2023 10月
10月1日 現在の進度状況
先日、久しぶりに学校の教員時代の同僚と食事に行きました。
話を聞くと、相変わらずというか、以前よりも現場の先生達は大変になっていると感じました。
本来は組織として取り組むような仕事も、個人の頑張りで何とか回しているということが多く、本当に苦労されています。
この日記では学校にはこうしてもらいたいと書くことがありますが、それは難しいことは理解した上で書いています。
学校の先生が、生徒のために使える時間を多く取れるような改革が進んでもらいたいと思っています。
令和5年10月1日現在の進度状況
1年生 数学T・・・三角比まで修了
2年生 数学B・・・「平面ベクトル」まで修了
3年生B 総合演習32回目まで解説済
3年生V 総合演習24回目まで解説済
10月3日 高校2年生の途中入塾について
例年10〜12月にかけて高校2年生のお問い合わせが多くなるので、昨年の同時期に書いた内容を編集して再掲載しておきます。
〜〜ここから〜〜
個人差はありますが、今の時期に入塾した高校2年生が大学入試で数学を使えるようになるためには、かなりハードなスケジュールで勉強をしないと間に合いません。
その理由は、大丈夫だと思っている分野でも指導をしてみると身につけておいてほしいことが身についていないことが多く、各分野の補講が必要になるからです。
大学入試問題を解けるようになるためには、学校の定期考査で平均点以上を取れていれば大丈夫というわけではありません。
内容を理解して点数が取れているのか、テストの後に復習をして内容が定着しているのかが重要で、それが出来ていない生徒がほとんどだと感じます。
大学入試問題を解けるようになるためには、全分野の基礎的な内容がほぼ完璧に身についていることが前提で、その後に演習を行う必要があります。
逆算をすると、高校3年生の6〜7月までに全分野の復習を終えてから、本格的な演習に入るべきだと考えているので、当塾の文系の指導は高校2年生の12月から6ヵ月程かけて復習を行います。
この時期にしっかり復習している生徒は、高校3年生になってかからの伸びが非常に大きいと感じます。
比較すると、高校3年生になってから入塾する生徒は、どうしても基礎内容の定着が弱いので、相当頑張らないと演習の効果が得にくいと感じます(高校3年生は、入塾時にそういう話をさせていただいています)。
現時点で数学に苦手意識を感じている生徒が大学入試で数学を使おうとすると、残された時間は少ないことを知っておいてもらいたいと思います。
〜〜ここまで〜〜
現在の高校2年生から新課程となるので、例年までと授業の進め方が変わります。
当塾では11月前半に「数学TAUB」の「統計的な推測」を除く授業が修了する予定です。
そこから理系は「数学C」の「複素数平面」に、文系は「数学B」の「統計的な推測」に入る予定です。
新課程での共通テストの「数学UBC」は「数列」「ベクトル」「統計的な推測」「平面上の曲線と複素数平面」から3分野を選択することになり、「数列」「ベクトル」は全員が選択すると思われます。
残り1つの分野は2次試験のことを考えると、理系の生徒は「平面上の曲線と複素数平面」を選択する方が学習量が少なくなるため、当塾の理系では「統計的な推測」の授業を行いません。
学校の成績ではなく、大学入試に照準を当てた指導をしますので、ご理解ください。
10月6日 「整数の性質」の取り扱い
高校1年生は今日から「整数の性質」の授業に入りました。
色々と思うところがあったのですが、大学入試のことを考えれば今の時期に授業をするべきだろうと判断しました。
というのは、昨年の11月頃に共通テストの試験範囲がほぼ確定の形で発表されたからです。
現在の高校3年生までの共通テストの数学Aの分野は「場合の数・確率」「図形の性質」「整数の性質」の3分野から2分野を選択となっていました。
それが現在の高校2年生から共通テストの数学Aの分野は「場合の数・確率」「図形の性質」の2分野が必答で「整数の性質」の選択が無くなります。
このため、共通テストまでしか数学を用いない生徒は「整数の性質」を勉強しなくても良いことになりました。
しかし、他の分野で「整数の性質」で学習する内容を用いることがあるので、2次試験で数学を用いる可能性があるのなら、勉強をしておかないと困ることになります。
この「整数の性質」が明確に教科書に掲載されたのは、現在の高校3年生の教育課程からで、それ以前は教科書に載っていないのに大学入試には出題されるという内容でした。
私が高校生の時もそうで、他分野の問題を解いているときに習っていない「整数の性質」が出てきて戸惑った記憶があります。
ですから、昔は「整数の性質」の内容がまとめられた本を買って個人的に勉強をするしかありませんでした。
それが教科書に載るようになり学習がしやすくなって良かったと思っていたのですが、今回の発表で教科書には載るけれど共通テストでは出題されないという立ち位置にされてしまいました。
知り合いの学校の先生に聞いてみると、以前と変わらず「整数の性質」の授業をするという学校もあれば、現在の高校1年生からは授業をやめるという学校もあるようです。
所属する学校によって学習内容に違いが出たり、進度が異なるのは以前からあったことなので、それ自体が悪いわけではありません。
これは「整数の性質」の分野だけに限ったことでは無いので、大学入試は必ずしも学校や塾に任せておけば大丈夫というわけではなく、能動的に努力をする必要があることを知っておいてもらいたいと思います。
10月9日 合格祝い
昨日、2人の卒業生の合格祝いに食事に行ってきました。
一人は大学4年生で小学校教諭に合格し、もう一人は講師を8年勤めて高校教諭に合格しました。
学校の教員になる場合、大学卒業と同時に正採用になるのが収入面では安定しますが、経験が少ない状態で多くの仕事を任せられることもあるので5年間位は苦労するように思います。
一方、講師を長く続けて経験を積むと正採用になってから働きやすいですが、合格するまでは将来を考えて不安に感じることがあります。
一長一短なので、どちらが良いということはありません。
教員にとって一番大切なことは、目の前の生徒に対してどういう気持ちで働くかだと思うので、自分の出来る範囲で一所懸命に頑張ってもらいたいです。
10月11日 「何も見ないで解ける」ようにする
各学校の定期考査が終わり、返却された答案用紙を見せてもらっています。
まずは基礎的な内容がきちんと身についているかを見て、その後、難しい問題にどれだけ対応できているかを確認しています。
毎回感じることなのですが、説明をしたり生徒が練習で解けていた問題が試験に出題されていても、必ずしも解けるわけではありません。
計算ミスをしていたり、練習のときに引っかかっていたことがクリアできていなかったり、正確に表現できていなかったりします。
では、どうすれば良いかというと、細部まで意味を理解して、内容が定着するまで何度も反復練習をするしかありません。
「解いたことがある」「ノートを見ながら解けた」「解説を見て理解した」というのと、「何も見ないで解ける」というのは全くの別物です。
大学入試は全分野の問題を「何も見ないで解ける」という状態に仕上げていく必要があります。
定期考査のための勉強をするときも、そういう意識で取り組んでほしいです。
10月12日 白紙の原因
難関大学を受験した生徒から、受験会場で周りの受験生が白紙のまま答案を提出していたと聞くことがあります。
高校3年生の演習も後半に入り、問題の難易度が上がってきて白紙の答案を提出する生徒もいますが、本番ではそうならないように練習をしてもらいたいです。
基礎的な内容が身についているにも関わらず、答案が白紙になる原因は次のようなものがあります。
・その問題の解き方を知らない
大学入試問題の中には知らないと対応が出来ないものが含まれます。全ての問題を覚えることは不可能ですが、知っておかなければならない頻出パターンは覚えるしかありません。
・問題文が短すぎて何をすればいいのか分からない
短い問題文で小問を出題せず、解答までの論理構成を問われる場合、1手目に何をすれば良いか分からず白紙になることがあります。
・問題文が長すぎて何をすればいいのか分からない
上記とは逆に、問題文が長すぎてどこから手をつけていいのか分からず、何も書けないということがあります。
・式が複雑で計算をする気が起こらない
何をやるべきかは分かっていても、複雑な式が与えられた場合、諦めてしまって計算を進めない生徒がいます。
・選択肢が多すぎて何も書かない
与えられた条件から調べないといけないことが複数あったり、問題を解くための進め方が複数ある場合、諦めて何も書かない場合があります。
一番上の理由は、知識があるかどうかなので白紙になるのは仕方ないです。
しかし、それ以外は諦めてしまっていたり、面倒臭くてやる気が起こらないことが根本にあるように感じます。
慣れないうちは何を考えて書き始めれば良いのかが分かりにくいとは思うのですが、まずは部分的にでも式を立ててみたり、条件を整理してみたり、とにかく何かを書こうとしないと、いつまで経っても白紙のままです。
仮に最後まで行き着かなくても、部分的に書くことで点数が与えられたり、書いている内に進め方に気づくということもあります。
基礎内容が身についていない勉強の初期段階では、分からないときは直ぐに解答を見れば良いのですが、難しい問題が解けるようになるためには直ぐに解答を見ていると、分からないときの対処の仕方が身につきません。
分からない問題の解説を見たり聞いたりするまでに、どれだけ真剣に考えられたかが学力の伸びに直結すると思います。
10月14日 簡単なことが難しく書いてある
現在、高校1年生は「整数」の授業をしています。
この分野は、一般的な高校生には独学が難しいと思います。
例えば、教科書には合同式の説明が次のように載っています。
「mを正の整数,a,bを整数とする。a-bがmの倍数であるとき,a,bはmを法として合同であるといい,a≡b(mod m)と表す。この式を合同式という。」
この文章を読んで、なるほどと直ぐに分かる人は数学のセンスが相当あると思います。
実際に問題を解くときには「a,bをmで割ったときの余りが同じであれば,a≡b(mod m)と表す」として用いることになります。
このように説明されてもほとんどの生徒はピンと来ずに、具体的な数で何が出来るのか説明を聞くうちに徐々に理解が出来てきます。
この分野に限らず、高校数学の独学が多くの人にとって難しいのは、定義をしっかりと理解してから問題を解いた方が良い場合と、定義は曖昧でも構わないので問題を解くことで理解を深めた方が良い場合があり、その判断が出来ないからです。
勉強の時間が多く取れる人や、独学が効率良く出来る人は一人で進めても良いのですが、そうでなければ誰かに師事する方が良いと思います。
10月15日 楽しい添削
当塾の高校3年生の演習は問題を解いてきて、その場で添削をした後、解説をします。
添削をするために私も事前に問題を解いて何通りかの解き方を想定します。
今日の高校3年生の講座では、生徒が皆バラバラの解き方をしていて、こちらが考えていなかった解き方をしている生徒もいました。
しかも、全員の解答の書き方が上手くなっていて、学力が伸びていると感じられました。
この調子でいけば入試本番でも十分に力を発揮できると思うので、あと数か月、頑張ってもらいたいです。
10月18日 密かな目標
8月の日記で筋トレを継続して1年が経過したと書きました。
筋トレの目的は健康でいることなのですが、久しぶりにあった人に何か体つきが変わったねと言われることを密かな目標にしていました。
それで、昨日1年半ぶりにあった人にそれを言われたので、凄く嬉しかったです。
人間は成長や変化を感じると、もっと頑張ろうとモチベーションが上がります。
勉強もスポーツも、それ以外のことでも、半年、1年と継続していけば何かしらの変化はあるので、まずは毎日努力を続けましょう。
10月19日 難しすぎる問題
今日の高校3年生の演習で、難しすぎる問題を取り扱いました。
簡単に解けそうに見えて、実際に解いてみると私でも難しいと感じる問題だったので、ほとんどの生徒は手が出ていませんでした。
難しすぎる問題ばかり解いていても学力を上げる効果は無いのですが、大学入試に出題される可能性があると知っておくことは必要だと思っています。
毎年、難関大学の入試問題を解いていると、時間内に解ける生徒が本当にいるのかと感じる問題をチラホラ見かけます。
大学入試は満点が必要な試験ではなく、与えられた時間内に合格するための点数を取る試験なので、本番ではそういう問題を見抜いて飛ばし、解ける問題に時間をかけるべきです。
高校1、2年生はそういう細かいことは考えず、時間をかけて本質的な内容を身につけてもらいたいのですが、入試が近づいてきた高校3年生は、徐々に入試本番に照準を当てた勉強をするのが良いように思います。
10月21日 戦略的な勉強
国公立大学を志望している高校3年生は共通テストまで残り80日余りとなりました。
残り時間は多くないので、これからは試験の合計点数が最大になるように、また入試で有利になるように、より戦略的に勉強をするべきです。
良くあるのは次のようなケースです。
理系の生徒で理科2科目が、現時点でどちらも40点だとします。
こういう場合、均等に勉強をして60点×2で120点になるよりも、70点と50点で120点の方が大学入試では有利になりやすいです。
大学によっては良い方の点数のみを用いたり、傾斜配点によって良い方の点数が1.5倍になったりすることがあります。
また、2次試験で理科の選択が1科目の大学もあるので、一方の点数の方が高い方が合格する可能性が高くなる場合があります。
次に、理系の生徒で地歴の勉強が進まない場合は、公民での受験を選択することができます。
学校の授業は無視することになりますが、学習量が少なくて済むのと、地歴に比べて点数の取りやすい出題が多い傾向にあります。
全ての科目をまんべんなく勉強して、学校のカリキュラム通りの受験科目を選択することが理想かもしれませんが、残り日数で出来ることが計算出来る状態になった時期には、自分の置かれている状況を冷静に考えることも必要です。
こうした話をすることもあるので、マークタイプの模試の点数は逐一報告をしてもらうようにしています。
10月22日 頭を使うときの温度
棋士の藤井聡太さんと永瀬拓矢さんがタイトル戦の前に対局場の検分をしたときに、室温をもう少し下げて欲しいという要望があり22°にしたという記事を見ました。
たまたまですが当塾の室温は基本的に22°に設定しています。
パソコンを稼働させていると熱くなるように、人間の脳も使っていると熱が発生するようになっています。
温度の感じ方は人それぞれで、また何をするかによって適温は異なるでしょうが、少し寒い位の方が勉強には適していると思っています。
ただ、寒いと感じる生徒もいるようなので、そういう場合は、席を変わったり上着を着て調整してもらうようにしています。
大学入試本番では、会場によって暑かったり寒かったりするので、普段から自分である程度の調整が出来るようにしておくことも大切です。
10月24日 11月の予定表
11月の予定表をTOPページにアップしました。
高校3年生は、11月は2〜3回マークタイプの演習をして、残りの授業は記述式の演習を行います。
12月は2〜3回記述式の演習をして、残りはマークタイプの演習を行う予定です。
共通テストで安定して点数を取れるようになるためには、マークタイプの練習だけをするよりも、出来る限り記述の演習をしてからマークタイプに慣れる練習をすることが有効だと考えています。
高校2年生は11月前半から数学Vが必要か不要かで講座を分けます。
現在は理系に所属していて数学Vが不要という生徒はいません。
しかし、受験する大学の学部が確定すると、理系でも数学Vが不要になることがあります。
また、理系から文系に文転することもあるので、そういう場合は数学Vが不要の講座に移ることになります。
以前からお伝えしている通り、当塾では数学Bの「統計的な推測」の授業は理系の講座では行わず、文系の講座のみ実施します。
高校2年生で数学に苦手意識のある生徒が大学受験に間に合わせるためには、今から入塾したとして、かなり頑張ってギリギリ間に合うかという時期になっています。
入塾を検討されている方は、お早めにご相談ください。
高校1年生の講座は11月で数学TAが終了して、12月から数学Uの授業に入る予定です。
生徒の様子によっては11月の内に数学Uに入るかもしれません。
内容が定着しているのであれば授業を早く進めた方が大学入試では有利になるので、出来る限り早く進めたいと考えています。
途中入塾をご希望される場合は、学校で授業を受けていない内容に関しては個別指導で対応しますのでご相談ください。
10月25日 気合と根性
令和の現代は何かを身につけるときに、科学や統計学のようなデータで処理しようとする傾向があるように感じます。
もちろんそれは大切なのですが、データを眺めているだけだったり、こうすれば良いという方法論を知るだけでは身につけることは出来ません。
今出来ないことを出来るようにするためには、気合いと根性という昭和的な匂いのすることが大切だと思っています。
私事ですが、最近、筋トレの目標の一つとしてきた、懸垂15回×3セットを達成することが出来ました。
13回×3セット→14回×3セットは3週間ほどで達成できたのですが、14回×3セット→15回×3セットは3ヵ月ほどかかりました。
これ以上は伸びないと思うようなことでも、気合と根性でやり続ければ出来るようになることもあります。
高校の数学は量が多く、内容も難しいため点数が伸び悩む時期が長いのですが、成果が出ない時期をいかに頑張れるかが大切です。
気合と根性で頑張りましょう。
10月28日 内容以前の話
大学入試で記述式の試験は、答えが合っているかではなく、答えに至るまでの道筋を論理的に説明出来ているのかを問われます。
数学が得意だと思っている生徒でも、添削をすると数式の表現がイマイチだったり、論理的な説明になっていない部分があったりと、中々完璧な解答になっていません。
ですから、記述式の試験を受けるのであれば、添削指導を受けているかどうかで差がつく可能性があります。
そして、添削指導をしていると内容以前の話として、文字に難がある生徒がいます。
特に、男子に多いように感じます。
文字が読み取れないものや、別の文字にも見えるものなど、相手に正確に伝えようという気が感じられない文字は、入試本番でどのように評価されるのか分かりません。
添削では、この文字がダメということも指摘しますが、癖になっているので中々直りません。
上手な文字を書く必要はありませんが、「他の何かに見えないように丁寧に文字を書く」ことを意識して取り組んでほしいです。
10月29日 作れるようになりましょう
大学入試では、整数の桁数を求めたり、桁数が条件になっている問題が出題されます。
2桁や3桁程度であればそれほど難しくないのですが、50桁やn桁となると、実際に書くことが出来ないので分からないという生徒が増えます。
こういう問題が安定して解けるようになるためには、書ける数で実験をして、どのように表せばよいか法則性を確認する習慣をつけることが大切です。
これは桁数だけに限った話ではありません。
どうしても分からないことがあったり、覚えないと仕方がないことを忘れた時は参考書などで確認するしかありませんが、実験で確認をしたり、自分で公式を作れるものは、作り出す練習をしておくと試験本番で忘れたときでも対応することが出来ます。
何を作れるようにして何を覚えるべきなのか、始めは自分で判断をするのが難しいので、授業ではそういうことも伝えています。
地味な作業ですが、何も見ずに自分で公式などを作る練習をすると学力向上に繋がります。