2021 3月
3月4日 あれから一年
随分と日記の更新が滞ってしまいました。
高校3年生の指導は一段落したのですが、年度末ということで事務作業に追われていました。
思い返せば、昨年の今頃は全ての学校が休校になっていました。
あれからもう1年経つのかと思うと、年を取る度に1年間が早く過ぎるように感じます。
この1年は、これまで当たり前に出来たことが当たり前に出来ない年になりました。
これは病気そのものの影響もありますが、行政やマスコミの責任も非常に大きかったと思います。
現在もそうですが、論理的にデータを見て行動を決めるのではなく、感情論や思い込みで行動をする(させよう)とする社会的要請が、特に若者から多くのものを奪っていると感じます。
社会に蔓延する心の重しが取れて、オンラインではなく、実際に人と人が触れ合える社会が一刻も早く戻ってくることを願っています。
令和3年3月4日現在の進度状況
1年生 数学U・・・「軌跡」まで修了
2年生B 数学TAUB修了, 「標準問題」・・・63問まで解説済
2年生V 数学V・・・「極限」まで修了
3月6日 覚悟
年度末の事務作業も終了し、ようやく一段落しました。
とは言っても、高校3年生だけを指導しているわけではないので、これから新高校2、3生徒の指導が忙しくなります。
特に、新高校3年生は途中入塾が多く、基礎的な内容が身に付いていない生徒や苦手な分野がある生徒が複数いるので3月は補講を多めに入れる予定です。
その中で、塾に来る回数が最も多い生徒は月に20日以上来ることになります。
中学のときに数学がそれほど得意ではなくても初めから指導を受けていればある程度余裕を持って勉強を進めていけますが、高校で数学に躓いてからの入塾だとかなり苦労をすることになります。
当塾では補講や個別指導などの通常授業以外の部分は無料で指導しています。
それは、本来指導が必要なのに受講料が払えないという理由で指導が出来ないことが嫌だからです。
何度も書いていますが、無料で指導をしてもらえるからそれで良いというわけではありません。
途中入塾の生徒はハードな指導に耐えられる場合は学力が伸びますが、耐えられない場合は辞めるか、面談の時点で耐えられそうにないと言って入塾しません。
当塾は、塾に通うという安心感を買ってもらいたいとは思っていません。
塾に通うからには責任をもって大学入試に対応できる学力をつけられるように指導をしたいと思っています。
こちらは覚悟を持って生徒を指導をするので、生徒もある程度の覚悟を持って通塾してもらいたいと考えています。
3月7日 感覚の確認
当塾は映像媒体を用いずに、直接指導をすることにこだわっています。
どんなに良い映像授業の教材でも、映像の中の先生は生徒が正しく理解しているかを確認することは出来ません。
数学は論理的な学問ですが、感覚的な理解が必要なこともあり、授業を進めていく中でそういうものが身についているのかを確認することが大切だと考えています。
例えば、今日の授業でベクトルの並行条件について学んだときに「ベクトルを実数倍する」という処理が出てきました。
そこで「ベクトルを実数倍する」というのは図形的にはどういうことを意味するか生徒に尋ねると「ベクトルが伸び縮みします」という答が返ってきました。
また「かける実数が負の場合はどうなる?」と尋ねると「ベクトルの向きが反対になります」という答が返ってきました。
こういう反応が出来れば、ベクトルを学ぶ上で大切な感覚が身についていると分かります。
ベクトルを苦手にする生徒は、ベクトルを「数式のみ」「図のみ」で考えようとする傾向があり、数式と図が繋がっていないことが多いです。
数学が出来るようになるためには、こうした感覚がきちんと身についているのかを確認することが必要だと思っています。
3月8日 テストの採点
当塾では定期考査後に全教科の答案を持って来てもらっています。
学校の定期考査の点数は、必ずしも本当の学力と一致しているわけではありません。
それでも見せてもらっているのは、進路指導をするときに出来るだけ多くのデータを持っておきたいのと、テストに対してどのような取り組み方をしているのかを見ておきたいというのが理由です。
定期考査の答案を見ていると、数学以外については専門外なのでよく分かりませんが、数学の採点に関しては気になることが多いです。
愛媛県では高校入試の採点は採点基準が事前に決められており、更に何人もの先生がチェックするので、同じ学校であれば統一した採点が行われます。
それに対して定期考査の採点は、複数の先生がチェックをするわけではなく個人の裁量で採点をするので、担当する先生の主観が大きく反映されます。
先日返ってきた答案を見ていると、数学的には正しいのに、教科書に載っていない解き方をした解答が間違いとされていました。
また、別の問題では、正しく解けていないにも関わらず正解とされていました。
定期考査や模試の採点に関して完璧を求めることは難しいので、こうしたことが起こりうるという前提でいる方が精神衛生上良いように思います。
大学入試に対応する力をつけるためには、こういうことも含めて目先の点数にこだわるのではなく、本物の学力が付くことを優先して考えることが大切です。
3月9日 集団授業と個別指導について
当塾は集団講義形式で授業を行い、生徒の状況に応じて個別指導を行うという方法を取っています。
集団授業と個別指導は対になるものと思われがちですが、どちらか一方だけに偏るのではなく、両方の良いところを組み合わせて指導をすることが効果的だと考えています。
集団授業のデメリットとして、出来る生徒は出来ない生徒を待たなければならず、出来ない生徒は集団についていけないから出来るようにならないと言われています。
これは出来る生徒を待たせておくことが問題なので、出来る生徒には次々と課題を与えていけば待つ必要が無くなります。
また、出来ない生徒が集団についていけないことがあれば、そのときに個別でフォローをしてあげればよいだけです。
ただし、出来ないからといって個別指導だけで対応するのはあまり良くないと考えています。
出来ない生徒を個別で見ていると、自分のペースで勉強をして、いつまでたっても集団に追いつけないことがあります。
速く走る練習をするときに、紐で引っ張っていつもより速いスピードを体験させるように、他の人がどのようなペースで勉強を進めているのかを見せることは重要だと思っています。
また、生徒を指導するときには、単に勉強を教えるだけではなく人間関係が発生します。
個別だと1対1で関わるので相手のことが良く見える反面、見られていることが苦手な生徒もいますし、人によっては慣れ合いになる場合もあります。
集団だと1対多となるため人間関係が薄まるので、勉強に集中しやすくなるメリットがあるように思います。デメリットは生徒の様子をしっかり見ていないと変化を見落とすことでしょうか。
大切なのは「集団授業」「個別指導」という形式ではなく、指導者に生徒を導いていく力があるのかどうかです。
その前提で、最も良い方法を考えていきたいと思っています。
3月10日 高校入試と大学入試
愛媛県の公立高校入試は全ての学校が同一の問題で受験するという試験の性質上、極端な難化や、試験傾向の変化が起こりにくいため、練習と本番の点数が大きく異なることはそれほどありません。
また、現在は志願倍率が約1倍か1倍未満なので、入試までの準備で大体の合否が分かります。
それに対して国公立大学入試は問題が大学毎に異なり、傾向が例年と全く違うということも少なくないため、練習と本番の点数が大きく異なることが起こりやすくなります。
また、志願倍率の平均が前期試験で約3倍,後期試験で約9倍で、自分と同レベルの学力帯の人が受けるため県立高校入試とは比較にならない位、合格が難しい試験となります。
学力がついて受験する大学の難易度が上がると、試験の難易度も上がり、周りの受験生のレベルも上がっていきます。
矛盾しているようですが、大学受験は学力が上がるほど合格が難しくなる試験です。
国公立大学を目指す高校生は、自分が立ち向かう試験が厳しいことを知った上で、挑戦する気持ちを持ってもらいたいと思います。
3月11日 3.11
毎年、この日がやってきます。
今年で10年の節目になりますが、何年経ったとしてもこの日が来るたびに同じ気持ちで迎えることになると思います。
また、当時には感じなかったこととして、自分の子供が産まれ守らなければならない命が出来たことで、災禍に見舞われた人の無念をより強く感じるようになりました。
以下は、昨年までの日記を引用します。
明日3月12日は、毎年国公立大学の後期試験があります。
後期試験を受けに行く人は、前期試験を落ちた人ということになります。
周りが合格している中で、進路が決まらず勉強をすることは辛いと感じるかもしれません。
しかし、それは未来に向けた行動なので幸せなことだと思います。
仮に受験が上手く行かなくて浪人することになったとしても、そこで人生が終わるわけではありません。来年、もう一度受験すればいいだけです。
入試直前に亡くなってしまった生徒は、入試を受けることも出来なければ、それから先の全ての未来も無くなってしまいました。
時間が経つと忘れてしまうことが多いですが「3.11」に何があったのか、この日が来るたびに思いを馳せて記憶に留めていかなければならないと思います。
3月13日 教科書と指導方法
昨年の12月頃から高校2、3年生の復習教材を作っているのですが、ようやく完成の目処が立ってきました。
教材が出来ても、生徒に解いてもらって改訂をする必要があるので、実際に完成するのは2、3年後でしょうか。
学校で教員をしていたとき、研修などでよく言われた言葉に
『教科書を教えるのか』それとも『教科書で教えるのか』というものがありました。
『教科書を教えるのか』というのは、教科書に載っていることを出来る限り踏襲して授業を行うことだと思います。
『教科書で教えるのか』というのは、教科書の内容を踏まえた上で、ある程度、指導者の色を出して授業を行うことだと思います。
一見、下の方が良いように感じますが、指導力が無いのに自分の色を出すことは生徒の混乱を生みますし、特殊な教え方をしてしまうと他の先生の指導を受けるときに理解の妨げになる可能性もあります。
そういう事情があるので、私が学校で教員をしているときは『教科書を教えるのか』『教科書で教えるのか』のバランスを意識して指導をしていました。
現在、当塾の授業では、大学受験まで私が教えるという前提で指導を行うので『教科書』を用いていません。
演習をするのに問題集などは使いますが、単元毎の説明に関して、必要であれば教科書に載っていないことでも教えますし、教科書に載っていても不要なことは取り扱いません。
問題の解き方に関しても、大学入試問題を解くことを意識して、汎用性の高い解法を用いるので、教科書と異なることも少なくありません。
教育課程を終わらすことが目的ではなく、大学入試に対応する力をつけることを目的にすると、このような指導になります。
この指導方法の弊害として、復習をするときに市販の問題集を用いると、教えている解法と異なる解答が載っていることがあるので、理解しづらい場合が出てきます。
こういうことを以前から感じていたので、解答も含めて教材を自作しているというわけです。
一人で教えることのメリットをいかせるように、こちらがするべき努力をしたいと思います。
3月14日 お祝い会
今日は、先日坊っちゃん文学賞に入選した教え子のお祝い会を関係者で行いました。
このようなご時世なので愛媛に住んでいる少人数で行いましたが、色々な話が出来てとても楽しかったです。
今回参加した教え子達も気づけば26〜27才となり人生の転機を迎える頃になりました。
結婚の話題がメインでしたが、コロナが落ち着き次第、仕事で海外に赴任するという人もいて、時間は着実に流れているなと感じました。
様々なことにチャレンジしたり、様々な場所に旅立っていく生徒の話を聞けることは関わった者として何よりの喜びです。
3月16日 手遅れになる前に
年度替わりの時期ということもあり、最近、新高校2,3年生のお問い合わせをいただいています。
今の時期に途中入塾となった場合、新高校2年生は塾の授業に追いついて、これまでの学習範囲で抜けている内容を補填をするのに半年位時間をかけることが出来ます。
決して楽ではありませんが、本人の努力次第で大学入試に対応する学力を身につけられると思います。
それに対して、新高校3年生で数学が苦手な生徒が今から途中入塾をして大学入試に間に合わせるとなると、かなり厳しいです。
生徒の現状と入塾後の努力次第ではありますが、残り時間を考えると手遅れになっている人もいます。
当塾はそれを正直にお伝えしますし、面倒が見れないと感じた場合は入塾をお断りする場合もあります。
今までにそういうケースがありましたが、非常に心苦しかったです。
頑張りたい気持ちを持っている生徒は出来る限り手助けをしてあげたいと思っているので、途中入塾を考えられている場合は早めに連絡をいただきたいです。
3月18日 本当の勝負はこれから
今日は愛媛県の県立高校の合格発表日でした。
愛媛県の県立高校のほとんどが定員割れをしている現状、倍率が1倍を超えている学校を受験した生徒は、試験のときに緊張感があったのではないかと思います。
そのような高校受験が終わった人に知っておいてもらいたいのは、国公立大学の志願倍率の平均は3倍ということです。
これから国公立大学を目指す場合、試験内容、倍率、いずれも高校受験とは比較にならないほど厳しい試験を全国の生徒と争うことになります。
そこには大学受験に照準を当てて中高一貫校で学んできた生徒も参戦してきます。
新高校1年生の中には、高校受験が終わって暫く勉強のことは忘れたいと思っている人もいるかもしれませんが、本当の勝負はこれから始まります。
これは今日、合格した人にも不合格だった人にも言えることです。
どのような環境に進んだとしても、そこから先の道が自動的に決まるわけではありません。
どの高校に進学したのかではなく、高校でどのように過ごすのかが大切だと考えて、新たなスタートを切ってもらいたいと思います。
3月20日 春期講習
学校の終業式も終わり、当塾では今日から春期講習が始まりました。
春期講習と言っても授業で特別なことをするわけではなく、大学受験に向けて現在やるべきことを粛々と進めていきます。
いつもと変わることと言えば、生徒の来られる時間が多くなるので、短期集中で分野別の補講を行うことでしょうか。
今年の補講は「場合の数・確率」の授業を行う予定です(春期講習で取り扱うのは4年連続です)。
「場合の数・確率」は、何となく問題を解いて間違えるという生徒が多く、数学が得意な生徒でも安定感に欠ける場合があります。
これは、基礎的な考え方や、問題を解くための型が身についていないことが原因です。
簡単な問題は解けるけど少し難しくなると解けないという意見をよく聞きますが、実際には簡単な問題が正確に解けていない場合がほとんどです。
「場合の数・確率」は、正しい型を身につければ得点源になる分野なので、これまでに指導を受けていない途中入塾の生徒は是非、受講してもらいたいと思います。
3月21日 専門家
テレビなどで野球を見ていると、解説者が打者のバットの振り方のここが良い悪いと言っていることがあります。
そういう話を聞くのは面白いのですが、正直、良いところと悪いところの違いが分からず、ほとんど同じに見えます。
ただ、何人かの専門家が同じことを言っているので、分かる人には分かるのでしょう。
さて、昨日の日記にも書いてた通り、今日は補講で「場合の数・確率」の授業を行いました。
授業の初めに現状を知るため簡単な問題を解いてもらいました。
生徒の解答を見るとそれっぽく解いているように見えますが、野球で言うと、取りあえずバットを振ってみたというような感じでした。
おそらく、解説者の人はこのように見えているんだろうと思います。
参加している生徒は、苦手意識がある生徒ばかりなので現状はこれで構いません。
春休みの間にヒットが打てるフォームを身につけられるように指導をしたいと思います。
3月23日 指導の専門性
先日お問い合わせをいただいた方から「アルバイトの大学生が教えることもあるんですか」という質問を受けました。
現在、当塾は私1人で生徒を指導しています。
今後信頼のおける人が現れれば雇うかもしれませんが、現時点では替わりに教えてもらうことは考えていません。
先日、もうすぐ大学3回生になる卒業生と話をしたのですが
「高校内容の勉強を毎日やっているわけではないので、今、高校生の指導をするのは難しいと思います。」
と言っていました。
大学受験が終わった直後は知識も残っているでしょうが、入学後はどうしても抜けていってしまうので、これは誠実な意見だと思います。
大学入試に対応した高校の学習内容は、日常的に触れていない人が指導するのは難しいです。
質問された問題を解いたり、事前に準備をして1回毎の授業をすることは出来ると思いますが、分野間の繋がりや、大学入試を見据えた指導を行うことは、経験が無ければ無理だと思います。
これは大学生に限ったことではなく、高等学校の数学の先生でも似たようなことが起こります。
学年の持ち方によっては特定の分野の授業を何年もしないことがあり、久しぶりに授業をする場合、どのような内容だったかを忘れていることがあります。
そのような状況だと、分野間の繋がりを意識した授業をすることが難しくなります。
高校の内容を安定して指導するためには、常に全範囲を指導する状況に身を置くか、授業外で知識のメンテナンスをする必要があります。
こうしたことをアルバイトの大学生に課すことは現実的ではないという思いから、当塾では大学生を雇っていません。
ただ、上記のことはあるレベル以上の大学入試を見据えて継続的に教科指導をする場合なので、勉強に対するモチベーションを上げたい場合や、勉強をする環境を整えてほしい場合は、年齢が近い分、大学生が指導する方が適しているかもしれません。
塾や家庭教師を探す場合は、指導に何を求めるのかを明確にして探された方が良いと思います。
3月24日 当塾の特徴
昨日の日記に書きましたが、塾や家庭教師を探す場合は、指導に何を求めるのかを明確にして探された方が良いと思います。
塾にはそれぞれ特徴があるので、生徒によって合う合わないがあります。
私の考える当塾の特徴は、派手さや、革新的なところが無いところだと思います。
大学入試を見据えて、やるべきことをコツコツとやっていきます。
特に基礎的な内容に関しては100%の精度で正確に処理できるようにしておかなければいけないと考えているので、計算練習をさせるときは全員の解答を確認してその場で指摘します。
裏技的な手法や、楽して出来るようになるような方法は教えず(そもそもそんなものは存在しませんが)、目先の点数よりも、本質的な理解と基礎能力の向上に重点をおいて指導します。
長年教えていて、学力を伸ばすのには結局この方法が最も効率が良いという結論になりました。
昔ながらの実直な塾を求められている方は、良いと感じていただけるかもしれません。
3月26日 4月の予定表
4月の予定表をTOPページにアップしました。
春期講習を4月7日まで行い、4月8日以降は通常日程になります。
当塾は時間を多く確保するために、曜日では無く月毎の予定表に従って授業を行います。
講師が複数いる塾は学校毎に講座を作ることもできますが、当塾は1人で指導をしているので、このような方法を取らせていただいています。
多少面倒かもしれませんが、自分の予定を自分で確認するようになるメリットもあります。
勉強だけではなく、こうした行動面でも成長してもらいたいと思っています。
3月27日 初授業
今日は新高校1年生の初めての授業でした。
いつものことですが生徒を初めて指導するときは、多くのエネルギーを消費します。
勉強の内容を教えるだけではなく、勉強の仕方や進め方などが伝わっているかを確認しながらとなるので、細かいことに気を配らなければなりません。
ただ、慣れていない人の対応に疲れるのはこちらだけではなく、生徒も暫くは緊張して疲れるでしょう。
お互いにどうすれば相手がやりやすいかを考えながら、勉強を頑張れる空間を作って行ければ良いなと思っています。
3月28日 こういうことを尋ねています
当塾の数学の指導は「何故なのか」ということに重点をおいています。
理由や背景を教えずに、公式や問題の解き方を覚えさせる方が手っ取り早く点数が取れそうに感じるかもしれませんが、それは出題される問題が分かっているときにしか通用しません。
言葉の定義や公式が成り立つ理由を確認するのは、一見遠回りに感じるかもしれませんが、大学入試に対応した力を身につけるためには近道だと思います。
最近の授業で何度か出てきたのですが
「三角形の外心と内心の位置は、どのように作図する?」
と生徒に尋ねると
多くの生徒が
「内角の二等分線の交点」
「辺の垂直二等分線の交点」
「頂点から対辺の中点に引いた直線の交点」
「頂点から対辺に引いた垂線の交点」
の中から、当たれば良いなと勘で答えます。
正しく答えられる生徒もいますが
「外心が、辺の垂直二等分線の交点になる理由は?」
と尋ねると、答えられないことが多いです。
これは「垂直二等分線」がどのような性質を持った直線なのかを理解出来ていないからです。
このような本質的なことを理解しておけば、結論を暗記しなくても答えることが出来ます。
また、暗記の裏付けとなるので、忘れることが無くなります。
手間がかかりますが、こうしたことを一々確認することが、数学の力をつけるためには必要だと思って指導しています。
3月29日 前半終了
今日で春期講習の前半が終了しました。
明日はお休みをいただいて、3月31日から4月7日まで後半の講習を行います。
今年は途中入塾の生徒が複数いるのでほぼ毎日8時間程授業をすることになっています。
例年こんなに詰めてやっていたかなと過去の予定を見てみると、昨年以外は今年と同じ位やっていました。
これがやりたくない労働だと苦痛でしょうが、やりたいことを仕事に出来ているので、とても幸せだと思っています。
3月31日 基礎の説明は難しい
高校1年生は今日3回目の授業でした。
内容は中学校から高校への橋渡しとして、高校数学の基礎を扱っています。
毎年、基礎的な内容を教えることが最も難しいと感じます。
「こうなるから覚えなさい」というような指導は、その瞬間は良かったとしても、その後必ず行き詰まります。
かといって、論理を厳密にしすぎると理解出来る生徒は限られてしまいます。
当塾の指導は「覚える」よりも「理解する」ことを重視していますが、論理性を崩さずに生徒が理解出来るような説明をするのはとても難しいです。
また、生徒に基礎的な内容の練習をさせると、何となくで解いてしまいがちなので、そうならないように勉強の仕方を身につけさせることも大切です。
高校1年生の初期に取り扱う内容の難易度は高くありませんが、指導の難易度は高いので、暫くは細かい指導が必要になりそうです。