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2021 12月


12月3日 確率で考える大学入試

実際に大学入試を受験をするのは人間なので理論値通りにはいくとは限りませんが、私が進路指導をするときには確率をベースに考えます。

進路指導の項に書いていることを掲載すると長くなるのでまとめると、当塾が予測する国公立大学に合格するための得点率の精度は
前期試験が91%程度
中期試験が57%程度
後期試験が89%程度
となっています。

前期試験の的中率が91%は高いように感じるかもしれませんが、提示された点数をとっても
10回に1回は落ちると考えると、心もとない確率と感じます。

これが前期、中期、後期とも予測した点数を取って全て不合格になる確率は
4/46 × 3/28 × 3/7 = 0.4%
となり、250回受験して1回起こる確率となります。

実際に提示された点数が取れるのかは別の話ですが、仮に点数が取れていて不合格であれば仕方がないと感じる確率ではないかと思います。


また、別の確率の用い方として、私立大学を複数回受験する場合、生徒の実力と過去の入試問題から合格最低点を超えられる確率を予測したとします。

それを元に何回受験すると、合格する確率が安心できる値になるかを考えてみます。

以下は、小数点以下を四捨五入した数値です。

1回の試験で合格できる確率が60%のとき
受験回数  合格する確率
 1回    60%
 2回    84%
 3回    94%
 4回    97%
 5回    99%

1回の試験で合格できる確率が50%のとき
受験回数  合格する確率
 1回    50%
 2回    75%
 3回    88%
 4回    94%
 5回    97%

1回の試験で合格できる確率が40%のとき
受験回数  合格する確率
 1回    40%
 2回    64%
 3回    78%
 4回    87%
 5回    92%

1回の試験で合格できる確率が30%のとき
受験回数  合格する確率
 1回    30%
 2回    51%
 3回    66%
 4回    76%
 5回    83%

1回の試験で合格できる確率が20%のとき
受験回数  合格する確率
 1回    20%
 2回    36%
 3回    49%
 4回    59%
 5回    67%

10%刻みで5回受験した場合の概数を計算してみました。

私立大学は1回当たりの受験料が3万5千円前後(医歯薬系は更に高くなることもある)となっています。

多く受けた方が有利なのは当然ですが、追加で3万5千円を払う価値があるのかを検討したいところです。

以前実際にあった話として、ある生徒が受験をする予定の私立大学は1回50〜60%位の確率で合格出来るだろうから、4回受験をさせてもらえるのであれば95%位の確率で合格出来るはずなので、その大学を指定校推薦で受ける必要はないと伝えました。

2回目の試験までは不合格で3回目以降で合格出来たので、予測通りにいったかなと思います。

もちろん初期条件の「50〜60%位の確率で合格出来る」が間違っていれば何の根拠も無いのですが、指導をした時間が長い生徒であれば、ある程度は判断が出来ると思います。

始めに書いたように、これは数字だけの話で実際は人間の感情や運、不運もあるので確率通りにいくとは限りません。

それでも、こういう数値をベースとして進路指導に用いることは大切だと思っています。


12月5日 分かっています

現在、高校1年生は数学Uの内容に入りました。

始めは数学Tのときにも出てきた計算なので、軽く流して良いと思ったら間違いです。

これまでの指導経験から、問題を解かせてみると苦戦する生徒の割合が高いことが分かっています。

昨日と今日の授業では、想定通り苦戦をしている生徒が多数見受けられました。

塾を始めた頃は、これくらいの計算で手こずっていて大学入試問題が解けるようになるんだろうかと思っていました。

今では計算で生徒が苦戦するのは毎年のことで、練習をしていると段々と慣れてきて、速度も精度も上がっていくことが分かっています。

ただし、生徒によってはしつこく復習をさせないと身につかないので、全て生徒任せにしていては、いつまで経っても出来るようにならないことも分かっています。

そして、しつこくやらなければならない生徒ほど、1人では練習しないことも分かっています。

そういうことを鑑みて、当塾では授業中に復習をする時間を設けています。


12月7日 自分の添削

先日の日記で「高校2年生B」講座は、独自の教材で勉強を進めていくと書きました。

生徒に配布する前に教材を見直していると、手直しをしたい箇所が多数見つかったので、現在、再チェック&手直しを加えていっています。

前年の教材が全くダメだったということではないのですが、1年間経つと私自身も成長をするので、こうした方が良いと気づくことがあります。

おそらく来年も、同じように手直しをすると思います。

大変手間のかかる作業であっても、納得がいかないまま授業をするのは嫌なので、コツコツやっていこうと思います。


12月8日 中等教育学校で入塾をお考えの方へ

例年1月の中旬〜後半位に来年度の入塾のお知らせを掲載しているのですが、最近何件か来年度のお問い合わせをいただいたので、これから学年別、学校別のお知らせを載せていこうと思います。

TOPページに
中等教育学校生で入塾をお考えの方へ
を掲載しました。

中等教育学校は、高等学校とカリキュラムが異なっているため、生徒の状況に応じて所属する講座が変わることになります。

当塾の指導は、基本的には高等学校の数学のみとなるので、受け入れは中学3年生からとなりますが、中学校の内容が不安な場合は中学2年生の2〜3月に先行で入塾していただき、総復習をすることも可能です。

不明な点があれば、気軽にご連絡下さい。


12月11日 高校1・2年生で入塾をお考えの方へ

TOPページに
高校1・2年生で入塾をお考えの方へ
を掲載しました。

数学が苦手な高校2年生の場合、現時点で途中入塾をして、大学受験までにギリギリ間に合うかどうかという感じです。

これから半年間、多いときは月に20日程通塾していただいて、必死で取り組めば何とかなるかもしれません。

正直、高校3年生になってからの入塾では間に合わない場合が多いです。

間に合わないことが分かっている状態の生徒を引き受けるのは申し訳ないので、高校3年生の途中入塾は基本的にお断りしています。

始めるのが遅くなるほど苦しくなるので、入塾希望の方はお早めにご連絡下さい。


現在高校1年生の生徒は、数学が苦手でも、今から頑張ればある程度余裕を持って高校3年生が迎えられるかもしれません。

ただ、勘違いしないでいただきたいのは、通塾すれば自動的に出来るようになるわけではなく、相応の努力が必要です。

現時点で理解出来てないことがあれば、これからの勉強の支障となるので補習を受けていただきます。

数学を勉強するのに手助けが必要だという方は、上記ページをお読みいただき、ご検討下さい。


12月12日 新高校1年生で入塾をお考えの方へ

TOPページに
新高校1年生で入塾をお考えの方へ
を掲載しました。

当塾では、新高校1年生の受け入れは3月下旬となります。

例年3月27、29、31日に体験授業を行い、判断をしていただいて4月から正式に入塾となります。

3か月先の話になりますが、塾を探し始められている方もいるようなので掲載しておきます。

毎年書き足して長文になっていますので、少しずつ読んでいただければと思います。

読んでいて不明な点や疑問点などがあれば、お問い合わせ下さい。


12月14日 今、やるべきこと

高校3年生は共通テストまで残り1か月となりました。

国公立大学を一般入試で受験する場合、共通テストで少しでも良い点を取ることが大切になります。

そのような中、今日の授業では共通テストで用いない数学Vの計算練習を行いました。

今の時期、生徒が自主的に数学Vの勉強をすることは、ほとんどありません。

勉強時間を0にしてしまうと復元するのに時間がかかるので、1か月前に1回だけ数学Vの復習をしておいた方が良いという判断です。

この後、共通テストが終わるまでは、その対策を行います。


残り1か月、何をやればいいかと聞かれることもありますが、やるべきことは人によって異なります。

基礎内容の定着を徹底的にするべきなのか、高得点を取るために細かいところまで詰める勉強をするべきなのか、また、塾や学校の授業とのバランスを考えて1人でやる勉強の時間の配分をどうするのか。

残り時間が少なくなったからといって特別なことをする必要はありません。

自分が今やるべきことを整理して、それを試験直前まで実行しましょう。


12月16日 無茶します

当塾では途中入塾をした生徒に対して個別指導や補講を行っています。

授業に加えて来るので負担が大きいため、基本的にはバランスを考えて、どれくらい来るのかを考えます。

しかし、今年の冬休み期間中に関してはバランスを考えることを放棄して、予定が合わずに来られない日以外は全て来てもらうことにしました。

高校2年生で現在数学が苦手な生徒は、今から必死で頑張って受験に間に合うかどうかという時期に来ています。

大学受験を経験したことが無い高校生は分からなくて仕方ありませんが、毎年受験生を見ている者からすると、バランスを考えてやっていては大学入試に間に合いそうに無い危機感を抱いています。

これまで上手くいっていない生徒は、これまで通りにやっていてはそのまま大学受験の本番が来るだけです。

これまでと違った成果を出すためには、多少の無茶は許容して頑張ってもらいたいと思います。


12月18日 高校数学が身につくということ

当塾では生徒を指導するときに、常に目の前の生徒にとって何が必要かを考えています。

高校3年生になると、目標にしている大学によって最終的に身につけるべきことが異なるので、生徒によって教える内容や教え方が変わります。

進路や目標が細かく決まっていない高校1、2年生に教えるときは、基準を「神戸大学の2次試験の問題を8割以上解ける学力」に設定して指導しています。

生徒によってはそれ以上を目指していたり、そんなに高いところは目指していないという人もいますが、ここを基準にするのは、このレベルが高校数学が身についたと言える目安になると考えているからです。

では、高校数学が身につくというのはどういうことなのか、以下が私の意見です。

@ 各分野の基礎的な内容を理解して、計算や基本問題が、ほぼ100%の精度で処理できる。

A 各分野の頻出問題が解ける。問題によっては解き方を覚えている。

B 各分野の公式や用語を正確に深く理解し、複数の分野の関係性を理解している。

C 複雑な問題文の条件を整理して、問題を解くために再構築が出来る。

細かく説明すると長くなるので、後日、分けて書いていく予定です。


多くの生徒は@,Aの段階で止まっていることがほとんどです。

更に言うと、@の『ほぼ100%の精度』という点を達成出来ていないことがほとんどです。

学校の定期考査や模試では@,Aの段階でも、ある程度の点数が取れるので大丈夫だと思ってしまいます。

ただし、その意識で勉強をしていると、大学入試問題を解こうとすると解けない問題が多いことに気づくはずです。

B,Cの段階に関しては、闇雲に問題を解けば身につくというものではなく、勉強をするときの意識付けや専用の訓練が必要になります。

独学で高校数学を勉強をしていて身についている生徒は、そういうことを感覚的に出来ているのだと思います。

私自身もそうでしたが、感覚的に出来ない生徒の方が圧倒的に多く、そういう人は適切な指導を受けて努力を積み重ね、少しずつ身につけていく必要があります。


12月20日 高校数学が身につくということ2

前回の日記の続きです。

学習の各段階の話をしていきます。

@ 各分野の基礎的な内容を理解して、計算や基本問題が、ほぼ100%の精度で処理できる。

自分では出来ているつもりでも、@が達成できていない生徒が非常に多いです。

学校のテストなどで、生徒の答案を見ていると基本的な問題を間違っていることがあります。

「計算ミスでここを落としました」と言う生徒が多いですが「計算ミス」には様々なミスの仕方があります。

絶対にミスをしないという人間はいないので「写し間違い」や「足し算、引き算などの単純ミス」をすることはあります。

しかし、生徒の答案を確認してみると内容を理解していればあり得ないようなミスをしている場合もあり、それらは「計算ミス」ではありません。

大学入試問題を解けるようになるためには、全ての分野で理解不足によるミスが無い状態に仕上げ、それを常に保たなければなりません。

そうなるためには、一定のペースで毎日復習をするか、問題を解いていて忘れていると感じたときにまとめて復習をする必要があります。

上記のように復習をする生徒ばかりではないと分かっているので、当塾では授業中に強制的に復習をさせています。

ただ、それだけでは足りないので、誰かに言われなくても自分で復習をするようになってもらいたいです。


12月22日 高校数学が身につくということ3

前回の日記の続きです。

A 各分野の頻出問題が解ける。問題によっては解き方を覚えている。

Aの段階の量をある程度こなすことで定期考査や模試では点数が取れるようになるので、多くの生徒はこの段階に時間をかけていると思います。

それ自体は悪いことではないのですが、可能であれば「理解」と「記憶」のバランスを意識して勉強をしてもらいたいと思っています。

例えば
「2次関数のグラフがx軸と交点を持つ条件」を求めるときに、反射的に「判別式」と考える生徒がいます。

そういう生徒に、何故判別式を用いると求められるのかを聞くと、理由を説明出来ないことが多いです。

「理解」が伴わない解法の暗記は、出題の仕方を変えたり、掘り下げた内容を取り扱うときに対応が出来なくなります。

そうならないために、頻出問題の練習をするときには、解法の理由を説明できるのかを意識すると良いと思います。


ただ、全て自力で考えれば良いわけでもないのが大学入試の難しいところで、解法を覚えたほうが良い内容も存在します。

例えば
数列の漸化式の分野で一般項を求める場合、10種類程度の形を覚えて、どのように式変形をするのかを判断します。

何故そのように変形するのかは理由があるのですが、自力では思いつかないような変形も存在するので覚えてしまう方が早いです。

また、覚えるべき形を全て覚えてしまうことで、知らない形の場合は「求められない」「解き方を誘導されるはず」と判断することが出来るようになります。
(問題によっては一般項を求められないまま、議論を進める場合もあります。)


地力で解法を思いつくことにこだわりを持って勉強をすることは悪くありません。

ただし、それが非効率になってしまう局面もあるため「理解」と「記憶」のバランスが大切だと思います。


生徒が始めて学習する分野では、何を理解して、何を覚えるべきか判断することは不可能です。

各分野の最後まで勉強をして全体像を掴んだ上で、復習をするときに「理解」と「記憶」のバランスを考えながら学習をすると良いと思います。

とは言え、このバランスを考えながら学習を進められる生徒はそれほど多くないので、当塾の指導では、「理解」するべきことと「記憶」するべきことを伝えるように意識しています。


12月24日 1月の予定表

TOPページに1月の予定表をアップしました。

今年も残すところ1週間となり、当塾の年内の授業は12月29日まで残り5日間となります。

年明けは1月3日から授業の予定です。

最近は授業や教材作成に追われていますが、忙しくても、一生懸命努力をしている生徒と関われることに幸せを感じています。

学力が高い生徒も、苦手を克服しようとする生徒も、頑張っている姿を見ると同じように感動します。

その努力が報われる可能性を少しでも高められるように、こちらに出来る限りのことをしていきます。


12月29日 良いお年を

今日で今年最後の授業が終わりました。

12月後半は忙しく、日記の更新もままなりませんでした。

高校1年生はまだ時間がありますが、高校2年生で身についていないことが多い生徒は、これから必死で頑張らなければなりません。

途中入塾の生徒もいるので、年明けからも出来る限り指導を入れていきたいと思っています。


さて、高校3年生はもうすぐ共通テストがあり、本格的な受験シーズンに入ります。

新型コロナウィルスで受験生の対応をどうするのか二転三転していて、気にしている人もいるかもしれません。

心配しなくても、受験機会を奪われるようなことにはなりません。

そんな決定が常識的に許されるはずが無いからです。

仮に、受験機会を奪われるような決定がなされたとしたら、そのルールに従わない行動をとればいいだけです。

具体的にどうするのか細かくは書きませんが、これから受験生は勉強も含めて、どうするのが自分にとって最も良いのかを考えて行動するべきです。

自分の利益のために周りに迷惑をかけて良いということではありませんが、おかしな施策を黙って受け入れる必要はありません。

若者には、他人任せにせず、自分の人生を自分で切り開いていく姿勢を持ってもらいたいと思います。


1年間、ありがとうございました。それでは、みなさん、良いお年を。



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