2020 11月
11月1日 スランプに陥らないために
11月になりました。
共通テストまで残り75日となり、これから高校3年生は受験を強く意識する時期になってきます。
今からの時期で気をつけなたいことは勉強のフォームを崩さないことです。
これまで優秀な生徒が勉強のスランプに陥る姿を見てきましたが、話を聞いてみると勉強の取り組み方に原因がある場合が多いようです。
数学でスランプに陥る生徒にありがちなのが、解法だけ確認をして実際に問題を解かないというものです。
復習をするときにこれまでに解いた問題の解き方だけを確認するというのは、良い方法だとは思いません。
というのは「見て分かる」と「やって出来る」は別だからです。
手を動かして自分が出来るのかを確認しなければ、試験で使える状態になりません。
また、やり方が分かったとしても、実際に解かないと計算の正確性やスピードは向上しません。
時間が少なくなってくると、焦ってその場しのぎの勉強をしがちですが、そういうことを繰り返していると出来ていたことまで出来なくなってしまいます。
残り時間が少なくなった時ほど、適切な方法で勉強をする気持ちを持つことが大切だと思います。
11月3日 引き算は難しい
先日、ある生徒から学校の課題の質問を受けました。
質問を受けた問題は塾で学習済みの分野でしたが、授業では取り扱わなかったものでした。
このように質問があれば解説をしますが、当塾では教科書や問題集に載っていても授業では取り扱わない問題があります。
教科書や問題集に載っている問題はどれも等しく重要なわけではなく、その分野を学習するときには不要な問題や、大学入試にほとんど出題されないものあります。
理想はそういうものも含めて全ての問題が解けるようになることかもしれませんが、現実として掲載されている問題を全て取り扱っていると大学入試に間に合いません。
大学入試で数学を使える状況にするためには、出来るだけ早く高校数学全体の内容を把握して、大学入試に必要な考え方を身につけるために演習をしなくてはなりません。
一般的な公立高校では理系の生徒が数学Vを学び終えるのは高校3年生の9月から10月頃になりますが、これでは演習の時間が足りません。
そうした事情から、当塾では大学入試に必要な問題以外は出来る限り取り扱いません。
その代わり、必要な知識や手法に関してはしつこく反復練習をしています。
これまでに何度も書いていますが、学校の定期考査の点数を重視していないのはこのような理由もあります。
定期考査も余裕があれば出題範囲をカバーするような勉強をした方が良いと思いますが、そのようなことが出来る生徒ばかりではありません。
高校での勉強内容は足し算だけを考えるとパンクをしてしまう生徒がほとんどなので、各自で容量を考えて、引き算をすることも大切だと思います。
11月4日 オープン模試の問題
先日、大学別オープン模試を受けた高校3年生の生徒が
「自分もあまり出来なかったのですが、これまでに受けた模試と問題が全く違う感じだったので周りの人達が全然出来なかったと言っていました。」
という感想を聞かせてくれました。
問題を見せてもらうと、確かに通常の模試よりは大学入試に似た傾向の出題になっていたので、大学入試問題を解くための演習をやっていないと手が出なかっただろうと思います。
昨日の日記でも書きましたが、大学入試問題を解くために必要な考え方や処理の仕方は、教科書や参考書の問題を解いているだけでは身につきません。
それらは断片的な知識や処理方法として必要なのですが、数式の持っている意味を理解したり、どのように活用するのか、どういうときに用いるのかを訓練しないと安定して問題を解くことが出来ないのです。
今回の生徒に話を聞くと、問題を解ききることは出来なくても解答の方針は間違っていなかったようなので力はついてきているように感じました。
入試まであまり時間は残っていませんが、力を伸ばすために最後まで頑張ってもらいたいです。
11月5日 情報を検証する
テレビをきちんと見なくなって久しいですが、家でたまたまついている番組を見ると唖然とすることがあります。
最近、少し見ただけでも政治を扱う番組で中立性が全く無いと感じました。
また、新型コロナウィルスにおいても科学的根拠の無い不安を煽る報道が目につきます。
色々な意見はあっていいのですが、情報を広く流布する媒体において発信者の意見を一方からのみ、また科学的な根拠なく放送することはあってはなりません。
テレビを見ているとこのような姿勢が透けているので見なくなったのですが、以前より先鋭化しているように感じます。
これからは多くの情報の中から何が正しいのかを検証し、自分で考えて判断をする人が求められる時代になるでしょう。
大学入試の勉強を通じてそうした能力を身につけることは、大学に合格する以上に価値があることだと思います。
11月7日 身につけてほしいコト
現在、高校2年生の講座は「数列」の授業を行っています。
内容は後半に差し掛かっているのですが、様子を見ていると苦戦している生徒が多いので復習をすることにしました。
数列の分野で生徒が苦戦する原因は主に2つあります。
1つ目は公式を正確に使えていないことです。
数列の分野に出てくる公式はそれほど多くないのですが、覚え間違いをしやすいものがあったり、式の意味がややこしいものがあるので使いこなせるように反復練習が必要になります。
2つ目は正確に計算が出来ていないことです。
数列の分野は計算量が多いため計算力が不足していると答えが合いません。特に、検算をする習慣が身についていない生徒はかなり苦戦することになります。
計算は練習をすれば直ぐに身につくと思われがちですが、正確な計算を安定して行えるようになるには時間がかかります。
その理由は計算の処理内容そのものではなく、もっと根源的なところにあります。
生徒を指導していて感じるのは、新しく計算処理の仕方を覚えることよりも、検算や記号を正確に書くことの方が身につきにくいのです。
当塾ではそういう点をしつこく指導しますが、生徒自身が自覚して取り組み方を修正しないと身につけることは難しいように思います。
一朝一夕では身につかないことは分かっているので、直ぐに結果を求めず、長い目で見て指導をしていきます。
11月9日 途中入塾の対応
最近、高校2年生で途中入塾をした生徒が複数います。
高校2年生の今の時期から入塾される場合、苦手な分野があれば早急に修復をする必要があります。
大学受験まで1年以上あると思われるかもしれませんが、どんなに遅くても高校3年生の7月からは大学入試問題に対応した演習を行わなければなりません。
そこから逆算すると、基礎的な内容を定着させるために使える期間は残り7か月程度となります。
これは決して時間が十分にあるわけではなく、特に理系の生徒は数学Vを同時進行で進めていかなくてはならないのでかなり厳しいです。
生徒によって状況は異なりますが、途中入塾を希望している生徒は数学を何とかしたいという思いで頼ってこられていると感じるので、こちらも出来る限りのことをします。
これから高校2年生で苦手な分野があるという生徒には、通常授業以外に分野別の復習講座を作って対応する予定です。
月に塾に来る回数が通常10回のところ15回前後になるため、負担は大きいかもしれませんが、苦手分野の復習を自分で1からやるよりは遥かに効率的に進められると思います。
当塾のコンセプトは、数学を本気でどうにかしたいと思っている生徒を助けるというものなので、暫くは苦しいと思いますが何とか頑張ってもらいたいです。
高校1年生は状況にもよりますが、数学が苦手な生徒が現時点から途中入塾をする場合、2、3ヵ月を目途に身につけておかなければならない内容の復習を行います。
高校2年生よりは余裕があるスケジュールになりますが、現在学習することと同時進行になるので楽ではありません。
参考までに、昨年の今の時期に途中入塾した高校1年生の生徒は、塾に入って2,3か月は地獄の苦しみだったと後で言っていました。
楽に過ごして出来ないよりは、苦しんでも出来るようになる方が良いと考えているので、そういう考え方の人に来てもらいたいと思っています。
11月10日 自立
大学受験に向けて勉強をするときに最も必要な要素は「自立」だと思います。
大学入試と高校入試の違いとして学習内容の量や難易度もありますが、最大の違いは人によって受験科目が違うことではないかと思います。
大学入試では国公立大学と私立大学を受験する場合で試験科目数が異なりますし、国公立大学、私立大学の中でも大学・学部によって異なります。
こうした事情があるので学校や塾などで全体に向けた進路指導の話を聞くときには、それが自分に当てはまっているのかを考えなくてはなりません。
また、指導者だけではなく、保護者や先輩、友達からも様々な情報が入ってくるでしょうが、本当にそれは正しいのか、今の自分にとって必要なのかを自分自身で考えなくてはなりません。
大学入試は誰かの言う通りにやっていたり、友達と同じようにやっていれば何となく上手くいくようなものではありません。
自分にとって何が大切なのかを考えて判断が出来る「自立」した高校生になってもらいたいと思います。
11月11日 指導の目標
先日までの日記で、当塾では勉強で苦しむことを推奨するかのように書きましたが、それは勉強を頑張る覚悟を持ってほしいだけで、実際には楽しく勉強をしてもらいたいと思っています。
勉強は面白くないもの、つまらないものという刷り込みを受けている人が少なくありませんが、本来、勉強はすごく楽しいものです。
科目によって面白さを感じる部分は異なりますが、数学の面白いところは「自分で考える」という点だと思います。
数学を嫌いという人は、何をやっているのか意味が分からないから面白くないし、つまらないのだと思います。
意味が分からないから面白くないというのは、逆に言えば、意味が分かって自分で考えることが出来れば楽しいということになります。
私がこの日記で、勉強に関わらず、生徒には自分で考えて行動をしてもらいたいと書いているのは、自分で考えて行動することの楽しさや充実感を知っているからです。
数学を通じて生徒がそうした気持ちを感じられるようになることが、指導の目標だと思っています。
11月12日 想定している生徒
大学入試を目指して数学を勉強する場合、能力を度外視すると最も効率の良い学習法は教科書と参考書を自分で読んで理解して、その後問題を解いて内容を定着させることです。
授業を聞いたり他人のペースに合わせるとその分余計な時間が掛かるので、自分で勉強を進めていくことが出来ればそれが最も効率の良い方法です。
しかし、この最も効率の良い学習法で結果が出せる生徒は、愛媛県の公立進学校でも1%程度(1学年400名として5名位)だと思います。
このような生徒は当塾のように拘束時間が長い塾に行くと効率が落ちるので、指導を想定していません。
当塾が想定しているのは
・ 大学入試で数学を使う可能性がある生徒
・ 勉強を頑張ろうという気持ちがある生徒
・ 1人で数学を仕上げることが出来ない生徒
となります。
・ 大学入試で数学を使う可能性がある生徒
当塾は学校の授業の進度や内容とは関係なく大学入試のための指導を行うので、学校の成績を上げて欲しいという人は目的に合いません。
大学入試のための勉強をして結果的に学校の成績が上がることはありますが、学校の成績のみを気にされる方にはお勧めできません。
・ 勉強を頑張ろうという気持ちがある生徒
勉強のやる気は無いけれど、塾に通わせてやる気を出してくださいというのは難しいです。
高校の数学は塾の指導時間だけで身につけることは不可能で、自分1人で問題と向き合う時間を多くとらなければなりません。
初めはやる気が無かったけれど徐々にやる気が出てきたという生徒も稀にいますが、初めにやる気が無い生徒は塾に通っても出来るようにならず、ほとんどが辞めていきます。
・ 1人で数学を仕上げることが出来ない生徒
これまで塾で指導をしてきて相当に優秀だと感じる生徒はいましたが、塾に通うと数学の勉強効率が落ちると感じる生徒はいませんでした。
これは出会っている生徒の数がそれほど多くないことと、塾に通った方が良いと判断して来られているからだと思います。
ちなみに、学校で働いていたときには授業を聞かない方が本人のためになると感じる天才的な生徒に出会ったこともあります。
当塾の出発点は、数学を何とかしたいけれど一人ではどうしようも無い生徒を助けるというものなので、旧帝大や医学部医学科を目指すような生徒を指導するのも、数学が苦手だけど大学入試で使えるように頑張りたいという生徒を指導するのも、同様のやりがいがあると感じています。
入塾のお問い合わせをいただくときに現在の学力を気にされる方もいるのですが、やる気さえあれば全く気にしなくて構いません。
11月14日 1日サボれば
先日、本を読んでいると
「職人は1日サボれば自分に分かる、2日サボれば師に分かる、3日サボれば客に分かる」
という台詞がありました。
これは生徒に向けてというよりも自分に向けての言葉です。
プロ野球選手がアマチュアの選手よりも野球が上手いのは、毎日アマチュアの選手よりも質、量ともに上の練習をしているからです。
これは勉強を教えるプロでも同様で、これまで私が指導力があると感じた先生は、直接は見ていなくても日々努力をしていることが分かりました。
仕事が忙しいと授業準備以外での自分の勉強時間が減ってしまうことがあるので、自分を律して努力を継続していきたいと思います。
11月15日 宿題を「やっているか」の確認はしません
当塾では基本的に宿題をやっているかの確認はせずに、生徒が分からなかったと申告した問題のみ解説を行っています。
値を求める問題はそれで良いのですが、先日の宿題は証明問題だったので出来ているのか確認をしようとしたところ、解いていないという生徒が複数いました。
授業中にも言いましたが、当塾では今回のように「正確に解けているか」の確認をすることはあっても、宿題を「やっているか」の確認はしません。
宿題を「やっているか」の確認をしない最大の理由は不毛な行為だと感じるからです。
学校では宿題を「やっているか」を確認することもあるでしょうが、それは平常点として成績をつけるためです。
学力をつけるために宿題を「やっているか」を確認することは全く意味がありません。
宿題をやっていなければ怒られるとすれば、怒られないために宿題をやっているように見せれば良いという思考になります。
例えば、友達のノートや、どこかで手に入れた答えを写しておけば表面上は取り繕うことが出来ます。
そういうものは見ればわかりますが、それに対してこれは写したんじゃないかなどと追求することが意味のある行為だとは思えません。
そもそもノートを見て確認しなくても、授業中の反応を見ていれば宿題をまじめにやっているかどうかを判断することは出来ます。
宿題を「やっているか」が大切なのではなく、学習をした内容を「身につけているか」が大切なのです。
1回宿題をやっていなかったからと言って、その生徒の全てがダメだとは思いません。
何か事情があったのかもしれませんから、そうであれば後で解けばいいだけです。
ダメなのは、その場をやり過ごして宿題を無かったことにしてしまうことです。
勉強が出来なくなる生徒は、その繰り返しになっているはずです。
何のために宿題があるのかを考えて、自分の行動を決めてもらいたいと思います。
11月17日 変化の兆し
当塾の指導は頑丈な土台を作ってから大学入試で点数を取るための技術をつけていくので、入塾時点で土台が不安定な生徒は成果が出るまでの時間が長くなります。
基礎演習に時間をかけるので遠回りをしているように感じる生徒もいるかもしれませんが、結局これが学力を上げるための最短ルートだと思います。
最近、高校1年生のある生徒の計算が速くなりミスも減って指導を開始した4月当初とは別人のようになっています。
こうなると授業の説明を余裕を持って聞けるので、これから更に学力の伸びが期待できます。
直近の学校の試験や模試で点数となって現れるかは分かりませんが、おそらく半年後には学校で上位の成績を安定して取れるようになると思います。
このような状態になるのに8か月程かかりましたが、生徒によってはそれより早く成果が出たり、それ以上に時間が掛かる場合もあります。
過去の経験から生徒を指導していると急激に学力が伸びる前兆があるのですが、今回の変化はそれにあたります。
生徒が成長していく過程はいつ見ても嬉しくなります。
11月18日 解けると分かるは違います
当塾に途中入塾をする生徒は数学を苦手にしている場合が多いので、基礎的な知識や根本的な部分から数学を作り直すことになります。
その過程でどこまで内容を理解しているのかを確認するために質問をすると「何となく問題は解けるけれど意味が分かりません」と言われることがあります。
そういうときに問題の解き方ではなく問題の意味していることを説明すると、すっきりした表情になる生徒が多いように感じます。
そうした意味は教科書にも書いてあるのですが、高校数学の教科書は非常に読み取りにくい言葉で書かれているので、生徒には分かりづらいのだと思います。
問題が解けるようになること以上に、問題や数式の意味を理解することは大切です。
もし、数学で苦手に感じる分野があるのなら、式や言葉の意味を本当に理解しているのかを確認しましょう。
11月19日 予定通り
来週から定期考査となる学校が多いため、高校1、2年生の授業を進めるのは今日までとして明日からは復習を行おうと思います。
今年度は色々とありましたが、現時点では予定通り授業を進めることが出来ています。
具体的には、高校1年生は「数学TA」の全分野を修了、高校2年生は「数学UB」の全分野を修了しています。
年度当初は学校が無く授業時間を多く取れたので例年よりも早く授業を進めていたのですが、内容の定着があまり良くないと感じて復習を入れたり、変則的な学校の予定に合わせたりして結局は例年並みの進度に落ち着きました。
学校で働いていた時のことも思い返すと、何らかのアクシデントで当初の計算通りに物事が進まないことが何年か毎にありました。
そうしたことはあるものとしてトータルで予定通りにすることが指導する側の責任だと思います。
11月21日 12月の予定表
12月の予定表をTOPページにアップしました。
12月から講座を再編します。
「1年」 ・・・高校1年生
「2年V」・・・高校2年生で数学Vを履修する生徒
「2年B」・・・高校2年生で数学Vを履修しない生徒
「2年演」・・・中高一貫校の高校2年生
「3年マーク」・・・高校3年生
となっています。
「3年V」「3年B」は記述の演習または復習を行います。
「微分積分」は高校2年生の途中入塾の生徒を対象として実施します。
高校2年生が理系・文系となっていないのは、理系の生徒でも大学入試で数学Vを用いない生徒がいるためです。
学校では理系の生徒は数学Vを履修することになりますが、大学入試で使わないことが分かっている場合、塾では数学Vの授業を受けるよりも数学Bまでの復習や演習を行うことを勧めています。
数学Vの授業は6〜7か月かかるので、これだけの時間を入試に使わないものに費やすのはリスクが大きいです。
数学Vの授業を受けることを決めた生徒は苦労することもあると思いますが、学んでいて楽しいことも多いので頑張ってもらいたいと思います。
11月24日 自覚して欲しい事
最近、愛媛県でも新型コロナウィルスの「PCR検査陽性者」が確認されています。
このように回りくどい書き方をするのはマスコミが使う「感染者」という言葉は事実を伝えるには間違っているからです。
このことを書き始めると、今日書きたい話と逸れるのでこのくらいにしておきます。
学校でもチラホラと「PCR検査陽性者」が出ていて、各学校の対応を見ていると1人でもいた場合、休校措置を取っているようです。
正直、過剰反応だと思いますが行政がそのような対応を取ると言っているのでそれに従うしかありません。
今後このような対応が続くのであれば、これから学校はほとんど開校出来なくなるでしょう。
そうなった場合、このような事態に備えて対応策を考えていた学校は良いのですが、準備をしていなかった学校は生徒を指導することが出来なくなります。
今年はこうした事態で授業を受けられていない生徒がいるため、大学入試の試験範囲を狭くするというような議論が起きています。
実はこうした議論が起きること自体がおかしいことで、全ての高校生に自覚しておいてもらいことがあります。
それは大学入試は元々全て生徒の自己責任で実施されているものだということです。
昨年度までのことを考えると、開校されてたとしても学校によって授業を進める進度も違えば、扱っている内容も異なっていました。
大学入試までに試験範囲の授業が終わらないなんていうのは全国の高校で起こっていたことです。
更に言うと、日本全国の高校を対象にすると大学入試に対応した授業を行っていない高校の方が多数派です。
しかし、そうした高校からも実力で大学に進学している生徒は存在します。
それは、自分で情報を仕入れて自分で勉強をして周りとは関係なく大学に進学するための学力を身につける生徒が存在するからです。
進学校と呼ばれている学校に通っていても大学合格が保証されているわけでも無ければ、大学入試に対応した授業が受けられる保証もありません。
大学入試は元々生徒の自己責任によるものなので、今年度以降はそれがより顕著に現れるに過ぎません。
これから学校が休校になっても大学受験までの日数は変わりませんし、試験の内容も変わりません。
そうした事実を受け入れた上で、どのように行動するべきなのかを考えなければならない状況になっていると思います。
11月26日 12月からの授業予定
12月から講座編成が変わるので授業予定を書いておきます。
どの講座もキリが良いところから始まるので、途中入塾をお考えの方は参考にして下さい。
12月からは以下の予定で授業を進めていきます。
高校1年生 ・・・数学Uの始め「式と証明」から
高校2年生V・・・数学Vの始め「複素数平面」から
高校2年生B・・・基礎〜標準レベルの復習と演習
高校2年生演・・・標準レベルの復習と発展レベルの演習
高校3年生 ・・・マークタイプの演習と復習(講座によっては記述の演習も行います)
この他に、途中入塾の生徒に向けて分野別の補習を行います。
12月は高校2年生の生徒を対象に数学Uの「微分・積分」の補講を行います。
高校1年生の生徒は必要と判断すれば補講を追加します。
1月以降は生徒の状況を見て補講内容を決めていきます。
当塾は塾生であれば補講や個別指導は無料ですが、無料だからそれで良いというわけではありません。
補講を受ける場合、通常授業もあるので生徒によっては月に15日以上塾に来ることになります。
そうすると体力的な負担は大きく他教科の勉強時間が減るなど、学習全体のバランスに影響が出る可能性があります。
そういったことも考慮して指導をしますが、大学入試に間に合わせるためには指導開始時期が遅ければ遅いほど無理をしなくてはいけなくなります。
過去の指導を参考にすると、基礎からやり直す指導を12月から始めた場合、高校2年生であれば6〜8か月、高校1年生であれば3〜4か月程度かかります。
途中入塾は苦しい思いをする可能性が高いので、保護者の方だけの希望ではなく、生徒が自分の意志で塾に来てもらいたいと思っています。
何とかしたいという気持ちを持っている生徒に対しては、こちらも全力で対応します。
11月27日 「共通テスト」の数学TA
高校3年生は12月から「共通テスト」の演習を本格的に始めます。
「共通テスト」の試験内容が試行調査に沿った出題になるのであれば、特に「数学TA」は「センター試験」とは求められる能力が違ったものになります。
マークタイプの数学の試験は大きく分けると
@ 「問題」→「答」のみマークする
A 「問題」→「解答の途中」と「答」をマークする
の2通りがあります。
数学はマークタイプの試験では本当の力が測れないという批判があったため、「センター試験」はAのように「解答の途中」もマークさせて思考の流れを確認するように発展してきました。
これは、試験で答えのみを出す裏技的な解法を防ぐことも考慮してのことだと思います。
このため「センター試験」の数学は作問者の誘導にのらないといけないので、どのように問題を解いても良いというわけではなく、問題形式に慣れる練習をする必要がありました。
その「センター試験」が今年度から「共通テスト」に変わります。
名称だけ変えたので良かったようにも思いますが、試行調査では「センター試験」とは出題方針が変わっていました。
問題文の中に『無駄な情報』が散りばめられてるのが最大の違いで、その傾向は特に数学TAで顕著となっています。
「共通テスト」では数学の内容以前に、文章の中から問題を解くための情報を取捨選択する必要があります。
生徒によってはこの作業が上手くできず、数学の内容までたどりつけないこともあるでしょう。
また、問題が会話文になっていることもあり、登場人物がどのように考えたのかを解答することもあります。
このような問題では、登場人物の思考を追わされることで、自分で考えられる余地が以前よりも狭くなっているように感じます。
数学の指導をしている者としては、数学の試験で数学の実力とは異なった能力を問われることに違和感がありますが、私なりの対策を生徒に伝えていきたいと思います。