日記・予定表


基本情報


塾の情報

2016 11月


11月1日 一番大切な教科

受験勉強に関わらず、様々なことを学ぶ上で最も重要な教科は国語(日本語)だと思っています。

日本語を母語としている人は、基本的には思考を日本語で行っています。日本語の理解が曖昧なまま、数学や英語を勉強しようとしても、理解できないことが非常に多くなると思います。

国語(日本語)がきちんと理解できている状態で、数学を正しく学べば、論理的な思考を鍛えることが出来て、他の勉強の学習効率が上がります。ですから、勉強をするときには、まず国語と数学の力を鍛えることを優先するべきだと考えています。

高校生になれば、ある程度の国語力が付いていることを想定して、数学に特化して教えているのですが、最近国語力が怪しいなと感じる生徒が増えてきました。例えば、英単語テストをしていて、名詞や形容詞の意味をもつ英単語なのに動詞の意味を書いたり、その反対であったりと、品詞の意味を正確に理解していないように感じます。また、数学でも文章題を解かせると、文章の意味を読み取れない生徒も少なからずいます。

こういうことは、日本語で文章を正確に読むことが出来ていないことに起因していて、国語の基礎的な演習が不足しているのだと思います。これは、生徒を責めているわけではなく、中学生までに、国語で文章を与えられて問題を解く練習はしていても、基礎的な演習をやらされていないことが多々あるようなのです。

国語力は自習する力にも繋がるので、受験勉強をするときにまず強化をしないといけないポイントです。

というわけで、国語の基礎演習をした方がいいと判断した生徒は、これから冬休みにかけて、少しずつ指導していきます。




11月2日 収束するものです

塾に通い始めると短期間のうちに急激に成績(模試の偏差値や学校の考査の順位)が伸びる生徒が稀にいます。

しかし、塾に通い続けていても、ある一定のところから成績が伸びなくなります。そうすると、始めはあんなに伸びた成績が伸びなくなっているけれど一生懸命やっていないんじゃないかと思われる方がいます。

塾に通い始めて急激に成績が上がるということは、その生徒が本来持っている学力の位置と、今までの成績の位置が離れすぎていただけの可能性があります。

ご理解いただきたいのですが、模試の偏差値や学校の考査の順位というのは相対的な成績になります。一生懸命頑張っていても、周りも同じだけ努力をしていれば、自分の位置というのは変わりません。ですから、同じ集団の中で成績が変化しないというのは、努力は出来ているということになります。

一般的に上位にいる生徒ほど努力をする傾向にあるので、ある一定のところから成績を上げることが極端に難しくなります。その理由は、勉強は出来るようになればなるほど学習効率が上がる仕組みになっているので、成績を上げるためには自分より効率よく勉強している生徒を抜かさないといけないわけです。自分より成績の良い生徒と同じ時間勉強をしていては差が広がってしまうのですが、成績の良い生徒ほど勉強時間が長くなるので逆転が難しいのです。

勉強はやればやるほど、自分の中に積み重なっていくので力は付いていきます。しかし、相対的な成績はある場所に収束していきます。その場所は、本人が努力をした結果の位置なので、そこから更に成績を上げるというのは、ものすごく難しいことなのです。

前回と比較をして、同じくらいの成績を取って帰ってきたら、頑張ってるんだねと言ってあげてもらいたいと思います。


11月3日 寒くなってきました

11月に入って、急に寒くなってきたように思います。

10月の後半は、生徒を入れて授業をしていると教室内が暑くなるので、眠気防止の意味もあって冷房を入れていたのですが、その必要もなくなってきました。

ただ、最近、あまり暖かくない状況でも、眠そうにしている生徒をチラホラ見かけます。部活動の大会があったり、学校の宿題が多かったりと、生徒それぞれに事情があり、いつも体調が万全の状態とはいかないようです。

真面目な生徒にありがちなのですが、全てのことを完璧にこなそうとするあまり、無理をして体調を崩し、学校や塾を休んでしまうことがあります。その結果、遅れを取り戻すのに、更に無理をしないといけなくなるなんてこともあります。

これからの季節、更に寒くなり体調を崩しやすくなります。高校3年生は、受験が近づいてきて頑張らなければいけないのですが、睡眠時間を削るなど、体調を崩すような無理の仕方はしないようにしましょう。


11月5日 生徒の思考

昨日は塾の卒業生が来ていて、話し込んでいるうちに日付が変わってしまいました。

家庭教師をしているようで、現在受け持っている生徒が今年受験らしく、その話などをしていました。

話していてたときに「そうだよなあ」と感じたのは、生徒を指導していて難しいのは何かということで、自分とは理解するスピードや分かり辛いこと(何が分からないのか)が異なるという意見が出たことです。

勉強の指導をする人というのは、比較的勉強が得意な傾向にあるので、自分で勉強しているときはすんなり理解できることも多いと思います。

これが教える側に回ると、特に数学の指導では、自分が引っかからなかったところで生徒が引っかかることが多いので、上手く教えるためには想像力が必要になってきます。生徒の間違いを見て、どのような思考でそのようになっているのかを想像できなければ、正しい思考に導くことが出来ません。

一口に答が合っていないといっても様々な状況があり、出てきた数字をとりあえず組み合わせてみたという間違いもあれば、知っている知識を取り違えている間違いや、拡大解釈をしている間違いがあったりと、多種多様な間違いがあります。

ただ問題の解説をするだけではなく、生徒の現状に目を配ってどのような説明の仕方をしないといけないのかを考えられるのが、良い指導者ではないかと思っています。

卒業生の話を聞いていると、そういう風に、生徒の思考を追うような指導をしているようだったので、教えてもらっている生徒は運が良いなあと感じました。

私も偉そうに言うだけでなく、そのような指導をいつも出来るように心がけていきたいと思います。


11月6日 ゾーン

授業をしていると、1年間に何度か指導者と生徒の感覚が一致して、いつも以上の集中力が発揮できることがあります。今日の1年生の授業がそのような感じで、2時間を予定していた授業内容が1時間半で終わってしまいました。

生徒全員がすごい勢いで問題を解いていく姿は見ていて非常に爽快でした。よく、アスリートの集中力が研ぎ澄まされた状態をゾーンに入ったといいますが、そのような状況でした。

これは、1対1で指導しているときにはあまり発生しない状況で、集団で授業しているときにしか起こりません。原因は分かりませんが、全体がその場の空気に乗せられるからなのかもしれません。

毎回そのような授業が出来ればいいのですが、狙って出来るものでもありません。ただ、そういう空気が作れる集団になってくれているのは非常に嬉しく思います。


11月8日 考え抜く数学

高校数学に興味のある人なら知っていると思いますが、東京出版が発刊している「大学への数学」という雑誌があります。

その雑誌に「学力コンテスト」というコーナーがあり、創作問題を解いて送ると添削をしてくれる(有料)のですが、難問揃いで有名です。

そのコーナーで今までに掲載された問題の中から「数学TAUB」の範囲で精選した問題集が出版されたので、購入して毎日1問ずつ解いていったのですがようやく解き終わりました。



難関大学を目指している生徒に解かせる問題があればと思って解いたのですが、生徒に解かせてみようかなと思った問題は50問中5問ほどでした。ほとんどの問題は難関大学を目指す生徒でも難し過ぎるレベルの問題だと感じました。

本の題名にもなっているように、掲載されている問題は少し考えた位では歯が立たないような問題ばかりなので、数学が好きな人は解いていて面白いと思います。

時間に余裕がある浪人生や、中高一貫の数学が大得意だという生徒は、全問制覇に挑戦してみても良いかもしれません。


11月9日 指導力を上げる方法

今日は、生徒の学力ではなく指導者側の力を高めるための方法を書きたいと思います。

生徒を指導するときに必要な力は大きく分けて「問題を解く能力」「伝える能力」「生徒の力を把握する能力」だと思っています。

話がいくら上手くても問題が解けなくては指導が出来ませんし、どのような難問でも解ける力があったとしても数学が苦手な生徒に難問の解説をしていては意味がありません。

これらは、資質が必要かもしれませんが、努力によって向上していく能力だと思っています。そして、その努力の一貫として、若い先生に是非やってもらいたいのが「教材の作成」です。

学校によっては、何年も前から使われているプリントをずっと使っていたり、先輩の教員がプリントを作成して若手の先生は配布するだけというようなこともあるかもしれません。もちろん、指導者になってすぐの段階ではどのようなプリントを作成すれば良いのか分からないので、他人が作成したものを使っていてもいいと思います

教材には「宿題」として作るものと「授業用」として作るものがありますが、教材作りに慣れないうちは「宿題」のプリントを作成して、授業の進め方などが分かってくれば「授業用」の教材も作れば良いと思います。

数学の授業をしていると教科書では説明できない(内容が足りない)単元があります。まずはそういった分野を説明するときに教材を自作すると、何を教えないといけないかを整理できるので、授業がやりやすくなります。また、色々な単元のものを作成することで、内容の把握にも役立つはずです。

私が学校で働いていたときは、違う学校に転勤になったときは当然以前の学校で使用したものと違う教材を作成しましたが、同じ学校の同じ課程のクラスであっても年度によって作り直したりしていました。

同じ学校であれば例年同じくらいの学力の生徒が入学をしてくるのですが、それでも微妙に学力は異なります。また、年度によっては前年と大きく学力が違う生徒が入学してくることもありました。そういう場合には、前年度のものをベースに微調整をした方が上手くいくと思います。

今は便利な世の中になったので、出版社から単元毎に問題集が出されていたり、教材をある程度カスタマイズして注文できるようなシステムもあります。ただ、1冊全てに納得がいくようなものに未だ出会ったことがありません。

教材を作るのは手間がかかりますが、だからこそ指導力が付くと思いますし、生徒のためにもなります。若い先生は、始めはマネからでも良いので、教材を毎年作り直す習慣をつけてみてはどうでしょうか。


11月10日 適性レベル

昨日の日記に「生徒の力を把握する能力」と書きましたが、この能力を持っていても、学校では指導が難しいことがあります。集団に対して指導を行うときは、どこかにターゲットを絞らないと指導が出来ないからです。

個人的には、勉強に対して意欲が高い集団の場合は中位層の若干上のレベルを基準に、勉強に対しての意欲が低い集団の場合は中位層の若干下のレベルを基準にすると全体に対する指導がやりやすいと思っています。

集団で指導するメリットは多くあるのですが、集団が大きくなるほど基準のレベルから漏れる生徒の数が増えるというデメリットも発生します。集団で授業を行うということは、そういうことがあるという前提で行わなければならないと思っています。

当塾では対策として、集団授業を行い個別指導で補填するといった方法を取っていますが、集団が小さいためレベルを調整しやすいので、入塾して暫くすればほとんどの生徒は個別指導が不要になります。

学校の場合は集団が大きいためレベル調整が難しく、対応も学校や先生によって異なります。理想は自分の学力を集団指導のレベル以上に保つことなのですが、それがなかなか難しいものです。

自分の学力が現在所属する集団で基準に達していなくても恥ずかしがることはありません。むしろ、全ての教科で基準に達しているという生徒の方が少ないように思います。

ただ、そのままにしていても出来るようにならないことが多いので、学校や塾で自分の学力が集団指導の適性レベルに無いと感じた場合は、自分に適する集団で教えてくれるところを探したり、個別で見てくれる先生を探すなどの努力をする必要があると思います。


11月11日 苦手なところ

演習の授業をやっていると問題が解けないことが多いので、こんなに出来なくて大丈夫かと不安がる生徒がいるのですが解けなくても仕方ありません。なぜなら、生徒の苦手にしているところを把握しているので、そこをピンポイントで出題しているからです。

また、数学が苦手で途中入塾して来た生徒に解かせる基本的な問題があるのですが、これもほとんどの生徒が解けません。多くの生徒は基礎的な内容であっても、本質的なことを聞かれている問題に対応出来ないことが多いように感じます。

これは、本質的な理解を促すような指導を受けてきていないか、本人が安易に公式や解き方だけを覚えるような勉強の仕方をしてきたからです。

いずれにしても、現時点で出来ないことを責めるつもりもありませんし、落ち込むこともありません。出来ないのであれば、どうすれば出来るようになるかを考えて行動するだけです。本人にやる気があれば、協力は惜しみません。


11月12日 盗難被害

今日、塾に停めてあった生徒の自転車が盗まれました。

自転車に鍵をかけていなかったので生徒に落ち度はあるのですが、そもそもモノを盗む人の神経が分かりません。

そこまで深く考えて行動をしていないのでしょうが、窃盗というのがどれくらいリスクのある行為なのかを考えられていない時点で、まともな人生が送れるとは思えません。

例えば、中学生であれば内申書に書かれて高校進学が厳しくなるでしょうし、高校生であれば学校によっては退学まで可能性があります。社会人であれば前科になり、まともな会社であれば懲戒免職になるでしょう。

犯罪を犯している当人は、これくらいのことでと思っていても、大事になることはよくあります。

そういう考えが浅い人も世の中にはいるので、巻き込まれないように自己防衛をしっかりとしないといけません。


11月13日 似ているようで違うこと

生徒に問題を解かせていると、同じように解いて、同じ答が出てきても内容が全く異なる場合があります。その違いは何かというと「答を求める」ことと「解答を作成する」ことです。

「答を求める」ことだけにこだわっている生徒は、中学校の数学から未だ抜け出せていないように思います。高校の数学では、例え正解であっても答だけを書いて点数が与えられることはありません。

当塾では、基礎的な練習問題であったとしても、論理的に正しい解答を作成するように伝えています。解答を作成しようとすると、過程を重視するため書かないといけない分量が増えます。男子生徒にありがちですが、面倒くさいと感じる生徒は実行しない傾向にあります。

そういう勉強の仕方をしていると、1つの答を出せば良いというタイプの問題を解いているうちは出来るのですが、論証や、複雑な条件が与えられる問題になってくると対応できなくなります。

練習からきちんとやっていないことは、本番で絶対に出来ません。勉強しているはずなのに、数学が伸び悩んでるという人は普段の取り組み方から考えてみた方が良いかもしれません。


11月15日 意味が大切

新課程の数学Tで習うことになった「データの分析」を数学の指導者は少しイロモノ的な分野に感じてしまうことがありますが(私も始めはそうでした)、指導をしたり少し掘り下げて勉強をしてみると、面白さを感じられるようになってきました。

どのような勉強でもそうですが、意味が分かると楽しく感じますし、理解をせずに覚えるだけだとあまり楽しくありません。分散や標準偏差などの値は出せても、意味は理解できていないという生徒をよく見かけますが、それでは面白さは感じられないと思います。

当塾では指導要領の範囲外ではありますが、偏差値の求め方や意味まで教えるようにしています。そうした方が実際に自分に関係のある値なので興味を持てるのではないかと思うからです。また、この分野を理解することで、自分の成績のデータの意味を正確に捉えられるようになることはとても大切だと感じています。

試験で点数を取るためだけに勉強をするのではなく、視野を広く持ったり、論理的に考えられるようになるために勉強をするものだと思っています。「データの分析」の範囲はまさにそういうことに適した範囲ではないでしょうか。


11月16日 面談

高校1、2年生は今週と来週、面談を行っていきます。どちらの学年の生徒も、今の時期が進路選択で非常に大切な時期になります。

高校1年生は文理選択を考えなければならない時期になっています。選択によって、受験できる大学や、進学先が大きく変わる可能性があるのですが、文理を決めるのは希望の学部学科の存在だけでなく、適性も考えるべきだと思っています。

また、高校によって学習の負担が大きく異なる可能性があるので、学校毎にカリキュラムを確認して文理選択を行う必要があると感じています。

実例を挙げると、国公立大学の医学部看護科を目指す場合、理系を勧められることが多いのですが、学校によって選ぶべきコースが違うので気をつけておく必要があります。

参考までに、ほとんどの国公立大学の医学部看護科では受験に「数学V」が必要ありません(名古屋大学など必要な大学も稀にあります)。

看護師を目指すためのコースが用意されている学校では「数学V」を履修しなくて構いません。また、看護士用のコースは無いけれど、理系を選択していて「数学V」をほとんど勉強しなくてよいという課程を用意している高校では理系に進んで不都合はありません。

それに対して、理系に進んだ場合は「数学V」を3年生の9月頃まで履修しないといけないコースしか用意していない高校もあり、この場合、文系から看護士を目指す方が勉強をしやすくなります。ただし、学校では看護師は理系に進むように指導される場合があるので注意が必要です。


高校2年生は、自分の進路や適性がおぼろげながら見えてくる時期でもあります。これから先、どの科目に力を入れて勉強していくべきなのか、どのような姿勢で勉強していくべきなのかを中心に話をしたいと考えています。

どの生徒も自分の長所を伸ばして、高校3年間で到達できる最大限の位置を目指して、勉強に励んで欲しいと思います。


11月17日 良い質問と良くない質問

当塾では、新しい分野を説明をしたり、問題の解説をする授業も行いますが、ひたすら生徒に問題を解かせるという形式の授業を行うこともあります。

生徒に問題を解かせるときには、少し難しめの問題は解説まで与えて、分からない場合は自分で解答を確認しながら解き進めさせます。基本的な問題を解かせる場合は答のみを与えて、分からない場合はノートなどで確認しながら解き進めさせます。

いずれの場合も、分からない場合は質問をするように言ってあるのですが、質問の上手な生徒と下手な生徒がいます。

質問が上手な生徒は、知らない用語が出てきたり、問題の意味が取れないときには直ぐに質問して、じっくりと考えるようなところでは中々質問をしません。逆に、質問が下手な生徒は、知らない用語について考え込んだり、ただの計算ミスで何度も質問したりします。

こういうことがあることも想定しているので、机間巡視をして上手く質問が出来ていない生徒には、質問をするべきタイミングも含めて指導をします。

全てのことを聞いてもダメですし、自分で処理できないことを見極めて聞くべきことは聞かなければなりません。こういう能力は社会人になって、仕事をしていく上でも大切な能力だと思います。勉強を通じて成長するということは、こういうことなのではないでしょうか。


11月18日 間違っている進路指導

当塾は、他の塾との掛け持ちは規制していません。生徒のためになるのであれば、能力のキャパシティや経済的な事情が許す範囲で通えば良いと思います。

ただ、どうせ通うのであれば意味のある塾に通って欲しいと思いますし、指導力のある人に指導をしてもらいたいと思います。

今日、生徒から聞いた某塾の進路指導の話があまりにも酷かったので紹介させてもらいます。

高校1年生の生徒なのですが、文理選択の相談で英語を活かせるような学部にいきたいというような話をしたところ、それなら公立の英文学部で、センター試験は数学TAだけでも受験できる大学があるから、文系に進んで今から数学TAの復習をしっかりして内容を固めるようにすれば、数学UBは必要ないんじゃないかなと言われたらしいのです。

高校3年生の今の時期であれば、このような指導も良いかと思います。しかし、高校1年生のまだ数学TAが習い終わってもいない段階で科目を絞るというのは、完全に間違った指導になります。

勉強というのは、生徒によって伸びる率や時期が異なります。高校に入ってから伸び悩む生徒もいれば、急激に伸びる生徒もいて、こればかりはやってみないと分からないところがあります。後半に伸びるようなタイプの生徒は、あまりに早い段階で科目を絞ってしまうと、本来合格できるはずだった大学を受験するチャンスすら逃してしまうことになります。

また、話を聞くと、教科指導をしてもらっているわけではなく、データなどを見て進路指導をしてくれるだけらしいのです。ハッキリ言いますが、教科指導をしていない人に進路指導は出来ません。データだけで判断するというのは、生徒の現時点の能力や適性も分からず、思いつきで話しているだけに過ぎません。断言は出来ませんが、自分が高校時代にそのような指導を受けたため、受け売りで言っているだけの可能性もあります。

今回の生徒は、私が教えている感覚だと、理系にいってもある程度は数学がモノになる可能性のあるレベルの生徒です。その点だけ見ても、全く生徒のことが分かっていないと言わざるを得ません。

冒頭にも書きましたが、塾に行くことはいいのです。しかし、お金を払って間違った方向に導かれるような塾に行くことだけはやめてほしいと思っています。


11月20日 間違っている学習指導

他の塾から転塾してきた生徒や、学校の授業が全然分からないと言って当塾に通塾を始める生徒の話を聞くと、今まで間違っている数学の指導を受けてきたんだなと感じることがあります。

本人の努力不足のケースもありますが、必死で努力していても成績が全く伸びないケースの中には、指導の仕方が間違っていることも少なくありません。

学習指導が間違っているケースで最も多いのは、生徒のレベルにあった指導が出来ていないというものです。生徒から得られる情報ですが、毎年指導の仕方を微妙に変化させている学校と、全く変えていない学校があります。

愛媛県の高校生全体の学力レベルは直近10年で随分落ちています。その最たる原因は、生徒の減少率が、高校の定員の減少率よりも大きいからです。高校入学の段階で、昔よりも競争が働かなくなっているので、各学校(特に中堅レベルの進学校)で合格最低点が下がってきています(合格最低点は公表されていませんが、現在は入試得点の開示請求が出来るので漏れ伝わってきます)。

生徒の状況は変わっているので、指導の仕方を変えていかなければ、ミスマッチが起きるのは必然です。当塾に通っている生徒の学校の課題や考査の問題を見せてもらったときに、毎年同じ課題を出している学校は、本当にそれが目の前の生徒に適しているのだろうかと疑問を抱くこともあります。

また、他の塾から転塾してくる生徒で、映像系の塾から移ってくる生徒は、本人のレベルと適していないものを勉強していた傾向があるように感じます。生徒が自分で受講するものを選ぶ場合だけでなく、教科指導に携わっていない人がデータを見て選んだ教材も適している場合はあまり無いのかもしれません。

手間はかかりますが、適切なレベルの学習指導を行うためには、直接生徒を指導して、手作業で教材を選定していくことが必要だと考えています。


11月21日 一手間

高校3年生は11月からマークタイプの演習を少しずつ行っていますが、12月はマークタイプの演習をメインに授業を行っていきます。

マーク演習では60分で問題を解かせて、10分で答え合わせ、80分で解説をしています。

安定して9割以上解けるのであれば、解説を渡して各自でやっておいてねで済むのですが、今のところそのように仕上がっている生徒はいないので、きっちりと解説をしています。

マーク演習の授業をするときのちょっとしたこだわりとして、答え合わせは生徒にさせるのではなく、全て私が行っています。合っているかどうかだけ確認するのであれば生徒が答え合わせしてもいいのですが、どこが出来ていないのか、どのように解いているのかを確認したいので手間はかかりますがこのようにしています。

こうして確認することで、解説の時に力を入れて説明するところと、省略するところを調整することが出来るのもメリットです。少人数の指導だから出来ることを考えながら、細かい工夫をしていきたいと考えています。


11月22日 体系的な勉強

今日、授業中に生徒から定期考査の範囲だということで、塾では教えていなかったことを質問をされました。

質問されたのは「数学T」の「三角比を含む不等式」です。教科書には掲載されていないものが多いのですが、教科書傍用の問題集には載っていることもあります。

試験範囲に入っているということなので説明はしましたが、「数学T」の段階では「三角比を含む不等式」は出来なくてもよいと思っています。この内容は「数学U」の「三角関数」で学ぶ方が、腑に落ちることが多いからです。

当塾では教科書や問題集に載っている載っていないということにこだわって指導をしているわけではありません。

内容的な理解が深まるのであれば、指導要領や数学TAUBというような枠組みにはこだわらず指導をしているので「数学T」の「三角比」を教えるときに「数学U」の「三角関数」の内容に踏み込んで指導していることもあります。

逆に「数学T」の「三角比を含む不等式」のように、現時点で理解を深めることが無いと考えていることは、あえて教えないようにしています。

他の分野でも、当塾の指導は教科書や参考書などとは完全にリンクしているわけではありません。瑣末な問題にこだわって目先の点数を上げるよりも、体系的に理解することの方が数学の力をつける上では重要だと考えています。


11月23日 12月の予定表

12月の予定表をTOPページにアップしました。

12月から高校3年生はセンター試験も近づいてきたのでマーク演習をメインに指導していきます。高校2年生は数学Vが必要な生徒と不要な生徒で講座を分けて授業を行います。高校1年生は数学Uの授業に入ります。

また、途中入塾で確率の授業を受けていない生徒を対象に、冬休み中に確率の授業を行います。それ以外にも、途中入塾で個別指導が必要と感じる生徒には、空き時間などで指導を行っていきます。

今日、12月の予定を伝えると途中入塾した生徒から指導時間が多いのですが月謝はそのままで良いんですかと聞かれました。個別指導を受けなくても一般的な塾より1時間あたりの料金は安いと思いますが、個別指導(無料)を受けている生徒は普通の塾ではありえない金額になっています。

やる気はあるけれど、一人でどう頑張ったらいいのか分からない生徒を何とかしたいというのが当塾のスタイルなので、お金にこだわらず指導時間を取るようにしています。

やる気の無い生徒には嫌になる塾かもしれませんが、やる気のある生徒には適した塾だと思っています。上に書いている冬休みの確率の授業も、もちろん無料で指導しますので、やる気のある生徒の入塾を待っています。


11月24日 そういうことでもない気がする

大阪府立高校で、来年4月から週1回の部活休養日を義務化するというニュースを見ました。その狙いが、生徒のためではなく教員の負担軽減が目的だというところに違和感を覚えます。

この日記でも部活動について色々と書いていますが、部活動のあり方として一番大切なことは、顧問が生徒の人生のことを考えて運営をしているかだと思っています。

ほとんどの生徒は部活動が進路や就職に直結していることは少なく、勉強を優先した方が良いと思います。これは部活動を否定しているわけではなく、勉強に支障が生じない健全な活動であれば人間性の向上など十分な教育効果があることは分かっています。

また、野球部のような特殊な部活動も存在していて、学校によっては勉強よりも部活動を優先することが生徒の進路に直結していることがあります。そういう場合は、必死に部活動を頑張るべきです。ただし、優先してやらせるからには顧問は生徒の進路について考えておかなければならないと思います。

私が、今回の大阪府のニュースでおかしいと感じるのは、そういう部活動もあるということを無視して全ての部活動を同等に扱うという点です。

生徒の人生がかかったような部活動を規制するというのは、極端な話をすれば大学進学を目指して勉強をしている生徒に対して1週間に1回は勉強をしない日を作りなさいと言っているようなものです。

部活動のあり方として問題があるのは、生徒の人権を無視したような運営の仕方をしていたり、生徒のためではなく顧問のために部活が存在しているような状況になっている場合です。

全ての部活動を同一の規則で縛ることよりも、生徒の人生にとって何が大切かを考えて、部活動や学校の運営をする仕組みを整えていかなければならないのではないかと思います。


11月25日 状況によっては理転もありえる

高校1年生の今の時期、文理選択をするときに数学が得意だから理系、数学が苦手だから文系というように数学だけを判断基準にしてしまう生徒がいます。

文理選択は大学の受験科目で選択するべきだと思っています。文理選択で迷っていて、更に受験でどの科目を使用するが全く分からないという生徒は、数学よりも理科で考えた方が良いと思います。受験科目が理科基礎2科目でよいのか、理科発展2科目必要なのかは、かなり大きな差があります。

また、学校の教育課程にも注意が必要で、例えば理系学部で受験科目が「数学はTAUBまで」「理科は発展教科が1科目だけ必要」という大学を考えているとして、高校によっては理系に進むと「高校3年生の9月まで全員数学Vを学習する」「理科は発展教科を必ず2科目以上学習する」というコースしかない場合があります。

こういうケースでは、受験する大学が理系の学部であったとしても、文系を選択して「数学はTAUBまで学習する」「理科は学校で基礎科目しかやらないので発展科目の範囲を自分で学習する」という方法もあります。

理系にいて文系学部を受験する文転はよくありますが、文系にいて理系学部を受験する理転はあまりありません。その理由は文系の生徒が理系学部を受験しようとすると、学校で習っていない科目が必要になるからなのですが、昨今の学校の実態を見ると、状況によっては理転もアリではないかなと思っています。

どの学校でも生徒全員に完全に適したコースが用意されているわけではないので、理系学部だから理系、文系学部だから文系とこだわらず、入試にどのように向かっていくかを検討して文理選択をするといいと思います。


11月26日 文系は数学がいらない?

文理選択の話の続きになりますが、数学が苦手だから文系に進むという人の中には、文系に進めば数学をあまりやらなくていいと勘違いしている人がいます。

芸術系の学部や私立の文系学部など、進路によっては確かに数学を受験で使わない人はいます。ただし、ほとんどの国公立大学は文系学部であってもセンター試験で数学が必要になります。また、難易度が高い大学になると文系学部でも2次試験の受験科目に数学が必要になります。

国語、英語、社会は学力の水準が一定以上の生徒の場合、差が付きにくい傾向にあります。それに対して数学は、文系の生徒の場合、出来不出来の差が大きい傾向にあります。つまり、国公立大学の文系学部を目指したときに、数学が合否を分ける科目になりやすいのです。

そういう事情を理解しているのか、当塾に現在通っている生徒は文系の生徒の方が割合的には多くなっています。文系だから数学を後回しにするのではなく、文系だから早めに数学を仕上げて、受験を有利に進めてもらいたいと思います。


11月28日 少し休みます

既に始まっている高校もありますが、明日から定期考査が始まる高校が多いようです。

当塾では、定期考査は生徒各自で努力するものという考え方なので、明日から3日ほどお休みをいただきます。その後は、定期考査が終わった学校の生徒から徐々に授業を再開していく予定です。

考査前はほとんどの生徒が一所懸命頑張りますが、考査が終わった途端勉強をやめてしまいがちです。考査後に復習をして内容を定着させることが受験対策として最も大切なのですが、言葉では分かっていても中々実行するのは難しいようです。

生徒の気が抜けがちな考査後に、すぐ塾の授業を入れることで、勉強のスイッチを完全に切らないようにさせたいと思っています。

高校1、2年生は受験がまだまだ先だという気持ちがあると思いますが、受験が近づいて来たとき、こうしておけば良かったとならないように普段の行動から伝えていきます。



松山数学塾
住所 愛媛県松山市小坂3丁目4−32 ホワイト岡田ビル1F
TEL 089-948-8908