2019 9月
9月1日 一段落
9月になりました。
8月は授業だけではなく問題作成や授業準備で忙しかったのですが、今日で一段落したので日記を再開していきます。
この1か月で色々とあったので、時機外れになるかもしれませんが印象に残ったことも少しずつ書いていきたいと思います。
学校でも塾でも、生徒の指導は閉鎖的な環境で行われることが多いため、どのような指導をしているのか、指導者がどのような考え方を持っているのか外部の人には伝わりづらいように思います。
ここに書いたことで全てが分かるわけではないのですが、塾を選ぶときに少しでも参考にしていただけるように、出来る限り発信をしていきたいと思います。
以下は、現在の進度状況です。
令和元年9月1日現在の進度状況
1年生 数学T・・・「三角比」の「角の拡張」まで修了
2年生 数学B・・・「空間ベクトル」修了
数学U・・・「微分法」の「最大値・最小値」まで修了
3年生B 「標準問題」・・・150問まで解説済(全て修了)
「演習問題」・・・40問まで解説済
3年生V 「演習問題」・・・60問まで解説済
9月2日 疲労のピーク
松山市内の公立高校では今週運動会がある学校が多く、生徒は疲労のピークを迎えています。
今日の授業で今まで眠そうになったことが無い生徒まで眠そうだったので、スケジュールを聞いてみると、朝の8時半から夜の7時半まで運動会の準備をしてから塾に来たということでした。
他の生徒も似たようなものだと思うので、今の時期は授業の進度をゆっくりにしたり、復習をしたりしています。
勉強は大切かもしれませんが、それ以上に大切なことがあります。また、長期的な視点で勉強を頑張るために、瞬間的には勉強以外のことを頑張った方が良い場合もあります。
学生のときにしか出来ないことに一生懸命取組むことが、結果として受験の成功にも繋がるように思います。
9月3日 嫌いにならないことが大切
数学を教えていて気をつけないといけないと思っていることの一つに、こちらの感覚を押し付けすぎないということがあります。
私は数学が好きで、数学的な考え方が素晴らしいと思っています。
問題を解いていても、単純な問題よりも複雑な問題の方が解いていて楽しいです。
指導をしている生徒の中には、私と同じような感覚の生徒もいれば、数学が得意ではないという生徒もいます。
前者の生徒は難易度の高い問題を解くのが楽しいでしょうが、後者の生徒は複雑な問題を解くことを苦痛に思うかもしれません。
このように様々な生徒がいる場合には、数学を好きにさせることと同じくらい数学を嫌いにさせないことも大切だと思います。
指導者が全てのことを完璧に分からせようとしてしまうと、独りよがりになってしまうこともあります。
ですから、本来は細かいことまで考えなくてはいけない場面であっても、各自が消化できる範囲で理解すれば良いというようにしておくことも、ときには必要なのかもしれません。
勉強は直ぐには理解が出来なくても、時間が経てば理解が出来るようになることもあります。しかし、嫌いになって勉強を止めてしまうと分かるようにはなりません。
私は説明をするときに出来る限り分からせようと努力をしますが、生徒を追い詰めて勉強が嫌いになってしまう位であれば、時間の経過を待った方が良いのかなと思うようにしています。
高校の数学は理解するまでに必要な時間の個人差が大きいですが、努力を継続すれば必ず実力はついていきます。
そのためには苦手だなと思っても、嫌いにはならないでもらいたいと思います。
9月5日 孟子
少し時間が出来てきたので本を読んだりしています。
『孟子』(現代語訳)を読んだのですが、教育に関する項で色々と思うことがありました。
『孟子』には「助長」の出典として、次のようなことが書かれています。
昔、ある宋の人が自分の田の苗の生長が遅いのを気に病んで、苗を1本1本引っ張って伸ばしました。
家に帰ってきて「今日は苗を引っ張って生長を手助けしたからとても疲れた。」と家の人に言いました。
家の人が田を見に行くと、引っ張られた苗は全て枯れていました。
現在「助長」には物事が成長するのを助けるという意味もありますが、元々は不必要な手助けで生長を阻害するという意味だったんですね。
これを人に当てはめると、生徒を指導をするときに、短期的な結果ばかりを求めることは、かえって成長を妨げることになるということではないでしょうか。
指導者は生徒を無理に引っ張り上げるのではなく、自分で育っていくことを補助する肥料のような存在になることが理想だと思います。
9月6日 孟子2
『孟子』を読んで感じたことをもう少しだけ。教育に関する記述で次のようなことが書いてあります。
親の能力が優れていたとしても、自分の子供には本格的な教育を施すべきではなく他人に任せるべきである。
親子で師弟関係を結んでしまうと、そちらが優先されて親子の自然な情愛が損なわれる危険がある。
その結果、将来、親子として過ごすことが出来ずに離縁をしてしまうことは最も不幸なことである。
私が高校で働いていた時に先輩の先生から「中学生や高校生の自分の子供に勉強を教えようとしても人間関係が悪くなるだけで上手くいかない」ということをよく聞きました。自分の子供を教えて上手くいったという話は一度も聞いたことがありません。
一応書いておくと、小学生のときに宿題を確認したり、勉強の習慣をつけることは良いと思います。また、躾は家庭でするべきだと思います。
中学生や高校生になると自我が強くなりますし、反抗期にもなります。師弟関係では師の言うことに従うことが前提となるので、感情のコントロールが難しいでしょう。
中学生や高校生の子供に対しては、親が直接的に指導をしたり、勉強の内容に口出しをするよりも、環境を整えることに専念した方が良い結果になるように思います。
9月7日 そういうもの
現在、高校2年生の講座では微分積分の授業をしています。
微分積分の分野に限らず、新たな記号や計算方法を教えるときは特に気をつけて生徒のノートを見るようにしています。
というのは、生徒は自分の判断で必要な記号を省略したり、こちらが書いてあることと違う書き方をすることがあるからです。
これは、成績の優劣に関係なく発生する事象のようなので、手間はかかりますが個別に直していくしかありません。
指導経験が浅い時は「なんでこちらの指示通りに書かないのだろう」とか「自分の伝え方が悪いのか」とも思いましたが、色々と伝え方を工夫しても毎年一定数はそのような生徒が現れるので、そういうものだと思うようになりました。
そのように考えられるようになってからは、腹を立てることは無くなりました。
細かいことを注意されると堅苦しく感じるかもしれませんが、間違ったことが癖になる前に修正してもらいたいと思います。
9月8日 総合力
高校3年生は、センター試験の出願書類に記入をする時期になりました。
塾に通うある生徒の話によると、学校のクラスで40人中15人の書類に不備があって担任の先生がすごく怒っていたそうです。
そういうことがあるので学校は確認をするわけですが、それにしても多いと感じます。
推薦入試も含めれば10月から大学入試のシーズンになります。特殊な入試や大学によっては、もっと早いところもあります。
国公立大学の一般入試は前期後期などの違いはあっても、どの大学でも試験日が同じですが、私立大学は大学ごとに試験日が異なります。
そのような状況なので、大学受験では学校の先生が全ての生徒の受験校を調べたり、決めたりするわけではありません。
大学受験は、生徒が自分で調べて、自分で出願するというのが基本になります。全ての出願書類を担任の先生がチェックしてくれるとは限らないので、不備があれば受験が出来ないということもあり得ます。
話は少しずれますが、現在の大学受験制度は非常に複雑で、自分に適した大学や受験方法を調べることも必要になっています。
昔は情報を得るための地域格差が大きかったように思いますが、今はそれが随分小さくなり、自己分析をしたり情報を取捨選択する能力による差が広がってきたように思います。
そういった点も含めて、大学受験では生徒の総合力が問われることになります。
9月10日 内閣改造
内閣改造で大幅な人事変更のニュースがありました。
世間で注目が集まっているのは外務大臣や防衛大臣の人事、小泉進次郎さんの初入閣ですが、個人的には文部科学相に誰がなるのかが気になっていました。
前任の柴山さんはニュースではあまり流れませんでしたが、ネットを見ている人であれば無責任な発言が多いことで有名でした。
後任は萩生田光一さんになりましたがバランス感覚を持っている誠実な人だと思います。
英語民間試験や共通テストの記述試験など、これから2020年に向けて大学入試では問題が山積しています。
存在するであろうしがらみの中で、どれだけ問題解決に向けた取り組みが出来るか分かりませんが、前任者よりは遥かに期待ができる方なので、これからの日本のために頑張ってもらいたいと思います。
9月11日 共通点
最近、大学生が2人訪ねてきてくれました。
別の日に来たのですが2人には共通点がありました。
それは、高校生のときに数学が苦手だったということです。
一生懸命頑張っていたのですが、2人とも数学を使わずに大学を受験しました。
卒業生が訪ねてきてくれれば誰であっても嬉しいのですが、そういう生徒が訪ねてきてくれることは感慨深く思います。
塾に通う目的は数学が出来るようになるためなのですが、数学で苦しんでいた生徒が会いに来てくれるということは、人間的な繋がりが出来たということだと思います。
生徒とそのような関わり方が出来たことは、何より幸せに感じます。
数学が得意であっても苦手であっても、一生懸命頑張ろうという姿勢があれば、こちらに出来る限りのことはやります。そういう生徒に出会うために塾をやっています。
9月12日 不要なテクニック
最近、生徒から自主的に勉強している問題集で分からないところがあるので解説してほしいと言われました。
高度な内容を取り扱っている問題集だったのですが、質問内容を見てみると、見たことが無いような式変形を用いており工夫をした解説が載っていました。
私がそのような式変形を見たことが無いのは、はっきり言ってそれが不要なテクニックだからです。
余裕がある生徒はそのような式変形を覚えて使いこなせるようになれば良いのですが、一般的な解法を身につけないまま、そのような練習ばかりをしていては数学の力は伸びません。
これは生徒を責めているわけではありません。
毎年大学入試問題を解いている指導者は技術的なことをどこまで身につければ良いのか分かりますが、高校生には何が必要で何が不要なのか判断をするのが難しいです。
数学の勉強をするときに大切にしてもらいたいのは、高度な技術を身につけることではなく本質を理解することです。
高いレベルで数学を身につけようと思っている人ほど、そのような姿勢で臨むべきです。
9月14日 流行り廃り
当塾では1年毎に授業で用いるプリントを作り直しています。
同じ問題を用いることも多いのですが、無条件でコピーするのではなく、生徒の実力を考えて確認と調整をしています。
また、このように調整するのには、大学入試に流行り廃りがあるというのも理由の一つです。
一昔前にはよく目にした問題がほとんど出題されなくなることもありますし、逆に、色々な大学で出題されるようになった問題もあります。
大学によって出題の方針は様々で、これまでに見たことの無いような新作問題を毎年出題する大学もあれば、既出の問題に手を加えたり、問い方を変えて出題するという大学もあります。
総数で見れば後者の大学の方が多いので、全体としての傾向も発生します。
入試対策用の問題集は毎年新しいものが出版されていますが、それは微調整をしているからです。
兄弟がいる生徒は問題集をもらうこともあるかもしれませんが、年齢が離れていると不具合があるかもしれないので、出来れば最新版を購入しましょう。
※ 入試の傾向を追っていない問題集や参考書は更新頻度が5年毎などになるので、全ての書籍ではありません。
9月15日 ペースメイク
学校が始まって2週間が経ちましたが、生徒たちの様子を見ていると、疲れている生徒や体調を崩している生徒が多いように感じます。
運動会や文化祭などの学校行事もあり、8月後半よりも最近の方が暑いから疲労が溜まっているのでしょうか。
このように感じるときに無理して進めても学習効率が落ちるので、生徒の様子を見ながら進行速度を調整しています。
授業はこれまで順調に進めることが出来ているので、これから2週間ほどは復習も混ぜながら様子を見ていこうと考えています。
毎日ハイペースで頑張り続けられる人もいるかもしれませんが、ほとんどの人は1年間の中で体調や意欲の浮き沈みが発生します。
しんどいと感じるときに勉強量を0にしてしまうのは良くありませんが、無理をしすぎても長続きしないように思います。
勉強は1日だけものすごく頑張るよりも、継続性を持たせることが大切だと考えて指導をしていきます。
9月16日 ペースメイク2
週末はマーク模試を受けた生徒が多かったので自己採点の結果を記入してもらいました。
センター試験まで残り120日程度となり、現在の点数を見て本番までに何が出来るのかを考えられるようになってきたと思います。
現時点で思ったような点数が取れていなくても、地道に学力をつけてきた生徒であれば、これから本番までに点数が伸びていきます。
これまで勉強をしてこなかった生徒は非常に厳しいと思いますが、本番までに出来る限りのことはやりましょう。
さて、模試が返ってきたときに生徒が言う台詞で最も多いのが「時間が足りなくて」というものです。
そして、センター試験本番の後にも「時間が足りなくて」という生徒がいます。
模試で時間が足りないと感じるのであれば、本番までにどうすれば上手く時間を使えるかを考えなくてはいけません。
数学では「解ける問題から解く」「行き詰った問題は飛ばす」「時間の管理をしながら解く」という練習をするといいでしょう。
ただし、実力が不十分な状態でそのような練習をしてもあまり意味がないので、当塾では実力がついているであろう12月から本番を想定した練習をしていきます。
高校3年生はこれから模試を受ける機会が増えますが、試験時間の使い方も意識して受けるようにしましょう。
9月17日 英検の予約
現在の高校2年生が大学受験時に用いる英検の予約が明日から始まります。
予約金は3000円で正式に申し込むときに残りの金額を支払うことになります。
以前の情報では予約金は返金されないということでしたが、文科省からの要請で10月8〜15日までの間、返金申し込み期間を設けることになったようです。
返金をする理由は、現時点で他の英語試験を行う民間会社の詳細が発表されていないこと、大学が入試において英検に対応しているかどうかを発表していないということです。
10月15日までに受験不要と判断した場合は手数料を差し引いた額を返金するようですが、返金手続きなどの詳細は10月1日までは分かりません。
10月15日までに大学や他社の発表が無ければ、現時点と同じく情報が無いままなので受験不要とする判断ができません。
更に、高校3年生は浪人をする場合、予約をしなくては大学入試に対応した英検を受験できない可能性もあります。
恐ろしいのはこうしたことが、試験を受けるという段階でもなく、複数ある民間試験会社の1つの申し込みの対応に過ぎないということです。
受験申し込み前日の段階で既に混乱しているように見えるのですが、本当にこのまま実施して大丈夫でしょうか。
試験内容以前に運営が出来ないのであれば中止するしかないように思います。
9月18日 何を見て進路指導をするか
ある高校2年生の生徒が最近、他の塾で進路指導を受けたところ、受験に使う科目を絞って私立大学を目指した方が良いんじゃないかと言われたらしく相談を受けました。
その話をした人はおそらく教科の指導を直接していないのではと生徒に聞いくと、そうですという答えが返ってきました。
現時点でその生徒の模試の結果や点数だけを見れば、国公立大学を目指すのは厳しいように感じるかもしれません。
しかし、直接教えていると指導した内容の呑み込みの早さや、処理の正確さなど潜在的な能力の高さを感じることが多々あります。
保証は出来ませんが、努力を継続すれば国公立大学に合格することが出来るだけの能力は十分に持ち合わせていると思いますし、生徒にもそのように伝えました。
模試や学校の考査の結果というのは、あくまでその試験を受けた時に出てきたものであって、その人の正確な実力であったり、今後の可能性を測れているわけではありません。
以前も似たような内容を書いた気がしますが、明確な目標でもなければ高校2年生の9月に可能性を狭めるような選択をしなくても良いと思います。
やる前から無理と思わずに、まずはやるだけのことをやってから自分の将来の選択をするべきではないでしょうか。
9月19日 「小論文」「面接」の指導について
最近、生徒と話していて話題に出てきたので「小論文」「面接」の指導について、再掲載しておきます。
以下、再掲載内容となります。
「志望理由書」の確認や「小論文」「面接」の練習を学校でしっかりと指導してもらえない人は塾で面倒を見ます。
ほとんどの学校の先生は一生懸命指導をしてくれるのですが、受け持っている生徒が多すぎるため1人当たりの時間が十分に取れない場合もあります。
また、指導をする気が無い先生や、指導をしてくれていても見当違いのことをやっている先生も稀にいるため、不安であれば相談をして下さい。
ただし、当塾に通っていない高校3年生の生徒が「志望理由書」「小論文」「面接」の指導だけをしてもらいたいというのはお断りをします。
当塾では「志望理由書」「小論文」「面接」の指導は、料金を取るものではなく、今まで通った生徒への付加的なサービスになります。
これらの指導は本気でやると負担が大きいので、見知らぬ人にはやりたくないと考えています。
当塾は、数学の指導が主となりますが、進路指導で力になれることは何でもやります。進路に関してのご相談があれば面談もしますので、ご連絡下さい。
9月22日 決断の時期
少し前の日記で、高校2年生の9月に受験科目を絞るのは早すぎると書きました。
それとは逆に、先日ある高校3年生の生徒が他の塾で進路指導を受けた時に、まだ科目を絞らずに頑張った方が良いと言われたらしいのですが、全ての高校3年生は9月中旬までには決断をしなくてはいけません。
その理由はセンター試験の出願があるからです。
高校3年生の夏休み前にどのような方向性で勉強を進めていくのかを決めた方が良いと思いますが、夏休みに精一杯努力をしてみて今の時期に判断をしても良いと思います。
センター試験の出願について細かいことは、以下に転載しておきます。
社会は「地理歴史」「公民」の合わせて10科目の中から、最大2科目まで受験できますが、出願の段階では1科目だけ受験するのか、2科目受験するのかを選択します。実際にどの科目を受験するのかは選択しません。
2科目受験をする人は、当日に「第1選択科目」と「第2選択科目」を選ぶことになります。
文系の学部であっても大学によっては1科目で受験できることもあり、その時は「第1選択科目」の点数が採用されることが多いです(2科目のうち高得点の方が選択される大学もあります)。
社会は、基本的に理系の生徒は1科目だけ受験、文系の生徒は2科目受験となりますが、理系から文転を考えている生徒は2科目受験にしておかないと受験が出来ない学部があるので注意が必要です。
続いて、理科は
@ 「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」「地学基礎」
A 「物理」「化学」「生物」「地学」
と分類されたもののうち
A @から2科目
B Aから1科目
C @から2科目とAから1科目
D Aから2科目
という受験方式の中からいずれかを選択します。
一般的には文系はA、理系はDという選び方をすることが多いと思います。
ただし、看護科では、大学によって「@から2科目」「Aから1科目」のどちらかでしか受験できない場合や「@から2科目、または、Aから1科目のいずれか」を選択できるという場合もあるので、自分の状況に応じて受験の仕方を変える必要があります。
社会と同じく、この段階ではどの科目を受験するということは決めなくて構いません。理系から文転をする生徒が、物理がどうしてもできないので、学校では習っていないけれど自分で勉強をして「生物基礎」や「地学基礎」で受験をすることが可能です。
ただし、「社会の受験科目数」と「理科をABCDのいずれで受験するのか」は出願後の変更ができないので注意が必要です。
学校では画一的に指導をすることが多いので、どの受験方式が適切なのかを自分で判断して決めることが大切です。
高校の勉強を全科目一定以上の水準で仕上げることは簡単ではありません。
自分にとって何を選択するのが最も良いのかを現実的に判断して出願をしてもらいたいと思います。
9月23日 謝れば良くない?
ある生徒から
「先週と今週の3連休はどちらも週末課題がたくさん出ていて終わりそうにありません。」
と言われました。
「どうするの?」と尋ねると「答えを写して提出します。」と返ってきました。
答を写して提出すると言うと、真面目にやりなさいと怒る人がいるかもしれませんが、実情を知っていると怒る気にはなりません。
生徒の話を聞いていると、先生によっては消化できる量を計算して課題を出していない場合があるように思います。
それが複数の教科で同時に課されることもあるので、真面目にやっていて時間内に終わるのは、よほど優秀な生徒か、よほど時間に余裕がある生徒だけです。
皮肉な事にまじめな生徒ほどこのような状況に苦しんでいて、結果、学力が上がらない場合があります。
どうしても課題が終わらないときは出来るところまでやって「提出期限までに出来なくてすみません。残りは待ってください。」と謝るので良いと思うのですが、ダメなのでしょうか。
答を写すのは怒られないためには有効かもしれませんが、結局その時間が無駄になってしまうので、それなら何もやらないで良いと思うのですが、特に女子は中々そのように割り切れないようです。
どちらかというと男子の方が無駄だと思う課題を無視しても平気な人が多いように思います。
アメリカの研究では理数科目の成績に男女の差は無いとされていますが、日本で理数科目が出来るようになるのは男子が多いという雰囲気(日本での研究結果は無い)は、日本の特殊な教育現場において、男女の性格の差で生じている可能性があるのではないでしょうか。
9月24日 10月の予定表
10月の予定表をTOPページにアップしました。
10月の初めには定期考査がありますが、学校によって試験期間がずれているので定期考査が終わった生徒は復習をする期間にしようと考えています。
今年度は例年に比べて授業進度が遅い学校があり、塾の進度との差が大きくなっています。
勉強した内容を定着させるためには「塾で授業を受ける→少し時間をおいて学校で復習」というようになるのが理想ですが、そのような状況にならないときは調整して生徒に復習を促すようにしていきます。
生徒が自主的に復習をしてくれるのが一番良いのですが、実行するのが難しい生徒もいます。
塾に依存しすぎるのは良くないと思いますが、勉強のペースが掴めるようになるまでは復習の機会を設けようと思っています。
9月25日 杓子定規
ニュースを見ていると、福岡県内の小学校の先生が割り算の筆算をするときの線を定規で書いていないのでやり直すように指導していることが取り上げられていました。
指導者の中には細かいことを言う先生もいると思いますが、効果があり理由を説明できるのであれば構わないと思います。
当塾では定規を使って線を引いている生徒には用いないように指導します。大学入試は基本的に定規の持ち込みが禁止だからです。
ただし、中学生を指導する場合はグラフや作図の問題で定規を使って直線を引くように指導します。高校入試では定規を用いる問題が出題されるからです。
今年のセンター試験の国語で定規を使用した生徒は全科目0点扱いになりました。普段は許されることが本番では許されないこともあるので、常に本番と同じ状況にしておくことが大切です。
当塾ではこのように理由があるものに関しては指導をしますが、理由が無いことに関しては細かいことは言いません。
生徒に不利益がある場合は矯正が必要ですが、全てを指導者の思った通りの型にはめてしまうのは成長を阻害する恐れがあると考えているからです。
教育の目的は指導者に従わせることではなく、生徒の能力や人間性を伸ばすことです。指導者は常にそのことを意識しないといけないと思います。
9月26日 ”不”合格体験記
今日、ある生徒が学校でこんなプリントを渡されましたと「不合格体験記」を見せてくれました。
「大学受験に失敗した理由」を反省として書いていたのですが、良くある「合格体験記」よりも読む価値があると思いました。
というのも「合格体験記」には次のような点に気をつけて読まなければいけないからです。
・ 塾や予備校など企業が出している場合、宣伝としての効果を狙っているものであること
・ 学校が出している場合、学校の指導に従うことを暗に示しているものであること
・ 学習法や勉強の進め方は、その個人にとって上手くいっただけのものであること
・ 成功した人は内容を大げさに書いてしまう可能性があること
以上の点を差し引いて読まなければ、学習教材の宣伝でよくある「コレで勉強をすれば、受験も部活も恋愛も全て上手くいく!」というのを真に受けているのと同じです。
「不合格体験記」だと、そのような点が多少は薄まるのでは無いかと思います。
また、これをやった方が良いは全員に当てはまらないことが多いですが、これをやってはないけないは全員に当てはまることが多いように思います。
どこがダメだったのかを具体的に書けば、受験生がそのようになっていないか確認が出来るので参考になると思います。
松浦清の言葉で、野村克也氏もよく引用していましたが
『勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし』
というのは受験にも言えることだと思います。
9月27日 感覚を変えるのは難しい
10月初旬に定期考査がある高校が多いので、現在は主に復習をしています。
復習では生徒が問題を解いて、分からない所や納得が出来ないことがあれば質問を受け付けます。
こちらから声をかける場合もありますが、出来る限り生徒が自分の力で問題を解くのを待つようにしています。
実際に生徒が問題を解いているところを見ていると、内容を理解して問題を解いているのか、ただ解き方を覚えて問題を解いているのかが分かります。
当塾では出来る限り、前者のように勉強を進めていくことが出来るように促しているのですが、後者のやり方になっている生徒も少なくありません。
ただし、それを全て注意していると、そのやり方に慣れている生徒は勉強を進めることが出来なくてなってしまう恐れもあります。
バランスを取りながら少しずつ生徒の感覚を変化させていかなければならないと考えています。
9月28日 明日も来ます!
毎年、高校3年生の中には毎日塾に来て勉強をしている生徒がいます。
今日、ある生徒に帰り際「明日も昼から開けてるよ」と言うと「明日も来ます!」と元気な返事が返ってきました。
塾に来ていなくても大学受験を控えた高校3年生は学校や図書館や家などで毎日勉強をしていると思います。
そういう姿を直接見たり感じたりすると、この仕事をしていて良かったなと思います。
勉強でもスポーツでも誠実に頑張っている姿というのは、人を感動させる力があります。
その頑張りが実を結ぶように少しでも力になりたいと思います。
9月29日 2日間休みです
授業のプリント作成などを行いたいので、明日、明後日はお休みをいただきます。
10月2日3日は昼から塾を開けて考査範囲の質問などがあれば受け付けます。
授業は休みますが、電話は通じますので何かあればご連絡ください。
令和元年9月29日現在の進度状況
1年生 数学T・・・「三角比」まで修了
2年生 数学U・・・ 全分野修了
数学B・・・「ベクトル」まで修了
3年生B 「演習問題」・・・72問まで解説済
3年生V 「演習問題」・・・84問まで解説済