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2016 12月


12月1日 確定するまで続きます

12月になりました。そろそろ、11月中旬から後半に推薦入試を受けていた生徒の結果が発表される時期です。

センター試験後によくあることなのですが、推薦入試後も勉強をストップしてしまう生徒が例年います。

いずれにしても勉強時間を0にしてしまうのは良いとは思いませんが、勉強の方向性を変えてよいのは、試験に合格してその大学に行くことが確定している場合だけです。

手ごたえがあったからといって、合格している保証はないのですから、合格していると勝手に決め付けて勉強をやめてはいけません。試験が出来なかった、または不合格だったときも、落ち込んで勉強が手につかないといって勉強を休んではいけません。

まだ試験を受けるという状況が残っている限り、勉強をストップさせて得することは何もありません。受験は勉強が出来るように努力することも大切ですが、メンタルや普段の行動が大きく合否に影響します。

国公立大学を目指している生徒は、センター試験後に前期後期と出願しますが、前期試験終了後に後期試験まで勉強を続けられる生徒は、経験上あまり多くありません。そういう事情があるので、最後まで努力を続けた生徒が報われる姿も多く見てきました。

入試で求められるのは学力だけではなく、どのように行動するのか総合的な力が問われていると思います。


12月3日 プロの仕事

11月下旬に寒くなってきたので塾のエアコンで暖房を入れたのですが、なんだか嫌な臭いがしていました。どうにかしたいと思いホームセンターでエアコンの清掃スプレーを買ってきて掃除をしたのですが、2、3日でまた同じ臭いがしてきました。

素人にはどうしようもなさそうだったので、プロの方に清掃をお願いすることにしました。



清掃スプレーで掃除した後だったのですが、プロの方に掃除していただくと、エアコンの奥から黒い液体がたくさん出てきました。

プロの方の仕事の手順を見ていると、表面上は綺麗にできても内部まできちんと掃除をすることは素人には不可能だなと感じました。どうすれば出来るだけ清潔な状態が長持ちするのかを教えていただけたので、出来ることはそれくらいのようです。

何事でもプロと素人では大きな差があります。勉強でも清掃でも、プロの人に任せた方が上手く行くことが多いようです。


12月6日 家庭での学習

最近の休みで、友人の家族や、親戚と食事をしてきました。

職業柄というわけでもないでしょうが、そうしたときに子どもの教育をどうするかという話題がよく出ます。私と同年代の友人や親戚には、就学前児童や小学生の子どもを持つ家庭が多く、家族で会うと親が子どもに何かを教えている姿をよく見かけます。

本格的な受験勉強はプロの指導が適していますが、それ以前の文字の書き方や簡単な計算などは親子で日常的に触れ合う中で覚えていく方が適していると思います。また、小学生までの学習の習慣付けや、学習環境を整えるのは家庭の力によるところが大きいです。

さて、私が色々な親子の様子を見ていて、お父さんやお母さんは子どもが考える時間を中々待てないものなんだなあと感じました。

取るに足らないような質問や、簡単な計算は大人からすれば考える間もなく分かるのですが、勉強の領域が広がっていない子どもにとっては直ぐに分からないことも多いものです。

プロの指導者であっても待つというのはとても難しいです。ましてや親であれば、これくらいの事も分からなくてウチの子は大丈夫かという気持ちになるのだと思いますが、答を急かしたり直ぐにヒントを与えたりするのは、逆効果になることがあるかもしれません。

子どもの成長速度は人それぞれで違います。我が子だからと過度に求め過ぎずに、各自に合わせて待ってあげることが、その子の可能性を最も伸ばすことになるのではないでしょうか。


12月9日 リスタート

当塾に通っている高校生の定期考査も全て終わり、今日から本格的に授業を再開していきます。

考査後は返却された全ての科目の答案を確認しているのですが、授業をしていると学力が高いと感じる生徒でも基礎的な問題が出来ていなかったり、根本的な勘違いをしていることがあります。

生徒は考査の後に「凡ミスをした」「分かっていたのに間違った」という言葉を発することが多いのですが、答案を見ると凡ミスでもないし、分かっていないからこういうことになるんじゃないかと感じることもあります。

テストが返却されたときに大切なことは、点数に一喜一憂することではなくきちんと自己分析を行うことです。自己分析を行ったら、次はどのようにすれば改善されるのかを考えなければなりません。

学力を高めるためにもっとも効果があるのは、自分がどのような性質を持っているのかを自分で把握することだと思います。

考査は自分自身を振り返る良い機会です。理想の自分になる為に、まず現実の自分を知るところから始めるようにしましょう。


12月10日 気になる言葉

生徒に問題を解かせていて手が止まっているときに、この部分はどういう風に考えればいいのかなと尋ねると「忘れました」という返事が返ってくることがあります。

そういう言葉を使うということは、数学を解くときに考えるというより解法を覚えるという感覚でいるのかなと感じてしまいます。

また、問題を解かせていて意味をあまり考えずに公式を使っているように思えたので、この公式を用いると何が得られるのかなと尋ねると「知りません」という返事が返ってきたことがあります。

実際に知らなかったとしても、このように尋ねられた場合は「分かりません」と答えるべきです。知っているか、知っていないかを聞いているのではないからです。

語彙力やコミュニケーション能力もあるのかもしれませんが、生徒から出てくる言葉をそのまま受け取ると、こちらの求めていることとズレが生じていると感じることがあります。たまたまそういう言葉を使っただけなのかもしれませんが、実際にどう考えているのだろうと気になります。


12月11日 見せてください

当塾では、定期考査や模試の結果など成績に関わるものは全て持ってきて見せるように伝えています。

ほとんどの生徒は持ってきてくれるのですが、中には成績を見せたがらなかったり、良い結果が出たときにだけ見せにくる生徒もいます。

分かっておいてもらいたいのですが、成績を見るのは結果を見て褒めたり怒ったりするためではありません。実際、今まで生徒が悪い点を取って怒ったことは一度もありません。

成績を見る目的の例として、時間が多い試験と少ない試験での違いはあるか、範囲が決められている試験と決められていない試験で得点率が大きく違うか、というように生徒の性質や勉強の進め方の傾向を見ているのです。

また、普段の授業や演習で実力は大体分かるのですが、結果がこちらの感覚とかけ離れているときには、原因を探る必要もあります。

当塾では、私が一人で全ての生徒を見ています。3年間同じ指導者に成績を見てもらえるというのは最終的な進路選択のときに有利に働く可能性が高いです。そのようなメリットを活かせるように良くても悪くても成績を隠さず見せてもらいたいと思います。


12月13日 旧友

今日は消防隊員をしている高校時代の友人が訪ねてきてくれました。私は今年で36歳になるのですが、これくらいの年齢になると友人に会う機会が段々と減ってきます。

特に私の場合は1人で塾を運営しているので職場で毎日顔を合わせるという人もいませんから、こうして会いにきてくれる友人というのはとてもありがたく、縁が続いていることに感謝をしています。

話した内容は、仕事のことや家庭のこと、これからの人生のことだったりしたのですが、話しているときは一緒に過ごした高校時代のような感覚になるのが不思議なものです。

人生を切り開いていくためには自分自身で頑張って壁を乗り越えないといけないのですが、人生を豊かにするためには一緒に過ごしてくれる人が必要です。

田舎では少子化が進んでいますが、若い人たちも一人でも多く、長い縁が続く友人を獲得してもらいたいと思います。


12月15日 忙しい理由

最近、色々と忙しく日記の更新が不定期になっています。

忙しいことのほとんどは授業の準備なのですが、何に時間をかけているのかというと生徒のレベルに合わせて教材を選定したり、作成するのに時間がかかっています。

当塾では指導者が一人なので生徒の実力を把握しやすいという利点を活かして、出来るだけ生徒にマッチした問題を演習させたいと考えています。

数学が得意な生徒には、解いていて興味深く、最近の入試の傾向から出題される可能性が高いもの中から、生徒の実力を考えて難し過ぎず簡単過ぎないというものを探しています。

数学が苦手な生徒は、とにかく反復練習をさせることが大切なので市販の問題集も使用します。ただ、問題集を解くレベルに至っていない場合もあるので、その場合は教材を作成します。市販の問題集では不要な問題が多かったり、解けなくても良い問題も含まれていたりします。重要な問題とやらなくて良い問題の判断は生徒には付きにくいので、解く問題を指導者に選んでもらうだけで学習効率はものすごく高くなったりします。

当塾では、入塾するときに生徒の学力試験を実施しないので、全く異なる能力の生徒が在籍しています。機械的に指導をするのではなく、生徒のために何をすれば一番良いのかを常に考えたいと思っています。


12月17日 練習の仕方

練習はたくさんやっているのに数学が出来るようにならない、練習では問題が解けるのにテストになると解けなくなるという人は、練習の仕方が間違っているかもしれません。

練習をしていて分からない問題があったとき、参考書や板書を写したノートで解き方を調べることがあると思います。このときに、参考書などを開いたまま問題を解いていないでしょうか。ここの数字が違うだけだから、与えられた問題の数字を入れて手順通りに計算していけば問題が解けたというような練習の仕方をしていないでしょうか。

塾で問題演習をさせていると、そのような取り組み方をしている生徒を見かけることがありますが良いやり方ではありません。

練習で求められているのは答を出すことではありません。求められているのは意味を理解して問題が解けるようになることです。答が合っていたら出来るようになったということではなく、何も見ないで問題を解けるようになって始めて身についたといえるのです。

分からない問題を解くときに参考書などを見ることは構いません。ただし、参考書を開いたまま問題を解くのではなく、内容を読んで理解して参考書を閉じて問題を解かなければなりません。

こうして練習することが習慣化していないと始めはものすごく手間に感じることでしょう。しかし、勉強が出来るようになるためには手間がかかるのです。その場しのぎではなく、本当に出来るようになるための努力をすることが大切です。


12月18日 言葉の意味

高校1年生の授業で「恒等式」を教えるときに「恒」っていう漢字は「こう」以外になんていう読み方があるでしょうと尋ねると、分かる生徒がいませんでした。常用外の読み方なので分からなかったのだと思いますが「恒」には「つね」という読み方もあり「常」という漢字と同じ意味で使うことがあります。ですから「恒等式」とは「恒に等しい式」という意味を表しているわけです。

また、高校2年生の授業で「数学的帰納法」を教えるときに「帰納」の意味や反語を尋ねてみたのですがこちらも分かる生徒がいませんでした。「帰納」とは具体的な物事から規則や法則を推測する考え方のことで、反語は「演繹」になります。「数学的帰納法」は「帰納」という名前がついていますが実際には演繹的な手法だったりするのが面白いところです。

こうした言葉の意味というのは、問題を解くことだけを考えれば必要はないかもしれません。ただ、私は数学を理解するためにはこのような言葉の意味が大切だと思っています。

何をしているのか、どうしてこのように考えるのかという論理的思考力が付くことで数学は面白いと感じることが出来ます。そのためにはまず言葉の意味から理解することが大切だと考えています。

これは数学だけに限らずどの教科にもいえることで、言葉の意味から何故そのような名称になっているのかを理解することで、知識がより深まっていくのではないかと思います。

今はパソコンやスマホを使えば知らないことを直ぐに調べられるようになりました。遊ぶことにだけでなく、是非こういうことに有効活用してもらいたいと思います。


12月20日 理由がありますか

先日、生徒を指導していたら「(b+c)a=abc」という間違いをしていました。

しかし、よく見てみるとその上にあった問題で「a(b+c)=ab+ac」と書いてあって、こちらは間違っていませんでした。

同じ分配法則なのに何故このようなことになるのかを生徒に尋ねてみると「カッコの前に文字があるときと、カッコの後ろに文字があるときで意味が違うと思っていた」という答が返ってきました。

間違っていたとしても、こうして自分なりの理由があってそれを説明できるということは大切だと思います。

計算練習をしていて一番危険な間違い方は毎回計算法則が違うというものです。そういう間違い方をしているということは、何となくこうなるのかなという予測をしているだけで理解を一切していないということになります。

問題を解いていて間違えたり、分からなかったりしたことは、正確に出来るように練習をしていけばいいのですが、どのように間違っていたのかを確認しないまま練習をしても同じことの繰り返しになります。

いくら勉強時間を増やしても数学の成績が伸びないことがあるのは、そうしたところに原因があるのではないでしょうか。


12月21日 早く、高く

高校2年生の授業が全講座TAUBまで修了しました。数学Vが受験に必要な生徒は既に数学Vの授業を始めているのですが、必要でない生徒はこれから復習を行っていきます。

高校2年生はセンター試験まで(365+20)日余りとなります。まだまだ時間があるように思うかもしれませんが、TAUBの全範囲を復習して受験で使えるレベルにしていくには、時間が余るということはありません。

TAUBの復習は「基礎演習」と「入試問題への接続となるレベルの演習」を4月末まで行う予定です。塾に通っている生徒には、その先もどのようなスケジュールで勉強を進めていくのかを伝えます。

受験生は数学だけやっていれば良いというわけではなく、全科目をバランスよく勉強していかなければなりません。受験時に全ての得点を合わせて最大になるように計画して勉強していくことが理想と言えます。

高校2年生が現時点で受験勉強を計画的に始められれば、大きなアドバンテージになります。目標を達成するために、早く、高く意識を持って頑張ってもらいたいと思います。


12月22日 愛媛県は全国2位

スポーツ庁が全国の中学校の部活動の活動時間調査を、都道府県別にまとめたものを発表しました。

http://bylines.news.yahoo.co.jp/ryouchida/20161218-00065595/ (引用元URLです)

時間が経つと見れなくなると思いますので、記事の概要を書いておきます。

文部科学省は毎年、全ての小中学校で体力テストを行なっていて、今回はその調査の一貫として中学校の部活動時間の調査が行なわれました。今までこうした調査は行なわれていたことはあるものの県別のデータを発表することはありませんでした。昨今、部活動の行き過ぎた指導が話題になることがありますが、そうしたことを踏まえて全国的な調査、公表に踏み切ったものと考えられるとのことです。

県別のデータで見た、中学生の1週間における部活動の活動時間(分)の上位5県と下位5県は次のようになっています。

上位5県
千葉県  1121.05
愛媛県  1116.98
福岡県  1102.53
奈良県  1098.07
神奈川県 1064.51

下位5県
富山県  822.62
東京都  813.68
広島県  774.99
鳥取県  758.98
岐阜県  650.41

分で表していると分かりにくいかもしれないので時間に直すと愛媛県の場合は1日あたりの部活動時間は2.66時間(約2時間40分)になります。休養日も入れてですから活動している日の1日あたりの時間は長くなります。

これは部活動の時間を調査しているので、地域のスポーツクラブなど個人的に通っている活動は含まれていない可能性もあるかもしれません。地域のスポーツクラブの活動時間を入れるともっと長くなる可能性もあります。

これだけのデータでは分からないことも多くありますが、全国学力調査との相関関係や、教員の休職退職者との相関関係など様々なデータと合わせることで課題が分かってくるかもしれません。

高校生のデータは公表されていない(調査もされていない?)のですが、仮に高校生が1日当たり平均3時間近く部活動をしているとすれば、優秀な生徒でも国公立大学への進学は難しいと言わざるを得ません。

部活動をすることに反対はしませんが、現在自分の置かれている状況を把握して、自分の将来の目標のために現時点で重視することは何かを考えることが大切だと思います。


12月23日 公式を捨てましょう

現在、高校1年生の途中入塾をした生徒達を対象に「場合の数・確率」の短期講座を行なっています。

この講座では難しい問題を取り扱ったりはしないのですが、今までの取り組み方を矯正することで授業を受けた後「場合の数・確率」への反応が変わる生徒が多くいます。

今回も指導をしていると、生徒がやりがちな間違いが多く見られて、やはり今まで取り組み方を間違えていたんだなあと感じています。

取り組み方を間違えていた生徒がよく言う言葉として
「この問題ってどんな公式で解けば良いんですか」
「この問題の解き方を忘れてしまいました」
というものがあります。

ある程度、説明を聞いた後に
生徒が
「この問題ってどんな公式で解けば良いんですか」
と言ったすぐ後に
「公式を思い出すとかそういうことじゃないんですよね」
と言っていました。

今まで解き方を覚えるという勉強のやり方をしてきているので、そのクセが抜けないようですが、それだとダメだということはわかってもらえているみたいです。

見ているとまだまだ解けない問題もありますが、講座を受ける前に比べて問題への対応の仕方がかなり変化してきました。解き方ではなく、考え方を身につけて「場合の数・確率」を得意分野にしてもらいたいと思います。


12月24日 イブの日に

先ほど、保護者の方から塾の生徒が交通事故にあったと連絡がありました。
幸い命に別状は無いということだったのですが、本当に気をつけてもらいたいと思います。

統計では交通事故が一番起こりやすいのは12月だそうです。暗くなるのが早く、道路が凍っていることもある上に、クリスマスや忘年会など人の出入りが多くなることが原因だと言われています。

塾は自分自身の力を伸ばして幸せになるために通っているはずです。その途中で事故にあって不幸せにならないように、気をつけて通塾をしてください。


12月25日 1月の予定表

TOPページに来年1月の授業予定表をアップしました。

センター試験後、高校3年生は数学Vが受験で必要な生徒、国公立大学受験で数学TAUBが必要な生徒、私立大学受験で数学TAUBが必要な生徒で講座分けを行う予定です。

ただし、センター試験の結果によっては数学Vの講座が不要になったり、数学TAUBの講座の細分化が必要になる可能性があるので、予定は現時点での暫定のものとなります。他の学年も含めてセンター試験後に再配布する可能性があります。

気づけば今年も残り一週間となりました。授業も残すところ4日です。最後まで気を抜かずに頑張りましょう。


12月26日 モチベーションの維持

受験勉強をするときに難しいのが、やる気を維持していくことです。勉強は分からないことが増えたり一度手を抜いてしまうと、再びやる気をおこすのが非常に難しいです。

高校1、2年生は、常に全力とはいかないまでもペースを守って勉強をして、分からないことをそのままにしない努力をしていくことが大切です。

高校3年生は途中の結果に一喜一憂せずに、最終的な進路が明確になるまで努力を続けることが大切です。今まで生徒を見てきた経験上、センター試験後に結果が良くても悪くても勉強のやる気を失う生徒が一定数いました。

結果が良ければ、2次試験まで1ヶ月以上あるから少し休んでも良いだろうという考えになるのだと思います。結果が悪ければ、当初考えていなかった大学を受けるのに気乗りがしないということがあるのかもしれません。また、センター試験後、大学への出願が遅い生徒は2週間以上かかることもあるのですが、受験科目が確定しないまま勉強をするのを嫌がることもあるようです。

いずれにしても、その段階で勉強を止めてしまうことは得策ではありません。ということで、今年度の高校3年生はセンター試験後、数学の必要の有無に関わらず、1月末までは塾に来てもらおうと思っています。もちろん、数学を受験で使わないことが確定した場合は他教科の勉強をして構いません。モチベーションの維持が難しい時期は、勉強をしないといけない空間で頑張りましょう。


12月27日 習ったとおりに書かないとダメ?

某番組で小学校の算数の採点が話題になっていました。

小学校の算数の採点で有名なものと言えば、掛け算の文章問題で「かける数」と「かけられる数」の順番が違っていると減点されるというものです。これに関しては、そのような練習をする問題集があることも原因ではないかと思います。

今回の番組では直方体の体積を求めるときに「たて」×「横」×「高さ」の順番通りに書かないと減点されたということを言っていました。

実際には学習指導要領には「かける数」と「かけられる数」の順番に関しての記述はありません。体積は「たて」×「横」×「高さ」と書いてありますが、この順番に書くように指導をしなさいという記述はありません。

採点基準に関しては、現場に裁量があるというのが文部科学省のスタンスになっています。ですから、順番通りに書かないと減点をする裁量を現場は有しています。

これに対して、世界的な数学者の森重文先生が明確な回答と見解を述べておられました。
「掛け算の順番はどう書いても減点すべきではない」
「教える方に自信が無いと形式を整えたくなるかもしれない」

正に、その通りだと思います。

このような掛け算の順番で減点するというのは、すべての小学校の先生が行なっているわけではありません。一部の不見識な先生がこのような採点の仕方をしているだけです。そして、これは小学校だけで行なわれていることではなく、中学校、高校でも同様のことが行なわれています。

昔のことになりますが、とある学校で働いているときに、定期考査で私の教えていたクラスの生徒が解答を正しく書けているにも関わらず、ほぼ全員減点されるということがありました。

その部分を採点した先生に話を聞くと、教科書に書いてある表現を書いていないから減点したと言うのです。論理的には必要の無い言葉であっても教科書と同じ言葉で書いていないと減点をするという姿勢に驚かされました。納得がいかなかったので、他社の教科書でその表現が書かれていないものを見せたのですが、現在使用している教科書に書いてある通りに書かないといけないという意見に閉口しました。

数学で大切なことは教科書通りに解答を書くことではなく、論理的に正しい表現をすることです。

私も生徒を指導するときに、基礎基本の定着が不十分な場合は、答が合っていても言われた通りにするよう解き方を矯正することはあります。ただ、合っている答を間違いであるという言い方は絶対にしません。論理的に間違っていないことを間違いであるとすることは、数学に対する冒涜ではないかと思うのです。


12月29日 もうすぐ一回り

今日で今年の授業が終わりました。今年は個人的に色々なことがありましたが、大過なく過ごせたのが何よりでした。

塾を始めてもうすぐ3年が経ちます。塾を始めたときに高校1年生だった生徒が、もうすぐ大学入試を受けると思うと感慨深いものがあります。思えば3年間継続して生徒を指導をしたいという気持ちが塾を始めるきっかけでした。

途中入塾の生徒もいるのですが、受験が終わるときまで関わっていられるというのは指導者冥利に尽きます。短い時間ですが、貴重な高校時代を一緒に過ごした生徒達に少しでも何かを残してあげたいものです。これからもこの気持ちを大切に頑張りたいと思います。

1年間、ありがとうございました。それでは、みなさん、良いお年を。



松山数学塾
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