2025 6月
6月2日 受験科目と学校の授業について
先日、今後の授業方針を決めるために高校3年生と面談を行いました。
当塾では生徒の学力によって演習に用いる問題の難易度を調整します。
それに加えて3〜4カ月毎に志望大学を聞いて最終地点に向けて何をするのかも考えます。
面談をしていると、ある理系の生徒が「経済学部」を志望していると言ってきました。
「理系から文系へ文転をするのか?」と聞くと「数学Vは使わないけれど、文転はしない」と言うので、どういうことか尋ねると
「共通テストで地歴公民1科目と理科発展2科目で受験できる経済学部があるので、そこを受けようと思っています」ということでした。
確かにそれで受験が出来る経済学部はありますが、経済学部は
「地歴公民2科目と(理科基礎2科目または理科発展1科目)」・・・※
でしか受けられない国公立大学の方が多いです。
それであれば、中途半端なことをせずに文転した方が良いんじゃないかと言うと、学校で理科発展2科目の授業があるし、公民の授業をやっていないからそれでは受験が出来ないということでした。
個人的な考えですが、学校で授業を受けていない科目でも自分で勉強をして大学入試を受けることは出来るので、学校のカリキュラムが合っていない場合、学校の授業を無視するのが正解です。
そうしなければ「地学」を開講している高校が少ないので「地学」で受験することが出来ません。
また、「物理」「化学」「世界史」などに極端に苦手意識がある場合、それを避ける方法があるのに、学校の授業で取っているからという理由で不利な受験をしないといけなくなります。
学校の授業は高校卒業資格の単位認定に必要なだけであって、大学入試の受験科目とは関係がありません。
この認識を持って受験科目を選ばないと、高校3年生はこれから先の受験勉強でしなくても良い苦労をする可能性があります。
学校の授業と大学入試科目が同じであるのが理想ですが、そうではない場合もあることは知っておいてほしいです。
6月3日 共通テスト(数学)で意識すること
今日の高校3年生の座はマークタイプの演習を行いました。
これまで模試でマークタイプの問題を解いたことはあっても、時間を意識して取り組んでいた生徒は少ないように思います。
共通テストの数学で最も大切なのは問題を解く学力で、その次に大切なのが時間配分だと考えています。
現時点では学力が足りていないので解けない問題が多いでしょうが、ある程度学力がついてくると時間が足りなくなってきます。
本番で一番ダメなのは、時間配分を間違えて解けるはずの問題が解けないということです。
今日取り扱った問題は、難易度はそれほどではないけれど分量的に時間が足りなくなるものだったので、設定した時間が来たら次の問題に移ることを意識して練習してもらいました。
これから模試を受けるときも漠然と取り組むのではなく、時間を意識して解くようにしてもらいたいと思います。
6月4日 共通テストの性質
昨日の日記で共通テスト(数学)の練習では、時間を意識して取り組むことが大切だと書きました。
ただ、その前に最も大切なことは「問題を解く力」だと書きました。
時間が無制限にあっても30〜40点しか取れないのであれば、時間を意識して取り組んでもそれが点数の上限になってしまいます。
まずは時間が無制限であれば80〜90点取れる学力をつけなければ、時間を計って練習をする意味がそれほどありません。
では、どうすれば学力がつくのかというと、基礎内容を定着させて記述演習を行うのが良いと思います。
共通テストまでしか数学を使わない生徒はマークタイプの問題練習のみをやりがちですが、共通テストは公式を覚えて頻出問題を解けば対応できるものではなく、その場で考えて答える力を問われます。
安定して点数が取れるようになるためには本物の学力をつけるしかなく、初めて見た問題を考えて解くような練習をする必要があります。
個人的には、センター試験のように類題を練習すればそれなりの点数が取れる試験の方が1次試験には適していると思いますが、共通テストはそういう試験ではありません。
数学に関しては、昔よりも今の方が厳しい環境になっていると感じます。
6月5日 個別指導について
当塾の指導は集団講義がメインで、不足する部分を個別指導で補填するというようにしています。
改めて書いているのは、最近何件か個別指導のみで見てもらえないかというお問い合わせをいただいたからです。
当塾は出来る限り授業を多く入れられるように、変則日程を組んで予定表に従って通塾してもらうようになっています。
そのため、個別指導を日程に組み込むとメインの授業が組めなくなってしまいます。
現在は、個別指導は無料とする代わりに空き時間があるときのみの対応とさせていただいています。
お問い合わせいただいた方にはお力になれず申し訳ありませんが、当塾の運営方針をご理解いただければ幸いです。
6月7日 良くあることです
今日、ある生徒から高校2年生になって学校の授業進度が遅くなったという話を聞きました。
確認すると高校1年生の3学期には当塾と同じくらいの進度だったのが、現在は2つの単元分程の進度差がついているので、1年次と比べると大分遅くなっていると感じます。
毎年生徒から学校の授業進度を聞いていると、同じ学校でも年によって速度が異なります。
学校の授業を担当している教員は学年単位で動くので、責任者の考え方によって速度が変わることはあり得ます。
これは良いとか悪いとかの話ではなく、こういうことがあるのを知っておくことが大切です。
学校の授業や課題を真面目に取り組むことは良いとしても、それに依存したり盲目的に従うのは危険です。
数学に限らず、どの科目でも大学入試に対する受験勉強は自分で進めていくものだと考えておきましょう。
6月8日 頑張る生徒を応援します
最近、何名かの生徒が自主的に塾に来て継続的に復習をしています。
取り組み方は様々で、個別指導を受ける生徒、自習室を利用している生徒、空席がある講座のときに後ろの席で復習をしている生徒もいます。
自主的に来るのが理想ですが、復習に来た方が良いと感じる生徒にはこちらから声掛けをすることもあります。
当塾の姿勢として、生徒に努力をする気持ちがあれば出来る限り協力したいと考えています。
昨日の日記にも書きましたが、大学入試に向けての勉強は基本的には自己責任で行うしかありません。
そういう気持ちを持って取り組んでいると感じる生徒は応援したくなります。
6月10日 苦戦してます
最近の授業で高校1年生は「絶対値を含む2次方程式・2次不等式」、高校2年生は「漸化式」を取り扱ったのですが、中々答えが合わない生徒が多かったです。
いずれの内容にも共通するのは、公式を一つ用いるだけでは解けないというところです。
正しい答えに辿り着くまでに3〜5段階程の手順を全て正しく行わなければなりません。
見ていると、途中で記入ミス(+をーと書く等)をしていたり、計算ミスをしていたりと、細部で間違えているものが多かったように思います。
それだとまだ良くて、説明された手順を全く再現できていなかったり、計算法則を無視しているというものも散見されました。
計算を安定させるためには、思い込みで処理をするのではなくルールを厳格に守る意識が大切です。
手順が増えると極端に正答率が下がるようでは本格的な入試演習に入ったときに苦労するので、各単元を学習しているときに正しい勉強の姿勢を身につけてもらいたいと思います。
6月12日 指導者の知識
高校2年生の講座は「数列」分野後半にある「漸化式」の授業をしています。
これまでの経験から、途中入塾してきた生徒はもれなく「漸化式」を苦手にしています。
その理由は複数あるのですが、原因の一つは大学入試に出題される覚えないといけない形が教科書に全て載っていないことです。
そして厄介なのが、参考書には身につけなくても良い形まで載っています。
そのため「漸化式」は、ほとんどの学校や塾、予備校で指導者が教材を作成して指導します。
ただし、学校の教材を見ると過不足なく作られているものと、そうではないものが見受けられます。
日常的に大学入試問題を解いていないと、どこまで指導をしないといけないのか指導者にも分からないと思います。