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2016 6月


6月1日 一人でやる理由

ここのところ忙しくて、日記を更新することが出来ませんでした。

授業後に、問い合わせの面談を行ったり、塾生と進路の話をしていたり、個別指導を行っていたりと、色々ありました。

当塾は運営と指導を一人で行っているので、出来る限り努力はしますが、全てのことに対応するのが難しくなることがあります。

現在、生徒の指導に関しては6月はほぼ限界まで授業を入れていて、これ以上授業を増やすのは厳しい状況になっています。それでも今のところ、指導者を増やすことを考えてはいません。

当塾のコンセプトとして、塾に通う生徒は私が責任を持って教えたいと思っています。塾経営としては時代に逆行しているかもしれませんが、通う生徒の量を増やすことよりも指導の質を維持したいという考えがあります。

5月は転塾の問い合わせをいただくことが多かったのですが、その中で最も多い理由は、教えてくれている人の指導に対して不満があるというものでした。

高校の数学は中学校までの数学と違い、かなり専門性が要求されます。大学生がそれだけの力を有していることは珍しく、また、プロの指導者でも経験と継続した努力がなければ、大学入試に対応した指導は行えません。

塾に通っているのにお金だけ払って意味が無いということが嫌なので、私が直接教えて、月の授業時間を多く取るということを譲りたくないのです。

一人の人間ですから限界はありますが、生徒のために、限界までやれることをやっていきます。


6月2日 色々な塾がありますが

ニュースを見ていたら、一部の「就活塾」が問題になっているようです。

就職活動のやり方を教えるということを口実に、英語が出来るようにならないと就職が出来ないからと高額な英語教材を売りつけたり、入会しないと絶対に就職が出来ないと脅したり、体験学習のためだと街頭募金をさせて集めたお金を持ってこさせたりという手口があるそうです。

上記に書いたようなことは昔からある悪徳商法なのですが、それが「就活塾」と名前を変えているのだと思います。これは、悪徳業者が教えてもらうことが当たり前だと思う人が増えていると考えて、このような形態を取っているのではないでしょうか。

塾を経営している私が言うのもなんですが、昔に比べて塾に依存している人が増えているように思います。

地域差もありますが、私が学生の頃は現在ほど塾の数は多くなく、塾を経営している人が指導者を兼ねているというケースが多かったように思います。中学生の時には塾に通っていない同級生もかなりいましたし、高校生では塾に通っていない生徒の方が多かったように思います。

統計を取ったわけではありませんが、教員をしていたときの経験で言うと、今では中学生で塾に通っていない方が珍しいというほど学習塾が浸透していますし、塾に通っている高校生もかなり増えています。

そういう事情もあって昨今では塾が乱立している状態になり、更には映像授業の普及で指導経験の無い人がビジネスのために塾を経営していることもあります。昔よりも塾が数が増えている分、指導力の無い塾も増えているはずです。



大学進学を考えたときに、塾を利用して実力の底上げを行うことは有意義だと思います。特に数学は自学習が難しい科目なので、その手助けをしたいという思いで当塾は運営しています。

しかし、私は高校生が全ての科目を塾に依存して勉強することを良いとは思っていません。高校生の場合、学校の授業をベースに、塾は補助的な役割で用いて、演習は自分で行えるようになることが必要だと考えています。

自分のことを自分で考える力を磨いていかなければ、誰かに教えてもらえないと何も出来ない大学生や社会人になってしまうと思うのです。自分の能力を高めて、目標をクリアするために何が必要か、自分で気づく経験を積むことが大切なのではないでしょうか。


6月3日 目標設定の難しさ

生徒と進路の面談を行うと、現在の能力と目標の間に大きな隔たりがあることが多いです。

ほとんどの場合は目標が高すぎることが多いのですが、生徒によっては高い目標を言うことが恥ずかしいのか、現在の能力でクリアできるであろう目標しか述べない生徒もいます。

進路指導をする立場から言うと、適切な目標とは「現在の能力では到達していないけれど、本気で頑張れば受験までに到達する可能性がある」というものではないかと思います。ただし、この受験本番までに到達する可能性があるかどうかというのは判断が難しく、それが分からないから受験は苦しいわけです。

また、どこの大学を目標にするのかは、単純な学力だけではなく他にも考えなくてはならないことがあります。高校入試と違って、大学入試は受験をする大学、学部、学科によって必要な科目数が異なります。一般的にレベルの高い大学ほど、必要な科目数が増える傾向にあります。

目標が高すぎる場合、勉強する科目数が増えて手が回らなくなり、科目数を絞っておけば合格できたであろう大学に到達できなくなるというリスクがあります。

目標が低すぎる場合はその逆で、勉強する科目数を増やさなかったために、受験が出来なくなる可能性が出てきます。

高校3年生は、夏前に受験する大学をおおよそ決めた方が良いというのは、目標が定まらないとどの科目の勉強をしていいかが分からないからです。個人的には、高校2年生の冬くらいには、どの科目を受験で使うかをある程度考えておくべきだと思います。

高校1、2年生は、自分が進みたい道が見つかったときに諦めなくても良いように、全科目を満遍なく学習することを心がけましょう。


6月4日 ディープラーニング

昨日テレビを見ていると、最新の人工知能の話でディープラーニングを取り扱っていました。

ディープラーニングというのは、簡単に言うと、コンピュータが自分自身で勉強をして、成長していく技術のことです。

少し前に、この技術を使って学習をしたコンピュータが囲碁のプロと戦って勝ち越したことなどが話題になりました。その仕組みについて詳しくは知らなかったのですが、テレビでの解説を聞くと、すごい技術だということがわかりました。

例えば、ゲームのルールを教えずに高得点を取ること、という指示を出すと、失敗を繰り返すうちに、たまたま上手くいったときのことを学習して、コンピュータの行動が変化して成功体験を繰り返しながらどんどん上達していくという自立型の機能を備えているらしいのです。囲碁に関しては、自分で3000万局以上打って、データを蓄積して学習していったそうです。


人間も成長していくためには、経験を積み、成功体験を重ねていくことが必要であることには変わりがありません(むしろ、ディープラーニングは人間的なところを参考に作られたのでしょう)。

受験の話でいうと、勉強をしていて分からない、出来ないということは結局、練習にかけている時間が足りていないということが最も多い原因だと思います。

人間は機械とは違うので、無制限に試行回数を増やすことは出来ません。練習をするには意思の力が必要になってきます。また、時間の制限もあるので、経験した全てのことに成果を出すことは非常に困難です。

では、勉強をして結果に繋がらなければやる価値がないのかというと、そうではありません。人間は一つの方向だけではなく多様な成長の仕方をすることができます。一生懸命努力するということが、その後、どのような成長に繋がってくるかというのは、単純には分かりません。

勉強や努力をするということは、能力を向上させること以外に、生き方に影響を与えるという作用があります。自分がどのように生きていくのかを決めることは機械には出来ませんが、人間には出来ます。人間の価値とは、生きていくことの意味を考えることができるというところにあるのかもしれません。


6月6日 負荷

昨日は実家に帰っていて家族と色々な話をしていました。その中で、中学生1年生になる甥の塾に関しての相談がありました。

現在、甥は英語と数学の塾に通っているのですが、成績がソコソコ良く学習態度も真面目なので、更に伸ばすために理科と社会の映像授業を受けてみてはどうかと、塾から提案があったようで、どうしようかという話でした。

映像授業が本人に合う合わないという話は置いておいて、それをやり始めると、週5回塾に通うことになり、更に朝練があるハードな部活にも所属しているということだったので、今回はやめておいた方がいいんじゃないかとアドバイスをしました。

指導者が熱心であれば、自分が指導をしている分野を伸ばしたいという気持ちが生まれがちなので、出来る限り多くの時間を要求したくなります。当塾でも、指導を行うのであれば効果が出る時間を確保したいので、他教科とのバランスを考えてギリギリの時間数を生徒に要求しています。

しかし、成果を挙げたいと思って色々なことに手を出しても、塾や部活、学校の課題など要求されるすべての量をこなすことが不可能な状態になってしまっては、いずれも良い結果が出ないということになりかねません。特に、中学1年生や高校1年生は、新しい環境になれる前に、やるべきことを増やしすぎると逆効果になることもありえます。

トータルのバランスを考えて、最終的な決断を下すのは本人と家庭になります。ただ、勉強のことに関しては分かりにくい部分もあると思います。アドバイスが欲しいという場合は、面談や電話での相談にも応じますので、ご連絡をいただければと思います。


6月7日 学力差の広がり

今日、生徒との会話で「学校での数学のレベル別講座」という話が出てきたので、それについて思うことを書きます。

現在、公立の中学校や高校では、特定の科目で習熟度別に講座を開講していることがあります。特に、生徒の学力差が大きくなりがちな数学・英語で導入しているところが多いようです。

講座を細分化することにより、自分に適したレベルの授業が受けられる可能性が高くなるというメリットがあります。

デメリットとして、講座分けをするとレベルが下の講座に所属する生徒がやる気を失うという意見がありますが、そういう生徒は元々やる気がない可能性が高く、勉強をやらない言い訳にしていることも多いです。

現状の自分の実力を認識して、与えられた環境で精一杯頑張ろうという気持ちを持たなくては、どの講座に所属しても同じことになります。

また、デメリットというわけではありませんが、講座間の学力差の開きが大きくなる可能性はあると思います。通常、講座分けをしたときに所属する生徒を固定化することはなく、考査の点数などで学期毎に再編成することが多いようです。しかし、レベルが上の講座に移ることはそう簡単ではありません。

これは、授業進度が違うことが最大の要因になります。考査は全員同じ内容にする必要があるので進度の遅い方に合わせるのですが、そうすると下のレベルの講座は考査のギリギリまで授業が進むことになります。上のレベルの講座は、考査の随分前に範囲まで授業が終わっていることがほとんどです。ただでさえ、差が付いているところに、このような状況では逆転することはかなり難しくなります。

また、考査終了時に成績が良くて講座を移ることになっても、授業が随分先まで進んでいて、その隙間は自分で学習しなくてはならなくなったりします。

これは学校の講座分けでの話ですが、先に勉強を進めて早く学力をつけている生徒は受験全般において有利に働くことが多いです。ですから、受験勉強は出来るだけ早めに進めていくことが鉄則になります。

ただし、授業についていくことが難しくなったのならば、学校の進度を無視してしまった方がいいです。分かるところまで戻って地道にやることが、受験においては近道になります。


6月8日 部活の引退時期

高校3年生は先週末で県総体が終わり、部活を引退したという生徒もいると思います。部活がなくなった時間が寂しく感じるかもしれませんが、間を空けずに次の目標に向かって取り組みを始めてもらいたいと思います。

部活を引退する前から勉強をする習慣が付いていないと、時間ができたからといって勉強時間が増えないものです。今まで生徒を見てきて、1・2年次に勉強をあまりしてこなかった生徒は部活を引退しても、夏休みになったらやる、運動会が終わったら本気を出す、といつまでたっても勉強に本腰が入らないことが多いです。

また、全国大会に行くような運動部に所属している生徒は8月前半まで部活動が続きます。更に国体に出場するとなれば9月末から10月まで部活動が続きます。文化部では吹奏楽部は学校によっては引退時期が高校3年生の8月末になります。

上記に該当する生徒は、受験勉強との両立は相当難しいと自覚しておくべきです。部活動をやることを否定はしませんが、大学への進学を考えるのであれば、部活動をやりながら計画的に勉強をしなくてはなりません。

個人的な意見を言わせてもらうと、高校では部活と勉強の両立は不可能だと思っています。挑戦することは良いのですが、厳しい道を進むことになると自覚をして、相当の覚悟を持って決断して欲しいと思います。


6月9日 基礎練習

愛媛県の進学校では、今週末にセンター試験と同じ形式の進研マーク模試を受けるところが多いようです。

文系には数学が苦手な生徒が多いのですが、国公立大学の中でも受験難易度が高い大学では文系でも数学が「UB」まで必要になることが多く、センター試験の数学がネックになることが多いように思います。

当塾では5月まで高校3年生の講座で標準レベルの問題演習を行っていたのですが、6月から基礎レベルの演習に切り替えました。これは、生徒が問題を解いているところを見ていると、基礎レベルの問題の正答率が70%くらいであるように感じたからです。

センター試験で安定した点数を取ろうと思った場合、基礎レベルの正答率を100%に引き上げなくてはなりません。

本来であれば、基礎の反復は生徒自身で行ってもらいたいのですが、どのレベルの問題をどれ位練習すればよいのかが分からないと思ったので、こちらで主導して授業をすることにしました。

以下が今日の授業で取り扱った問題です。



おそらく生徒に復習を任せていたら、このレベルの問題を反復することはないと思います。しかし、この問題を正しい解き方で完璧に解ける生徒は、文系の生徒ではそれほど多くないのが現実です。実際、やらせてみると間違っていたり解き方が正しくない生徒がいました。

数学の問題演習をしていると、解き方は正しくないのに答だけ合ってしまうこともあります。基礎的な内容で間違ったまま解き方を覚えてしまうと取り返しが付きません。そのようなことが無いように、この基礎練習では生徒の解答を全問チェックするようにしています。

今後は基礎的な内容の中でも、生徒が勘違いしやすかったり、間違いやすいところを重点的に練習していく予定です。


6月10日 続・基礎練習

最近、他の塾から移ってきたり、今まで塾に通っていなかった生徒が入塾してきたのですが、いずれの生徒も、基礎的な内容の習熟が不足しています。

この原因は、生徒の自主的な練習量が不足していることや、指導者が数学の正しい考え方、出来るようになる為の勉強量を伝えられていないことなどが考えられます。

勉強をしているのに成績が伸びないという生徒が問題を解いているところを見ると、根幹部分の理解をしないまま、参考書の真似をして解いていることが多いように思います。

この状態から出来るようになるためには、もう一度全ての分野を勉強しなおすしかありません。

当塾では、新規で入塾をした生徒にはこちらが主導をして個別指導を受けることを提案しています。指導する内容は主に基礎的な内容ですが、生徒の状況によって個別指導を受ける期間は異なり、生徒よっては2〜3ヶ月の間、通常授業の他に追加で塾に通ってもらうことになります。

塾に通ってもらうのであれば意味のある指導がしたいと考えているので、上記の指導分は無料で行っています。お金は必要ないので、覚悟だけ持ってきてもらいたいと思っています。


6月11日 解答を見るまでの時間

生徒に演習をさせていると、取り組み方にばらつきがあります。その中でかなり個人差が出るのが、分からない問題に出会ったときに解答を見るまでの時間です。これには自主勉強をするときのセンスが現れます。

例えば、公式に数値を当てはめるだけの問題は公式を覚えていなければ解けません。考えていても仕方が無いので、さっさと答を見て公式を覚えなければなりません。また、5分考えて解法が地力で思いつきそうもないとき(直ぐに分からないと判断できるとき)は、解答を見て問題を解く手順を確認するべきです。

ただし、闇雲に解答を見れば良いわけではなく、じっくりと考えれば解けそうな問題であれば、時間をかけて考えるべきです。

自主勉強が上手な人は、どういう時に直ぐに解答を見て、どういう時にじっくり考えるのか、このバランスが取れているように思います。これは問題を解けない原因が何かを判断出来ているからだと思います。

問題が解けない原因が全く判断出来ないという人は、基礎的な内容が定着していないことが多く、頻出問題を解いた経験も少ないのだと思います。そういう人は、分からないときには直ぐに解答を見れば良いと思います。

このときに大切なのは何が分からなくて、何を覚えないといけないかを確認しながら解答を見ることです。そして、その後は解答を見ずに、自分で手を動かして解答を再現して、完璧にできているかを確認しましょう。それを繰り返すことで、少しずつ解答を見るかどうか判断が出来るようになっていくと思います。


6月14日 意味のある改善を

中学・高校の部活動の指導について、文部科学省が教員の労働条件の改善のために活動の適正化を図るというニュースがありました。

ニュースでは、行き過ぎた活動にならないように中学校では週2日以上、高校では週1日以上の休みを義務化するように改善要求をすると言っていましたが、その言葉通りの結論になるとは思えません。

週1日以上活動を休みにするといっても、それは週単位なのか、月単位なのか、年単位なのか、どういう括りで計算するのかによって、抜け道がいくらでも出来ます。

例えば、月単位で考えたときに、定期考査中や試験前は部活動を休みにすることがほとんでしょう。そこで1週間から10日の休みを取れば、それ以外の日は全く休みを取らなくても良いという計算になります。また、その分の休みを翌月に持ち越せるということになれば、2ヶ月に1度は定期考査があり、週に1日の休みでよい高校では、定期考査の無い月は休みは無くても良いということになってしまいます。

また、言葉通り一週間に必ず1日は休みを取らないといけないとなった場合、大会前の部活動にも制限を課すのかということになります。文化部の中には、普段は忙しくなくても大会や発表会の前などは忙しくなる部活もあります。制限を加えることで、活動がやりづらくなる部活動も出てくるでしょう。

今回の件は、現場の先生から部活動に制限を加えて欲しいという嘆願が元になっています。ですから、生徒のことを考えてというよりも、教員の負担軽減のためにということで改善をしようとしているのですが、長時間の活動を望んでいる先生と生徒も学校にはいます。部活動の指導がしたくて学校の先生になった人もいれば、入りたい部活動があるから学校を選んだという生徒もいます。部活動をしたいという人がいる以上、一律に規制をすることは簡単ではないと思います。

本当に教員の負担を軽減しようとするのなら、学校内での仕事を「教科指導・担任業務・校務分掌・部活動」の中から2つ選ぶというように業務分担を行うか、教員が部活動に関わることを禁止して、別枠で雇った部活指導員のみが部活動の指導を行うことができるというような大きな改革を行わない限り実効性はないと思います。

どのような形で、改善がされるのかは分かりませんが、意味のある改善を行ってもらいたいと思います。


6月15日 センター試験とマーク模試

先週末に、センター試験と同じ形式のマーク模試が行われました。

自己採点の結果を生徒に持ってきてもらっていますが、思ったよりも点数が取れなかったと感じている生徒もいれば、意外と出来たと感じる生徒もいるようで、感じ方は人それぞれのようです。

点数は現段階ではそれほど気にしなくても構わないと思います。それよりも、今の自分の実力で、マーク模試を受けたときにどのように感じたのかという方が大切です。

例えば、国英数で得点率が6割を超えていないのに、時間が余ったという生徒は、基礎的なことが不足していたり、問題をしっかりと考えて解いていない可能性があります。

また、得点率が6割を超えていて時間が足りなかったという生徒は、基礎的な内容の確認をすることと平行して、解答時間を意識した練習もしていく必要があります。

マークタイプの試験は国英数に関しては、勉強内容がある程度進んでくると、時間が足りないようになるのが普通です。時間が余るという生徒は、基礎的な内容が定着していない可能性があるので、勉強内容を再確認した方が良いのではないでしょうか。

センター試験についてもう少し意見を書かせてもらうと、まだ模試を1回か2回受けただけで判断は難しいかもしれませんが、理系の人は受験科目の絞込みを8月までに行った方が良いと思います。

理系の人は通常、センター試験で基礎ではない理科2科目を受けることになりますが、文転をしたり、理系でも受験する大学・学部によっては基礎科目で受験が可能なところもあります。

基礎ではない理科2科目を仕上げるというのはかなり負担が大きいので、教科全体の仕上がり具合を考慮して、受験科目を選択するべきです。

8月までに選んだ方が良いというのは、夏休みに力をいれて勉強する科目を明確にしておかなければ、集中して取り組める時期を無駄に過ごすことになり、どこの大学にもいけないということになりかねないからです。

昔に比べて、国公立大学、私立大学ともに受験方式が増えています。しかし、色々な受験の仕方があるといって全てに対応できる勉強のやり方をしていると合格が遠のくこともあります。大学受験では、冷静に自分のことを判断する力が何より必要なのかもしれません。


6月16日 危機察知能力

ある程度歳を取った人間は、外を歩くときには危険なことがないか意識しています。例えば、見通しの悪い十字路などでは車が来ていないか足を止めて確認します。

このように命に関わる危険に対して、意識して危険を回避しようと行動します。ただ、これは経験や想像力が基となっていて、生まれつき備わっている能力ではありません。

危険を察知する能力は、十字路で飛び出してはいけない、青信号でも周りをきちんと見てから渡る、というような指導があって獲得する能力になります。周りから言われて、時には実際に危険な目に合うという経験を繰り返すことにより、危機察知能力が磨かれていきます。


これを数学に置き換えてみると、単純なミスが多い生徒は、この危機察知能力が身に付いていないと言っていいかもしれません。

明らかに間違いそうな計算箇所を確認のための検算をせずにどんどん進めていくことは、十字路で飛び出すことと同じです。
単純な足し算や引き算を間違えているのは、青信号になったから安全だと直ぐに渡ろうとしているということです。
問題文の写し間違いが頻発するというのは、きちんと前を見ずに歩いているようなものです。


なんとなく練習をしているだけではミスは減りません。どこで自分は間違いやすいのかという経験を積み、ミスをするかもしれないという想像力を働かせて、危機察知能力を磨いていく必要があります。

勉強ではミスをしても命が失われることはありませんが、人生がかかった試験で失敗すれば、その後の人生が別のものになるかもしれません。ミスを防ぐためにはどのように行動すれば良いのかを常に意識して、練習に取り組んでもらいたいと思います。


6月17日 偉大な人

プロ野球の安打記録を日米通産で更新したイチロー選手のニュースが至るところで報じられています。

この偉業に関して改めて何かを言うことは必要ないのですが、ネットで今までの記録のまとめなどを見ていて、個人的に興味深いと思ったことを一つ。

試合後の会見で、イチロー選手は記録を達成して嬉しかったのは周りが喜んでくれることで、今までのチームでは、辛いこともあったし、足を引っ張られることもあったけれど、今のチームはそういうことがなくて最高のチームメイトだと言っていました。

具体的にどこのチームとは言いませんでしたが、かつて所属していたマリナーズでトレードされる前のシーズンは、イチローが打率3割5分でその他の打者が全員2割以下という状況でした。練習も真面目にやらない選手が多かったようです。

周りの環境に左右されずに自分のやり方をひたすら貫くということは大切なのですが、それをずっと続けることは口でいうほど簡単なことではありません。

偉大なスポーツ選手というのは、記録で勇気を与えて、そこに至る過程からどのように生きていくべきか考えさせてくれる人だと思います。


6月18日 微調整

新しい分野を教えるとき、当塾の授業の基本的な流れは、内容や考え方を説明して、例題を解いて見せてから、生徒に類題を解かせて実際に出来るかを私が確認するというものになっています。

ここで、毎回頭を悩ませるのは、例題としてどの問題を取り上げるのかということです。

生徒の状況によって、数値が変わっただけのものから、少し表現が違っているもの、考え方は同じであっても少し工夫が必要なものと、その時々で採用する問題を変えています。

当塾では新しい分野の授業は数研出版の「サクシード」という教材を使って行っているのですが、同じ数研出版の「チャート」であっても類題が存在していないこともあり、丁度良い例題が、中々見つからないこともあります。

「チャート」は、難しい順に赤、青、黄、白という色の並びになっていて、掲載されている問題が異なっています。2、3日前に授業準備をしているときに、全ての色の「チャート」探しても適した問題が見つからず、他の出版社の参考書も色々探したのですが最近の参考書で結局求めている問題は見つかりませんでした。そこで旧課程版の参考書を調べて、ようやく良い問題を見つけることが出来ました。


教科書を使った授業でもよいのですが、こちらの創意工夫が最大限に活かせるやり方を考えて、手間はかかりますが現在はこのような方法を取っています。

当塾では、授業での様子を見ながら生徒のレベルに適するように微調整をかけていきます。そういうところで理解度が変わってくると思っています。


6月19日 パートを分けて取り組みましょう

最近、途中入塾の問い合わせが増えています。当塾では、高校1年生の始めからの通塾をお勧めしていますが、途中入塾も対応しています。

高校1年生の始めからの通塾をお勧めしている理由は、始めの単元から教えることで生徒の特性を把握しやすく、苦手にしやすいところを根気よく教えることが出来るので、スムーズに勉強を進められる可能性が高くなるからです。

これに対して、途中入塾して来た生徒は、意外な場所でつまづいていることが多々あるため、問題を解いているところを観察しながら、矯正をしていく必要があります。変なクセが付いていたり、身についていて欲しいことが身に付いていなかったりするので、軌道に乗るまで時間がかかることが多いです。

身に付いていないことを身につけるのはいいのですが、クセを直すというのは細かいこと何度もを言われるので、あまり良い気分はしないと思います。ただ、放っていると、いつまでも出来るようにならないので、定期的に声をかけていきます。

例えば、文字の書き方や、線の引き方をを含めて、答案をどのように作成するかということを細かく確認していきます。ただ、これは今までの人生で培ったものなので、矯正することは簡単ではありません。

また、途中入塾してきたほとんどの生徒が、問題を解くときのアプローチの仕方が身に付いていません。多くの生徒は、いきなり式を書いて計算をしようとすることが多いのですが、このように問題を解いていると、発展的な内容の問題には対応できません。

問題を解くときには、状況を整理するパートと、計算をするパートを分離することが大切です。文章にすると簡単なのですが、多くの生徒はこのことが身に付いていません。

当塾は、定期考査で瞬間的な点数を上げることよりも、物事をどのように解決していくか、数学を通じてその能力を身につけることを目標にしています。


6月20日 イメージする力

数学の指導をしていて思うのですが、図の点や線が動いたらどうなるかというイメージをすることを苦手にする生徒が多いように思います。

例えば、空間座標で指定した点がxy平面に関して対称移動したときに、座標がどうなるかと聞くと、多くの生徒がイメージが出来ない、分からないと答えます。

それぐらいのこと説明されなくても分かるだろうと、飛ばしてしまってもおかしくないことなのですが、私の経験上出来ない生徒が多いので、必ず出来るか確認をして出来ないのであれば時間をかけて説明するようにしています。

また、中学校の範囲の基本的な図形の性質を聞くと、忘れたので分かりませんと答える生徒が多いように思います。確かに覚えないといけないこともあるのですが、図形の基本的な性質は覚えるより、理解する方が多いように思います。忘れたと言う生徒は色々な図を描いてみたり、何故その性質が成り立つのか確認したりという作業を自分で行っていないのかもしれません。

数学は、言われたことだけを覚えて当てはめていれば出来るようになるというものではありません。頭を動かして想像力を働かせたり、手を動かしてイメージを具現化したり、試行錯誤をする習慣をつけることが大切です。


6月21日 理由

生徒と話をしていると、今学校で勉強していることは社会に出て役に立つのかとか、主要科目ではない(家庭科など)科目の定期考査の勉強をなぜしないといけないのかという意見が出ることがあります。

2次関数を社会に出て使ったことなんかないと言う大人もいるでしょうが、それは、その人が2次関数を使わない仕事についていて、どこにその考え方が用いられているのか理解できていないだけです。そして、悲しいことにそういうことを真に受ける学生がいるということです。

本気で勉強をしてきた大人であれば、勉強した内容は直接使うことも多く、またそのプロセスで得たものが大きいことを理解しているため、学校の勉強が社会に出て役に立たないなどとは決して言わないはずです。

また、何が役に立つのか役に立たないのかは勉強しているときには分からないものです。どのようなことでも、まずは学んでみようという姿勢をもって取り組まなければなりません。

行動に意味を求めすぎる人は、就職したときに与えられた業務にたいして、これって意味が無いからやりたくないと思いながら働くことになるかもしれません。大抵の会社は、仕事を覚える順番を考えて新入社員に業務を与えていきます。そして、与えられたことを必死でこなすことで仕事が出来るようになっていきます。一見意味が無さそうなことが大切だったと気づけるのは、実際に働いて仕事を覚えてからなのです。

意味が分からないからやらないのではなく、意味は分からないけどやってみることで、初めて意味は分かってくるものなのです。


6月22日 参院選

今日は7月10日に投開票が行われる参院選の公示日でした。

今回の選挙は、選挙権が18歳以上に引き下げられた始めての国政選挙ということで、ニュースではそのことを大きく報じています。

私が18歳のときを振り返ってみれば、選挙や政治に関して全く興味や関心はありませんでした。学校の授業で選挙の仕組みや、日本の政治の歩みを勉強をしていましたが、理解できていなかったからです。

今の18歳がどのような投票行動に及ぶのかは分からないですが、自発的に勉強をして、興味を持って投票できる人はそこまで多くないでしょう。

私が政治に興味を持って、きちんとした理由と意思を持って投票し始めたのは25歳くらいのときでした。人によって差はあるでしょうが、ある程度精神年齢が高くなってくると、国のあり方や、社会と自分の関わり方を考える中で、政治や経済に興味を持ってくる時期が訪れます。

18歳の段階でそのような行動を取れる人はそれほど多くないでしょうが、選挙権を得ることが、どのように生きていくかを考えるきっかけになると良いかもしれません。


6月23日 7、8月の予定表

TOPページに7月、8月の予定表をアップしました。8月は学校が夏休みになるので、塾の授業を多めに入れます。

成績を上げるために、自分自身の力をつけることはもちろん必要なのですが、受験は相対的なものですから、合格するためには受験する大学の定員内に入らなければなりません。

現在、学力が志望校の合格ラインに到達していなければ、学力をつけて他の生徒を追い抜かないといけないわけですが、一般的に、勉強の出来る生徒ほど休みの間に勉強をします。また、学力が高い生徒ほど勉強をしたときに更に学力が付く傾向にあるので、同じ分量をやっていては学力差は広がっていきます。

そのような理由で、頑張ったら遅れを取り戻せそうな気がする8月が最も学力の差が広がりやすい時期になります。そうならないためには、ライバルがやっているよりも勉強の分量を増やすことが必要になります。

人生の中で、ここまで必死にならないといけない夏はそれほど多くありません。覚悟を決めて勉強に取り組む夏にしてください。

1学期末の考査が間もなくですが、その結果で入塾を考えられる方もおられるかもしれませんので、スケジュールを参考にしてください。途中入塾の方は1学期で定着していない内容があれば、補講も行います。

人によっては8月は通常授業と合わせて20日ほど塾に来る可能性がありますので、本気で頑張りたい人にお勧めです。

7月の予定表  8月の予定表  


6月24日 テスト対策はしませんが

何度も書いているのですが、当塾では定期考査の対策を行いません。

理由は、定期考査に照準を当てていると、大学受験に対する指導にならないことがあるからです。推薦を考えている場合は別ですが、一般入試で受験することを想定している場合、高校の定期考査の対策を塾でする意味は無いと考えています。

大学受験は、指導する側がアドバイスをすることはあっても、学習計画を立てて実行していくのは生徒自身です。定期考査は、自分に何が足りなくて何をするべきなのかを経験する機会になるので、勉強計画を立てる経験を積んでもらいたいという思いもあります。

そういうわけで、こちらが主導したテスト対策は行いませんが、生徒自身が勉強をしていて分からないところの対応は行います。1学期末の定期考査の時期が学校によってずれているので、質問に対応できるように数学のテストがある前日は塾を空けて待機しています。

生徒には伝えましたが、考査期間中に塾に来るのは自主性に任せています。自分の最も勉強のしやすい環境で、意味がある勉強に取り組んで下さい。


6月25日 大きなニュース

イギリスのEU離脱が国民投票で決まり、世の中が大きく動いています。世界的なニュースでいえば、今年起こった出来事の中では今のところ1番大きいものだと思います。

今年、日本で開催された伊勢志摩サミットやオバマ大統領の広島訪問、そして今回のイギリスのEU離脱と、このような大きなニュースは時事問題として英語や小論文などの試験や面接のテーマにもなる可能性があります。

こうしたニュースがなぜ大きな話題となっているのかを知るためには、歴史の知識が必要になります。歴史は覚えるばかりで面白くないという生徒がいますが、現代に生きている私達は歴史の最先端にいます。今の政治制度や国際秩序がどのようにして成り立っているのかということを知るために勉強していると思えば、歴史の勉強も自分との繋がりを多少は感じられるかもしれません。

受験のためにニュースを見ても役に立つとは思いますが、受験などは関係なく、世界で今、何が起こっているのかを知りたいと思えるようになってもらいたいと思います。少しの時間でも良いので、ニュースやネットの記事位は見るようにしておきましょう。


6月26日 つながり

今日は、昼間に学校時代の教え子達とご飯を食べに行ってきたのですが、帰り際にお菓子をいただきました。



画像だと分かりづらいですが、箱に巻いてある紙にびっしりとメッセージを書いてくれていました。

見返りを求めて仕事をしているわけではありませんが、卒業して何年も経つ生徒が会いに来てくれて、気を使ってくれると、こういう仕事をやっていて良かったなあと思います。

仕方の無いことなのですが、ほとんどの人は新しい環境で生活が始まると、段々とつながりが無くなっていきます。その中で、こうしてつながりが残っていることは幸せを感じます。

明日からも頑張ろうという気持ちにさせてくれました。


6月29日 タイムラグ

教室の後ろのホワイトボードには、学校の考査予定や塾の日程などを掲示しています。その端にはセンター試験までの残り日数を書いています。



6月29日現在でセンター試験まで残り198日です。残り200日を切りました。

別の言い方をすれば、センター試験が1月に終わってから160日余りが経過したということですが、この160日間で実感できるくらいの成長があったでしょうか。必死で努力を続けた人は少し成果が感じられるかもしれませんが、劇的な変化を感じているという人はそれほど多くないでしょう。

意味のある勉強をやり始めて、それが身について結果となって現れるのには、勉強を毎日続けたとしても3ヶ月から6ヶ月ほどかかります。勉強を始めるのが遅くなれば遅くなるほど、実際に成績が伸びる時期は遅くなります。

高校3年生の今から勉強を始めてもハッキリ言って遅いのですが、必死でやればまだ受験前に伸びる時期が訪れる可能性はあります。

高校1、2年生は、大学受験はまだ先だと思わずに、今から継続した勉強を行って高校3年間を常に伸びる時期として過ごせるように頑張りましょう。


6月30日 高校1年生の夏

今日で6月も最終日となり、今年の上半期が終わりました。

といっても、教育業界で働いていると年の始まりは4月という感覚になるので、今年度の4分の1が終わったという気持ちの方が大きいです。

一般的に学習塾は7月後半から8月にかけて忙しくなります。当塾も8月の予定表を見ていただければ分かるように、8月は授業を入れられるだけ入れています。

さて、高校生は現在1学期末考査中の人が多いようですが、特に高校1年生はこの3ヶ月間しっかりと努力が出来たでしょうか。期末考査の結果だけで判断できるものではありませんが、あまり理解ができていなかったと感じる人は、定期考査後からすぐに復習をして8月末までに何とか追いつけるように頑張りましょう。

現在勉強していることは、ここから先の勉強と全て繋がっています。数学に関して言えば、一般的な生徒は高校1年生の夏が終わるまでに基礎の部分が仕上がらないと、大学受験で数学を使うことが困難になると思います。

大学受験はまだ先だと思わずに、高校1年生の夏が勝負だと思ってください。



松山数学塾
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