日記・予定表


基本情報


塾の情報

2017 9月


9月3日 月謝袋を渡す理由

当塾では月謝の支払いを、月謝袋に入れて直接お持ちになるか、お振込みでお願いしています。月末にスケジュール表と一緒に月謝袋をお渡しするようにしているのですが、直接持って来られる場合でも、振込みの場合でも、月謝袋を持ってきていただくようにお願いしています。

このようにしている理由は、大きく分けて2つあります。

1つ目は、領収しましたという確認をお伝えするためです。ご希望の方には領収書をお出ししていますが、たとえ希望されていなくても、決して安くない金額ですから受け取ったことを伝える義務があると思っています。また、生徒の祖父母から月謝をお支払いしていただく場合、贈与税の非課税制度があり、月謝袋を領収書代わりに用いることが出来ます。あまり多くないケースかもしれませんが、月謝袋は最期にお返ししますので、捨てずに取っておかれた方が良いかもしれません。


2つ目は、お金を払って塾に通っていると生徒に感じてもらいたいためです。塾に通うということは、お金を払って勉強をして自分の人生をより善いものにしようとする行為です。塾に通わせてもらっていることを当たり前に感じている生徒もいるかもしれませんが、決して当たり前ではなく、恵まれていると感謝しないといけません。そういうことを少しでも感じてもらいたいので月謝袋を毎月渡すようにしています。


お金が全ての動機になることは良くないですが、お金に無頓着なことも良くありません。生きていく上で、お金についてどのように考えるのかは大切なことだと思います。


9月4日 本質的なこと

数学が出来るようになるためには本質的な理解が必要だとよく言いますが、どのようなものが本質的な内容なのかを少しだけ書いてみようと思います。

例えば「代数学の基本定理」は高校の教科書には出てきませんが重要な定理で、これを知らないと理解出来ない事が多いです。

証明や細かい定義までやり始めると大変なので、ざっくりした説明をすると「n次方程式は重解を別のものと見ると、実数解と虚数解を合わせてn個解を持つ」というものです(これでも分かりにくいかもしれませんが)。


今日、高校2年生の授業で4次関数のグラフの問題を取り扱いましたが、このことを知らないと理解出来ないことがあり、解き方や答を覚えるだけになってしまうものでした。事実、中高一貫校で先行して学習している生徒は、今まで意味が分からなかった参考書に書いてあることがようやく理解出来たと言っていました。

高校数学の自学自習が難しい原因は、このような本質的な内容が教科書や参考書に載っておらず、また、仮に載っていたとしても何故重要かということが理解し辛いところにあると思います。

数学の勉強をしているのに成績が伸びない生徒の中には、理解出来ないことがあれば覚えようとしている人がいます。しかし、それはあまり良い方法とは言えません。

問題を解いていて理解が出来ない原因は、もしかしたらこのような本質的な部分にあるのかもしれません。参考書を見ても理解出来ないことがある人は、指導してくれている先生に質問してみてはどうでしょうか。





9月5日 運動会

今日、明日は運動会の高校が多いようです。というわけで、明日は塾を休みにします

学校や生徒によって運動会に対する取り組み方は随分と違うようですが、運動会に力を入れている学校を見ると羨ましい気持ちになります。

私が通っていた高校では一致団結して運動会で何かをするという伝統が無かったので、それほど盛り上がっていませんでした。ただ、大人になってから様々な学校に勤めると、ものすごい盛り上がりを見せている運動会もあり、学校によってこんなにも違うものかと感じました。

高校3年生は、運動会が終わればいよいよ受験が近づいてきたという気持ちになります。後は勉強を頑張ろうと思えるように、楽しむべき時には十分楽しんでおきましょう。


9月7日 Jアラート

授業中にJアラートの話題になったのですが、なんとJアラートが何かを知らないという生徒がいました。

日本で生活をしていると平和が普通と考えがちですが、世界情勢を考えればこの平和がずっと続くという保証はありません。もう少し、今世界で何がおきていて、世の中がどういう状況なのかを考えられるようにならないといけないように思います。

さて、Jアラートですが、ニュースの報道などを見ていると、Jアラートが鳴っても何をしたら良いか分からない、たった数分では何も出来ないなどといった情報が流れていますが、数分の行動で命が助かる可能性が飛躍的に上がるので決して無駄ではありません。


私も専門家ではないので詳しいことは分かりませんが、色々と調べた情報をまとめておきたいと思います。

まず、核兵器での攻撃の場合、爆心地付近にいた場合はほぼ助かりません。ただ、爆心地から離れた所にいたときは行動によって助かるかどうかが変わります。大切なのは、熱線と爆風を直接浴びないことです。また、爆風によって飛んでくるもの(ガラス)から身を守る必要があります。そのため、屋内(できれば鉄筋コンクリートの建物)に入りカーテンなどを閉め、出来れば密閉された空間で身を低くしていれば助かる可能性が高いそうです。これは核兵器以外の通常火薬兵器の場合にも同じことがいえるそうです。

どこに何が落ちてくるのかが分からないため、私たちに出来る行動は、出来るだけ頑丈な建物の中に入り身を低くすることしかありません。たったこれだけですが、何をすれば良いのかを明確にしていなければこれだけの行動が取れないために死ぬことがあるかもしれません。

どんなことでも事前に何をするか明確に決めておく心構えが大切になります。いざという時に何も出来ないとならないために、情報をきちんと集めておきたいものです。


9月9日 一段落

夏休みも明け、運動会も終わり、これで塾の日程も平常運転に戻ります。

現在、講座の種類が増えているので忙しいのですが、土日の早い時間や平日でも19:30まで授業が無い日があります。

何人かの塾生に呼びかけましたが、苦手な分野がある生徒にはそういう時間を利用して個別指導をする予定です。苦手な分野を一人でコツコツ勉強していくのは続かないことが多いですから、塾に通っていることを利用してもらいたいと思います。


例年、9月から10月にかけて高校1年生の問い合わせが増えます。おそらく、これくらいの時期から数学が分からないことを自覚し始めるのではないかと思います。

高校数学は分からない期間が長くなると、出来るようになるまでにものすごい労力が必要になり
ます。そうなると他教科の勉強時間に影響が出てくるので、早めの処置をお勧めします。


9月10日 公務員試験

卒業生から「公務員試験を受けようと思っているのですが、公務員試験対策の通信教材や、予備校の学費が高いので迷っています」という相談をされました。

一口に公務員試験と言っても、国家公務員総合職(旧国家1種)に合格することは難しいですが、地方の市や県で働くための地方公務員試験であれば、私自身、教員採用試験に合格しているので言えることですが独学で合格できます(市、県や部署で難易度は変わります)。


以下は、基本的に地方公務員の話です。

大学受験の時にきちんと勉強をして結果を出している人であれば、地方公務員試験のために高額の予備校に通う必要はありません。私の周りでは予備校に通うよりも独学で勉強をした人の方が合格している割合が高いです。

公務員試験のための学習内容は、理解が必要な科目もありますがどちらかと言うと暗記重視の科目が多数です。予備校に通うと講座が中心になるでしょうが、暗記系の科目は講座を聞いてもそれほど学習効果は高くなく自分で勉強した方が効率が良いです。

また、予備校などでカリキュラムを与えられてしまうとその通りにやりがちですが、実際には自分でどの分野が得意で、どの分野が苦手かを確認しながら、力を入れる科目や勉強する時期を考えて学習を進めた方が良いのです。

自己分析をしながら、目標までの期間と勉強内容、量から逆算して自分で計画を立てることが最も合格へ近づく方法ではないかと思います。教材は本屋においてあるものの中から、自分に合いそうなものを選択したので十分です。

ただし、このような勉強の仕方が出来るのは、大学入試のときにどのように過ごせば合格できたかという経験がある人に限ります。まともに勉強をしていない人は、自分がどれくらい努力をすればどれくらいのことが身につくのか分かっていないので試験までの逆算が出来無いからです。


念のために書いておくと、勉強が出来ても意思が弱い人や、計画を立てるのが苦手な人は予備校に通った方が合格は近づくかもしれません。


大学入試で学ぶことは知識だけではなく、これから色々なことを成功させるための行動の仕方だったりします。高校生は、そういうことも意識して日々の学習に取り組んでもらいたいですね。


9月11日 何のための公開ですか

以前からそういうことがある度に書いているのですが、シラバス通りに授業を行ってくれない高校があります(どこの高校とは言いませんが)。

シラバスを遵守して公表している通りに授業をしている高校の方が多いのですが、一部の高校は全く無視して進めています。

では、学校の中に別の計画書があるのかと言うと、毎年教える分野の順番がコロコロ変わっているので現場の先生の思いつきでやっているだけではないのかと感じます。

どのような順番で教えたとしても最終的には全て学習することにはなるのですが、こちらとしては公開されている資料が正しいと仮定して、学校とのバランスを考えて計画を立てているので、あまり良い気持ちではありません。

シラバスを公開している以上はその通りに授業を進める義務があるのではないでしょうか。守る気が無いのであれば、公開する意味が無いように思います。


9月12日 教材研究

9月に入り少し時間に余裕が出来たので、教材研究を行っています。教材研究をするときの目的は2つで、自分自身の指導力の向上のためと、生徒に適した教材の作成です。

最近は、昨年出題された全ての入試問題の中から良問をピックアップする作業を行っています。

解いて意味のある良問は毎年使うこともありますが、生徒に解かせる問題はレベルや志望校に応じて微調整する必要があります。また、最近の入試の傾向を考えて近年出題された問題も確認しておきたいと考えています。

データは購入することが出来るので、実際に問題を見て、生徒が解いたときに意味があると感じるものを講座毎に選んでいます。分量が多いので使わないものもありますが、生徒の学習の進み具合を見て、適切な時期に出題をするようにしています。




9月13日 試験の点数

考査や課題テストなど学校で受けたテストは持ってきてもらうようにしているのですが、ほとんどの生徒が点数のところを折って隠しています。取った点数がショックだったのか点数の部分だけ破いている生徒がいたこともあります。

点数を見せびらかすのはおかしいですが、意識して隠す必要は無いと思います。点数を隠すということは、他人にどう思われるかを気にしているからではないでしょうか。

テストは現在の自分の力を測るために受けているという感覚が大切です。

点数が高くても意味が分かっていなければダメですし、点数が悪くてもこの部分だけは出来るようにしようと思っていたところが出来ていたのであれば良いでしょう。点数そのものよりも、試験にどういうスタンスで臨んで、何を得ることが出来たのか、そのようにテストの結果を受け止めてもらいたいと思います。

点数を取らないといけない試験は入試の本番だけですから、それ以外の試験では点数を必要以上に気にしなくても構いません。


9月14日 高校3年生の模試について

10月から11月にかけて、各大学のオープン模試があります。これはマークタイプの模試のように全員が受験するものではなく、それぞれの大学を志望している人が受ける模試になります。

例年、複数の模試を受験する生徒がいますが多くても2つまでの受験にしておいた方が良いと思います。迷っているのなら受けなくても構いません。というのは、これから週末に模試を受ける機会が増えるので、週末に勉強に使える時間が減るからです。

以前も書きましたが、模試は受けるだけでは学力は向上しません。自分の足りない部分の演習をして始めて学力は上がっていきます。追加で3つも4つも模試を受けていては、復習の時間が取れないので、やるべき勉強が出来ないという状況になってしまいます。

模試とは少し違いますが、最近、土日や祝日に補習を行う学校が増えているようです。指導する側は教えると学力が上がると考えてしまいがちですが、講義を受ける時間を増やすと逆効果になることもあります。

自分にとって一番バランスの良い環境を考えて、入試まで悔いなく過ごすようにしてもらいたいと思います。


9月15日 「はやさ」

先日、今春から社会人になった卒業生と食事に行ったのですが、次のような話をしてくれました。


「働いてみて仕事を『早く(early)』することは得意なんですが『速く(speedy)』することは苦手で、今の仕事は少し向いてないように感じます。」


同じ「はやい」という言葉でも「速い」は瞬間的なものを表して、「早い」は期間的なものを表します。

現場の仕事であれば「速く(speedy)」が求められるでしょうし、事務的な仕事であれば「早く(early)」が求められるでしょう。

どちらも「はやく」出来るのが良いのでしょうが、「速く(speedy)」は意識しないと難しいですし、適性もあるでしょう。「早く(early)」の方は姿勢や取り組み方なので、性格に左右されるかもしれません。

受験で言うと「速く(speedy)」は、板書を早く書き写したり、試験中に早く問題を解いたりする能力でしょうか。「早く(early)」はダラダラ過ごさず、課題などに直ぐに取り掛かる性格でしょうか。

受験でも仕事でも「はやさ」というのはとても大切です。色々な「はやさ」を意識して日々取り組んでいきたいですね。


9月16日 王道

塾に通っている生徒が、学校で友人にベクトルの問題を聞かれて説明しているときに
「この問題の意味も分からないんだけど、ベクトルってそもそも何?」と質問をされて
「ああ、私にはこの人を助けることは出来ない」と思ったそうです。

話を聞くとベクトルの授業も中盤を過ぎているようなので、その時点で「ベクトルって何?」という質問をされると友人関係では助けられないでしょうね。

その質問をするということは、根本的なところから全て説明をしないといけない可能性があるので負担が大きすぎます。まずは学校の先生にもう一度始めから教えてくださいとお願いに行って、断られたら自分で勉強するか塾に行くしか解決方法は無いでしょう。

どの分野の勉強でもそうなのですが、始めの語句の定義であったり、基礎的な問題が実は一番大切だったりします。そういう部分を何となく飛ばして、とりあえず目の前の問題だけ解ければ良いというような取り組み方をしていると「ベクトルって何?」のように、分からなくなるのです。

生徒に問題が解けないと言われて解説をするときに、言葉の意味や定義を聞くと答えられないことが多いです。当たり前のことですが、意味の分かっていない問題は解くことが出来ないのです。


昔の数学者ユークリッドは、王様に数学が楽に出来るようになる良い方法はないかと尋ねられて「学問に王道なし」と答えました。昔は「王道」は「楽な道」という意味だったんですね。

今は「王道」は「正しい方法」というような意味で使われます。こちらの意味で用いると、数学が出来るようになるためには問題の解き方を覚えるのではなく、意味を理解することが「王道」なのではないでしょうか。


9月17日 言葉の通り取ってください

今日は愛媛県に台風が上陸していました。当塾では、様子を見て安全に来れそうならば来て授業を受けるように指示しています。

このように言うと、絶対に塾に行かないといけないと思ってしまう生徒がいるのですが、決してそんなことはありません。

移動手段が自転車だけしかないという生徒は休んでください。警報が出ていなくても強い暴風雨という状況ならば休んでください。車の送迎が可能でも、距離があったり、危険だと判断した場合は休んでください。

これぐらいだったら来れただろうなどと、後で責めたりは絶対にしません。

ニュースや外の様子を見れば、台風が逸れている場合や既に通過したけれど警報が消えていないという判断が出来ると思います。そういう全体的な状況を判断して、塾に来れそうならば来てくださいということです。

今日は台風が直撃している時間帯に自転車で塾に来た生徒がいました。本人には言いましたが、そういう時は休まないとダメです。命より大切なものはありません。


9月18日 第1解答科目

センター試験の出願が近づいてきたので、必要な生徒には面談をしています。

この時期の面談の内容は受験科目に関することです。生徒によっては色々と勘違いをしていたりしていることもあるので確認をしています。

細かい受験テクニックは塾生にだけ伝えますが、今日はこのような話が出ました。

文系の生徒が「地歴」「公民」では「公民」の方が得意で点数が高く出る傾向があるのに「第1解答科目」を「地歴」にしないといけないと思っていました。

※ 「地歴」「公民」には「第1解答科目」と「第2解答科目」があり、1科目で受験が出来る大学は「第1解答科目」の点数を採用するところが多いです。


どうしてそう思うのかと尋ねると、学校でそのように選択するのが普通だからという指導をされたそうです。

ほとんど無いのですが、確かに「第1解答科目」が「地歴」で無ければ受験できない大学が存在します。自分が受験する可能性のある大学がある程度絞り込めていて「第1解答科目」が「公民」でも問題ない場合は得意な方を「第1選択科目」にするのが正解です。

得点差が10点あれば、その10点で合否が覆ることは大いにあるわけで、普通がこうだからとか、皆がこうだからとかというのは理由になりません。

学校の先生の中には受験の知識が無く指導している人もいます。全てを他人任せにせず、自分のことは自分で考えて選択する姿勢を身につけましょう。


9月19日 添削

現在、高校3年生の理系講座は記述試験対策の演習を行っています。

事前に渡したプリントを解いてきて、授業の始めに添削を行い、その後解説をするという流れで授業をしています。取り扱っている問題は「標準」から「やや発展」というレベルで、入試で合否を分けるであろう問題を想定しています。

生徒に解かせてみると今の時期では全く反応が出来ないこともありますが、何とか喰らいついて答まで辿りつくこともあります。ただ、それほど難しくない問題であっても完璧な解答を書くことは一筋縄ではいきません。

論理的に完璧な解答を書くというのは難しく、少しのことで不備が発生します。今日の授業であった具体例なのですが


「x>0 のとき,x^4=1を解け。」  (x^4=1 はxの4乗です)

という問いで、以下のような解答がありました。

ダメな解答@
x^4=1 
x=1


ダメな解答A
x^4=1 なので
x=±1
x>0 より
x=1


上記2つは、いずれも不備があります。これに対して以下であれば、問題ありません。

良い解答@
x^4=1 
x>0 より
x=1

良い解答A
x^4=1 なので
x=±1,±i
x>0 より
x=1


ほとんど同じに見えるかもしれませんが、このような小さいところで減点される可能性があります。数学に自信があるという生徒でも、記述の練習をするときは信用できる先生に解答を見てもらった方が良いでしょう。


9月21日 師事するということ

先日の日記に書いたように、当塾では指導者である私が一人で全ての生徒の解答を添削しています。これは、ただ記述式の問題の解き方や、書き方を教えるというだけのことではありません。

生徒を直接指導して更に解答を多く見ることで、生徒の長所や短所、性格的なことなど色々な情報が蓄積されていきます。こうした情報が受験の終盤ではとても大切になってきます。

数学の指導は基礎的な部分は同じ教材でも良いのですが、一定以上のレベルになってくると生徒に合わせた教材で行わなければなりません。

当塾では、一通りの内容を教えた後は大学受験に向けた演習を行っていきますが、生徒の学力や進路を考えて問題を調整します。こればかりは自動的に出来る作業ではなく、手作業で行わなくてはなりません。

そのような指導が出来る先生に長期間師事するということは受験に有利に働きます。逆に言えばどのような先生でも短期間で生徒の学力を上げるのは非常に難しいのです。

以上のような理由で高校3年生の春頃までは入塾をお受けしていますが、今の時期からの高校3年生の受け入れは、よほどの事情が無い限りお断りをさせてもらっています。当塾への転塾を考えられているという方にも、現在通っている塾に最後まで行ったほうが良いのではという話をさせていただくこともあります。

中学3年生や高校3年生の秋から塾を移るというのは大きなリスクになります。出来るだけ早く行動しておいた方が良いでしょう。


9月22日 合格の報告

今日は、卒業生が京都大学の大学院に合格したことを報告しに来てくれました。

その生徒は元々東京大学を目指していたのですが、現役時代にはそのレベルに到達することは出来ず、ある国公立大学に進学しました。

浪人して東京大学を目指す選択肢もあったのですが、大学でしっかり勉強をすれば大学院で自分の進みたい方向を目指せるからと、現役での進学を勧めました。

ただ、誰にでも同じようなことを言うわけではありません。生徒の資質や、性格、状況によりけりで、浪人した方が良い生徒、浪人しない方が良い生徒がいます。


色々と話をしたのですが「高校時代に勉強をやってもやっても成績が上がらない時期があって自分はここまでの人間なのかなあと思ったけど、頑張っておいて良かったです。」と言っていました。

勉強はやれば直ぐに学力が伸びるというわけではなく、積み重なったものが表出してくるまでの時間に個人差があります。そういう苦しい時期を耐えて頑張り続けられるかどうかで、その後の人生が大きく変わると思います。


9月24日 10月の予定表

10月の予定表をTOPページにアップしました。

10月半ばに定期考査を行う学校がありますが、国体があるため例年と日程が異なっており、考査の範囲が広くなると思われます。推薦を考えている人は、早めに準備をしておいた方が良いでしょう。

推薦を考えていないのであれば考査の点数にこだわらなくてもいいのですが、それは出来なくても良いということではありません。考査のためだけに勉強をするのは良くないという意味です。

漠然と勉強をするよりも区切りがあったほうが勉強はしやすくなるので、考査を有効活用して、入試に繋がるような勉強をしていきましょう。


9月25日 大変だと思います

今年は愛媛県で10月前半に国体が開催されるため、考査の日程が例年とずれていると昨日書きました。中学校では運動会を1学期に実施するところもあるなど、今年度は愛媛県の学校は特殊な日程を組んでいます。

高校では夏休みを短くした分の休みを秋休みとして、国体の期間学校を休みにしているところが多いようです。これは、学校の教員が国体の運営や手伝いをすることが多いため、授業が出来ないということも想定しての措置だと思います。それにもかかわらず秋休みに補習をする学校があるようです。

学校批判をするつもりは無いのですが、学校現場で働いた経験がある者として先生方が不憫でなりません。

高校3年生の担任というのは非常に大変です。通常の業務(授業、部活動、校務分掌、ホームルーム運営)に加えて生徒の調査書の作成を行わなければなりません。他県には選択肢から選ぶだけで良いところもあるのですが、愛媛県では文章を1から考えなければならないため、ものすごく時間がかかります。一人あたり2〜3時間はかかりますから、40人クラスだと100時間位はかかるでしょう。そういった作業を普通は夏休みなど多少時間に余裕があるときに行うわけですが、今年度はまともに時間が取れない先生もいると思います。

また、10月の前半は推薦を考える生徒がいると、面談や推薦文章の作成、面接練習など忙しくなる時期でもあります。そこに国体の手伝いと、補習の準備と授業、考査問題の作成が重なると、どう考えてもオーバーワークになるのではないかと思います。

生徒のために何かをしようというのは良いのですが、もう少しバランスを考えた運営をしないと倒れる人が出るのではないかと、学校の日程を見ながら余計なお世話を考えてしまいました。


9月26日 スタートライン

考査日程が各学校でずれているので、この期間を利用して復習をしています。

主に7月から8月にかけて学習した内容を復習をしているのですが、習った時には出来ていたことが出来なくなっている生徒が多いです。

時間が経てば忘れたり出来なくなるのは普通のことなのでそれ自体は構いません。ただ、完全に忘れてしまうと0から学習をやり直さなくてはならなくなるので、多少でも記憶に残っているうちに復習をしていきましょう。

受験で使う数学がTAUBまでの生徒は11月末には全範囲の授業が終わる予定ですが、そこから1年間かけて内容を定着させながら発展的な問題を解けるようにしていきます。

新しく習うことがないから終わりではありません。全分野を満遍なく出来るようにするために、そこが本当のスタートです。


9月27日 質問と声かけ

当塾では授業中に復習をするときは2時間延々と問題を解いていくのですが、分からないときには質問をするように言っています。

生徒から質問をされた場合には答えるのですが、質問をしない生徒にもこちらから声をかけることがあります。生徒の性格や状況によって声をかけるタイミングは異なりますが、論理性を無視したような間違いをしている場合や、基礎的な問題でずっと悩んでいる場合などは声をかけることが多いです。

数学が出来る生徒は質問をするのが上手です。そのような生徒は考える余地が残っている場合は質問をしてきませんし、考えてもどうしようもないと判断した場合は直ぐに調べたり、質問をしてきます。

数学が苦手な生徒は、どのタイミングで何を質問すれば良いのかが分かり辛いのだと思います。また、考えてどうにかなるのか、考えてもどうにもならないのかという判断がつきにくいのではないかと感じます。

高校数学が苦手になってしまうと、復習や自習をしていればそのうち出来るようになるとは限りません。何が分かっていないのかを教えてもらわないと出来るようになるのは難しいように思います。


9月28日 生物

受験関係のニュースを見ていると、「生物」を暗記科目ではなく、思考力を問う科目にするために、高等学校で覚える項目を2000から500程度に減らしていくような要望が出されたというものがありました。

このニュースを見たときの違和感として、思考力を問うときに前提となる知識をここまで減らしてしまうと、なぜそのようになるのかを余計に考え辛くならないのかということです。

私は高校時代に「生物」を選択していましたが、暗記科目だと思って勉強をしていませんでした。覚える用語は多くても言葉に意味があるものがほとんどなので、意味を捉えておけばそこまで苦ではありませんでした。そういう点では、社会の人名は意味が無いので覚えるのが苦痛でした。

また、遺伝や回路などの分野は、用語や解き方を覚えるだけでは対応できないので、やはり理解が大切だったように思います。

どの科目にも言えることですが、意味も分からずにただ覚えるというような勉強の仕方は面白くありませんし、限界があります。

「生物」を暗記科目から思考力を問う科目にするのは、覚える用語を減らして出題の仕方を変えて解決することではなく、先生の伝え方や生徒の捉えかたを変えるような取組みが必要なのではないかと思います。


9月30日 現代文

塾生から「現代文が出来ないんですがどうしたら良いですか。」という相談をされることがよくあるのですが、現代文が出来ない原因は大きく分けて2つあると思います。

1つ目は「語彙力が無い」ということです。数学の授業をしていて感じるのですが、例えば「媒介」「帰納」などの言葉は、高校数学で頻繁に出てきますが意味を聞くと答えられないことがよくあります。本や新聞を読む習慣がある人は正確には知らない言葉でも何となく意味を類推することが出来るのですが、あまり本を読まない人には出来ません。本を読む習慣が無い人は、せめて知らない言葉が出てきたときには調べて覚える習慣をつけましょう。


2つ目は「主観で問題を解いている」ということです。現代文は日本語で書かれた文章だから読めば分かるというのは大きな間違いで、論理的に文章を読み解く力が必要になります。問題を解くときは「筆者の気持ちを考える」「自分がその立場だったらどう思うか」「文章から様々な可能性を考える」というようなことはやってはいけないのです。

主観的ではなく客観的に読むというのは、言うのは容易いですが行うのは難しく、現代文が出来る人がどのように問題を解いているのか実際に見せてもらわないと理解出来ないと思います。

当塾でも現代文の授業をすることがありますが、時間が取れないことが多いので生徒には次の書籍を薦めています。

『出口のシステム現代文 ベーシック編』  出口汪(著)

どのように現代文を勉強をすれば良いか分からないという人には参考になると思います。特に、理系の人はセンター試験の過去問をやる前にこれを読んでからやると良いでしょう。



松山数学塾
住所 愛媛県松山市小坂3丁目4−32 ホワイト岡田ビル1F
TEL 089-948-8908