日記・予定表
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2018 12月
12月1日 脳を通す
生徒が板書をノートに写している様子を見ていると、2通りの書き方があるように思います。
一つは、文字をノートに写しているだけ。
もう一つは、内容を脳に通してからノートに写しているという書き方です。
時間が無い時は前者のやり方になってしまいがちなので、当塾では出来る限り時間を取り、一度脳を通してから書くように指導をしています。
勉強の出来る人が、授業中にノートなんか取る意味が無いと言うことがありますが、それは板書を脳を通さずに書き写しても意味が無いということだと思います。
板書を写すというのは2つの意味があります。
一つは、説明されたことを理解出来ているのかを確認するため。
もう一つは、記録として残しておき、後日復習するため。
後者のためだけにノートを取っている人がいますが、一度脳を通しておかないと、後でノートを見ても何をしていたのか思い出すことが出来ません。ですから、きちんと復習をするためには、そのことを意識しておかないといけないのです。
授業中に板書を取ることは意味が無いと言っている人も、ノートは誰かが書いたのをコピーさせてもらえば良いと言っていたりします。それは、聞いたことをずっと覚えておくことは不可能なので、復習のための記録は必要だということです。
授業のやり方によっては、ノートを写すだけで精一杯で、その内容を脳に通すことが出来ないという状況になってしまいます。
当塾では出来る限りそのような状況にならないように心がけていますが、脳を通さずにノートに文字を書くことが癖になっている生徒がいるので、そういうときには意識を変えるように指導をすることもあります。
12月3日 解答の修正方法
大学入試に向けて数学の指導をするときに、理解をさせるための指導は大切ですが、解答添削の指導も大切です。
記述の試験では答えだけを出せば良いというわけではなく、論理性が重要で、どのように考えたのかを相手に伝えないといけません。
ただし、入試では時間制限があるので、納得がいくまで考えて非の打ちどころがない解答を作成するのは現実的ではありません。
方針が間違っていたり、計算をしているときにミスをすることもあります。
そこで、解答を作成するときのテクニックの一つとして、解答をどのように修正するのかというものがあります。
修正をするときの基本は、全て消してしまうと消した部分が評価されなくなってしまうので、消さずに修正を行うことです。
一応言っておきますが、ちょっとした書き間違いなどは消して修正しないといけません。
具体的には以下のように修正します。
↓途中で計算ミスに気付いたので、ここから右に書くというように修正しています。
↓途中まで書いて、方針が違っていることに気づいたので、下に解答を書き直しています。
このように修正することで、訂正後に答えまで行きつかなかったときに部分点をもらえる可能性がありますし、様々な方針を立てたということで加点をされる可能性もあります。
また、点数のことだけではなく、時間の短縮や、後でその方針をもう一度試すことなど、様々なメリットがあります。
これは本番だけやろうと思っても出来るものではないので、普段の勉強からこのような取り組みをしてもらいたいと思います。
12月4日 苦手な分野を作らない
明日、明後日とお休みをいただきます。
12月から高校2年生は講座を分けて授業を行っていきますが、片方の講座では「数学V」の授業を、もう片方の講座では「数学TAUB」の復習を行います。
一般に、理系に進んだ生徒は学校のカリキュラムでは「数学V」を履修することになりますが、進路によっては受験で「数学V」を使わないこともあるので、当塾では受験で不要な生徒にはどちらの講座を受講するのかを聞いています。
以前の日記にも書いたのですが「数学V」とはどのようなものなのかを説明しておこうと思います。
以下、引用です。
分量は次のようになっています。
数学T:数学A:数学U:数学B:数学V=4:4:8:4:8 (単位は月)
公立高校の進学校の生徒を対象に集団で授業を行う場合、これくらいの時間がかかります。
ただし、数学Vは数学Tの2倍程度の量なのかというとそうではありません。
勉強は先に進めば進むほど、進行速度が上がっていくので、実際の分量はこの比率にはなりません。数学Vの分量は数学Tの3倍近くはあります。
次に内容ですが「複素数平面」「2次曲線」「微分・積分」の3つになります。この中の「微分・積分」が大学受験の出題頻度が高く、学習のメインとなります。
数学Uでも学習する「微分・積分」ですが、数学Vではそれをより深く学んでいきます。
数学Vが難しいといわれる理由は、新しく学習することが難しい上に、「数学TAUB」の内容が全て出てくるので、これまでの学習で穴があると対応できなくなるからです。
〜〜引用ここまで〜〜
現在、高校1年生は文理選択を考える時期になっていますが、理系に進もうと考えている生徒は、苦手な分野を作らないように意識してもらいたいと思います。
「数学V」では「数学TAUB」で学習した内容が全て出てくるので、苦手な分野があると関連した内容の理解が難しくなってしまいます。
また、文系理系問わず「数学T」の2次関数の理解が中途半端だと「数学U」以降の内容の理解が困難になります。
「2次関数って何をしていたかもう忘れました」という人もいるかもしれませんが、冬休みにしっかりと復習をして、内容を定着させておきましょう。
12月7日 時間と手間をかけるところ
先日の日記で
「勉強は先に進めば進むほど、進行速度が上がっていく」
ということを書きました。これには理由があります。
数学で新しい分野の学習は、新しい概念や定義を習うことから始まります。
今まで知らなかったことを理解したり、新しい計算を習得するときには、多くの時間が必要になります。
始めに時間をかけて根幹部分を理解してしまえば、その考え方を用いて問題を解くという作業に移行出来るので、内容的には難しかったとしても進行速度は速くなります。
また、様々な分野の勉強が進むと、習ったことを他の分野に応用することが出来たり、考え方が似ていることもあるので、進行速度が速くても理解することが可能になります。
現在、高校2年生を対象に「三角関数」の復習を行っていますが、始めの基礎的な内容に多くの時間をかけています。
これは全員がどのように計算をしているのかを細かく確認しているからです。始めに手間をかけておけば、途中からはスムーズに理解が進んでいきます。
このような勉強の進め方のコツも学んでもらいたいと思いながら指導をしています。
12月9日 入試の方針
先日、東北大学が2021年度入試の方針を発表されました。
http://www.tnc.tohoku.ac.jp/
興味のある方には是非読んでいただきたいのですが、要点を書くと
「英語の民間試験は受験しなくて構わない」
「共通試験の記述部分は国語は採用せずに、数学は採用する」
「調査書は活用するが、記述量では評価しない」
となっています。
何度も書いていますが、2021年度の入試改革は混迷を極めていて、どのような方向に進むのか未だに不透明です。
そのため全国の大学がどのような方針で受験を行うのかを個別に発表をするという状況になっています。
方針や予定となっているので実際の受験年度になると変更になる可能性もあります。特に、英語のスピーキングに関しては問題山積なので実施出来るかどうかも分かっていません。
現在の高校1年生は受けようと思っている大学の情報収集をしなくてはなりませんが、情報に踊らされないように気をつけなくてはなりません。
受験の方式が変わったとしても、根本的に身に付けないといけないことに変わりはありません。
こういうときだからこそ、小手先の技術で何とかしようとせずに本物の力をつけられるような勉強を心がけましょう。
12月10日 読了
先月から空き時間に少しずつ読み進めてきた「日本国紀」を読み終えました。
私たちが何故今ここにいて、何故このように物事を考えるのかという民族のルーツに思いを馳せることが出来て非常に面白かったです。
特に近現代史は学校の授業で学ばないことが多いため、知らないことが多かったのですが、そこを学ばないと現在起きている諸問題の理由が分からないように思います。
この本を読めば、様々なニュースの見え方も変わってくるのではないかと思います。
ただし、受験勉強として歴史の勉強に用いるのには向かない本かもしれません。
理由は、歴史の流れを大切に書かれた通史なので受験に必要な知識が載っているというわけではないということと、一般的な教科書とは違った視点で書かれているので歴史的に正しいことでも試験では評価されない可能性があるということです。
日本人としての哲学を学ぶのに優れている本なので、高校生は大学に合格してから読むと、どのように生きていけばいいのかを考えるきっかけになるのではないでしょうか。
12月11日 主観的な試験
東京医科大学以外の私立大学医学部も相次いで、入試で不正があったという報道がされています。
特に騒がれているのが順天堂大学で、女子の方が男子よりもコミュニケーションスキルが高いため、補正をかけて女子の点数を一律に減点していたというものです。
これを受けて、大学受験は公平に実施されるべきなので全国の医学部を訪問調査すると文部科学省が発表しました。
どうせなら医学部だけでなく、全ての大学、全ての学部において調査をしてもらいたいのですが、そうすると不正やミスが大量に見つかると思います。
大学入試において不正やミスはあってはならないと思いますが、人間の介在することなので完全に防ぐことは不可能です。
また、不正とまではいかなくても、面接や小論文においては主観が入ってしまうので、公平に評価をすることは難しいでしょう。
今回のように性別によって一律減点というようなことはあってはなりませんが、他人の主観に評価をゆだねる場合は、公平に判断されているという保証はありません。
入試で教科以外が点数化される場合は、そのようなことがあると受け入れる必要があります。
その上で、どのように受験に向き合っていくかが大切だと思います。
12月12日 大学入試改革の問題点
先日の日記で、面接は主観が入るから公平に評価されない可能性があると書きました。
しかし、ペーパー試験よりも、面接の試験の方が公平な評価が出来る場合もあります。
言っていることが矛盾しているようですが、要は、どれくらいの人数に対してどのような試験を行うことが適切なのかという話です。
例えば、来年1月のセンター試験の受験者数はおよそ58万人ですが、これだけの人数を面接で評価をして順位をを決めるのは現実的ではありません。
大勢の人が受験する試験では、客観的な物差しで評価を行うことが公平なので、採点を機械的に行わなくてはなりません。
私が大学入試共通テスト(新テスト)において、国語と数学に記述問題を加えることに反対である理由は、公平性の担保が困難であるからです。
人間が採点を行う場合絶対にミスが発生しますから、この母集団の数で記述試験を行うことはナンセンスだと思います。
話を元に戻します。
では、5人から2人の合格者を選ぶ場合、マークタイプの試験で評価をすることが適切な方法でしょうか。
例えば2位と3位の点数差が1点だった場合、学力差はほぼないと言っていいでしょう。
それにより、どちらの学生に入学してもらいたいのかを決めることが公平なのかというと、そうではないように思います。
このような場合、記述式の問題を解かせた後、その内容について面接で口頭試問を行うことが正確に能力を測る方法ではないでしょうか。
極端な例だとは思うのですが、生徒の力を正確に測ろうとすると非常に手間がかかってしまうので、全ての試験をこの形式にするのも現実的ではありません。
結論としては、センター試験で1次選抜を行い、各大学で個別の2次試験を行い選抜するのが完璧ではないにしても公平な試験形式であると思います。
また、これだけでは多様性の観点から問題があるため、学力以外の部分を評価する推薦で面接を行い、入学者を選抜すればいいのです。
このような入試が適切に運用されているのが現在の国公立大学なので、そこを変える必要はありません。
現在の大学入試改革の問題点は、問題の無い国公立大学の入試を変えようとしていることと、私立大学の入試制度です。
私立大学入試の問題点は、学力を測らない試験で合格させる生徒の数が多すぎることと、経営のために誰でも合格させている点です。
早稲田大学や慶応大学ですら一般入試での入学者は6割を切り、その他の大学では5割を切っているところが半数近くに上ります。
大学経営のために、このような方針を推し進めてきた結果が大学生の学力低下の主たる原因ではないかと思います。
この点を見て見ぬふりしている限り、共通テストに記述問題を追加したとしても学力低下の解決策にはなりません。
12月13日 何のために勉強をするか
先日の日記に書いたように、生徒の力を正確に測るというのは難しいことです。
定期考査で80点を取ったから、模試で偏差値が60以上だったから、というだけで本当に数学の力があるのかどうかは判断できません。
良い点数を取る生徒は実力があり、悪い点数を取る生徒は実力が無い傾向にあるでしょうが完全には一致しません。
仕方のないことかもしれないですが、生徒本人も保護者の方も瞬間的な点数だけで実力や努力の多寡を判断していることがあります。
瞬間的な点数を他人と比較して評価することは、本人のためにはならず、勉強の方向性を見失わせる危険性があります。
勉強をする目的は、目の前の試験の点数を取ることではありません。
点数を取らなければならない試験は大学入試本番のみです。少なくともそこに照準を合わせて、目標設定をするべきです。
もう少し大きな視点で捉えると、大学に合格するためだけに勉強をするという考えは、本質的なものを見誤らせる危険性があります。
私は、何のために勉強するのかというと、自分の能力を高めて、それを社会に還元することで、自分を含めた社会を幸せにするためだと思っています。
これと同じでなくても構わないので、生徒各自が何のために勉強をして、どのように生きていくのかを考えてもらいたいと思っています。
勉強を通じて自分の哲学を持つことが、生きていく力につながるのではないでしょうか。
12月15日 人はなぜ数学が嫌いになるのか
こんな本を読みました。
この本は「数学が嫌いな人が、数学を好きになるために」というよりは、数学の指導をする先生が「生徒が数学を好きなるように」「生徒が数学を嫌いにならないように」読むべき本だと思いました。
私が特に共感できる内容として、生徒が数学のことを好きになるきっかけには
数学が現実に使われている具体的なことに興味を持つ「現実社会型」
数学の問題や考え方そのものの抽象的なことに興味を持つ「純粋数学型」
の2通りがあり、日本の数学教員には「純粋数学型」が多いということです。
これは私自身もそうなのですが、数学の先生になろうというような人は、数学の素晴らしさに惹かれて、その道に進もうとしている可能性が高いように思います。
それ自体は良いのですが、生徒が皆「純粋数学型」というわけではなく、どちらかというと「現実社会型」の方が多いということは理解しておかなければなりません。
数学の指導者の仕事の一つは「数学を好きにさせる」ことだと思います。
学校であっても、塾であっても、点数を取らせることだけを目標に指導をするのではなく、生徒の内面に影響を与えるような指導を心がけたいものです。
12月17日 そういうところから変えるべきでは
最近「働き方改革」という言葉をよく聞くようになりましたが、その対象として必ず上がるのが学校の教員です。
私も経験があるから分かりますが、学校の教員の仕事は多岐に渡っていて、その仕事量は膨大です。
しかし、全員が忙しいというわけではなく、色々と任せられているから忙しい人がいたり、時期によって忙しくなる人がいたりと、様々な状況によって忙しさの量や種類が変わってくるので、どのように変えていけばよいのか意見がまとまらないこともあるようにも思います。
学習塾を運営するようになって以前よりも多くの学校の補習や行事のスケジュールを見るようになったのですが、やめた方が良いのではないかと思うことに、補習による過度な拘束があります。
この拘束の対象には、生徒だけではなく教員も含まれています。
どことは言いませんが、12月31日や1月1日にも補習を行う学校があります。
受験が近いので、正月も休まないように学校で勉強をさせようと思っているのかもしれませんが、補習をやると決めた人、及びそれを承認した管理職は、補習を行う先生の気持ちや家庭のことは考えたのでしょうか。
仕事の量を減らすとか、業務の委託を考える前に、こうした当たり前の感覚を取り戻すところから始めないと、いくら教員の働き方改革を唱えても何も変わらないように思います。
忙しくて無理をしないといけないときもありますが、それを常に要求すると人は壊れてしまいます。
万全の状態で生徒の指導が出来るようにするためにはどうすればよいかという視点で、教員の働き方を考えてもらいたいと思います。
12月18日 慣れすぎることの弊害
今日、ある生徒が
「最近、マークタイプの数学の練習をしすぎて、問題が解けなくなった気がします」
と言っていました。
どういうことか聞いてみると、マークタイプの問題はマークの形から答えが推測出来ることがあるのですが、そういったことを考えすぎて、まともに解こうという気持ちが減ってしまっているとのことでした。
今までこういう話を生徒から聞いたことはありませんでしたが、学力が比較的高い生徒に起こりうる現象なのかもしれません。
問題の道筋や答えの可能性が見えてしまうので、楽な方法は何か無いかと考えてしまうのだと思います。
数学のマークタイプの問題は、ある程度慣れないと問題が解きづらいのですが、逆に、悪い意味で慣れてしまうとこのような弊害が起きてしまうのかもしれません。
近年のセンター試験では穴埋めのように考えて解くことが難しい問題も含まれるため、記述試験の問題を解くような気持ちで臨む方が良い結果に繋がるのではないかと思います。
12月19日 現時点での中学生の対応
最近、中学生の対応についてお問い合わせがあったので書いておきます。
当塾では、大学入試に対応する力をつけることを目指して、高等学校で学ぶ数学の指導を行っています。
対象は高校生で、基本的に中学生の指導は行っていません。
ただし、中高一貫校では中学3年生から高校内容の学習が始まるため、中学3年生から入塾が可能で、公立高校の1つ上の学年と一緒に授業を受けていただくようになります。
受け入れの時期ですが、3月末に公立高校の新高校1年生対象の体験授業を行いますので、そこからとなります。始めからの受講ではなく、途中入塾も可能です。
そういうわけですので、大変申し訳ないのですが中学校の内容を取り扱った授業はしていません。
例年上記のように対応をさせていただいていたのですが、今年、中高一貫校の方で中学3年生から高校数学を学ぶにあたり、中学校の内容が不安だということで相談を受けました。
そこで、先行して入塾していただき、1月後半から3月にかけて中学内容の復習を行いました。
数学が苦手ということだったのですが、2か月間復習をしたことで高校の内容にスムーズに接続できたように思います。
高校生の指導を優先するのでどうなるか分かりませんが、上記のように対応が出来ることもあります。
個人で行っている塾なので、可能であれば様々な状況の対応をさせていただきます。
ご質問があれば、電話かメールでご連絡ください。
12月22日 1月の予定表
1月の予定表をTOPページにアップしました。
1月はいよいよセンター試験があります。
今年度のセンター試験は1月19,20日なので、今日現在で残り28日です。
以前にも書いたかもしれませんが、センター試験の日程の決まり方は
「1月13日以降の最初の土曜日とその翌日」
となっています。
今年度は1月12日が土曜日なので、最も遅い日程での実施となります。
一見、センター試験までの勉強時間が増えて良さそうな気もしますが、2次試験までの勉強時間が少なくなってしまいます。
センター試験後は「志望校を早く決める」「気持ちを切らさずに勉強を再開する」という意識を持って行動することが例年以上に大切になります。
12月23日 天皇誕生日
今年は「平成最後の〜〜」という言葉をたくさん聞きましたが、今日は「平成最後の天皇誕生日」でした。
来年の5月から新しい元号で、新しい時代が始まります。
江戸時代までは元号が頻繁に変わっていましたが、明治以降は天皇一代に対して元号が一つとなりました。
そのため、改元の瞬間が訪れることは人生の中でそんなに多くありません。
人間は、何かの節目に気持ちを新たにして生きていくことが出来るように思います。
正月や新年度は今年も頑張ろうという気持ちになりますが、来年は次の時代も頑張ろうと感じられる年になるはずです。
平成を良い形で締めくくって、次の時代が迎えられるようにしたいですね。
12月24日 学校の課題
冬季休業中の課題がたくさん出ている学校が多いようです。
実力がある生徒は、学校の課題は早く終わらせて自分の実力を伸ばすための勉強を更に行うことが出来ます。
課題をしていて分からないところが多い生徒は、課題が中々終わらず、本当にやらければならない復習をすることが出来なかったりします。
勉強は実力がある人ほど更に実力がつくという特性があるので、夏休みや冬休みは学力の差が広がりやすい期間になります。
本来、勉強をするときに他人と優劣を比較することは有益ではありません。
しかし、大学受験は合格人数の中に入れるかという相対的な試験なので、現在の実力よりも高いレベルの大学に合格しようとすると、他者を追い抜かさないといけません。
そこで、実力の低い人が高い人を追い抜くためには、より多くの時間を勉強に費やすか、より効率良く勉強をするしかありません。
多くの時間を勉強に費やすことは個人の努力で実行出来るかもしれませんが、効率良く勉強をすることは意識していても難しいものがあります。
当塾では、学校の課題が自分の実力でやりきれない生徒は、希望をすれば優先的に解く問題を指示しています。
理想は全ての問題が解けるようになることですが、現時点で解けなくてよい問題も課題には入っています。
そうした問題を後回しにして、絶対に出来ないといけない問題から解くだけで勉強の効率は上がります。
勉強が苦手な生徒ほど勉強の効率を上げる余地が残されています。そうした手助けを少しでもしていきたいと考えています。
12月26日 間違うことに意味がある
現在高校2年生の文系は、授業の前半は大学入試頻出問題の解説を行い、授業後半は基礎的な内容の復習を行っています。
基礎的な内容の復習では、問題を解いて自分で解説を読み、納得したら次に進めていくという方法を取っています。
解説を読んでも理解が出来ないところや、根本的に分かっていないことがあれば説明するようにしています。
先日の授業でのことです。
生徒が問題を解いて解説を読むと、答えが間違っていたようでした。
解説を読み内容を理解して問題を解きなおした後に、次のように質問をしてきました。
「問題の解き方は分かったのですが、私の解き方は何がダメで、私が出した値は何を意味しているのですか」
生徒の解答を見ると、問われているものとは別のものを求めてしまっていたのですが、そのように勘違いすることはあるだろうという間違いでした。
生徒が求めてしまったものは何なのか、それだと何故ダメなのかということを説明すると、納得した様子でした。
数学を勉強するときには、答えだけが合えばよいわけではなく、間違ったのは何故なのか、間違って得られたものは何なのかというところまで考えるようにしていけば、同じ間違いを防ぐことが出来ますし、考え方の幅が広がるのではないでしょうか。
この生徒は数学が苦手だと言っていますが、このような姿勢で勉強を続けていけば必ず力がつくと思います。
間違うことを恐れて、自分自身で考えずに正しい解き方だけを覚えようとする人がいますが、そのように勉強をしていると、自分自身が何を分かっていないかも分からなくなってしまいます。
生徒がこのような状況に陥らないように、指導者は生徒が間違ったことを責めてはいけません。
どうしてこういう間違いをしたのかを一緒に考えられるような指導を心がけたいものです。
12月28日 指導者の思っている程は出来ない
現在、高校1年生は数学Uの授業を行っています。
もう少しで第1章の「式と証明」が終わるのですが、この章の内容は、基礎的な文字式の計算や等式・不等式の証明の基本を学ぶといったもので、それほど難しいものではありません。
しかし、本当に計算が出来ているのか生徒が問題を解いているところを見てみると、あまり出来は良くありません。
ですから、これくらいは出来て当たり前と思わずに、生徒に解かせて確認をするようにしています。
学校によっては「これくらいは出来るよな」と言って教科書を読み飛ばしているところもあるのですが、進学校であっても様々な学力の生徒がいる状況でそれはしてはいけないと思います。
こうした基礎を軽視する姿勢を生徒が持ってしまうと、これから先、高級なことを学んでも身につくことはありません。
当塾では、生徒は放っておいても勉強して勝手に出来るようになってくれるとは考えずに、現在やるべきことをやらせる姿勢で指導をしていきたいと思っています。
平成30年12月28日現在の進度状況
1年生 数学U・・・「不等式の証明」まで修了
2年生B 数学TAUB修了, 「標準問題」・・・6問まで解説済
2年生V 数学V・・・「複素数平面」修了,「2次曲線」の平行移動まで修了
12月29日 良いお年を
今年はありがたいことに塾を始めてから最も忙しい1年間でした。
当塾は、大学受験に向けて努力をする気があれば来る者拒まず、去る者追わずの姿勢で運営しています。
そのため、多様な生徒と出会い、様々な経験をさせてもらっています。
学習塾として学力の向上を目指すことは当然ですが、それ以外でも生徒に何かを残せるような関わり方をしたいと思っています。
来年も、微力ながら生徒のために出来ることを日々行っていこうと考えています。
1年間、ありがとうございました。それでは、みなさん、良いお年を。