方針が全く立たないというような場合には解説を聞くしかありませんが、例題の数値だけ変えたような問題の場合、解いてみて答が合わないのであれば、どこか計算が間違っていないかを調べたり、問題を解き直さないといけません。

この作業を普段から行っていない生徒は、自分がどこで間違いやすいのか、何が分かっていないのかを理解できないままになってしまいます。また、注意力や根気が付かないので、数学の力が伸びません。

このような、ちょっとした課題への取り組み方が積み重なって大きな差となります。私が見つけた場合は指導しますが、これは習慣なのですぐに直るものではありません。自分自身で意識して、適切な取り組みをしてもらいたいと思います。


5月10日 差が付く理由

定期考査が近くなってきたので、質問をする生徒が増えてきています。質問をしてきた生徒の一人が次のようなことを言っていました。

「学校で、この講座の生徒は理解できないと思うから、テストの出題範囲だけど、この問題の説明はしないと先生に言われました」

学校の先生も、そんなにハッキリと言わなくても良いと思いますが、このようなことは多くの学校で行われていることです。もちろん、テストに出題するのに事前に全く教えないということは良いことではありませんが、説明しても理解が難しいと先生が判断した場合、深く掘り下げずに流して授業をすることは珍しいことではありません。

その問題に多くの時間をかけるよりも、他の基礎的な部分をしっかりと身につけて欲しいという考えかもしれないので、その部分だけを切り取ってその先生を批判することは出来ないと思います。

それよりも、このことから、学校の定期考査でもこのような状況が起きるのですから、大学受験でも同様の状況が起こると思わなければなりません。

事実、当塾には様々な学校の生徒が通っていて、学校の授業でどこまで習ったのかを聞きますが、学校によって教えている単元は同じであっても、取り扱っている内容が全く違うということはよくあります。

入学難易度の高いと言われている高校ほど、高度なことを取り扱っている傾向にあり、高校入学時点よりも大学入試の時に、更に差が広がる可能性は高いと思われます。

もちろん通っている学校が全てではなく、必死に努力をして、高校に入ってからものすごく伸びる生徒もいます。また、努力をしない生徒はどのような学校に通っていても同じことです。

ただ、一般的には勉強は一度差が付いてしまうと逆転することが難しく、それにはこういう事情もあるということです。

国公立大学に合格したいと思っている生徒は、このような事実を認識した上で、自分がどのように努力していくかを考えなくてはいけないと思います。


5月11日 論語

読書が好きで色々な本を読みますが、定期的に『論語』を読んでいます。さすがに原文で読む力は無いので様々な現代語訳を読むのですが、訳者によって様々な解釈があり、勉強になることが非常に多いです。



先生という仕事をしていると、どうしても傲慢になる危険性があります。

先生は、自分に出来ていて生徒には出来ないことを指導するため、生徒が自分より劣っていると思ってしまったり、教えたことがすぐに出来るようにならないことにいらだちを感じてしまうこともあるかもしれません。

しかし、生徒は出来ないから出来るように努力をしているわけで、出来ないことに腹を立てても仕方がありません。
また、生徒が先生より劣っているなどというのは思い上がりで、勉強や運動などの一つの事象だけを切り取って、人を評価することはできないのです。

『論語』は孔子が指導者の在り方や、人としての生き方を述べています。2500年も前に書かれたことですが、読み返すたびに謙虚にならないといけないと考えさせられます。

『論語』に書かれているような聖人君子になれるとは思いませんが、ひとかどの人物になれるように努力をしていきたいと思います。


5月12日 浪人生

今日は、現在浪人中の教え子が訪ねてきてくれました。久しぶりに会ったのですが、元気そうな様子で安心しました。

現在は浪人をするときに、様々な選択肢があります。全寮制の予備校に入る人もいれば、自宅から通える予備校や塾で勉強する人もいます。また、そういったものを使用せずに、自分の力だけで自宅浪人する人もいます。

人によって合う合わないはあるでしょうが、個人的には浪人をする場合は、時間を管理してくれる予備校に通うか、全寮制の予備校に入ることが良いのではないかと思っています。

1年間、勉強だけをやり続けるということは、思っている以上に厳しいことです。2、3ヶ月であればモチベーションも続くのですが、それ以上となるとかなり辛くなってくるようです。浪人をした人からは9月あたりから急激にモチベーションが下がってくるということをよく聞きます。

勉強でも仕事でも、一人で全てを抱え込むというのは、精神衛生上良くありません。辛いことを強制してくれる人が助けになることもありますし、周りに同じ環境の人がいることは励みになるものです。

自分の目標を達成するために最善を尽くして、来年の春を迎えられるように頑張ってもらいたいと思います。


5月14日 考え続けるのが理想ですが

先日の日記で書いた浪人生が訪ねてきてくれたのには理由があって、数学で分からない問題があるので教えて欲しいということでした。その教え子はかなり数学が出来るので、持って来た問題は一癖も二癖もある問題でした。

その場で解けたように思えたのですが、よく考えたら解けていないことに気づき、直ぐに電話をして先ほどの解説が間違っていたことと、解くのに少し時間が欲しいと伝えました。

その後、風呂に入ったときや、寝る前に少しずつ考えを整理して、起きてから紙に書き起こしていったのですが、中々上手くいかずに2時間ほどかかってやっと解けました。今まであまり解いたことがないタイプの問題だったので、考えているときは楽しく、頭の体操になりました。

数学の力をつけるためには、高校生のときから、このように分からない問題に対して何時間も悩んだり考えたり出来ればいいのですが、そういうことは中々難しいだろうなと思います。

まず、やらないといけない勉強量が多すぎて、難しい問題を考え続ける時間が取り辛いということがあります。また、基本的な知識や、数学的な思考が身に付いていなければ、基となる材料が無いので、ずっと考えていてもあまり意味がありません。


当塾では、不定期にですが生徒にとって難しいレベルの問題演習を行います。そのときには、塾で問題を解く時間を取ります。これは上記に書いたように、学生は問題をじっくりと考える時間が中々取れないので、少なくともその時間内は考えてもらいたいと思っているからです。

数学の力をつけるためには、基礎の反復だけでもいけませんし、難しい問題ばかり解いていてもあまり効果はありません。そのバランスの取り方が生徒だけでは困難なため、指導者に調整してもらった方が勉強の効率が良くなるのです。


5月15日 学ぶ順番

中学校の数学は、公立中学であれば教科書が学年ごとに区切られており、また、教科書も出版社を問わず、ほとんど同じ順の章立てとなっているので学ぶ順番はある程度決まっています。

高校の数学は学年ごとに区切られているわけではなく「数学T」「数学A」「数学U」「数学B」「数学V」と内容で区切られており、いきなり「数学V」から習うということはありませんが、学校毎に教える順番が異なっています。

また、教科書も出版社によって掲載順が異なることがあり、「数学B」で「数列→ベクトル」「ベクトル→数列」のように章立てが逆になっていたりします。

教科書の掲載順が違うくらいですから、高校の内容は指導者の裁量により教える順番を組み替えることもあります。これは悪いことではなく、むしろ細かく組み替えるべきだと思っています。当塾では、単元という大きな括りだけではなく、単元の中の内容でも教える順番には気を配っています。


具体例をあげると、高校1年生が習う「数学T」「2次関数」の分野で、数研出版の教科書では
@「2次関数のグラフ」
A「2次関数の最大・最小(基本)」
B「2次関数の最大・最小(場合分け)」
C「2次関数のグラフの決定」
の順に掲載されています。

この中で最も難しいのは、B「2次関数の最大・最小(場合分け)」であり、多くの高校1年生がここで打ちのめされて、高校数学に絶望を覚えます。

当塾では、教科書の掲載順ではなく、@→A→C→Bの順に教えます。Cは2次関数の性質を掴むのに適した内容になっているので、そこで十分に慣れてから、Bを取り組んだ方が理解が深まるからです。

こうした、ちょっとした工夫で生徒の理解が随分変わってきます。カリキュラム通りに指導をすることよりも、生徒のことを考えた指導を模索していきたいものです。


5月17日 アウトプット

学校の考査中に塾の授業があるときは、試験勉強をさせるようにしています。ただし、学校によっては考査が無かったり、時期がずれていたりするので、そういう生徒にはプリントを渡して復習をさせています。

考査の勉強の仕方についてほとんど口出しすることはありませんが、今日は少し気になったことがあったので一声かけました。

数学の勉強をしていた生徒なのですが、解答を読んで問題の解き方を確認しているようでした。このような勉強法が効果的な人もいますが、ほとんどの人にとって解答を読むだけという勉強法は、あまり効果的ではありません。

試験では何も見ずに問題を解くことを求められます。解けるようになっているのかは、実際に手を動かして書いてみなければ分かりません。一度解けた問題でも、時間が経つと出来なくなっていることが多いので、考査前には同じ問題を何度も解いて練習するべきです。

同じ時間勉強をするのなら、より効果の高い方法で取り組んでもらいたいと思います。


5月18日 逆算

当塾は少し特殊?で、学校が定期考査のときは普段よりも生徒を指導する時間が減ります。

最近は講座を増やして授業が多くなってきているので、こういうときでないと、事務的な作業や教材作成を行うことが難しくなってきました。

昨年までに作成したプリントのストックや、市販の教材はたくさんあるのですが、それが今年の生徒にも使えるとは限りません。ですから、毎年、そのときに在籍している生徒の状況を考えて復習させるプリントや授業で扱う教材を変えています。

指導をするためには、やって当たり前の作業なのですが、こういうことに相当時間をかけています。

今日は、国公立大学の2次試験で数学を使う生徒用の記述対策プリントを作っていたのですが、6月末までの分が完成しました。当塾は、7、8月は授業数が他の月よりも随分増えるので、逆算してその準備に取り掛からなければならず、これくらいのストックでは全然安心出来ません。

生徒たちも、受験までの勉強計画を立てるときには逆算して、やるべきことを考えてもらいたいと思います。そして、余裕があるときには、先のことをどんどん進めていきましょう。


5月20日 気になること

数学の指導をしていて、気になることがあります。

各学年に満遍なくいるのですが「問題をノートに解くときに、問題集に書かれている式をノートに書かない」という生徒が意外と多いです。ノートにいきなり計算途中の式を書いたりしているということです。

問題文を全て写す必要はないのですが、与えられた式くらいは書き写さないといけません。こういう生徒は「答を出す」ということは出来るようになっても「解答を記述する」ということがなかなか出来るようになりません。

高校の数学では「答」そのものよりも、どのように考えて答えにたどり着いたのか「過程」の部分が重視されます。与えられた式を書かないということは、主語を書かずに文章を書いているようなものです。そのような姿勢では、丁寧な記述が出来るようにはなりません。

メンドクサイとか、これくらい書かなくてもいいだろうという気持ちで問題を解いているうちは数学が出来るようになりません。問題を解くときは、書き上げた解答を「採点者に見て頂く」といった謙虚な気持ちで取り組まなければ、試験本番で評価される解答を作成することはできません。


5月21日 応援したくなる人

先日、松山市の福音寺にある「水田商店」というラーメン屋に行きました。

何度か行っているのですが、いつ行っても混んでいて、時間や曜日によっては行列が出来ています。都会ではラーメン屋に行列が出来ることは珍しくないかもしれませんが、松山で行列が出来ているラーメン屋はあまり無いように思います。

味はもちろん美味しいのですが、それ以上にこの店には行きたくなる、応援したくなるという気持ちにさせるものがあります。このお店、接客がとても素晴らしいのです。

店内が混んでいて、ものすごく忙しいときでも、食事を済ませて店を出ようとすると、店主がこちらを向いて目を見て笑顔で、ありがとうございましたと毎回言ってくれるのです。客商売なら当たり前と思うかもしれませんが、これを手を抜かずに全てのお客さんにすることは、難しいことだと思います。こういうお店ですから、他のところにも気配りがされています。

学生のときは分からないものですが、あいさつがどれほど大切なことなのかは、大人になって社会に出ると分かります。あいさつが気持ち良いと、それだけで応援しようという気持ちになるものです。逆に言えば、きちんとあいさつができない人とは、人間的な付き合いができないなと思うものです。

当塾では、生徒にあいさつをするように指導しています。ただ、塾に通い始めたときはきちんと出来ていても、時間が経つとあいさつが雑になる生徒がいます。人間関係の基本の部分で手を抜く人は、勉強にも同じことが言えます。そういう部分から直していかないと、表面上だけやっているふりになってしまうのです。


5月22日 あまり意味はありません

学校によっては定期考査を終えて、テストが返却されてきています。

高校2、3年生にはしつこく言ってあるので、定期考査で一喜一憂する生徒はいないのですが、高校1年生は、まだ定期考査の点数が気になるようです。

「学年で1番でした」とか「クラスで1番でした」とか「平均点より30点高かったです」とか
景気の良い話が聞こえてきますが、高校始めの定期考査でこのような結果でも、あまり意味はありません。

出来ないよりは出来た方が良いのには違いないのですが、範囲も狭く、中学校の内容も多く含まれていて、更に高校に入る前から塾で練習しているわけですから、出来て当然の試験です。

塾に通っている生徒に限らないことですが、この始めの考査で点数が取れてしまったばっかりに、高校の勉強も大したことないなと思ってしまうと危険です。

ほとんどの学校で、高校1年生はこれから2次関数に入ります。この分野を全て終えたときに、高校数学は大したことないなと思える生徒はほとんどいません。

慢心をせず、日々の学習を積み重ねて、高校数学をモノにしてもらいたいと思います。


5月23日 自分の身を守るのは

今日は、全国各地で猛暑日となり、30度を越えたところも多かったようです。東京で体育の授業後に熱中症の症状を訴えた中学生が病院に搬送されたというニュースを見ました。全員、軽症で命に別状は無かったようなので何よりでした。

あってはならないことですが、毎年、部活動をしていて熱中症で亡くなる中高生がいます。私は、その原因のほとんどは監督者に問題があると思っています。

現在では熱中症対策のために、学校で研修を行っています。熱中症の症状であったり、予防するためにはどうしなければならないかといった内容を、夏前に運動部の顧問の先生は説明されます。もちろん、ほとんどの顧問の先生は生徒の命を最優先して部活動の運営を行っているものと思います。

しかし、全ての先生が安全を最優先して運営しているとは限りません。未だに、根性論を振りかざす指導者もおり、生徒が体調が悪いと言うと「サボるのか」「根性が無い」などといった言い方をして、生徒からの訴えを起こしにくい環境を作っていることがあります。

私がこの問題に関して敏感な理由は、学生の時に、知り合いが部活中に熱中症で亡くなったことがあるからです。

これから暑い時期には、絶対に無理をしてはいけません。生徒も熱中症の症状を把握して、気分が悪いと感じたら、どんな状況でも訴えてもらいたいと思います。熱中症のニュースを決して他人事だと思わずに、自分の命は自分で守らなくてはなりません。


5月24日 6月の予定表

6月の予定表をTOPページにアップしました。

6月は県総体、四国総体などがあるので、授業が少ない講座があります。その分は7月に回します。

当塾では普通の講座は1回2時間で月8回の授業が基本ですが、それだけでは演習量が不足するため2回追加して、月10回の授業が目安となっています。曜日の関係で月10回に満たないこともありますが、受験までにトータルで十分な勉強時間が取れるようにコマ組みをしていきます。

他塾と比較したときに授業時間はかなり多くなると思いますが、正直これでも愛媛県の公立の進学校に通う平均的な高校生が、数学を習得するためのギリギリのラインだと思っています。

当塾は、本気で勉強を頑張りたいと考えている生徒でなければ続かないと思います。どうせ勉強をするのなら、中途半端にやるよりもとことん頑張りたいと思っている人を歓迎しています。


5月25日 数学C

2022年度からの新学習指導要領で、高等学校の数学の科目「数学C」が復活するということが教育関係者の間で話題になっています。

まだ細かい話は決まっていないようですが、どうやら、数学Vの「複素数平面」と数学Bの「確率分布と統計的な推測」が数学Cに移行しそうだということです。

数学Cは理系のみが履修する科目ですが、文系の生徒に関係ないというわけでもありません。一部の進学校では数学Bの「ベクトル」「数列」がどうしても苦手だという文系の生徒に対して、センター試験で「確率分布と統計的な推測」を取るように指導していたりします。もし、数学Bからその分野がなくなってしまうと、選択肢が無くなってしまいます。

ニュースを見たところ数学Cを復活させる理由として、現行過程では以前の数学Vと数学Cを合わせた内容となっているので、量が多く、指導をする時間が取れないと言っているようです。

その理屈で言うと数学Cに含まれる内容は指導をしなくても良いように取れるのですが、理系は数学Cも入試の範囲に含まれるので、進学校では指導をする量的には変わりありません。

そう考えると数学Cを復活して欲しいというのは、進学校ではないけれど理系の講座を開設している高校からの要望だと思われます。理系であっても、一般入試で数学を使わないので数学Cに一部の内容を移すことで、勉強量を少しでも減らしたいということなのでしょう。

上記のように書くとネガティブに聞こえるかもしれませんが、私はむしろ良いのではないかと思います。

現行の数学Vは量、質ともにかなりハードな科目です。なんとなくイメージで理系に進んでしまった生徒に逃げ道を残しておいてあげることも必要だと思いますし、選択肢を増やすということは色々な指導の方法を考えられるということです。

また、現在の数学Vは教科書の始めに「複素数平面」が載っているものが多く、愛媛県の公立高校では順番通り「複素数平面」から授業をする学校の割合が多いように感じます。しかし、受験までの習熟を考えた場合「微分・積分」の分野を先に終わらせるべきです。

数学Vが「微分・積分」がメインの科目になるのであれば、優先的に指導をされると思われるので受験生にとっては有益だと思います。

数学Cの復活にはこのようなメリットもあるかもしれません。

学習指導要領が変わることはこれからもあるでしょうが、入試で生徒に求められる能力は普遍的なものであると思います。目の前のシステムに右往左往せず、生徒にとって何が一番良いのかを的確に判断して指導をするように心がけたいものです。


5月27日 アイドル受験戦記

話題になっているようなので、読んでみました。



「偏差値29から北大医学部合格」や「学年ビリから偏差値を40上げて慶應大学合格」など、ものすごく成績を上げて難関大学に合格したという話が取り上げられていたことがありましたが、実は地域1番の進学校の生徒で、校内の試験で1教科そのような偏差値を取ったことがあるだけだった、と騒がれたことがありました。

この本もそういった類かなと思っていたのですが、読んでみるとそうではありませんでした。

通っている学校は普通の私立学校で、芸能活動が忙しいため、ほとんど勉強が出来ていない状況からのスタートでした。そこから1年2ヶ月ほどの期間の勉強で、一般入試を受けて名古屋大学に合格するというのは、並大抵のことではありません。

家庭環境が恵まれていたり、素質があったのかもしれませんが、本人の意思で尋常じゃない努力をしたことが分かります。

彼女の成功に寄与したのではないかと個人的に思う点を書いてみます。

・時間に対する意識
「スマホをガラケーに変える」「髪を切って、乾かす時間を短縮する」「塾に行くための私服はトレーナー2枚のどちらか」「睡眠時間は6時間で昼寝はしない」「外食は松屋でしか食べない」など、とにかく勉強以外に時間を取られないように、自分で考えて徹底しています。その上で、一日10時間以上勉強して、時間が足りないと手が震えながら取り組んでいたようです。

・学校の勉強にペースを乱されない
彼女の通っていた学校で所属していたクラスが一般入試を想定していないクラスだったということもあるのでしょうが、学校のテストは入試に関係があるところのみ勉強して、その他は割り切って勉強しないと決めていたようです。テスト中も受験勉強を優先して、ペースを崩さなかったのは勝因の一つだと思います。

・家族の協力
受験生にとって家族の協力は、大きなウェイトを占めます。協力といっても、直接勉強を教えることではなく、ストレス無く毎日を過ごせるだけで勉強に集中できます。また、彼女の場合は、東進を利用したようで、書いてはいませんがかなりの金額がかかっているはずです。そういった金銭面の協力を惜しまないということも必要です。

・バランスよく勉強する
受験は本番で全科目上手くいくということが中々ありません。特に、数学はよほど実力が無い限り、安定する科目ではありません。彼女も、本番を含め最後まで数学で点数を取ることが出来なかったようです。それでも合格できたのは、他教科の力が大きかったのだろうと思います。

・精神年齢の高さ
彼女は芸能界で2年ほど仕事をしていました。責任を感じて物事に取り組んでいたでしょうし、様々な大人との交流があったと思います。そういう経験は人間的な成長を促します。本の中で、仕事をしているときは何が正解か分からなかったけれど、受験に関しては勉強をすることが正解だと分かっているのでこんなに恵まれていることはない、と書かれていますが、高校生でこのように感じることは普通は出来ないと思います。

上記のことがあった上で、受験が上手くいった最大の要因は「覚悟」だと思います。1日10時間勉強することを1週間続けられる生徒は結構いますが、1年間続けられる生徒はめったにいません。

1年数ヶ月間の努力で名古屋大学に合格することはものすごいことですが、芸能活動をやめて受験勉強だけに集中して、他の事を全てそぎ落とした結果、合格したと考えれば、それだけのことを犠牲に出来ている高校生がどれほどいるのだろうと思います。

「覚悟」を決めて本気で実行することは、簡単なことではありません。今、高校3年生の受験生も早く「覚悟」を決めて受験勉強を頑張りましょう。


5月28日 平和

昨日、オバマ大統領が広島を訪れました。リアルタイムでは見られませんでしたが、ネットでスピーチや、その前後の訪問の様子を見ることが出来ました。

スピーチの中で、特に印象的だった言葉が「今、この都市の子ども達は平和に過ごしています」というところでした。

私達が、明日のことを考えて努力を続けられるのは、この国が平和であるということが前提になっています。

大学受験という道を進むことが出来るのは、世界中の国を考えたときに当たり前のことではありませんし、日本でも時代に恵まれていなければ許されていないでしょう。

昨日のニュースで、現代の日本に生きられることに幸せを感じながら、先人に感謝をしなければならないと改めて感じました。

今だけでなく、これから先の世代が幸せに生きていける世の中であり続けて欲しいと思います。



松山数学塾
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