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2018 4月


4月1日 新年度

月も変わり4月となり、いよいよ新年度となりました。こうした節目には、これからまた頑張ろうという気持ちになりますね。

良いスタートが切れるように当塾は現在、春季講習を行っています。
講座によってはほぼ毎日通塾している生徒もいますが今の頑張りが後々効いてくると思います。

新高校1年生の授業は既に始まっていますが、これから途中入塾も可能です。
春休みの課題で分からないことが多かったり、学校が始まってから授業についていけないと感じたときは出来るだけ早めの対応をご検討下さい。時間が経てば経つほど取り返すことが難しくなります。


以下、現在の授業進度を載せておきます。

平成30年4月1日現在の進度状況

1年生   数学T・・・「実数」まで修了
2年生   数学U・・・「三角関数」の方程式・不等式の基本まで修了
3年生B  数学TAUB修了 「標準問題」・・・69問まで解説済
3年生V  数学TAUB修了 数学V・・・「微分法」の導関数まで修了




4月2日 点数だけでは見えないもの

最近入塾した生徒の保護者の方が、学校の成績があまり良くないので塾の授業についていけるか心配ですと言われていました。

確かに学校の成績表を見ると順位は良くなかったのですが、その生徒の模試の答案を見ると学力が伸びそうな雰囲気がありました。

それは、難しい問題に対して正解までたどり着けなかったとしても、試行錯誤をして何とか答えようという気持ちのこもった答案になっていたからです。

実際に指導をしていても自分で考えて答を出そうと努力をしている様子が伺えます。こういう生徒は伸びてくるので、塾の授業についていけない心配をすることはないと思います。


学校の成績や模試の点数は参考になるかもしれませんが必ずしもそれが全てではありません。
この成績だからこれくらいのことをやらせようというのではなく、目の前の生徒の実態を見て指導の仕方を考えていきたいと思っています。


4月3日 当たり前にやってほしいけれど・・・

数学が出来る人は当たり前にやっていることで、数学が出来ない人がほとんどやっていないことに検算があります。

以前、数学がよく出来る生徒に検算をどれ位しているか聞いてみると、間違いが少なそうなところは1、2回で間違えそうなところは2、3回位ですと言っていました。

計算ミスがほとんど無い人は計算ミスをしていないわけではなく、何度も検算をして訂正しているので計算ミスをしていないように見えるのです。

検算を行う習慣がある人は頭の中で何度も計算を繰り返しているので、検算をしない人の何倍も計算練習をしていることになります。こうした習慣が勝手に身につけば良いのですが、何も言わないでも身につくのは元々数学が得意な生徒だけです。

現在、高校1年生の授業ではどのタイミングでどのように検算を行うのかまで指導をするようにしています。何度も言うのでかなりクドイとは思いますが、素直に聞いて習慣づけが出来た生徒は必ず役に立つと思います。


4月4日 クドイ塾です

昨日は数学が出来る人は検算をする習慣がついていると書きました。その他にも数学が出来る人と出来ない人で明確に違うと感じることがあります。

それは「グラフが描ける」ということです。

「グラフが描ける」というのは
・ 問題を解くためにグラフを描いて考える。
・ グラフが正確に描ける。
という2つの意味があります。

「問題を解くためにグラフを描いて考える」
高校の数学では、グラフが関係ないような問題でもグラフを用いて考えなくてはならないことがあります。与えられた式がグラフではどういう意味を持っているのか、言葉だけで説明するのではなくグラフも説明の一部として利用するなど、グラフを使いこなせるようになることが大切になります。


「グラフが正確に描ける」
生徒のグラフを見ていると本人は描けているつもりでも、必要な情報が書けていなかったり、不要な情報を書いていたりすることがあります。特に途中入塾してきた生徒はグラフの作法が身についていないことが多いように思います。おそらく、今までグラフに関して細かい指示をされていないのだと思います。

私は何も言わないでも生徒が正確なグラフが描けるようになるとは考えていないので、グラフを習い始めたときや、新しい関数のグラフを習ったときは細かくチェックします。

同じことを何度も注意するのでかなりクドイとは思いますが、素直に聞いて正確にグラフが描けるようになった生徒は必ず数学の力がついていくと思います。


4月5日 客観視

今日の高校1年生の授業では、これまで春休みに学んだ内容のテストをしましたが出来が悪かったです。

これは今年の生徒達が出来が悪いということではありません。毎年この時期に行うテストは出来が良くないのです。

中学校までの数学では高校と比べて複雑な計算や手順の多い計算を要求されることが少ないため、ある程度数学が出来る生徒であれば、検算などの確認作業がしっかり出来ていなくても正答率が極端に低くなることはありません。

しかし、高校の数学では計算の途中に間違えるポイントが何度も発生するため、確認作業無しでそれらを全部クリアして正答にたどりつくことは難しくなります。


正答率を上げるためには、自分の解答を客観的に見られるようになることが必要です。

客観的に見るというのは、本当にミスが無いのか、式変形に矛盾は無いのか、というように自分の解答を他人の解答を見るような気持ちで確認するということです。

中学のときからそのように勉強が出来ていた人もいると思いますが、今までの指導の経験上、そのようなことが出来ている人はあまり多くないように感じます。

これから高校の数学を学んで力をつけていくためには、問題を解くだけではなく、自分自身の解答を客観的に見ることが出来るようになってもらいたいと思います。


4月7日 縦に書くか、横に書くか

英語は横書きで左から右に文字を書きます。

国語は縦書きで右から左に文字を書き、横書きで書くときは左から右に文字を書きます(昔の横書きは右から左だったようですが)。

それぞれの言語はどのように書けば、読みやすく意味が分かり易いかというように発展をしてきたのだと思います。

これは数式にも同じことが言えます。

数式の書き方には暗黙のルールがあるのですが、それが守れていない生徒が少なくありません。おかしなクセは早めに直していかなければいけないので、当塾では生徒のノートを見て細かく修正をしています。



今日の高校1年生の授業で書き方を指導した例に次のようなものがあります。

<例1>
2x-1=5 を解け。

2x=6 , x=3


<例2>
|x|>3 を解け。

x<-3
3<x


いずれも答えは間違っていないように見えるのですが、これが試験の答案であったら採点に迷うところです。次のように記述するのが正しいです。

<例1>
2x-1=5 を解け。

2x=6
x=3


<例2>
|x|>3 を解け。

x<-3,3<x


数式を「左 ,右」と左右に並べて書いた場合は「左 または 右」もしくは「左 かつ 右」というように考えるのが一般的です。 ※注

また、数式を上下に並べて書いた場合は「上の式が変形されて下の式になった」と考えるのが一般的です。ですから、上から下に続けて式を書くときに、変形ではない別の式を書くときには、そのことが分かるように一言添えるようにします。

そうして見ると、上の生徒の記述はルールが逆になっています。

こうした作法がきちんと身についていないと計算ミスも増えますし、数学の理解が深まりません。特に初学者は、板書を取るときに先生の表記方法を真似するように意識することが大切です。


※注 ここでは問題にしていませんが「,」は「または」「かつ」の両方で使える記号なので、文脈から読み取りにくい場合や、明確に表現したいときは使用を控えるべきです。


4月8日 高校1年生の途中入塾について

明日は公立高校の入学式になります。今年度は学校が月曜日に始まるので最初の一週間はとても疲れると思います。

新しい環境に慣れるまでは疲労がたまりやすいので、宿題などに追われて生活のリズムを崩すことがないように気をつけましょう。


当塾の春季講習で高校1年生は「数学T」の「1次不等式」まで終わりました。ページ数で言うと教科書40ページ程の分量になります。入学前にこれだけ勉強を進めておくと、学校の授業を余裕を持って受けられると思います。

さて、これから学校で授業を受けてみて、進度の早さや内容の難しさに戸惑う人もいると思います。そうなってから塾を探し始める方もいると思いますが、当塾では途中入塾も受け付けています。

ただし、上記のように塾に通っている生徒とは進度面でかなり差が付いています。これから入塾をお考えの新高校1年生の方は、通常の授業の他に追いつくための補講を受講していただくことになります。また、学校で習っている範囲でも、基礎的な内容が理解できていないと判断した場合は遡って指導をします。

入塾のタイミングが遅くなるほど補講の量が増えるので負担が大きくなります。入塾をお考えの方は早めのご連絡をお待ちしています。


4月10日 完璧にしましょう

今日指導をしていると、ある高校1年生がとても良い意見を言ってくれました。

「中学校までの計算は簡単で出来て当たり前だったんですが、高校での計算は始めからすごく難しく感じます。」

この生徒の言う通りだと思います。高校に入って始めに習う「展開」「因数分解」「式の値」などは、実はかなり難しいのです。

「実は」と書いたのは、高校1年生の始めの内容は7〜8割で良いと思えばそれほど難しくないのですが10割でないといけないと考えると難しいからです。


数学が出来るようになるために、まずやらないといけないことは計算力をつけることです。

数学を苦手に感じる生徒や、難しい問題に手が出ないという生徒は、基礎的な内容の理解や計算力が中途半端であることがほとんどです。

何度も反復練習をして、計算の過程が頭の中に浮かび上がる位の状態になってくると、条件が複雑な問題であってもどのような式を立てればよいのかが分かるようになります。逆に言えば、計算が出来ない生徒は式を立てることも出来ません。


これから先、高校数学を学んでいくと様々な分野で難しいことも取り扱います。しかし、いきなり難しいことが理解出来るわけではありません。まずは、それぞれの分野における基礎的なことを完璧にすることが大切です。

高校1年生の始めに習っていることは、高校数学の全ての分野に関わる内容なので完璧を目指して取り組んでもらいたいと思います。


4月11日 先を見据えて

ある保護者の方から、他の塾に通っている生徒はすごく難しい問題を解いているようです、というような話を聞きました。

「難しい問題を解いている」ということだけを切り取って聞いたので、それだけでは何とも言えないのですが、受験生の中には他の人のやっていることを見て焦ってしまう人もいるかもしれません。それで、必要以上に難しい問題を解こうとしている人もいると思います。

基礎的なことが出来上がっていない人は難しい問題を解いても、それは自己満足で終わってしまいます。もちろん、基礎力がある人は難しい問題を解いて学力を伸ばせば良いと思います。

大切なことは、自分と周りを比べず、先を見据えて現時点で自分に必要な取り組みをするということです。

当塾では、生徒が出来ると思っていることであっても基礎的な練習をしつこくさせます。

昨日の日記にも書きましたが、生徒は7、8割の点数で出来ると思ってしまいがちなのですが、こちらは10割でなければ出来るとは思いません。もっと言えば10割の正答率でスピードを上げていってもらいたいのです。

地道な練習は、それが成果に繋がる実感が少ないかもしれません。しかし、経験上、地道な練習こそが最も成果に繋がると確信しています。


4月12日 面談をしていきます

新年度になったので生徒と面談を行っていこうと思います。学年によって話すことは違いますが、4月の面談の内容は大きく分けて次の3つです。

@ スケジュール
当塾では、曜日を固定せずに出来る限り多く通塾が出来るように授業予定を組んでいます。そのため各自の学校での補習や部活動の予定などを確認します。

A 志望大学・学部
あくまで現時点での志望なので、これから勉強をしていく過程で変わっても構いません。それぞれの進路にあわせて指導をしていく必要があるので、定期的に確認をします。

B 受験で使用する教科(高校3年生のみ)
Aと関係しますが、主に数学をどこまで使用する予定かを確認します。センター試験までか、記述試験対策が必要か、数学Vまでか、数学2Bまでか、数学TAまでか、などを話します。

現時点では、進路が明確な場合を除き科目を絞ることを推奨しません。例えば、数学を切ってしまうと進路選択の幅が制限されるので、私立大学の一般入試が難しくなっている状況を考えるとリスクが大きいように思います。科目を絞るのは7月頃でもいいのではないかと考えています。


上記に加えて、最近の生活の様子などを聞くこともあります。面談は頻繁には行いませんが、必要だと感じる時には個別に呼んで話をすることもあります。

進路の相談など、保護者の方が希望される場合には面談をしますのでご連絡下さい。


4月14日 理解を重視しています

当塾の指導方針として、目先の点数を取ることではなく、数学の理解を重視した授業を行っています。

高校数学では「数学T」「数学A」「数学U」「数学B」「数学V」という科目に分類されて学習をしていきます。これは学問上の分類ではなく学習指導要領に従った分類なので、内容がぶつ切りにされているものが存在します。

例えば「集合」は「数学T」と「数学A」で内容が分けられていたり、「三角比」を拡張した「三角関数」は「数学T」と「数学U」に分けられています。

習得のしやすさを考えてのことなのかもしれませんが、科目で区切って教えていると内容の説明が十分に行えないことがあります。ですから、当塾では科目に縛られずに授業をしています。具体例を1つ挙げると「数学T」の三角比の授業で「数学U」の三角関数の定義を教えています。


また、問題集や参考書は分野毎に問題を分類しているので、学習が進むと簡単に解けるような問題が、難しい解き方をしないといけない問題として載っていることがあります。このような問題は、理解が容易な状況になるまで取り扱わないことが多いです。

教科書や問題集に掲載されている順ではなく、数学の勉強を進める上で「先の内容でも理解しておいた方がよいこと」「後で理解が深まってから考えればよいこと」というように理解のし易さを重視した順で授業をすることが大切だと考えています。

この他にも、理解を助けたり、問題を解きやすくする様々な工夫があるのですが、追々書いていきたいと思います。


4月15日 「問題文を書く」ということ

当塾では課題を出すこともあるのですが、ノートを確認していると少し難しい問題は問題番号以外が白紙という生徒がいます。

それが何も考えていない場合は論外ですが、考えた結果分からなくて白紙だった場合、その状態では考えたうちには入りません。

数学の力が伸びない生徒は問題文を読んで「頭の中で少し考えてみて何も思いつかないから分からない」または「この問題は今まで見たことが無いから分からない」というようになりがちです。

問題を解くときに、まず始めにやらなければならないことはノート(解答用紙)に問題文を書くことです。このように言うと全文をただ書き写すのですが、問題文を書くというのはそういうことではありません。

全文を書くのではなく、与えられた条件や式を整理して書きだし、図やグラフを描くのです。つまり「問題文を書く」ということは「問題文を要約する」ということです。

簡単な問題でも要約をする習慣をつけることで、問題文のどこが大切で、どこが大切ではないかが段々と分かるようになっていきます。こうした積み重ねが、論理的思考力をつけていくのだと思います。

直ぐに結果に結びつくことではないのですが、こうした勉強の習慣をつけていくことが、長い目で見ると大切です。


4月18日 指導の目標

勉強をするときに、どれくらい反復練習をすれば内容が定着するのかは科目の得手不得手など、個人差があります。

全員が同じ教材を同じ回数やったとしても、同じように出来るようになるわけではありません。

勉強が出来るようになるためには自己分析をすることが大切で、身に付いていないと感じれば自分で反復練習の回数を増やさなくてはなりません。

小さい頃から勉強が出来た人は小学校や中学校のときに、そういうことをあまり意識をしていなかったかもしれません。

それは内容が理解しやすかったり、学習しないといけない量が少なかったため、あまり意識しなくても定着までに必要な量の反復練習ができていたのだと思います。

しかし、高校では学習量が非常に多いので、定着するまで反復練習をする余裕が無いまま次々と進んでしまいます。また、学習内容も難しくなり、何となく答だけ合っていればいいという反復練習をしてしまいがちです。

これが、高校で勉強が分からなくなる人が多い原因だと思います。


当塾では、高校1年生の始めは強制的に反復練習をさせますし、問題の解き方も細かく指導をしていきます。それは、どれ位の量を、どのように勉強していけばいいかが分かっていないからです。

それから高校2年生3年生と成長するに従って、強制的な反復練習の量を徐々に減らしていきます。各自で判断をして、自分で勉強が出来るようになってもらいたいからです。

大学入試やその先の人生を乗り切るために一番大切なことは自立だと考えています。手を入れる時期と、見守る時期を考えて指導をしていきたいと思っています。


4月19日 松坂世代

日本球界に復帰した後、公式戦でほとんど投げていなかった松坂大輔が、今シーズンは中日に移籍して頑張っています。今日も試合こそ敗れましたが7回を4安打2失点と試合を作ってくれました。

松坂大輔は今年で38歳になります。一般の社会では様々な経験を積んで油がのってくる時期ですが、野球選手にとっては引退が近づいてきている年齢です。そのように考えると、プロスポーツの世界は本当に厳しいと感じます。

スポーツに限りませんが、年を取ると若い頃に出来ていたことが出来なくなります。しかし、逆に若い頃に出来なかったことが出来るようになっているかもしれません。

ベテランのスポーツ選手の頑張る姿はそういう勇気を与えてくれます。特に同じ年齢ということになると応援をしたいと思わされます。


4月22日 学習指導要領

教育関係のニュースを見ていると、次の学習指導要領の改訂では英語が小学校で教科となるため、中学校、高等学校で求めるレベルが上がり高等学校を卒業するときには英字新聞が8割程度理解出来る語彙力を求めるようになるとのことです。

このレベルを標準的な高校生に求めるのはあまりに酷だと思います。現在、私が指導をしている進学校の高校生を見ても、そのレベルに到達する生徒はほとんどいないように感じます。この制度を作ろうとしている人は生徒を指導した経験が無いのでしょう。

指導をしていれば分かることですが、進学校の生徒であっても全員が天才的な能力を有しているわけではありません。当塾には、学校の授業についていけずに入塾してくる進学校の生徒が多いのですが、学校の授業についていけない原因はものすごい速さで授業が進んでいるからです。

生徒を実際に指導している現場であっても生徒の能力を把握できていない可能性があるのですから、指導していない人には高校生の実態は分からないと思います。

生徒の名誉のために言っておきますが、当塾に通っている生徒の能力は平均的な高校生よりも随分高いです。しかし、そのような生徒達でも教えて直ぐに出来るようになるわけではありません。


また、新学習指導要領の内容を見ていると学生に英語の勉強しかさせないつもりなのかと感じてしまいます。英語というのは、コミュニケーションツールであって、その他の知識や教養があって始めて意味のあるものです。英語だけを勉強をしても、何かを伝えられるようになるわけではありません。

学校でありがちなのですが、夏休みなどの休暇中にバランスを考えずに1教科だけで消化不可能な量の課題を出す先生がいます。自分の教えている教科の点数だけ上がればいいというのは、生徒のことを考えた指導だとは思えません。

今回の改訂は、そのような独りよがりの指導に似ているように思えます。


学習指導要領というのは理想を求めるものではなく、現実的に学生が身に付けられる目標であるべきだと思います。高校までの勉強は各教科のバランスを考えて、様々な分野で活躍できる人材を育てるための土台作りを目的としたほうがいいのではないでしょうか。


4月24日 5月の予定表

5月の予定表をTOPページにアップしました。早いものでもうすぐ4月も終わります。学生の皆さんは良いスタートが切れたでしょうか。

例年ゴールデンウィークはどこの学校も課題がたくさん出るので、早めに取り掛かりましょう。
学校の課題をすることも大切ですが、自分にとって今やるべきことを考えて行動することも大切です。そのような時間が作れるように、計画的に動けるのが理想だと思います

5月は学校によっては修学旅行がありますので、それに合わせて塾の授業時間がかなり変則的なものになります。また、進度調整のために授業コマの種類を増やします。

そのような事情があり、5月は個別指導を行う空き時間がほとんどありません。質問がある人は授業前後の時間などを上手に活用してもらいたいと思います。


4月25日 教えない方がいいこともある

先日、実家に帰ったときのことです。

中学3年生の甥が数学の宿題をしており、苦戦をしている様子でした。こちらからは何も言わなかったのですが、暫くすると教えて欲しいと言ってきたので説明をしてあげました。

また、その後、中学1年生の姪が数学の宿題をしており、考えたり調べたりしながらゆっくりと進めていました。すると、母から宿題が中々進まないみたいだから教えてあげてと言われましたが教えませんでした。様子を見ていると、少し時間はかかったものの全て自分の力で片付いたようでした。

塾で教えているときにも心がけていることですが、生徒が自分の力で解決できそうなことは極力こちらから教えないようにしています。もちろん、手助けを求められたときや、一人ではどうしようもなさそうなときには教えます。

何のために塾に行くのかというと「出来るようになるため」であって「教えてもらうため」ではありません。生徒に問題の答や解き方を教えたとしても、それで出来るようになっていなければ意味がありません。

勉強が出来るようになるために大切なことは、まずは自分の力で何とかしようとすることです。教える側だけではなく、教わる方もそこは間違えないようにしないといけません。


4月26日 教えないといけないことがある

昨日に引き続き、実家に帰ったときの話です。

姪が通っている学校の数学の先生の話になったのですが、普段は温厚な先生が珍しく授業中に怒ったというのです。

理由を尋ねてみると、クラスの全員が宿題をやってきてはいたけれど、ほとんどの生徒が先生の指示した通りにはできていなかったというのです。

先生の指示では、問題を解いて答合わせをしたときに間違っていたら赤で直すのではなく、チェックをして黒で解き直すように言っていたのですが、赤で答を書いている生徒が多かったようです。

その話を聞いたときに、姪は良い先生に当たったなと感じました。

赤で答を書くということは、それ以上間違えてはいけないので答を写すだけになってしまいます。社会や理科の用語を問われる問題は赤で直せば良いのですが、数学や理科の計算、英語の英作文など、理解が問われる問題は赤で直してはいけません。答が間違っていたら合うまで黒で直さないといけないのです。

このような勉強の基本が身に付いていないと、いくら勉強をしても学力が向上しません。


当塾でも、そのようなことを指導しますし勉強の取り組み方の話をすることもあります。以前のやり方に固執をせず、受け入れる気持ちを持って取り組んでもらいたいと思います。


4月27日 計算の過程

当塾では、新しい分野を習ったときや数学を苦手に感じる生徒が多いときは、出来る限り私が問題を解いて計算の過程を見せるようにしています。

そのときに生徒は板書を取るのではなく頭の中で同時に計算をしたり、考えたりするように指示しています。

何故このように指導をしているのかというと、計算が上手くできる生徒はあまり多くないからです。

基礎練習は反復して量をこなすことが大切ですが、下手なやり方で反復をしてもあまり出来るようにはなりません。

問題の解き方や答えだけでなく、数学が出来る人が計算をするときに、どのように考えて、どのような工夫をして計算をしているのか、そういうところも意識をして真似をすることが数学が出来るようになる近道だったりします。


4月28日 方針転換

東京大学が2020年からの入試制度改革で英語の民間業者の成績は合否判定に使わないという方針を転換し、合否判定に用いるという発表を行いました。

それと、この問題に関して東京大学で行われたシンポジウムの内容がホームページにアップされました。

https://www.u-tokyo.ac.jp/ja/adm/koudai/sympo2018.02.10.html

上記の東京大学のHPから講演内容やレジュメ、資料をダウンロードできるので、ざっと目を通しました。

文部科学省とベネッセの資料は数値などを複雑に見せて、良く分からなくさせているだけに感じます。

逆に、東京大学准教授の講演は平易な言葉で論理的に話をされており非常に分かりやすいです。英語に関しては素人の私ですが教育者として多分に共感できる部分がありました。レジュメだけでもおおよその概要は掴めますが、興味のある方は是非、准教授の講演概要を読んでいただきたいと思います。

それにしても、准教授は東京大学の代表として講演をされたのでしょうから、東京大学の方針もこのようなものだったはずです。どのような力が働いたのかは知りませんが、それが1ヶ月も経たないうちに方針転換をさせられたというのは、ものすごく悔しい思いをされているのではないでしょうか。

あまり報道されませんが、今回の入試制度改革は文部科学省と民間業者の癒着が背後にあるのは明らかだと思われます。商売のために癒着をしたとしても、それが若者のためになるのであればまだ構わないのですが、このままでは入試が不公平になり、日本の学生の英語力は確実に下がります。

私に何かが出来るわけではありませんが、1人でも多くの方にこの現状を知っていただきたいと思います。


4月29日 別解の意味

少し前になりますが、ある生徒の指導をしているときのことです。

難しい問題の解説で、問題を理解出来るように式やグラフの意味を一つずつ確認して論理を展開していきました。最終的に現れた式が複雑な形だったのですが、後はそれを計算すれば答に辿りつけるとなったので残りの処理をするように指示しました。

そうすると生徒から、計算が大変そうなのでもっと楽な別解はないのですか、ということを言われました。

そのときに生徒に言ったのですが「別解」は「楽な方法」というものではありません。私の考えでは「別解」は一つの問題を多角的に見ることで、様々な分野の繋がりの理解を深めるためのものです。

受験数学には、確かに裏技的なテクニックを用いれば簡単に答が出てしまうような問題もあります。しかし、そんなテクニックばかりを身につけても大学受験では通用しません。

最も大切なのは、基本的なことを組み合わせて論理的な解答が作成できるようになることです。その上で、多角的なものの見方が出来るようになればより素晴らしいと思います。

「別解」を考えることは数学の勉強において有意義です。ただし、それが楽に答を出すことのみを目的としていては、数学的な力は伸びないように思います。


4月30日 学校で教えて欲しいこと

ここ暫く、入試制度改革や教育課程に対する不満を書いてきましたが、こういうことを学校で教えてはどうかという私の案も述べてみようと思います。

個人的に追加して欲しい科目は「哲学」と「社会制度」です。評価はしない方がいいので総合のような形が良いと思います。

生徒の考える力を伸ばしたい、議論する力を付けたいというような教育目標が掲げられることが多いのですが、そのために必要なことは「哲学」的な思考ではないかと思います。「幸せ」や「生と死」「平等」「正義」など、答が一つに定まらないものについて「なぜ」「どうして」と考えることで、自分自身のことを省みたり、思考力がついたりしていくのではないかと思います。指導する側の技量やテーマ、教材設定が難しいかもしれませんが、生徒が興味を持てそうなものを取り扱えば議論が深まっていくのではないでしょうか。

「社会制度」の授業では、税金や年金、保険など、社会人になったときに生じる義務や権利について学んではどうかと思います。正直、私が社会人になったときはこのようなことをほとんど知りませんでした。また、起業をするために勉強をして始めて知ったこともたくさんありました。こういうことは社会人になる前に理解しておくべきことだと思います。選挙権が18歳に引き下げられた現在、義務と責任、権利について学校で学ぶ機会を設けることが必要はないでしょうか。

今から何年か経てば、学校のカリキュラムで「英語のスピーキング」や「プログラミング」を学ぶ時代がやってきます。しかし、これらはいずれも必要になった人や興味のある人が自発的に学べばいいことだと思います。すべての生徒に学ばせる必要があるとは思えません。

中身の無い英語のスピーキングよりも、日本語で自分の人生を考える哲学の方が必要ではないでしょうか。また、将来仕事で使うかどうかも分からないパソコンのプログラミングよりも、日本で生活をする全員に関係のある社会制度を学ぶ方が大切ではないでしょうか。

公教育はすべての国民にとって有意義であることを提供するべきだと思います。学校で学ぶことには直接的に使う知識と、内面的な部分を育てる間接的な勉強がありますが、それらをバランスよく配置して、卒業した人が幸せになれる可能性を高めるところであってもらいたいと思います。



松山数学塾
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