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2018 3月


3月1日 国公立大学入試への影響

昨日の日記で書きましたが、昨年から中堅レベル以上の私立大学に一般入試で合格することが難しくなっていて、この傾向はおそらくこれから数年は続くと思われます。

その結果、私立大学と提携している高校から内部進学をする生徒や、推薦入試で進学を考える生徒が増えることになるでしょう。私立大学としては、入学を確約してくれる生徒を優先的に確保したいので、こちらに出来る限り枠を使いたい思惑があります。

そうすると、更に一般入試から入学する枠が減るため、合格はますます難しくなります。合格が難しくなれば、併願で多くの大学を受験をする生徒が増えるため、私立大学は受験料で稼げるようになります。中堅の大学でこのようなことがおきれば、下位の大学も玉突き的に受験者数が増えるので、この状況を活かせる大学は今までよりも経営状況が良くなるかもしれません。

「入学定員の厳格化」は当初、私立大学が苦しむことになると考えられていましたが、実際には受験生が苦しむという状況になっています。


では、こうした状況が国公立大学にどのように波及するのでしょうか。

私の考えですが、ある水準以上の国公立大学はそれほど影響を受けないと思っています。というのは、私立大学のみを考えている人と、国公立大学を目指している人はそれほど被っていないからです。

その理由は、受験科目数の違いにあります。国公立大学はある水準を越えると、文系、理系を問わず受験に必要な教科が「国英数理社」となります。国公立大学受験が難しいのは、全ての教科を勉強しなくてはならないというのが要因の一つです。

これが私立大学であれば「関関同立」レベルでも3教科、もしくは2教科で受験が出来ます。ですから、私立大学の一般入試が難しくなったから国公立大学を目指すとはならないわけです。

ただし「ある水準以上」というところに注意が必要です。国公立大学の中には、センター試験で全ての教科が必要ではない大学や、傾斜配点で特定の教科の点数が半分になるような大学があります。そういった大学に、私立大学のみを考えていた生徒が流入してくる可能性があります。

事実、今年の入試で出願状況を見ていると、必要科目数が少ない国公立大学では例年よりも倍率が高くなっているところが多いように感じます。

現在、国公立大学を目指している生徒は、苦手な科目があるからといって志望大学のレベルを落とすと、思っている以上に合格する大学のレベルが下がってしまう可能性があります。多くの科目を勉強することは大変ですが、こうしたことまで考えて受験に立ち向かってもらいたいと思います。


3月2日 愛媛県の高校入試

愛媛県の公立高校の入試志願者数が確定しました。

今年の高校入試は県全体で見ると、定員に対して志願者が0.92倍となっていて、大きく定員割れをしています。ちなみに昨年は0.94倍、一昨年は0.98倍です。

今年は昨年よりも定員が若干減っているのにもかかわらず倍率が下がっているので人口減の影響が大きいと思われます。愛媛県内の年齢別の人口を見た限りだと昨年とそれほど変わりがないようにも感じるのですが、年齢別ではなく学年別だと人口が少なくなるのかもしれません。

学校を個別に見ていくと、松山市内の高校は高倍率になっていて、東予、南予の学校は定員割れとなってる高校が多いようです。県全体の人口は大きく変わらなくても、都市部の人口と地方の人口の差が大きくなっていると推測されます。

今年は、特に松山市内の松山東高校、松山南高校、松山北高校はそれぞれ1.15~1.24倍と愛媛県の高校入試にしては高倍率になっています。愛媛県の公立高校は1校を1回だけしか受験できないというルールなので、この倍率でも厳しい戦いだと感じます。これらの高校を受験する人たちは今頃必死になってラストスパートをかけていると思います。

しかし、今の時期頑張らなければいけないのは、倍率1倍を越えている高校を受験する人だけではありません。定員割れをしている高校を受験する人も、私立専願で合格が決まっている人も、中高一貫校に通っている人も、大学は同じ条件で受験することになります。

受験というカテゴリのゴールは高校受験ではなく大学受験です。それぞれの置かれた状況で、自分の力が伸びるように精一杯頑張ってもらいたいと思います。


3月7日 体調不良

体調を崩してしまって、しばらく日記の更新が出来ませんでした。現在も調子は良くないのですが少し落ち着いてきました。

正直、立ち上がるのも辛いくらい体調が悪かったので塾を休みにしたかったのですが、そうすると予定よりも進度が随分遅れそうだったので、授業をすることにしました。

病院で診断を受けてインフルエンザではなかったので、塾内の除菌、換気をした上で、生徒にマスクを配布して、こちらもマスクをしていたのですが、感染リスクが0ではないので迷惑をかけてしまいました。

どんな状況でも頑張らないといけないとは思わないのですが、たとえ辛くても今やっておかないといけないことはあります。特に、社会人になって責任がある立場になると、辛くても耐えなければならない場面に遭遇します。

心や体が壊れるまで無理をしてはいけませんが、少し辛い位のときは「休む」よりも「頑張る」方を優先しようという気持ちが大切ではないかと思います。

今回は少し辛い位では無かったので、頑張った結果症状が悪化してしまいました。こういうことが無いように、日頃から体調管理には気をつけないといけないと改めて思いました。


3月10日 普通の対応

ニュースによると、2020年からの入試制度改革において東京大学が「英語」の民間試験を合否判定に使わないという発表を行いました。

入試問題は学生の入学を許可する大学が作成すれば良いというだけのことで、これが良識ある大学の普通の対応だと思います。

何度も書いていますが、今回の入試制度改革はあまりにも稚拙で生徒や国の将来のことを考えているとは思えません。

その理由の一つとして、入試制度改革の有識者会議に民間企業の役員を入れているということもあるように思います。

役員が有識者に含まれているとある民間企業が新しく英会話スクールのビジネスを開始しようとしているのですが、高校や大学の現場から反対意見が多く出ているのにも関わらず中々ストップがかからないことと、これは本当に無関係なのでしょうか。

ニュースを見ていると、もう直ぐ入学する高校生の大学入試の方針が未だ決まっていないのは問題で早く決めなければならないという意見がありましたが、早く決めることだけを目的にしてもいけません。

東京大学に続いて、他の大学も良識のある普通の対応をすること願っています。


3月11日 特別な日

今日は、日本人にとっては特別な意味を持つ日でした。

震災の直後も色々と感じるものがありましたが、年を取るにしたがって家族や地域との繋がりを大切に感じるようになり、この日の意味をより考えるようになりました。

愛媛県に住んでいて目に見える形の被害が身の回りになかった私は、今では日常的に震災のことを考えることはそれほどありません。

しかし、こうして節目の日を迎える度に、普段と同じ1日が過ごせることを幸せに感じられずにはいられません。

学生の中には勉強が辛いと感じる人もいるかもしれませんが、毎日勉強が出来ることは幸せです。

勉強がそれほど得意ではなくても、元気に学校に行ってくれる子供がいることは幸せです。

本当は、今日だけではなく毎日感謝をしながら生きていかないといけないのだと思います。


3月14日 受験勉強の目標

これからの時期、色々な場所で受験を終えて合格した先輩との座談会が開かれたりすることがあると思います。参加するなとは言いませんが、そこで聞いた成功者の勉強法や受験に対する姿勢などは話半分に聞いておきましょう。

と言うのは、成功者の勉強法が特異なものであれば、その人にとっては良かっただけで万人に当てはまるものでは無いからです。

極端な話をしますが、1度読んだものを全て覚えられる人が言う「参考書を読めば問題が解けるようになるから解答を全て覚えれば良い。書いて問題を解くのは時間の無駄だ。」というアドバイスは役に立ちますか。

また、合格した人は若干話を大きくしがちです。「勉強を始めたのは高校3年生の運動会が終わってからで、4ヶ月必死でやっただけ。」という言葉を鵜呑みにして、本当にそれまで勉強をしなくても大丈夫と思ったりしないようにして下さい。


個人で能力は違いますし、基礎学力も違うので個別の事例というのはあまり参考になりません。結局、受験における勉強で大切なことは「理解すること」「覚えること」「表現すること」の3つです。

点数が取れるようになる為に何か楽な方法はないかと考える人が多いのですが、そんなものはありません。もし、あるとすれば自分に合った勉強法を自分で見つけるしかありません。そして、ほとんどの人は地道にやるしかないという結論にたどり着きます。

ただ、順番を入れ替えるという位の工夫はあるかもしれません。勉強は「理解をしてから演習をすること」が正しい方法だとは思いますが「理解が進まない」場合は「演習をしながら理解をする」ことも必要だと思います。


私は受験勉強の最終的な目標は「自分一人で勉強が出来るようになる」ことだと考えています。これが出来るようになれば、大学生になっても社会人になっても、自分で自分の能力を高めていくことが出来ます。

小手先の点数を取る技術ではなく、こうした大きな目標を持って受験勉強に取り組んでもらいたいと思っています。


3月15日 「1人で勉強が出来るようになること」を目指して

昨日の日記で受験勉強の最終的な目標は「1人で勉強が出来るようになること」と書きました。現実にはその状態にもって行くことが至難の業です。その理由は大きく分けて2つあります。

1つ目は「継続的な努力を自分の意思で行うこと」が難しいということです。人はどうしても楽な方に流れてしまいがちです。特に中学生や高校生は勉強をしない理由を探してサボってしまうことが多いように思います。毎日コツコツ積み重ねることが出来ている人は全体から見れば少数派です。
そして、それを自分の意思で行わなくてはなりません。親や先生などに強制的に勉強をやらされれば真面目な人はやります。ただ、言われたからやっているのではダメなのです。誰にも見られていないときに自分の意思で勉強が出来るようになって始めて勉強の効率は高くなります。逆説的ですが、親が勉強を強制している間は効率が良くならないので注意が必要です。


2つ目は「精度の高い勉強を行うこと」が必要になるということです。実は、勉強の時間効率が最も高いのは授業ではなく、自分で文章を読んで理解することです。文章を読んで正確に理解が出来れば自分のペースで勉強をどれだけでも進められるので、これに勝る勉強方法はありません。
しかし、始めて見た内容を正確に理解することは多くの学生には困難です。特に高校の数学は内容を理解するために「勘所」のようなものがあり、それは口伝で伝えるしかないように思います。これが高校数学の独学を難しくしている原因なのですが、この「勘所」さえ押さえてしまえば一人で勉強を進めていくことが可能になります。

個人的な考えですが、数学で勉強の仕方を習得すれば数学以外の勉強がやりやすくなると思います。最も理解を重視する科目だからこそ、理解の重要性が認識できるためです。

高校では一つ一つの科目の分量が多いので、全ての科目を塾で学んでいては受験に間に合いません。特に国公立大学を目指している人は受験科目数が多いので「1人で勉強ができるようになること」を目標に頑張りましょう。


3月17日 数学Vの授業

高校2年生(次の高校3年生)の数学Vの授業が「微分法」に入りました。いよいよ高校数学の最も面白い(そして難しい)分野の勉強が始まります。

この分野の授業を受験生に向けて出来るのは数学の先生として幸せなことです。

公立高校の数学の先生は、勤務する学校や講座を受け持つタイミングによっては、この分野の授業を1度もすることなく退職することもあります。

塾でもこの内容を必要とする生徒がいなければ教えることは出来ません。こうして今年も数学Vに挑戦してくれる生徒がいるというのはありがたいことだと思っています。


この分野の授業をするときに重要だと考えているのは、とにかく本質的な意味を理解していくことです。数学UBまでも同じですが、結果だけ覚えるような勉強では太刀打ちが出来ません。

数学Vの内容は難しいですが、理解すれば数学の世界が広がり今まで以上に数学が楽しくなります。是非、習得して数学の素晴らしさを体感してもらいたいと思います。




3月18日 学校が休みのときに差がつく

昨日で私立中高一貫校の定期考査が終わったので、これから授業を進めていきます。

定期考査のあった先週は、あまり授業を入れませんでしたがこれから4月前半に学校が始まるまではかなり多く授業を入れるようにしています。苦手な分野がある生徒は、単元別講座や個別指導も平行して行っていきます。少しでも良い形で新年度が迎えられるように今のうちに頑張ってもらいたいと思います。

学力が高い生徒とそうではない生徒は、1日の学習量の差がそのまま学力差となっていることがほとんどです。学力が高い生徒は春休み中も自主的に勉強をしますから、本当にただ休んでいる生徒との差は普段よりも広がっていきます。こういうことが、春夏冬と休みの度に繰り返されて順位が固定化されていきます。


明日3月19日は公立高校の合格発表ですが合格不合格だけが大切なのではありません。公立高校に合格しても不合格で私立高校に行くことになった場合でも、そこで頑張れるかどうかが大切です。

明日から高校の入学式までは約20日あります。この期間だけを見ても、勉強をしている生徒としていない生徒ではものすごく大きな差がつきます。直ぐにというのは難しくても、出来るだけ早く高校の勉強に備えましょう。


3月20日 当塾の月謝と指導時間の考え方

今日は取引のある銀行から担当が変わったということと、各種手続きなどで、行員の方が来られました。

少し世間話をしたのですが、良かったら塾のチラシを1枚もらえませんかと言われたのでお渡しすると、お金を取り扱う業種の方ということもあり月謝に興味をもたれていました。

進学校卒の方でしたので、学習塾の月謝にも詳しいようで
「1回2時間で月10回の授業が26,000円は単価が安過ぎではないですか」
と言ってくださいました。

分かる人には分かってもらえるのですが、当塾の月謝はプロが指導する1時間あたりの単価を考えた場合、かなり安い部類だと思っています。

月単位で、ほぼ1教科の指導に対してと考えると高いように感じるかもしれませんが、これ以上月謝を下げようとすると授業回数を減らさなければならなくなります。


当塾の考え方として、塾に通うからには責任を持って面倒を見たいということが根本原理になっています。そうすると、結果が出るための学習量を確保するためには最低限必要な時間というものがあります。

本当はもっと授業時間を増やしたいのですが、これ以上増やすと他教科への影響が出るのでこれでも抑えています。どうしても足りないと感じるときは無料の個別指導で補填しているというのが現在の状況です。

私の力量では1週間に1回で60分〜80分位の時間で成績を上げることは出来ません。そのような設定にすると生徒を集めやすくなるかもしれませんが、それでは商売にはなっていても塾にはなっていないと思っています。

4月から高校1年生になる人や保護者の方で現在学習塾を探している人もいると思います。
月謝や通塾のし易さというのは塾を選ぶときに大切な要素ですが、最も大切なことは通って意味があるということだと考えて塾探しをしていただきたいと思います。


3月21日 良い塾の見抜き方

年度変わりということもあり3月の前半くらいから学習塾の広告やチラシがポスティングされていることが多いです。

学習塾を経営している身ですから他の塾や予備校の広告やホームページを見ることが多いのですが、個人的にここは良い塾かもしれないと思うポイントがあります。

それは月謝の総額を明示しているということです。逆に言えば、料金体系がやたら複雑であったり、総額の費用を曖昧にしていたり、料金はお問い合わせ下さいと書いてある塾はきちんと指導が出来ないのではないかと考えています。

複雑な料金体系にしていたり、別途〜〜費がかかりますとしているところは、セールストークで高額の商品を売りつけることが目的であることが多く、学習塾というよりは商売塾としての色合いが濃いように感じます。

当塾は色々なコースも無く、指導者も1人のため月謝は1通りしかありませんから複雑にしようがないのですが、大人数の生徒を抱えていて複数の教科を教えている塾であっても料金体系がシンプルである塾は存在します。

そういう塾は指導力に自信があるため、きちんと指導をしていれば生徒が集まってくると考えていたり、余計なところに労力を割きたくないと考えているのかもしれません。

塾を選ぶときはそういうところも見ておくと良いかもしれません。


3月22日 新高校1年生の面談、体験授業について

新高校1年生の第1回目の授業は3月27日で3月は体験授業となります。この授業を受ける前には面談が必要となります。

面談時間のお知らせなのですが、3月25日の13:30~22:303月26日の13:30〜21:30は授業がありますので、面談の対応可能な時間が上記以外となります。

3月23日,24日は終日対応可能ですので、面談を希望の方はお早めに連絡をいただけると助かります。

例年、第1回目の体験授業後に連絡をしてこられる方もいらっしゃいますが、そのような場合でも対応はさせていただいています。

ただし、他の生徒に追いつくために補講を行いますので、短期間で多く通塾していただくようになります。余裕を持って学習を進めたい方は、始めの授業からの受講をお勧めします。


3月25日 4月の予定表

4月の予定表をTOPページにアップしました。春休み中は出来る限り授業を多く入れています。

新学期は始まってみないと補習の日程や部活動の様子など、分からないことが多いので暫定で予定を組んでいます。問題が無ければこのまま行きますが、都合が悪いところがあれば変更をしていきます。

4月は曜日がある程度固定されていますが、5月のゴールデンウィークや考査期間中などは変則日程になると思います。また、高校3年生が部活動が終わった後は講座の配置(曜日の設定)が大きく変わる可能性があります。

出来る限り全員が通いやすく効率のよい日程を組みたいと思っていますので、よろしくお願いします。


3月26日 これくらいは出来る、とは思いません

生徒を指導するときに気をつけていることの一つとして「これくらいは出来るだろうと思わない」ということがあります。

数学の指導者は長時間数学に触れているので反射的に答えられることが多くありますが、習熟が十分では無い生徒は基礎的な内容の問題を解くのにも時間がかかります。

先日も基本的な内容に苦戦している生徒がいたので、考え方を説明して、時間がかかっても自分の力で最後まで解ききるように指導をしました。

解き終わった後、その生徒は「ここが苦手だったので、今まで適当に覚えてごまかしていました」と正直に言っていました。

苦手な分野の勉強をするとき、そのように対処している生徒は少なくないのではないかと思います。

指導する側は、基本的な内容は生徒が勝手に練習をして勝手に出来るようになってくれると思ってしまいがちですが決してそんなことはありません。基本的な内容の反復は面倒くさいことが多いので勉強が苦手な生徒ほどやらない傾向にあります。

明日から新高校1年生の授業になりますが、基礎的な内容も「これくらいは出来るよね」と飛ばさずに、しっかりと練習をさせていこうと思っています。


3月28日 大学入試共通テストの話

先日、センター試験の後継となる大学入試共通テストの正答率などが発表されて教育関係者の間で話題となっています。

数学では「数学T」の記述で答える2次関数の問題の正答率が2%だったことが大きく報じられていました。しかし、数学が分かっている人が見ると何も難しくない問題だと感じるのではないでしょうか。ちなみに、この問題の誤答率は48.2%、無答率は49.8%となっています。

色々と検証がされていますが、現場で指導をしている者からすると、このような結果の原因は問題を見れば分かります。

まず、無答が50%近くになっていますが、その原因は「問題文が長い」と「見たことが無い問題」ということでしょう。生徒を指導していて感じることですが、少し問題文が長くなると考えることを放棄する生徒が少なくありません。特に、数学を公式や解き方を覚えて処理すると考えている生徒は、思考を必要とする問題を直ぐに諦めてしまう傾向が強いように感じます。

誤答の48%は2次関数がきちんと理解出来ている生徒の少なさを表しています。日記にたびたび書いているのですが、高校で数学が出来るようになるかは高校1年生の夏までに決まります。それは高校数学の基本である2次関数を正確に理解することが非常に難しいからです。


今回の問題を見て感じることは、今までの試験もこれからの試験も結局は本物の学力をつけるしかないということです。出題形式がどうなってもそれに対応出来る力があれば良いだけです。

当塾の目標でもありますが、目先の点数を追うのではなく、社会に出てからも役立つ力をつけるような勉強をすることが大切だと思います。


3月29日 国公立大学入試の話

以前、私立大学の入試の難易度が上がっていることを書きました。

そのときに受験科目数の多い国公立大学にはそれほど影響がないということも書いたのですが、どうやらそういうわけにもいかないようです。

国公立大学でも私立大学と同様に、来年度の入試から定員超過でペナルティが与えられるようになったそうです。厳密に言うと現在でも定員超過にペナルティはあるのですが、1人も越えてはいけないというわけではなく、多少幅が設けられています。来年度はその幅が減らされることになりました。そして、再来年度の入試からは1人でも越えたらペナルティというように変わるそうです。

このことで入試の動向がどのように変わる可能性があるのかを推測してみます。

現在の国公立大学の一般入試は前期、中期、後期とありますが、基本的に前期試験に合格した生徒はほぼ入学します。これは前期で合格をして入学手続きをした場合、中期と後期は自動的に不合格になるからです。
しかし、中期と後期は別の大学を受験して2つとも合格をした場合、いずれかの大学を選択することが出来ます。そのため、多少定員よりも多く合格者を出す可能性があります。

今まではこのようになっていたのですが、今後1人も定員を越えてはいけないとなれば定員よりも多く合格者を出すことはないでしょう。ですから合格者を絞っておいて、定員に満たなければ追加合格を出すようになるはずです。

追加でも合格すればいいのですが、今後はこれまでよりも国公立大学の中期、後期の合格が難しくなるでしょう。その結果、後期試験で確実に合格をしたい人は、より合格しやすい大学に出願する可能性があります。それと連動して前期試験に出願する大学も変わってくるでしょう。

上記の理由で、中堅レベルの国公立大学の受験難易度が上がると思われます。また、4月から高校2年生になる生徒は浪人になるとセンター試験が新共通テストに変わるので、より安全志向が働くことになります。

この2つのことが同時におこるので、来年と再来年の入試では過去のデータや予備校の判定がほとんど役に立たなくなるかもしれません。

現役生は大学入試がこのようになっているという現実を知って、日々の勉強に取り組んでもらいたいと思います。


3月31日 大切なのは途中です

今春高校に入学する生徒は、大学入試がセンター試験から大学入試共通テストに変わる初めの学年になります。

一番の変更点と言われているのは、数学では問題の一部に記述式を導入するというところです。(個人的には、記述は2次試験や個別試験で問えば良く、大量の解答を正確に採点できる現方式の方が入試として優れていると思いますが、それは今は置いておきます。)

このように試験内容が変わるからと言うわけではありませんが、高校の数学を学んでいくときに意識してもらいたいのは、答えが合っているということよりも、途中式が論理的に書けているか(つじつまが合っているか)ということです。

今日の1年生の授業で生徒のノートを見ていると、答に合うように途中式を誤魔化していたり、実際には出来ない変形をしてしまっている生徒がいました。

そのように間違っていることを責めるつもりはありません。今の時期はそのような取り組み方をする生徒が少なくないので、気がついて直していってもらえればと思って指摘をしています。

高校の数学では基本的な計算であっても、中学までの数学よりも随分複雑な形が出てきます。そういう問題を形だけで覚えるのではなく、式変形のルールを守って客観的に解いていく姿勢を身につけていきましょう。



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