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2016 10月


10月1日 あと104日

今日から10月です。今年も残すところ、あと3ヶ月になりました。高校3年生にとっては受験が近づいてきて、センター試験までは残り104日です。

ちなみに10月31日の段階では、残り74日となります。残り2桁になると、いよいよ焦り始める生徒が出てくる頃です。

今月は多くの学校で、週末に3回以上模試があります。模試がある週末は、あまり勉強が出来ません。残り日数が少なくなり焦り始めたところに、模試で取った点数が酷かったりした日には、どうしたらいいんだろうという気になるかもしれません。

模試の結果に一喜一憂してはいけません。点数はその日の運にも因りますし、正確な力が必ず測定されるわけではありません。点数よりも、どこが出来て、どこが出来ていなかったかを確認して復習することの方がよほど大事です。

点数に一喜一憂する生徒に限って、点数が悪かった模試の問題なんて見たくない、などと言って復習をしなかったりします。せっかく多くの時間を使って模試を受けたのですから、最大限活用をしましょう。

また、これくらいの時期になってくると、本番までに何をしないといけないのか、やっと分かってくるのですが、やらないといけないことの量に呆然として勉強が手に付かない生徒も出てきます。

結果のことだけを考えて勉強をすると、焦りが生まれますし、手が止まってしまうこともあります。1日に出来ることには限りがあるので、出来るだけのことをやればいいのです。どんな状況においてもペースを崩さずにやりきろうとする意思が大切です。


10月2日 図形の性質

先日、図形の性質がテスト範囲になっている生徒から質問を受けたときのことです。

外心(三角形の外接円の中心)が与えられている図で、角度の求め方が分からないということだったので、外心の性質はどういうものだったかなと尋ねました。そうすると、忘れましたというので、何故性質が成り立つのかということを一緒に確認していきました。このように図形の性質を忘れてしまった、分からなくなったときに大切なことは、性質だけを覚えようとしないことです。

数学のどの分野でも言えることですが、公式や定理をただ覚えるのではなく、何故そのようになるのかということを理解することが大切です。

図形の性質で生徒がよく混乱するのは「外心」「内心」「重心」のそれぞれの性質です。補助線や円を書かずに考える生徒は全て同じに見えてしまうようです。これは教科書に書かれているまま、性質を覚えようとしてもダメで、「外心」と「内心」の性質は円の性質から導く、「重心」はどのように作図すると得られる点なのかを意識することが大切です。

少なくとも完全に身に付くまでは、毎回、円や補助線を書いて理由を確認しながら解くようにしなければなりません。面倒くさいと感じるような作業を繰り返すことで、理解が深まっていきます。その面倒くさい作業を繰り返す方が結果的には早く覚えられるので、何度も性質を見返して覚えなおすという面倒くさい作業を将来的に行わなくて良くなります。また、忘れてしまっても自分で作り出すことが可能になります。

先のことを考えて、是非目の前の面倒くさいことに取り組んでもらいたいと思います。


10月8日 図を描くことの大切さ

久しぶりの更新になります。5日間休んだおかげで、随分元気になりました。休んだといっても、授業の準備をしていたりはしました。それと、休みの間に甥の勉強を少し見に行ってきました。

甥は現在中学校1年生なのですが、数学の文章問題が解けないから教えてほしいということでした。試しに1問解いているところを見ると、それだけで出来ない原因が分かりました。

小学生、中学生、高校生に共通して言えることですが、文章問題が苦手な生徒は立式が出来ないことがほとんどです。立式ができない生徒の特徴は、いきなり式を立てようとして、与えられた数字を何となく、かけたり足したりしています。

立式する上で最も大切なことは図を描くことです。図を描くということは、上手な絵を描くということではありません。文章で書かれたことを整理するということです。図を描くと、文章のまま問題を考えるよりも状況が掴みやすくなりますし、能動的に考えることが出来るようになります。

実際、甥にそのように伝えて問題を解かせたところ、今まで解けなかった問題が全て解けるようになりました。

断っておきますが、このように急に出来るようになる生徒ばかりではありません。図を描こうとしても上手く行かない場合、考えられる原因は色々あり、対処が必要になります。塾で指導をするときは生徒毎に原因が異なるので、どこで引っかかっているのかを問題を解かせながら探していきます。

ただ、図を描くだけで文章問題が解けるようになる生徒も少なからずいるので、今まで図を描かずに考えていたという人は、まずは図を描くことから始めてみてはどうでしょうか。


10月9日 算数のクイズから

先日、本を読んでいると、こんな算数のクイズがありました。

「太郎君と花子さんが10km離れた目的地まで歩いていきます。太郎君はある一定の速度で歩いていき、花子さんは始めの5kmは太郎君よりも1km速い速度で歩き、後の5kmは太郎君よりも1km遅い速度で歩きます。太郎君と花子さんはどちらの方が早く目的地に着くでしょうか。それとも同時に着くでしょうか。」

考えたい人は下を読まずに解いてみて下さい。
































太郎君の速度を具体的に設定して計算してみればなんていうことの無い問題なのですが、関数として考えると興味深い結果が出てきます。

結論としては、太郎君の方が早く目的地に到着するのですが、太郎君と花子さんの速度差を
2km、3kmと増やせば増やすほど、目的地までの到着時間の差が大きくなっていきます。

つまり、平均的に動いている人と比べて、ムラがある動き方をしている人は効率が悪いということが言えるわけです。

「速度」を「やる気」にして勉強のことを考えると、トータルで同じ量をこなしているように見えても、毎日平均的に頑張っている人の方が、急に1日だけ頑張ったり全然勉強をしない日がある人よりも、効率よくゴールに向かっていると言えるのです。

毎日コツコツ頑張っている人は、その行為が数学的にも正しいということが証明されるわけですね。


10月10日 意味、分かっていますか?

先日、生徒が次のように問題を解いていたので、少し注意しました。

ある問題の一部なのですが
「自然数50から100までにはいくつ自然数があるのか」
を求めるというものです。

よくある間違いとしては
100-50=50 なので 50個としてしまいがちです。

その生徒は
100-50+1=51 なので 51個としていました。これは正解です。
しかし、個人的にこの解き方はあまり良いとは思えないのです。

実際、生徒に「どうしてこうすると個数が求められるの?」と聞くと、学校でこうやったら出てくると習ったんです、という返答でした。理屈も習ったのかもしれませんが、理解できていないのであれば、この解き方は勘違いを生みます。

私が思う正しい考え方は
数の個数は1から数えると数と個数が一致するので、1~100までの個数から1~49までの個数を除いたものが得られる個数となるから
100-49=51 で 51個というものです。

生徒に理解してもらいたいのは「数の個数は1から数えると数と個数が一致する」という部分です。

私が勉強を教えるときに大切にしていることは、すぐに答が出てくるということではありません。なぜ、そのように考えないといけないかを理解させるということです。こういうちょっとしたことでも、意味を考えて解けるようになってもらいたいと思っています。


10月11日 意味、分かっていますか?A

先日ベクトルの授業をしているときに、生徒から質問がありました。

学校で「それぞれのベクトルが0でなく、平行でない」というところを「一次独立なので」と書くように言われたのですが、それでもいいんですかというものでした。

答案にはそのように書いても、もちろん正解です。文字数も少ないですし、その方が楽だと思います。ただし、きちんと意味が分かっていないのであれば、あまりその記述をしてもらいたくはありません。

質問してきた生徒に「一次独立」の意味は分かっている?と聞くと、分かりませんと言っていました。このように意味は分からないけど、とりあえず書けといわれたから書くというような勉強方法は良くないと思うのです。

数学という学問の根幹は「なぜ」を考えるというものです。点数が取れるとか、答が出るということを重視するような勉強方法で、力が付いていくとは思えません。


10月12日 指導が難しいこと

生徒を指導していると、数学そのものではない部分の指導が難しいなあと感じます。

指導の難しいことの一つとして、文字や図、グラフを綺麗に書いたり、解答を見やすいレイアウトで作成するというものがあります。綺麗に図を描くテクニックであったり、グラフを描きやすくする方法は教えるのですが、根本的な丁寧さというのはなかなか伝わりにくいです。

生徒がノートを取っている時や問題演習の採点をするときに、気になるところや改善するための方法を伝えはするのですが、経験上、すぐに良くなることはあまりありません。これは今までの人生で染み付いているクセなので、本人がよほど意識をしない限りは改善するのは難しいからです。

個人的な考えですが、こういう部分にも精神年齢が関係するような気がします。年を重ねると不思議なことに文字が丁寧になっていく人が多いように感じます。

自分さえ分かれば良いという考えから、相手に見やすいようにするためにはどうしたら良いんだろうと考えられるようになっていくからなのでしょうか。

勉強を通じてそういうことを考えられるようになるのも、大切な成長の一つではないかと思います。


10月13日 参考書を選ぶための参考書

今日、少し時間があったので本屋に立ち寄ったら、学習書のコーナーで
「行きたい大学へ行くための勉強法がわかる 高校一冊目の参考書」
という本が目に付いたので、少し中をのぞいてみました。

対象としているのが難関大学を志望している生徒なのかなと感じたので、すべての生徒に当てはまるわけではないと思いますが、どの参考書を選んで良いか分からない人のために、各教科のお勧めの参考書が書かれていたのと、勉強法や受験勉強の心得が書かれていました。

さらっと見ただけですが、塾や予備校に行っても良いし家庭教師をつけても良いけれど、とにかく自分で勉強しろと書かれていました。この意見は全く正しいと思います。勉強に限らず、自分の能力を高めようとした場合、周りのサポートを得ることは大切ですが、サポートだけではどうしようもありません。結局は自分自身で努力するしかないのです。

ただ、高校数学を勉強するとき、参考書のみでなんとかなっている生徒はそれでいいのですが、なんとかならない生徒の方が圧倒的に多いと思います。

当塾では、自分で勉強をする気があるけれど、どうすれば良いのか分からないというような生徒に来て欲しいと思っています。本気で頑張る気持ちがある生徒が通えば、意味のある塾だという自負はあります。


10月15日 数学の壊れる時期

塾に通う生徒から聞いた話ですが、とある進学校の最近行われた考査で1年生の数学の欠点者が50名以上いたそうです。中学校のときは各学校で学年上位10%以内にいた生徒ばかりだと思われるのですが、このような状況になることは不思議ではありません。

言い方は悪いですが、欠点を取った多くの生徒が高校の勉強を舐めているのだと思います。2学期のこの時期になると、テストの内容は高校で習った範囲からのみ出題されるので、中学校のときの貯金は無くなります。高校に入ってからどのように取り組んだのか結果が出ているのです。

これは今年だけに限ったことではなく、進学校であっても今くらいの時期から高校数学が壊れてしまう生徒が多発します。

そして、高校1年生のこの時期に数学が壊れてしまっている生徒は大学入試で数学が使えるようになりません。つまり、センター試験で数学の点数が取れないので、文系であっても国公立大学への進学が厳しくなるのです。

現時点で学校の考査で数学が欠点の生徒は危機感をもたなければなりません。新しい分野を習いながら出来ないところを復習するのは、欠点を取っている人には不可能に近いと思います。

当塾へ来ればどうにかなるとも思いませんが、学校の先生に助けを求めたり、家庭教師をつけるなど何かしら対策を打たないと、取り返しが付かないギリギリの時期になっていることを知ってください。


10月16日 誰のために

最近、複数の生徒から部活動のことで相談を受けました。部活が忙しくて勉強が出来ないんですが、どうしたら良いのでしょうかということです。

どうしたら良いのかというと、部活動を辞めるしかないでしょう。

このように自覚のある生徒はまだ良い方で、部活動が学力の向上の妨げになっていることが分からないまま部活動に傾倒している生徒は少なくありません。

大学入試と高校入試は全くレベルが違います。部活動をやりながら勉強をできるという人も存在するかもしれませんが、高校では割合的にはかなり少なくなります。また、部活動をやりながらといっても限度というものがあります。平日は毎日2時間以上、土日は基本的には朝の8時から夕方5時まで、月の休みは1日有るか無いかという部活では、どんなに優秀な生徒でもまともに勉強するのは不可能でしょう。

元々、勉強をして大学に行く気が無いのであればそれでも構わないのですが、学力をつけて大学に行きたいと考えるのであれば、それに適した行動を取るべきです。

個人的な見解を言わせてもらえれば、先日の日記で書いた、某進学校の高校1年生の数学の欠点者が異常に多いというのは生徒の問題以外にも原因はあると思っています。

そのうちの1つとして、5年以上前から愛媛県の教員採用試験では、来年実施される愛媛国体に向けて、部活動の指導の出来る人に加点を与えて優先的に採用をしてきました。教科指導よりも部活指導に重点を置いて教員を採用してきたと言っても良いと思います。愛媛国体が来年に迫った今、指導の方向が一番偏っている時期になっている可能性があります。

そういうふうに採用された教員が全てダメだとは思いませんが、生徒の人生を考えて勉強と部活のバランスを本気で考えてくれる人は多く存在しているのでしょうか。

当塾に通っている生徒も、勉強のことを考えて部活を辞めたいと顧問に申し出たところ、取り合ってもらえず、恫喝のような態度を取られて非常に困っています。

先生は誰のために、何のために存在しているのでしょうか。そういったことを考えていただきたいと思います。


10月18日 変わらないこと

受験業界の人と話をするとよく話題に出てくるのが2020年の大学入試制度改革です。報告として出てくる話が二転三転しているので、どのように変更するのかよく分からないというところがあるため、様々な憶測がされています。

一番大きな変更点はセンター試験を廃止して、新たな試験制度を導入するということなのですが、その新たな試験制度に問題が多発しています。

センター試験を無くして問題が山積している新制度を導入しようとしているのは、何かを変えることが仕事をしたことになると勘違いしている人が、教育行政に携わっているからではないかと思います。時代に合わせて変えなくてはならないこともありますが、試行錯誤の結果出来た良いものを変えるのは、愚かな行為だと思います。

有識者と言われている人は、センター試験では回答が選択式なので思考能力が測れないなどと言っていますが、最近のセンター試験の問題を実際に解いているのでしょうか。もし、解いていればそのような言葉は出てこないと思います。

センター試験は、どの教科でも練られて作られており、基礎的な問題から高度な思考力を要する問題までバランスよく出題されています。本物の学力がある生徒とそうでない生徒の点数差がきちんと現れる試験になっています。

新制度の狙いとして、覚えるという知識重視の勉強ではなく、思考力、判断力、表現力を評価するような試験を行うということなのですが、基礎的なことを積み上げていない知識の無い人が思考力、判断力、表現力があると思っているのでしょうか。

現行のセンター試験と2次試験で思考力、判断力、表現力は十分に測れているとは思いますが、新制度で更にそのような力を測る試験を作成できるのであれば、基礎学力の差がより顕著に現れるので、今以上に知識を得ることが求められる可能性があるように思います。

新制度の試験を受けることになるのは現在の中学2年生からなのですが、試験の制度が変わるからといって、やるべきことは何も変わらないと思っておいた方が良いです。基礎学力をつけて、意味を理解して、論理的に問題を解決する。受験でも社会に出ても役に立つこの能力を身につけるために日々努力をするべきです。


10月19日 1点きざみの何が悪いのか

昨日の話の続きになりますが、新たな受験制度では1点きざみで合否が決まることはけしからんということで、何度か試験を受けて成績をA〜Dのような段階に分け、段階ごとに適した大学の受験資格を得た上で、面接や評定などで合否判定を行うという案が出ています。

色々と言いたいことはあるのですが、AとBの段階の境目は結局1点の差で分かれることにならないのでしょうか。もし、段階によって受験できる大学が変わるとなった場合、1点のために大学を受験することすら出来ないとなったら、現時点より不公平感が大きいような気がします。

また、同じ段階の人は差をつけないのであれば、段階の中の一番上の人と一番下の人で、例えば50点以上離れていても同じ条件として扱うのでしょうか。仮にそうだとして、面接をして面接官の主観で段階の一番下の人が合格して、段階の一番上の人が不合格になることもありえるのでしょう。

現行の試験では1点差で合格、不合格が分かれたとしても、それが自分の取った点数の結果である以上、不合格でも受け入れなければいけないという気持ちになれるように思います。

1点差で合格した人と不合格だった人には、能力的には差は無いでしょう。むしろ、落ちた人の方が本来の能力が高いなんていうこともあるでしょう。しかし、受験とはそういうものです。また、受験に限らず、世の中にはそういうことがたくさんあります。

受験において、変な配慮をする必要などありません。結果はどうであれ、公平な判定方法で合否が出た限りにおいては、受け入れるしかないからです。平等であるということを履き違えて、より不公平な仕組みに変えないようにしてもらいたいと思います。


10月20日 自分に適した環境

先日、高校3年生の生徒が「家で勉強をしていると、得意科目のときは集中できるけれど、苦手な科目を勉強しているときは集中が続きません」というような話をしていました。

特に理系科目は分からないところを理解しようとしながら勉強を進めると、相当なエネルギーを使います。答だけ合えば良いというような勉強をしている分には疲れはしないので、この生徒はきちんとやるべき勉強が出来ているのだなと思います。

ただやはり、一人で辛い勉強をしていると、ベッドに横になったり冷蔵庫を開けたくなったりするものです。自宅で勉強をするときは、そういった気持ちの緩みが許される環境なので効率を落としてしまいがちです。

その生徒には、自宅で出来なければ塾の自習室で勉強をすれば良いし、自習室でもだらっとしてしまいそうなら、授業をやっている教室の後ろで自習をしてもいいということを伝えました。

他の講座の授業は自分に関係の無いことをやっているので余計な音声が入ってくることもあるでしょうが、集中していれば音は聞こえなくなります。また、周りが勉強をしているので、勉強をせざるを得ませんし、当塾は1コマ2時間なので2時間は外に出て休憩が出来ません。

この提案は強制ではないので、本人がこのようにやりたければやれば良いと思います。自分が集中して勉強が出来る環境を考えるというのも大切なことです。

今のままではダメだなと感じていて、何かを変えたいと考えている生徒にはこちらも協力を惜しみません。


10月21日 責任

昨年もあったのですが、今年もこの時期になって高校3年生の方から入塾の問い合わせがありました。

当塾では、どんなに遅くとも高校3年生の8月までには入塾していただかないと、お互いのためにならないと考えているので、今のような時期からの高校3年生の入塾は原則お断りしています。

正直、途中から入塾してきた生徒というのは手がかかります。

当塾は、通常の授業は集団で行っていきますが、生徒の様子を見て何が出来て何が出来ないのかを確認して、必要であれば個別で呼んで指導をするというスタイルで運営しています。

何が出来て何が出来ないのかを判断するのには時間がかかりますし、問題を解くのに変なクセが付いていると、それを直すのにも苦労します。

高校1、2年生であれば、まだ対応する時間があるのですが、高校3年生だと受験までに時間が無いため、本人のためにならない指導をしてしまう可能性すらあります。また、その生徒にかかりきりになってしまうと、元々在籍している塾生への指導にも悪影響が出てしまうこともあります。

そのように考えると、新しく入る生徒にも、既に通っている生徒にも責任が取れないので、お断りすることがほとんどです。

もし、今からの時期で高校3年生の入塾をお受けすることがあるとすれば、現時点で通っている生徒と学力レベルが非常に近く、基礎からの指導を必要としないと確信が持てる場合だけです。

勘違いしていただきたくないのは、高校1、2年生の生徒で数学が苦手だという生徒の入塾はお断りしていません。指導をして意味のある状況でなければ、入塾を勧めないということです。

それぞれの塾で考え方は違うでしょうが、当塾では責任を持って指導を出来る範囲内でしか、塾生を増やすつもりはありません。


10月22日 整理

当塾では、生徒にプリントを配布することが多いです。

問題演習のときはプリントを配布して解答を書かせて私が添削をします。答が合っていたとしても、表現がおかしいところや、論理性が欠如している場合など、試験で通用する解答が書けるように指導をしていきます。

また、単元によっては、教科書や問題集の習う順番や問題配置が気に入らないこともあるので、勉強をしやすい順にまとめ直して生徒に配布しています。

こういうプリント、きちんと保管しているでしょうか。

自分で言うのもなんですが、単元別にまとめたプリントは、市販の問題集や参考書で勉強し辛い範囲を復習をするときに相当役に立つと思います。一回解いたからといって捨てたりせずに、出来る限りきれいな状態で保管をして、復習に活用してもらいたいと思います。

私は物持ちが良い方なので、自分が高校生の時に通っていた塾のプリントを未だに保管しています。



頻繁に解きなおすことはありませんが、こうして頑張ったんだなあというのは、良い思い出になります。

ノートは使い終わったら、内容を表紙に書くなどしておけば、復習の効率も上がると思います。復習することを前提として、どうすれば勉強がしやすいか各自で工夫しましょう。


10月25日 11月の予定表

TOPページに11月の予定表をアップしました。

11月の予定表

11月は19、20日に愛媛県高等学校総合文化祭などもあり、文化部が忙しくなるので考慮して日程を組んでいます。また、後半には推薦入試や定期考査もあるので、多少変則になっています。出来る限り生徒のスケジュールに合わせて配慮していますが、見落としがある可能性もあるので、都合が悪い場合は早めの連絡をお願いします。

11月から高校3年生は、本格的なセンター試験の対策もやっていきます。

スケジュール表にも書いていますが、センター試験の演習をする日は予定時間より30分早く塾に来て、自習室で問題を解いて、後半の90分で解説をするようにします。

問題を配布して解いてくるようにすると、センター試験の演習をするときに重要な「時間を計って解くこと」をサボる生徒がいるので、塾に来て問題を解いてもらうようにしています。

また、経験上、数学TAは解説が60分以内に終わることもありますが、数学UBの解説は90分ないと時間が足りません。センター試験の解説は計算の仕方や、解法までの道筋の付け方、捨てるべき問題の見極め方など、説明しておきたいことが多く存在するので、どうしてもこれくらいの時間がかかります。

問題や解答を配布するだけであれば時間はかからないのですが、演習するのであれば意味のある演習をしたいので、時間を取って行うようにしています。


10月26日 蛍雪時代11月増刊号

蛍雪時代の11月増刊号が出たので購入しました。



この本に掲載されている大学の合格最低点が非常に重要なデータで、進路指導をするときには重宝します。

大学に合格するためには合格者の中で1番になる必要はなく、合格定員に入っていればいいのです。年度毎に合格最低点は多少前後するのですが極端に変化することは稀です。

センター試験で取った点数と生徒の2次力を総合して考えて、合格最低点を越える可能性がどれくらいあるかを予測することが受験校選定のときに必要になります。

センター試験後に大手予備校のデータ分析でA判定〜E判定と出てきますが、Aなら良くてCならイマイチのように曖昧な雰囲気で受験校を決めるのではなく、具体的な数字で合格可能性を探っていくことで、C判定だけど合格可能性が高い、B判定だけど無理だろうということが分かります。

判定は過去の受験生の全体的な統計データであり、全ての生徒に同様に当てはまるわけでは無いので、判定だけを信じて受験する大学を決めるのは危険です。生徒に具体的な数字を提示できるように、今年も今から準備をしていきたいと思っています。


10月27日 「覚える」と「考える」

高校数学の勉強において「解法を覚えて問題を解くこと」と「その場で考えて解くこと」のどちらが良いのかということが論争になったりします。

どちらかのみが正しいというのは極論であって、実際にはこの二つの方法をバランスよく用いて問題を解いていくことが必要だと思います。これは、問題の難易度によらず、問題のタイプによってある程度の使い分けが必要ではないかと考えています。

例えば、今、授業で取り扱っている高校2年生の「数列」の「漸化式」の分野では「解法を覚えて問題を解くこと」が求められます。覚えるというと勘違いする人がいるのですが、何も本当に全ての問題を覚えるのではありません。この分野では、知らないと思いつかないような変形が出てくるので、ある程度パターンを覚えてしまわないと対応できません。そのパターンを覚えていく過程で理解を深めることで、パターンに無い形に対応出来るようになっていくのです。

また、現在、高校1年生の授業で取り扱っている「整数」の「最大公約数・最小公倍数」の問題では「その場で考えて解くこと」が求められます。本当に基礎的な問題では、パターン化することが出来ますが、少し条件を加えただけで基礎的な問題の解き方が通用しなくなります。それなのに、教科書や参考書に書いてある基礎的な問題の解き方を覚えてどうにかしようとしている生徒をよく見かけます。

数学が苦手な生徒は「理解」と「暗記」のバランスが取れていなかったり、「理解」が必要なところを「暗記」しようとしていたり、またその逆をしていたりすることが多いように感じます。ですから、授業をするときは、出来る限りバランスよく身に付くように気をつけて指導を行っているつもりです。

こういうことを授業中に言ったわけではないのですが、最近入塾した生徒が「今まで勉強して出来なかったのは理解せずに、解法を覚えようとだけしていたからダメだったって分かりました」と言ってくれました。このような分析が出来る生徒は、これから数学が伸びる可能性を十分に秘めていると思います。


10月28日 鉄は熱いうちに

当塾では、通常授業の他に個別指導も行っているのですが、途中入塾した生徒には個別指導を多めに行います。

これには学校と塾の授業進度のズレを補正するためもあるのですが、塾に来ることを決めて勉強をやる気があるうちに頑張らせたいという考えもあります。

勉強のやる気が安定して高いという生徒は中々おらず、波があるものです。生徒のやる気を引き出すということは難しく、外部からの刺激によってやる気が出ることはあまりないと思っています。だからこそ、指導する側は生徒のやる気があるときを逃さず指導することが大切なように思います。

先日入塾した生徒も、来ることが出来る日は全て塾に来て勉強するという日程を組んでいます。やる気はあるけれど、どうして良いか分からないという生徒がいれば、是非相談に乗りますよ。


10月29日 小論文の練習

私立大学、国公立大学のいずれにおいても11月に推薦入試を実施する大学が多いです。本気で合格する気持ちで受験するのであれば、ここに照準を当てて対策をする必要があるのですが、多くの生徒は小論文や面接の練習を始めるのが遅いように思います。

面接は練習を始めるのが遅くても間に合う場合もあるのですが、11月に入って始めて小論文の勉強を始めましたという生徒は、まともな小論文が書けるようになる可能性は低いです。

その理由として、一般入試も受ける予定の生徒は教科の勉強に追われていることがほとんどで、教科外の知識を得る勉強を出来ていないことが多いからです。日常的にニュースや新聞を読んでいればいいのですが、そういうことを出来ている高校生はあまりいません。

また、知識を入れるだけではダメで、それに対してどのような意見が考えられるか考察出来るようになるためには、色々な話を見聞きしなくてはなりません。付け焼刃ではなんともならず、相応の時間をかけて勉強をしなくてはいけないのですが、どのタイミングでそういう勉強に取り組めば良いのかは、高校生には分かりづらいと思います。

受験までのスケジュールを把握するのも合格するためには必要な能力なのですが、大学受験が始めての経験となる生徒に全て理解しておけというのも酷な話です。経験があり、受験までのスケジュールが把握できている指導者が手助けしてあげないといけないこともあると思います。

当塾では、推薦を受けることが分かっている生徒には9月の前半頃から、学科毎に必要な基礎知識を勉強するための書籍を貸し出すようにしています。また、知識があるだけでは書けるようにならないので、10月の始めくらいからどのように練習をしているのか声かけをしていきます。

今日話を聞いた生徒は、学校の小論文担当の先生が忙しいらしく、練習のための問題を選んでもらえないということだったので、塾で問題を用意することにしました。

この時期は、推薦の生徒が多いと学校の先生は全ての生徒の対応に手が回らないことも十分に考えられます。始めに書きましたが大学の推薦は11月に集中します。学校にもよりますが、一人の先生が生徒10人の対応をしないといけないということも起こりえます。指導をしたくても物理的に不可能だということがあるのです。

そういう場合は、人任せにせず自分で行動してどうにかしなくてはなりません。当塾でも、できる限りの対応はさせてもらいます。


10月31日 興味

昨日は一番最後のコマの授業が生徒欠席のために無くなってしまいました。部活動が忙しい生徒達なので夜の授業にしていたのですが、公式戦があったり、練習試合で遠くに行っていて帰って来れなかったりということなので、こういう場合は仕方ありません。

急遽時間が出来たので、昔の教え子に時間が空いていたら食事でも行かないかと連絡をすると、二つ返事で行きますと返ってきました。

この教え子は、今でも連絡を取っている元生徒の中で唯一、数学を教える仕事をしています。教えられる立場から、教える立場になっての苦労話など色々と楽しい話を聞かせてもらいました。

その中で、出た話を一つ。

現在、授業でどのあたりを教えているかという話になって
「塾では高校2年生は数列のΣ(シグマ)あたりをやっているよ」と言うと

「Σの公式って3次の公式が1次の公式の2乗になりますけど、これってたまたまだから4次の公式が2次の公式の2乗になるわけじゃないって、先生、説明してましたよね」と、まさにその日、塾生に説明したことをそのまま言ってくれました。

彼にその授業をしたのが7年前だったので「よくそんな説明したって覚えているなあ」と言うと

「公式の求め方を教えてもらって、本当かどうかΣの4次の公式を自分で作って確認したんで印象に残っているんですよ」とのことでした。

授業をしていて、全員には説明しないような発展的な内容を興味がある人はやってみてと言うことがあるのですが、実際にやっている生徒はそれほど多くないと思います。

数学を生業にしようという人は、高校生のときから、そういうことをやっていたんだなあと感心しました。



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