日記・予定表


基本情報


塾の情報

2020 4月


4月1日 現在の進度状況

今年度は先行きが不透明ですが、予定通り学校が開校すれば4月8日に入学式、始業式となります。

当塾では、それまでに全ての講座で3〜4回授業をします。

それに加えて「確率」の補講と、途中入塾の生徒のために補講を行います。

また、個別に指導が必要な生徒は個別指導をします。

学校が始まるまでに、かなりの時間を塾で過ごす生徒もいると思いますが、良い形で新年度をスタートできるように頑張りましょう。

令和2年4月1日現在の進度状況

1年生   数学T・・・「実数」まで修了
2年生   数学U・・・「三角関数」の方程式・不等式(基本形)まで修了
3年生B  数学TAUB修了 「標準問題」・・・84問まで解説済
3年生V  数学TAUB修了 数学V・・・「微分法」の極値まで修了



新高校1年生の授業は既に始まっていますが途中入塾も可能です。

春休みの課題で分からないことが多かったり、学校が始まってからついていけないと感じたときは早めにご相談ください。


4月2日 駄菓子屋

先日の休みに実家に帰ったのですが、近くに駄菓子屋がオープンしたということで子供と行ってきました。

西条市小松町にある『だがしまや』というお店です。

私が子供のころは住んでいた町に駄菓子屋が2店あり、小遣いをもらってはどちらに行って何を買おうかと楽しみにしていました。

しかし、それらの店もいつの間にか閉店をしてしまいました。

私の生まれ育った町に限らず、昔ながらの駄菓子屋は少なくなり、今では駄菓子を買うのはコンビニやスーパーがほとんどではないかと思います。

買うものが同じであったとしても、やはり駄菓子屋で買いものをするのは楽しいですし、子供が集まる場所があるのはとても良いことだと思います。

駄菓子は単価が安いので採算を取るのが難しいとも思うのですが、こういう魅力的な店は出来る限り長続きしてほしいです。

レトロな雰囲気は子供だけでなく大人も楽しめると思うので、皆様も近くを通られたら、足を運んでみてはいかがでしょうか。




4月3日 型が大事@(高校1年生)

高校1年生の授業がキリの良いところまで進んだので、今日の授業では復習として2時間延々と問題を解き続けてもらいました。

当塾では、授業中に生徒が問題を解いているところを確認します。

それは通常の授業でもそうですし、今日のような復習だけのときも同様に確認します。

特に新しい分野を習ったときや高校1年生の初期は基本の型が身についているのかを、かなり細かく確認します。

数学があまり得意でない生徒は、間違った処理をしていたり、効率の悪い処理をしていたり、答えが間違っているのに〇をつけたり、答えがあっているけれど途中をごまかしていたりと、修正をしていかないといけないことがたくさんあります。

これを始めの内に直しておかないと、どれだけ勉強しても学力が伸びません。

経験上、これらのことは1人で勉強をしていて勝手に出来ることはほとんどありません。

生徒が自覚を持って出来るようになるまで、手間をかけて指導するしかないと考えています。


では、数学が得意な生徒は放っておいてもいいかというと、そうではありません。

能力が高いために適切な解き方ではない我流の解き方で無理矢理解いて、解けてしまうことがあるからです。

もちろん、数学は論理的に正しければどのように解いても構わないのですが、それでも基礎の処理というのは、型を身につけることが重要だと考えています。

我流の解き方で行き当たりばったりだと、それが通用しない問題に出会ったときに行き詰まってしまいます。

当塾で基礎内容を教えるときに意識しているのは、どのような出題のされ方をしても手順通りに実行すれば必ず解けるというものです。

高校で数学が伸び悩む、本来数学が得意な人は、このような型を身につけたらがないという傾向があるように思います。

簡単な内容であっても、型を確認して積み重ねていくことが大切です。

そういう謙虚な姿勢で勉強をすることが最終的な学力の伸びに繋がると思って、指導をしていきます。


4月5日 型が大事A(高校2年生)

高校2年生は現在、三角関数の授業をしています。

今日の授業で前半の内容が終わり、次回から後半の「加法定理」に入ります。

当塾では、三角関数の分野の「方程式・不等式」「最大値・最小値」などの問題は「グラフ」を用いて処理をするように指導しています。

参考書や学校、また他塾では「単位円」を用いて処理することを推奨していることが多いように思いますが、当塾では昔から一貫して「グラフ」での処理にこだわっています。

これには様々な理由があるのですが、最も大きい理由は「関数」の理解を深めるためです。

「三角関数」の学習が終わると次は「指数関数」「対数関数」を学びます。その後、数学Uでは「微分積分」の分野で「3次関数」「4次関数」を学びます。更に理系の生徒は、数学Vで様々な「関数」を学んでいきます。

高校の数学では様々な種類の関数を学習しますが、これを分野毎に別のものとして考えるのか、取り扱う式は違っても関数という統一された「型」として考えられるようになるのかで、全般的な理解度が全く違ってきます。

分野毎の計算処理など細かい型の練習もしていきますが、全分野を俯瞰して見られるように大きな型を身につけていくことも意識をして指導をしていきます。


4月6日 型が大事B(高校3年生)

高校3年生の理系は現在、数学Vの「微分法」のグラフの描き方の授業を行っています。

大学入試で、理系の生徒が数学Vを入試科目として用いる場合、数学Vの「微分・積分」の習熟が必須となります。

というのは、高難易度の問題を除けば、数学TAUBと比較して数学Vの「微分・積分」の方が得点が安定するからです。

例えば、数学Aの「場合の数・確率」や「整数」などは、状況を整理する能力や、論理の組み立てを自分で行う能力が問われるのですが、これらは知識や演算処理だけでは解決しません。

これに対して、数学Vでは演算処理の正確さを重視している問題が多く、更に、処理の仕方をその場で考えるというよりも、経験によって蓄積していくものが多いので、努力さえすれば得点が安定します。

とは言っても、得点が安定するレベルまで達するための努力が出来ておらず、数学Vでほとんど点数を取れない生徒も少なくありません。

数学Vを得点源にするために、まず行わなければならないことは「微分法の計算」「積分法の計算」を完璧にすることです。

これが完璧でなければ、勉強を進めようとしても計算でつまづいて内容が入っていきません。


当塾ではキリの良いところまで説明が進む度に2時間、計算をし続ける復習を実施します。

生徒は、これまでの経験でこうした復習が学力向上に効果があることを実感しているので、誰一人、一言も話すことなく黙々と演習をしています。

こうした基礎内容の反復の効果を実感することは、勉強の型を作ることに繋がり、他教科の勉強の仕方にも影響を与えます。

当塾の指導は数学がメインですが、数学を通じて様々なことを考えられるようになってもらいたいと思っています。


4月7日 一段落

今日で春期講習が終わり、これで一段落になります。

今年は補講や個別指導もかなり入れたので結構大変だったなあと思ったのですが、昨年と一昨年の予定表を見ると今年と同じか、それ以上に授業をしていました。

自分で決めて納得してやっているので、大変だという気持ちがあまり残らないのかもしれません。


さて、明日から学校が始まりますが、今年は新型コロナウィルスのため、学校運営の先行きが不透明な状態での新学期となります。

既に、県立高校では教諭の感染者が出た内子高校が新学期の開始を2週間延期していますし、私立の愛光学園は全国から生徒が集まるということもあり5月6日までの休校を決めています。

これから先、感染者が1人でも現れた学校は休校措置を取るかもしれないので、計画的な指導や学校運営が非常に困難になると予想されます。

計画的に指導が出来ないということは、進められるうちに出来るだけ授業を進めておこうと考えて、通常より速いペースで授業を進めるかもしれません。

また、休校になればその間の内容は生徒に自主的にやらせるか、休校明けに非常に速いスピードで進めるかになると思われます。

いずれにしても、自分で勉強を出来る生徒や、塾などで指導を受けられる生徒と、そうでは無い生徒の学力差が今までにない程開くと考えられます。


例え休校になったとしても、大学受験は期日通りに実施されます。

高校生の皆さんは、今どうするべきかをしっかりと考えて行動しましょう。


4月9日 高校1年生の途中入塾について

毎年、この時期に書いている内容になります。

当塾は高校1年生の授業を3月末に開始して、現在は教科書40ページ程の分量を進めました。

ただ進めるだけでは内容が定着しないので、授業時間内に復習も行っています。

当塾に通っている生徒は、一人で勉強を進めている生徒と比較すると、かなり多く復習をしていると思いますが、それでも充分だと感じる生徒は多くありません。

ですから、必要だと感じれば出来るようになるまで何度でも復習させます。


高校では、中学校のときよりも内容がはるかに難しくなります。

それは、問題の内容が複雑になるというだけではなく、基礎的な内容であっても理解を求められることに起因します。

当塾では、後の勉強をスムーズに進めるために、理解をしているか確認しながら基礎基本の復習を行います。

先日の日記にも書きましたが、今年は特に学校で基礎基本の演習が不足する可能性があり、数学が分からなくなる生徒が増加するかもしれません。



当塾では、これから通塾が必要と判断された方の途中入塾も受け付けていて、既習の範囲でも基礎的な内容が身についていないと判断した場合は遡って指導をします。

ただし、入塾のタイミングが遅くなるほど補講の量が増えて生徒の負担が大きくなるので、手助けが必要だと感じた場合は、お早めにご連絡ください。


4月12日 個別指導をする理由

当塾では、生徒が問題を解いている姿や、ノートの内容を確認します。

新しいことを習ったときに抑えておくべきことや、生徒がごまかしてしまいそうなところは全員のノートを細かく見ます。

ただし、ずっと横で見られているとやりづらいでしょうし、闇雲に全てのもの見るのは非効率なので、学習内容によってポイントを押さえて確認しています。

このときに重視して見ているのは、基本的な処理でつまづいているところは無いかです。

基礎的なことが身についていない生徒は授業中に指摘するのですが、根本的な復習が必要だと判断した場合は個別指導をします。

生徒にとっては負担に感じるかもしれませんが、個別指導をしないと通常授業での指導効果が上がらないので実施しています。

ほとんどの生徒は2、3か月程の個別指導で授業をスムーズに聞くことが出来るようになりますが、私の力不足で、どうしても出来るようにならない場合もあります。

2、3か月を長いと感じるか短いと感じるかは人それぞれですが、塾に通うのであれば、楽だけど出来るようにならないよりは、苦労しても出来るようになる方が良いと考えて、このような指導をしています。


4月15日 当塾の考え方の確認

愛媛県中予地区の県立学校は昨日から5月6日まで休校になりました。

それ以降についてどうなるかは未定で、状況によっては休校期間が延長されることもあると思います。

このような状況なので、当塾の考え方を書いておかなければならないと思います。

県立学校が休校中なので色々とご意見もあるでしょうが、現時点では、当塾は授業を行います。


まず、基本的な考え方として3月1日に書いたものを編集して再掲載しておきます。

新型コロナウィルスについて大切なのは、どのような特徴を持った病気で、どのような対策を行い、どのような行動を取るべきかを科学的に考えることだと思います。

厚生労働省の発表によると空気感染は無く、飛沫感染、接触感染のみということなので、当塾では以下の対策を取った上で授業を行う方針です。

・ 机、いすを消毒液で清掃する。 
・ 扉の取っ手などを消毒液で清掃する。
・ 教室に出入りするときは、消毒液で手指を除菌する。
・ 乾燥していれば加湿器を使用し、授業毎に換気を行う。
・ 授業中はマスクを着用する。

当塾は不特定多数が出入りするわけではなく、生徒全員の様子が常時確認できます。また、生徒同士が近づくこともなく、黙って勉強をしているだけです。



以下は、リスクについての考え方です。

4/15現在の愛媛県内での感染者数は40名で、愛媛県松山市内の感染者数は25名です。

4/13時点の統計では
37/631(陽性/検査数)と、なっています。

ちなみに人口比で見ると
25/515000   (感染者/松山市)
40/1335000   (感染者/愛媛県)
と、なっています。


愛媛県は新型コロナウィルスの検査について、症状が無くても感染者と接触があった人については全員検査をするという方針を取っています。また、感染者だけではなく検査した人の数も公表しています。

もちろん、検査を受けずに無自覚で感染をしている人はいると思いますし、数だけの問題ではなく感染するリスクがあるということは理解しています。

この数字やリスクを考えて、どのような行動を取るのかを各自で判断する必要があると思っています。

学校は公的な機関で規模も大きく、全体で統一した指示を出さなければならないため、休校という措置を取るのは仕方が無いでしょう。

しかし、当塾のような小規模の塾は、全体で一律の判断をするのではなく、各自で判断をするのが正しいのではないかと思っています。

似たような事例として、台風で暴風警報が出た時、学校は休みになりますが、当塾では安全に来られる手段があるのであれば塾に来て勉強をするという対応を取っています。

どれだけ低くても感染するリスクがある以上、塾に来るという選択をする生徒は、人混みには行かない、基本的には家から出ないなど、各自で取れる対応を取ってもらいたいと思っています。

私自身、外出は食材を買いに行く場合など必要最小限にして、行動するつもりです。

リスクを最小限に抑えた上で、今やらないといけないことは行うべきだと考えているので、当塾は授業を行います。


ただし、これはあくまでも当塾の考え方です。各家庭の判断で、どうしても気になって塾に来られないという場合は連絡をして下さい。


4月18日 休業中の課題について

緊急事態宣言が全国に発令されたことで、愛媛県は県立高校の休校を中予地区から県内全域に拡大させました。

東予や南予の感染者が出ていない地域は休校にしなくて良いとも思いますが、公的な機関は全体で統一的な対応を取る方が分かりやすいということだと思います。

これで愛媛県内の高校生は5月6日までは自分で勉強を進めることになりました。

生徒を放っておいてはどのように勉強を進めて良いか分からないでしょうから、学校毎にそれぞれ休校中の課題を出しています。

どのような課題が出ているのかが気になったので、各学校のHPを確認しました。また、HPに掲載していない学校については生徒に聞いて調べました。

そこで思ったのは、やっても学力が上がらない課題や、やると学力が下がる課題があったので、それについて書いておきます。ちなみに、確認したのは数学だけです。



1. 解説と答がついていない。

一番ヒドイと感じた課題は「毎日、指定された問題を解くこと。解説と答は後日配布する。」というものです。

問題を解かせて次の授業で解説をするのであれば答を配らないことも理解出来ますが、長期休業中の課題でこのような指示を出す意味が分かりません。

1人で勉強をするときは、問題を解いて直ぐに解説と答を見て、考え方が合っているのか確認するべきです。

分からないことや、おかしいところがあれば修正して、類題を解くことで実力がついていきます。

答や考え方の確認が出来ない課題を解き続けると、間違ったまま定着する危険性があるので、人によってはやればやるほど学力が下がります。



2. 量が多すぎる。

今回の課題に限りませんが、学校の先生の中には自分の担当する教科のことしか考えていない人がいます。

今回の休校期間はおよそ3週間で、長いように感じますが、本来であれば土日は休みで、GWは元々休みです。

家にいる間、勉強のみをして過ごすということは、ほとんどの生徒には不可能なので、現実的に消化可能な量を出すべきです。

学校によっては、今まで習った全範囲の復習と、これから習う全範囲の予習などと無理なことを言っているところもあります。

そのような指示の出し方では、逆にやる気を失って何もやらない生徒が増えるような気がします。

量が多すぎると感じた場合は、その課題の中でやるべきことを絞って取り組めば良いと思います。



3. 内容が難しすぎる。

これまでに習ったことを課題にするのか、本来授業する予定だったところを課題にするのかで、課題の内容は変わってくると思います。

授業の代わりに課題を出すのであれば、直接説明しなければ理解するのが難しいような内容は避けて、生徒が独学で理解できそうなことのみ課題で学ばせるなどの工夫が必要だと思います。

ある学校の課題は、独学が難しいであろう内容が多数出題されており、授業を聞いていない生徒にはハードルが高すぎると感じました。

出来るようになって欲しいという気持ちは分かるのですが、数学がそれほど得意ではない生徒にとっては時間をかけても、何も分からないという危険性があります。




その他、生徒には判断がつかないことですが、市販された教材ではなく、教員が作成した課題を見ていると、解説が間違っていたり、一般的ではない表現を多用しているものも見受けられました。

学校が好意で出してくれている課題ですが、自分に合っているのか、本当にやって意味があるのかをきちんと考えて、提出することを目的にせず、学力をつけることを目的に取り組んでもらいたいと思います。



一応、フォローしておきますが、学校の課題が全てダメだということではありません。生徒のことを考えて、適切な課題を出してくれている学校もあります。

また、「これまでに習った公式を自分で証明して(教科書や参考書などを見ながらでも良い)、公式の意味を理解する」という面白い課題を出している学校もありました。

私も高校時代に公式の証明に取り組むことで各分野の理解が深まりました。生徒たちにも、是非、挑戦してみてもらいたいと思います。


4月21日 浪人生と社会人の入塾について

最近、浪人生と社会人の方から入塾のお問い合わせをいただくことがありました。

当塾では、現在、浪人生と社会人の方の入塾は、お断りさせていただいています。

高校生のときに通塾していた浪人生が、分からない問題の質問に来る位は構いませんが、定期的な指導には対応していません。

その理由として、浪人生の指導は内容よりも時間の管理の方が大切だと考えているからです。

大学受験を目指して勉強をする上で一番困難になることは、継続して毎日スケジュール通りに行動することだと思います。

浪人生は自宅浪人をする場合は、よほど自分に厳しくない限り規則正しい生活を送ることは出来ません。

当塾では、浪人生にとって最も大切なスケジュールの管理をしてあげることが出来ないので、指導をお断りさせてもらっています。


社会人も同様に、スケジュール管理の難しさがあるのですが、それに加えて目標設定の難しさというものがあります。

社会人が再受験で大学入学を目指すということは、難関大学を想定していて、医学部医学科か、東京大学、京都大学を考えている場合が多いでしょう。

そこに合格するために、どれだけの時間を使うことが出来るのか、現在の学力がどの程度なのかなど、様々な要因を考えると、おそらく個別に指導をするしかないと思います。

完全に個別指導をする場合、こちらもかなり労力を使うことになるので、引き受けたくないというのが本音です。


ここには書きませんが、その他にもお断りする要因があるので、現在は浪人生と社会人の方の指導には対応していません。

大変申し訳ないのですが、ご理解いただければと思います。


4月22日 身につけるべきこと

先日、お問い合わせをいただいた社会人の方から、入塾が出来ないのであれば勉強の進め方を教えて欲しいと言われました。

そのときの内容について、少し書いておこうと思います。

難関大学の再受験を考えていて数学の勉強をする場合、どこまで遡って勉強をするべきかですが、これは個人差があると思います。

小学校の内容を忘れているのであれば小学校の内容を復習するべきですし、中学校の内容でも同様のことが言えます。

連絡を頂いた方は、小学校の内容からやり直していたらしいのですが、私立の難関中学校の入試問題を解いていて、理解が出来ない問題がある場合はどうすれば良いかという質問でした。

どうすれば良いかというと、そのような問題は解けなくても構いません。

私立の難関中学の問題は、小学校で習う知識のみを用いて解かなければならないので、特殊な解法を必要とする問題や、工夫を要求される問題が含まれます。

そのような問題は大学入試で出題されることは無いので、その学校を受験しないのであれば解けるようになる必要はありません。

小学校の内容は基礎的な計算、割合、図形の性質、基本的な文章問題が出来るようになれば十分だと思います。

同様に、中学校の内容も基礎的な計算、基本的な文章題、関数、図形の性質を勉強して、標準的な県立高校入試問題が9割程度解けるようになれば良く、難問が解けなければならないということはありません。

念のため、これは難関大学の再受験を考えている人に向けた話で、数学が苦手な中学生は、高校入試本番までに出来る限りの努力をしたので構わないです。

高校の内容の勉強については、後日書きます。


4月23日 どう考えても難しい

先日の続きです。

高校の数学を自学自習で習得するためにはどうすれば良いのでしょうか。

浪人生は学習してから時間がそれほど経っていないでしょうから、自分の足りない部分を補填していけば良いと思います。

それに対して社会人は、ほとんどの内容を忘れているでしょうから、現役生と同様に0から習得しなくてはなりません。

この状態から1人で勉強をして難関大学の受験で使えるようにするというのは、考えれば考えるほど難しいという結論になってしまいます。

どれくらい時間をかけるのかにもよりますが、高校生と同じペースでやるのであれば3年間はかかりますし、かなり頑張っても2年間はかかると思います。

それを働きながら、更に他教科の勉強も並行して行うというのは、よほど意志が強くなければ厳しいでしょう。

ちなみに何故、高校数学の自学自習が難しいのかですが

・ 内容を理解するための考え方の中に、教科書や参考書に載っていないものがある。
・ 教科書や参考書に載っている内容で重要なものと、そうでは無いものの判断が難しい。
・ 問題を解いて答えが合っていたとしても、考え方が合っているのか確証が持てない。
・ 理解度に応じて、どの教材で勉強をすればいいのか判断することが難しい。

直ぐに思いつくだけでもこれくらいあります。

こうしたことを踏まえた上で、それでも自学自習をするとしたら、どうすれば良いのかを考えてみます。




色々と考えていると、高校生は勉強をする上で本当に恵まれていると実感します。

人生の中で集中的に勉強をすることが許される期間はあまり多くありません。

今年度は中々学校に行けませんが、今の時期を大切に過ごしてもらいたいと思います。


4月25日 5月の予定表

5月の予定表をTOPページにアップしました。

例年、5月は公立高校の2年生は修学旅行があり、私立では運動会を実施する学校があるのですが、今年はどちらも中止になると思われます。

学校のHPなどを見ていると、学校行事だけではなく考査の日程なども例年とは違ったものになりそうです。

現時点では予定が不明な学校も多いので、当塾の授業予定は学校の様子を見ながら変更を行うことになると思います。

また、5月7日に学校が再開されたとしても、状況によっては再度休校になるかもしれないので中々落ち着きそうにありません。

学生は勉強だけではなく、学校行事など様々な活動の中で成長をしていくものです。

このような状況が収まり、一刻も早く平穏な日常に戻って欲しいと切に思います。


4月26日 高校1年生が身につけるべきこと

高校1年生講座の授業がある程度が進んだので確認テストを行いました。

毎年のことなので想定内ですが、内容が定着していない生徒が多いように感じます。

理由は、練習量が足りないわけでも、サボっているわけでも無く、勉強に対する取り組み方が間違っているからだと思います。

中学校の勉強で「答を出すこと」「答えが合っていること」を重視して取り組んでいた生徒は、その癖が中々抜けません。

中学校ではそれで何とかなってしまう場合もあるのですが、高校ではその勉強の仕方は通用しません。

高校の数学では、結果よりも過程の部分を重視して評価するので、答えだけ合っていても何の価値もありません。また、解き方を覚えるだけで対応できる場面は少なくなります。

「何を問われているのか」「何故そのように考えるのか」「何を意味しているのか」ということが抜け落ちてしまうと、いくら問題を解いても学力は上がりません。

基礎的な反復練習をするときもそのような考えで勉強をするように、意識を変える必要があります。

特に高校1年生の初期は、見かけの点数を上げることよりも、勉強に取り組むための根本的な姿勢を身につけることの方が重要だと考えて指導をしていきます。


4月28日 予備校講師の言葉

昨日は休みだったので雑務を終わらせた後、youtubeやtwitterなどを見ていたのですが、ある予備校講師の言葉で共感が出来るものがありました。

要約すると

新型コロナウィルスの影響で現在授業が受けられない浪人生は、今のうちに基礎的なことを完璧にしておいて欲しい。

難しいことはやらなくても良いので、出来ることだと思っても反復練習をして計算の速度と精度を上げることを意識して欲しい。

基礎的な事が身についていない状況で難しい内容の授業を聞いても、伝えたいことの手前で引っかかってしまって、こちらの言葉が届かない。

夏以降の授業では基礎的な内容の確認を行わないので、その時点で授業を聞いて意味のある状態にしていなければ、大学受験からは脱落していると思ってもらいたい。

というようなことでした。


全くその通りだと思います。

付け加えて言うなら、基礎的な内容や計算の精度・速度というのは、大学入試本番での点数に直結します。

ここが抜けていると、いくら難しい内容の勉強をしても、本番で点数は取れません。


当塾では高校3年生の6〜7月位から本格的な演習を始めますが、それまでは基礎固めを徹底的に行います。

現在の高校3年生の文系講座では最近ようやく基礎固めの成果が出てきましたが、昨年の12月から始めてここまで来るのに5か月間かかりました。

5か月は過ぎ去ってみると早いですが、これから5か月かかると思うと、ものすごく長く感じます。仮に今から始めて同じように進めると10月末までかかることになります。

その時期にようやく基礎固めが終わるようでは大学入試には間に合わない可能性が高いです。


今年度は色々あってスケジュール管理が難しい年になりましたが、4,5月を空白期間にせず、8月に本格的な演習に入れるように取り組めた生徒が、非常に有利になると思います。


4月29日 9月入学について

コロナ騒動で9月入学の案が出ていますが反対です。

反対というか、絶対に無理なので検討するだけ無駄です。

こうした案が出てきたのは「他の国では9月入学が多いのでそれに合わせるため」「現在授業を受けられていない生徒を救うため」というのが主な理由のようです。

大学入学共通テストに記述式の問題を導入しようとしたのと同じで、理想やメリットがあったとしても、それを現実にしようとすると問題が噴出するので、実現は不可能です。

無理だと思う理由を述べていきたいと思います。


1. 変更に伴う事務的なコスト

調べてみると、日本の年度が4月で区切られるようになったのは130年程前になるそうです。何故4月になったのかは諸説あるので、それは特に問題としません。

初めの頃はどこで区切れば良いのか試行錯誤があり、現在の形に落ち着いたようです。

制度を作るときはシステム自体が出来上がってないため頻繁に変えても混乱は少ないと思いますが、現在の日本のように様々な要因が複雑に絡み合った社会では「学校の入学だけ」を変更することは不可能です。

まず考えられるのが決算期の問題です。現在、国の予算は4/1〜3/31で組んでいます。

本来、会社は決算期を自由に決められるのですが、国の予算と合わせるために4/1〜3/31にしているところが多いです。

学校の入学時期を変えるということは、学校の予算期をどうするのかという問題が発生します。

国の予算や地方自治体の予算は4/1〜3/31で組んで、学校の予算だけ9/1〜8/31にするということは可能でしょうか。

また、国の予算を9/1〜8/31に変えた場合、それに伴って多くの企業は決算期を変えなくてはならなくなります。

いずれにしても学校の入学時期を変えるということは、社会全体のシステムを変えることを考えなくてはなりません。

この変更のコストは膨大なものになると思いますが、本当に可能なのでしょうか。


2. 気候の問題

勉強のことや、入試のことだけを考えれば9月入学に変えても問題はないと思います。

しかし、学校とは勉強だけをする場所ではありません。学校には勉強以外にも行事や部活動があります。

現在の学校行事や部活動の大会日程などは4月入学に合わせて組まれています。

気候の影響を受けない活動もあるでしょうが、屋外での活動は必ず気候の影響を受けます。

例えば、愛媛県立松山東高校ではボートレース大会というものがあり、7月に全校生徒で海岸に行って開催します。

9月入学になると7〜8月に入試が行われるでしょうが、その時期に出来るでしょうか。

同じく松山東高校では、運動会のときに櫓を組むのに用いる竹の切り出しを7月末に行います。

運動会をいつ行うのかにもよりますが、こうした作業が出来なくなる可能性も出てくるということです。

また、学校の部活動の予定を変えるということは、会場設備などの問題から学校以外の行事や催しの予定を全て変更しないといけなくなります。

日本には四季があります。それに合わせて培ってきた伝統を失う可能性が大きい変更に、本当に耐えられるのでしょうか。

外国と制度を合わせるということは、日本の伝統や文化を捨て去る危険性があることも考えないといけません。


3. 学年の区切りの問題

変更が不可能だと考える最大の問題が、学年をどこで区切るかという問題です。

9月入学にするとして、何月生まれで学年を区切るのでしょうか。

現在は

4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 

で区切っています。

これが単独で存在するのならばいいのですが、実際には以下のように連続して存在しているわけです。

4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 

9月入学にするということは9/1〜8/31で学年を区切るのでしょうか。

そうすると、変更期にどうしてもおかしなことが起こります。

絶対に無理な案ですが

@ 次の9月から9/1〜8/31生まれを1学年とする

9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 910 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8

となり、ピンクが次の高校1年生だとすると、高校2年生の4~8月生まれを高校1年生に戻して、高校1年生になるはずだった4~8月生まれを中学3年生に戻さないといけなくなります。

こんなこと出来るわけありません。


次の案として

A 次の次の年に入学(進級)する生徒を9/1〜3/31生まれとして
  それ以降の学年は9/1〜8/31生まれとする

9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 

となり、1学年だけ7か月間という部分が発生して以降は12か月となります。ただし、その学年より下の学年では、4~8月生まれは半年間留年という形になります。そこさえ我慢すれば、新たに生まれてくる子供は通常の学年になりますが、7か月間の学年の人と4~8月生まれの当事者は納得できるでしょうか。

この折衷案として11か月の学年を何年かに分けて負担を減らすということも考えられますが、結局は半年間留年しないといけない生徒が毎年発生してしまうので、理解は得られないと思います。


B 入学は9月にして、学年の区切りは4月にする

これが現実的な案でしょうが、1年の中に区切りが2つあるというのは、非常に分かりづらいと思いますし、社会の区切りが9月なのに何故生まれだけ4月で区切るのかということになってしまいます。

これから生まれてくる子供のみ学年を9月で区切るという案もあると思います。それでも、どこかには絶対に変わり目となる年度が発生するので、影響が少ない方法があるのならば教えてもらいたいです。



このように、専門家でもない私が考えただけでも難しい点が出てくるので、真剣に検討するだけ無駄だと思います。

大学入学共通テストでもそうですが、何かを変えることが仕事をするということだと考える人がいます。

出来上がっているものを変えることが仕事ではなく、社会全体が幸せになる可能性が高いことをするのが価値のある仕事です。

良識のある大人が、子供や学生たちにそういうことを伝えていかなければならないと思います。



松山数学塾
住所 愛媛県松山市小坂3丁目4−32 ホワイト岡田ビル1F
TEL 089-948-8908