日記・予定表


基本情報


塾の情報

2014 12月


12月4日 冬季復習講座「関数編」

冬季復習講座の「関数1〜4」(主に1年生対象)で取り扱う問題を公開します。高校数学のいずれの分野にも応用が効く、考え方の根幹をなすものを選びました。解ける、解けないということだけでなく、何故そのように考えるのかということを重視して授業を行っていこうと思っています。

講座を受講して直ぐに成績が上がることはないかもしれませんが、こうした本質的な理解を繰り返し染み込ませていくことが、新しい分野を習ったときの理解速度を上げたり、難問題を解くための地力になっていくのだと考えています。

なんとなく問題は解けるけれど、イマイチ理解はできていないという方は是非受講して下さい。
入塾を考えられている方は参考にしていただければと思います。

関数1 関数1 例題.pdf
2次関数の最大値と最小値の場合分け(基本問題)
関数2 関数2 例題.pdf
2次関数の最大値と最小値の場合分け(応用問題)
関数3 関数3 例題.pdf
2次方程式・2次不等式とグラフの関係
関数4 関数4 例題.pdf
絶対値の付いたグラフ,定数と実数解の個数

冬季復習講座の詳細はこちらからご覧下さい。


12月5日 心構え

2学期末の考査も終わり、3年生はいよいよ受験(センター試験)まで残り僅かとなってきた。
志望校を考えると、現段階の模試の点数が目標点に届いていない生徒がほとんどだが、これからが勝負所だ。11月までは、とにかく地力を伸ばすことに力を入れてきた。点数はさほど伸びていない生徒も、問題に対する反応や理解を見ていると、下地は出来上がっていると感じる。今から本番までにきっと伸びてくるはずだ。

受験の心構えとして「焦らない」「開き直らない」「投げやりにならない」ということが大切だと思っている。結果が良いに越したことはないが、それよりも大切なのは過程だ。試験前日まで自分で決めたルールを破ることなくやりきって、厳しい受験を戦い抜くことが、必ず本人のためになると信じている。


12月6日 いつか来た道

1年生は、本日の授業から数学Uに入りました。新課程の数学Uでは、以前までは数学Tの分野に入っていた3次式の展開や、数学Aの範囲に入っていた二項定理が始めに出てきます。数学Uに移った内容は、公式を考えながら覚えるための補助的な役割をもっているため、塾では4月の始めの授業で教えるようにしています。とは言っても、途中入塾の生徒もいるので、もう一度、きちんと授業をしました。

数学T、数学Uの初めの計算練習は、指導する側としては、これくらい出来るだろうと飛ばしてしまいたくなりますが、生徒にとっては初めて習う分野なので、なかなか出来なかったりします。何度も教えていると、こちらの理解は深まっていくので簡単に感じてしまうようなことでも、初学者にとっては難しいことがあります。そのことを常に肝に銘じて授業をしていかないといけないと思っています。

それに、この分野もしっかり授業をしないといけないと思うのは、ここ何年かで生徒の計算力がとても落ちているように感じるからです。昨今の受験では問題を解くスピードを求められることも多く、ゆっくり解いていては時間切れになってしまいます。反復練習を行って、計算の正確さとスピードを向上させていくことが、数学力の元になります。同じ問題を何度も解くことを面倒くさがらずにやらなければいけません。


12月7日 授業回数

今日は、本当は授業が無かったのですが、高校3年生の模試の日程で昨日授業が出来なかったので、今日に変更になりました。

松山数学塾では毎月10回×2時間という授業時間で契約していただいています。高校3年生文系は12月は11回授業を入れているので、授業を1回無くしてしまっても契約上は問題ありません。しかし、1回授業が無くなってしまうと、こちらの予定していた進度通りにいかなくなります。入試が近づいてきた今、それは避けたいと考えて、今日授業を行いました。

高校3年生文系だけに限ったことではありませんが、月に10回以上授業を入れられるときには出来る限り入れるようにしていて、8月以外は11回目以降の授業は料金は発生しないようになっています。

多くの授業を入れられることを嫌だと感じず、嬉しいと感じられるような人に通塾して欲しいと思っています。


12月8日 新課程とシラバス

現在、複数の学校の生徒が塾に通っているのですが、話を聞いてみるとどの学校も授業の進め方が違っていて色々と思うところがあります。

以前にも書いたことなのですが、HPなどで公開されているシラバスに沿って授業を行っている学校の方が少ないのが現状です。私が以前働いていた学校では、シラバスを守らなければならないことが多かったので、少し違和感を覚えます。

新課程になり数学は教えないといけない内容が増えたのに、授業数は以前と変わらない学校がほとんどのようです。どのように教えていくことが最も効率的なのか試行錯誤をしている時期なので、このようなことは仕方がないのかもしれません。シラバスと実際の進め方の違いから、こういうことを考えてこの順番で教えているのかと学校側の意図を読み取れることもあります。

しかし、意図が読み取りづらい進め方をしている学校もあり、以前生徒に言っていた順番と違う順番で進めていることもあったりします。新課程になって現場が混乱しやすい時期だからこそ、行き当たりばったりで進めるのではなく、3年間の計画を練って授業をしていってほしいものです。


12月9日 選択できることの弊害

今年度のセンター試験は数学が新課程となってはじめての試験となるため、傾向が読み辛いと言われている。とはいっても、事前に大学入試センターから試作問題が発表されるなどしているため、生徒たちが普段受けている模試から全く別物の出題形式になる可能性は低いと思う。

個人的には、昨年までのセンター試験との大きな違いは「数学T・A」の試験で、「場合の数と確率」「図形の性質」「整数の性質」の3題から2題を選択して解答する形式に変わったことではないかと思う。

3題とも同じ難易度に調整するとしても、有利不利は発生すると予想される。問題全体を眺めてから選択するようにした場合、ただでさえ短い時間が更に削られてしまう。始めから解く問題を決めておくという手もあるが、考え辛い問題でいきなりつまづいてしまったときに、違う問題にしようか迷いながら解答することになる。このような点から、去年よりもやりづらい試験になる可能性があるのではないだろうか。

通塾している生徒たちは、模試では「場合の数と確率」「整数の性質」を選ぶことが多いようで、そのためか「図形の性質」を強制的に選択させてみると基本的な問題が解けなくなっていた。選択する問題を決めていると、苦手意識を持っている分野の演習量が減ってしまうという弊害もある。図形の演習量が減ることで数学Uの座標平面や、数学Bのベクトルにも影響が出てくるかもしれない。

勉強量は増えたとしても、選択できる状態を目指して勉強することが、数学全体の底上げと、難問題にあたったときの保険を作ることに繋がる。苦手意識を持たないようにするためにも満遍なく勉強してほしい。


12月10日 暗記する力

勉強というのは、やればやるほど効率がよくなります。色々な勉強をすることで、上手くいったときのパターンを運用出来るようになったり、考えられる物事の幅や増えたりするため、未知のことを学習したときに対応する能力が上がっていくのです。

勉強をやればやるほど効率がよくなるというのは、このような思考回路だけではなくて、単純な記憶力にも言えます。「私は記憶力が悪いので、英単語などを覚えられません。」などと言う生徒がいます。しかし、それは記憶力が悪いのではなくて、暗記をする訓練が面倒くさい、もしくは暗記をする練習を今まできちんとしてこなかったという方が正しいと思います。

暗記が苦手だという人は、運動でいえば筋肉が全然ついていない状態です。そんな状況で、持ったことも無いようなものを持ち上げてみろといわれても出来るわけがありません。自分の持てる範囲、もしくはギリギリ持てるかどうかという重さで毎日トレーニングすることで、筋肉がついて、今まで持てなかったものが持ち上げられるようになるのです。

勉強も同じです。暗記が苦手だから(または面倒くさい)と諦めて、暗記をしないでいるとどんどん暗記が出来なくなっていきます。毎日新たに何かを覚えようという努力をすることで、より多くのものを早く、長く覚えておけるようになります。運動と同じで一日だけ頑張って覚えても記憶力は付きません。とにかく毎日、やることが大切なのです。

塾生の中には記憶力が付いてきた生徒がいます。苦しみながらも続けてきた単語テストがようやく身になってきました。半年間、頑張っているところを見てきました。筋トレも暗記も、なかなか効果が見えにくいものですが、一度身に付いてしまえば更に高度なトレーニングが出来るようになります。そういう基礎的な面倒くさい訓練の大切さを伝えていきたいと思っています。


12月11日 異才発掘プロジェクト

昨日、テレビを見ていたら「異才発掘プロジェクト開校式」というニュースをやっていました。
ニュースサイト
特別な才能や、興味分野が偏っていて、不登校になっている生徒を救い上げるプロジェクトのようで、応募600人以上に対して15人が選ばれたようです。

今の日本では、学校に通わないことが非常に大きなこととして扱われます。まず、学校以外で学ぶ選択肢がないことが問題です。そして、日本は村社会の傾向があるので、他者と違う行動を取っているということを殊更大きく捉えがちなのかもしれません。

集団がどうしても合わないという生徒は少なからず存在します。そういう生徒を何とか集団の中に戻そう、学校に入れなければならないという固定観念のようなものが大人には働いてしまいがちです。しかし、成長をできる場所が学校以外にあるのであれば無理に学校に行く必要はないと思います。そういう意味で、とても面白い試みではないでしょうか。

ただし、勘違いしてはいけないのは、皆が学校に行かなくてもいいということでは決して無いということです。大多数の生徒は学校に行った方がいいのです。努力をして自分の目標に近づくためには、公教育の力を借りるのが一番の近道です。頑張れば認められる道が用意されているというのは、とてもありがたいことです。

異才を持っていなくても、日々、苦しみながら努力する、公教育だけで補いきれないような生徒を近くで応援していけるような塾でありたいと思っています。


12月12日 相互関係

学校でも塾でも、3年生はマーク演習、真っ只中といった感じではないでしょうか。当塾でも現在、センター試験に向けてマーク演習を行っています。理系クラス、文系クラスとも12月から始めています。

理想では、文系は夏休み明けくらいから、記述と平行してマーク演習をしていった方が良いと思います。今年度は生徒の基礎的な数学の知識が不十分だったので、全範囲の復習をやり直していたため、この時期まで練習開始がずれ込んでしまいました。

センター試験の問題は穴埋めとはいえ、数学の本質的な理解をおざなりにしていては解けないような良問が出題されています。時間はかかっても数学を基礎からやり直したほうが最終的な点数の伸びが大きいと判断して、今年度はこのような形を取りました。

個人塾の強みは、その時々の生徒の状況に合わせてカリキュラムが丸ごと変更可能であることだと思います。今年度と全く同じやり方をすることは、今後無いかもしれませんが、このような経験がこちらの力量も伸ばしていってくれるのではないかと思います。


12月13日 冬季復習講座「確率編」

冬季復習講座の「確率1〜4」(主に1年生対象)で取り扱う問題を公開します。
場合の数、確率を苦手にする生徒は、言葉の意味と数式の意味がきちんと繋がってないように感じます。きちんと意味が分かって解けるようになるために、場合の数、確率の問題を解くためのコツを教えます。

当然演習は必要になりますが、コツを掴めば確率の問題は得点源になります。確率に苦手意識を持っている生徒は是非、受講してもらいたいと思います。

確率1 確率1 例題.pdf
場合の数の基本:数え上げ,P(順列),円順列,C(組合せ)
確率2 確率2 例題.pdf
場合の数の応用:重複順列,組分け,同じものを含む順列,重複組合せ
確率3 確率3 例題.pdf
確率の基本,順列・組合せを用いた確率,反復試行の確率
確率4 確率4 例題.pdf
独立な試行の確率,条件付き確率

※ 分量の関係上、当初の予定と授業内容を多少変更しました。

冬季復習講座の詳細はこちらからご覧下さい。


12月14日 衆議院議員選挙

本日は、衆議院議員選挙が行われました。授業時間が13時〜21時30分だったので、午前中に投票をしてきました。

これからの社会を背負っていく人材を育てる仕事をしている以上、政治や経済のことを理解(勉強)することはとても大切で、自分自身が社会の一員として様々な責任を果たさなければなりません。投票して政治に参加をすることもその一つではないかと思います。

しかし、自分がどのような考えや主張を持っていたとしても、授業の空き時間などに、政治的な思想、信条を生徒に話してはいけないと思っています。

公立学校の教諭は教育公務員特例法により、政治的活動を禁止されています。これは、公務員は一部の奉仕者ではなく、全体の奉仕者であることから来ており中立性の確保のためです。学習塾にはそのような法律はありませんが、教育に携わる立場上、公共性を持っている職業だと考えています。

指導する立場の人間は、自分でも気づかないほど生徒に影響を与えていることがあります。人前で話をするときは、常にそのことを意識して話をしなければいけないと思っています。


12月15日 結果が出るまで受験は終わらない

先週、第一志望の学校を受験してきた生徒がいるのですが、明らかに今までよりもモチベーションを失っているように感じました。その生徒にも言ったのですが、試験を受け終わったからといって受験は終わっていません。結果が全て出て、初めて受験が終わるのです。

特に国公立大学の前期試験では、結果が出る前に終わったという気持ちになりがちなので注意が必要です。入試はどんなによく出来たと自分で思っていても、必ず合格しているという保障はありません。合格したと思い込んで後期試験まで頑張る気持ちが続かない生徒は、最後に足元を掬われることがあります。これは逆も言えて、最後まで諦めずに努力を続けた生徒は、厳しいと思われていた状況を覆して合格を勝ち取ることもあります。

たとえ覆せなかったとしても結果だけが大切なのではなく、最後まで頑張る姿勢にこそ意味があると思っています。

本番が近くなってくると、演習をしていても自分の足りていないところの多さに不安を感じて、勉強が手に付かなくなる生徒もいます。そういう生徒に言いたいのは、今まで努力を続けてきたのなら本番まで同じように続けようということです。時間には制限があるので、本番までに出来ることには限りがあります。自分の中で最大限努力できたのなら、その結果が最良だと受け止めればいいだけです。結果が出ていない限り、油断も諦めもしない日々を送ってほしいと思います。


12月16日 インフルエンザ

昨日授業があった高校2年生の保護者の方から、インフルエンザと診断されたので次回の授業は休ませてほしいと連絡があった。こういうときは、他の生徒にうつしてもいけないので、休んでもらっても構いません。

塾では清潔な状況を保つために毎日、机椅子はアルコール消毒しているので、それがインフルエンザの対策になっているのではないかと思う。それ以外では、加湿器と空気清浄機を稼動させている。どこまで効果があるかは不明だが、出来る限りのことはやっておきたい。受験生は予防接種など、自分で出来る範囲の対策をやったりしているだろうが、体力が落ちないようにすることが一番大切であると思う。

ただ、どんなに対策をしていてもインフルエンザにかかってしまうことはあるのものなので、受験生でもあまり神経質にならずに、かかったときには仕方ないと思うくらいの気持ちでいればいいと思う。

自分でコントロールできないことで悩んでも仕方ないので、自分でコントロールできることを頑張るようにすれば良い。


12月17日 何度でも復習しよう

今日は冬季復習講座の3回目(関数3)の授業を行った。方程式・不等式とグラフの関係を取り扱ったが、高校数学ではとても大切なテーマであると思う。

「式⇔グラフ」という関係を、どちらからも変換して考えられるようになると、1つの問題に対して2つのアプローチが出来るようになる。方程式の問題によっては、グラフで考えなければ処理することが困難な問題もあるので、解法の幅を広げるためには必須である。

1年生は以前、既にこの授業を受けているが自主的に受講する生徒もいた。一度受けたからといって身に付いていないと感じれば、何度でも説明を聞いて何度でも練習をすれば良い。一回聞いてパーフェクトに出来るようになることはこちらも想定していない。だから何度同じことを聞かれても腹は立たないし、何度でも説明する。

生徒が「せっかく覚えたのに、忘れてしまいます。」と言ったりもするが、それでいい。というか仕方ない、そういうものだ。だから忘れないようになるまで何度でも繰り返す。一人ではそれが出来ない生徒のために、塾の存在意義があるのだろうと思う。


12月18日 警報で休みだと嬉しい?

昨日、愛媛県では暴風雪警報が発令されたため、ほとんどの学校が休校になったのではないだろうか。生徒はこういうときに、喜んだりするものだが、授業の進度を考えると、いいことではない。

特に数学に関して言えば、新課程になって授業時間はいくらあっても足りないという状況だ。年末年始に間隔が空いてしまうことを考えて、残り時間数から授業の予定をきちんと立てていた先生は、こういうことには頭を抱えるのではないかと思う。

塾に通っている2年生の生徒は本当ならば、昨日、数学が2時間あったらしい。補習を含めて、12月の授業はあと3時間らしいので、当初の予定通りであれば5時間かけてやるところを3時間でやらなければいけない。これはかなり厳しいのではないかと思う。実際にはやれるところまでやるというふうに変更せざるを得ないだろう。

塾では、2年生の12月の授業はあと6回×2時間で12時間残っている。こうした時期に少しでも予習を進めておきたい。年明けも授業があるので、余裕が出てくれば少し復習もできるかもしれない。

年が明ければ、2年生の生徒も1年足らずで受験となる。思っている以上に残された時間は多くない。



12月19日 出題者心理から見た入試数学

大学入試の採点基準で気になったことがあり調べていたら、以下のような書籍を見つけたので購入して読みました。



大学入試の採点基準は、都市伝説のように語られています。恐らくこのように採点されるだろうと予想することはできても、出題者に細かいケースまで具体的に聞くことはできません。本書では、ロピタルの定理を代表とした、高校範囲外の内容を用いて解答した場合についてどうなるのか、実際に出題・採点に携わっている先生が答えてくれていて参考になりました。

読んでいて感じたのは、大学の先生が受験生に求めているのは、ただ答が求められるということではなく、見たことのない問題でも自分で考え、相手に伝えることが出来るという、本物の力です。そのような生徒を育てたいという点では、私も全く同じ考えです。

入試というのは、点数を取らなければならないという考えに陥りがちですが、本当に大切なのは点数だけではなく、試行錯誤をしたり、自分で考えを深めていくことができる能力です。その点をおざなりにして、やり方だけを覚える練習をしても、その先の人生に繋がる勉強になっていないのではないでしょうか。そういうレベルに達するまでには、まずは反復練習をして基礎的な力を付けた上で、思考力を磨く訓練をしていかなければいけません。

採点基準はもちろん大切かもしれませんが、論理的な思考が出来るようになれば、おのずと減点をされないような解答が作成できるようになってくるはずです。そのように生徒を指導していきたいと改めて考えさせられました。


12月20日 絶対値

今日は冬季復習講座の関数の授業の最終日でした。取り扱った内容は「絶対値が付いた関数のグラフ」です。

「絶対値」を苦手にする生徒が非常に多いように感じます。必要の無いときに場合分けをしたり、等式や不等式の証明の分野のうろ覚えの知識から来るのでしょうが、むやみに二乗したりする生徒を多く見ます。そのように解こうとしてしまう根本的な原因として、意味を理解せず、問題の解き方だけを覚えるような勉強の仕方をしているのだと思います。

多少遠回りになる気がしても、きちんと意味を理解して問題を解く習慣を付けることが、数学が出来るようになる最短距離になると考えています。

明日からの復習講座は「場合の数・確率」です。まずは基本からですが、何故そのように考えるのかという理由、論理を大切にした授業を行いたいと思います。


12月21日 信じて待っています

当塾では、数学以外にも単語テストを行っていて、文章で毎回30の短文を覚えてくるように指示しています。

英文や単語を覚えることが苦ではない、または、習慣化できている生徒は、始めから安定して高得点を取れますが、これまで英語を覚えることを習慣化できていない生徒は、出来るようになるまで苦労することになります。

12月から入塾した生徒が「皆、単語がきちんと覚えられるのに、私はなかなか覚えられません」と素直な感想を言っていました。

勉強をするときに大切なことは謙虚な心です。皆が出来ていることが、今、自分には出来ていない、だから頑張らないといけない。という気持ちで努力を続けてくれればいいのですが、そういう時期が続くと辛いので、心が折れないようにすることも必要です。

指導者は、なかなか覚えられない、出来るようにならないことに対して、怒ったり、イライラしたりしてはいけないと考えています。全く努力をしていないという状況では、怒ることもありますが、努力の姿勢が見られれば、じっと待ってあげることがこちらに出来る唯一のことです。

現在、通塾している生徒の中で努力をしていないと感じる生徒は1人もいません。個人によって成果が出てくる時期は違うでしょうが、皆、少しずつ成長していると感じます。今、単語に苦しんでいる生徒もきっと出来るようになると信じています。


12月22日 表現には気をつけて

今年も残すところ僅かなので、掃除をしたり、たまっていた仕事を片付けたり、気持ちよく年を越す準備もしていかなければいけません。ということで、今日は、午前中に髪を切りに行ってきました。

授業の時に、髪を切ったことに気づいて、生徒が次のように言ってくれました。

「先生、髪、変えました?」

私は違うんでいいんですが、表現には気をつけましょう。


12月23日 反対側から考える

「yがxの関数である」とはどういうことなのか説明してみてと高校生に聞くと、なかなか正確に答えることが出来ない。

「xとyに関係がある」とか「xが決まるとyが決まる、それかyが決まるとxが決まる」
というような答がよく返ってくるが、いずれも間違いだ。

正しくは「xの値が1つ定まると,yの値が”ただ1つ”定まるxとyの関係」である。
この”ただ1つ”と言うのが、大切だったりする。

実際の問題では、このような定義を理解していなくても解ける問題がほとんどかもしれないが、理解してなければ解けない(意味が理解できない)ような問題もある。

このような定義が将来的に大切なので、1年生のときから確認しながら教えている。そして、そのときに「yがxの関数ではないグラフ」というのは、どういうものなのかも合わせて説明している。

物事は正面からだけではなく、反対側から見ることによって、より理解が深まることもある。そういう経験を促すことで、人から言われなくても自分で様々な角度から物事を見ることが出来るようになり、考えを深めていける人間になってほしいと思っている。


12月24日 各校の補習

現在、塾には複数の学校の生徒が通っていて、出来る限り全員に都合のよい日程が組めるように努力している。学校の予定を元に空き時間に来られるように配慮しているが、調べていくと、学校によって補習に対するスタンスが全く違っていて興味深い。

同じ公立高校であっても
3年生の補習が1・2年生と日程的に変わらず、自学習に任せている学校
3年生の補習が1・2年生より少し多く、12月29日まで補習を行う学校
3年生の補習が1・2年生より大幅に多く、12月29日〜1月3日に(元日も!)補習を行う学校
とそれぞれ違いがある。

私立では、全く補習を行わない学校から、休み中であっても18時過ぎまで補習を行っている学校まで非常に幅広い。一般に自学習をするであろう進学校になるほど、拘束時間は短くなっているように感じる。だからこそ、進学校に通っている、拘束されないと勉強できない生徒は気をつけないといけない。

自分の意思で勉強するにしても、強制されて勉強するにしても、自分自身の意思で勉強しないと伸びは少ない。強制されている生徒もやらされていると思わず、これだけのことをやってもらっているという気持ちで頑張ってほしい。


12月25日 受験生の理想の親

勉強を頑張ろうと思っているときに、一番言われて嫌な言葉は、勉強しなさいという言葉だ。特に頑張っていて、結果が出ていないときに言われるとやる気を失ってしまう。愛情があるから言ってしまうのだろうが、親からのそのような言葉が子供の利益になることはない。

勉強をしなさいと言って意味があるのは、小学生、もしくは、中学1年生までだと思う。この年代では勉強の習慣が付いていない子供がいるので、習慣付けをするために関わることは必要かもしれない。一緒に宿題を考えることが、コミュニケーションを取ることにもなる。

中学生2・3年生になると、勉強の習慣は親から言って聞く年齢ではなくなるので、言っても聞かないどころか逆効果になってしまう。勉強の内容も難しくなり、親が一緒に考えることは不可能になってくる。そして、受験をするためにどのようなペースで何をやればよいのか、最近の入試の傾向はどうなっているのかなど、専門的に調べている職業の方で無い限り、適切なアドバイスをすることは不可能であると思う。

しかし、模試や学校の成績が返ってくると、結果が良くないということはなんとなく分かるので、何をやらせればいいかは分からないけれど、結果について批判をしてしまう。このとき、成績が下降して落ち込んでいるのは親よりも本人の方で、批判されると逃げ場を失ってしまうことを知っておいてほしい。

親がしないといけないのは批判ではなく、子供がどう思っていて、どうしたいのか相談に乗ってあげることだ。進路のことなどで迷っていれば話を聞いて、子供からこのままではいけないので塾に行きたい、家庭教師に教えてもらいたいといえば、その環境を整えてあげれば良い。ただし、自分から学びたいと思わなければ、環境だけ用意してもあまり意味はない。塾などに行くかどうかと言う提案だけしておけば、そのときに行かないといっても、必要だと感じれば自分から行くと言ってくるはずだ。

そして、塾に通うとなったら、勉強のことは教えるプロに一任して、過ごしやすい(勉強しなさいと言わない)家庭環境を整えてあげることが、最も成績の向上に繋がる。

高校からの勉強は少しやったからといって伸びるものではなく、結果だけ見ていると努力をしていないように見えてしまうこともあるかもしれない。何も言わずに見守るということが一番難しいかもしれないが、今の中高生は、毎日とても難しいことを一生懸命やっていることを理解してあげてほしい。


12月26日 受験生の表情

この時期になってくると、受験生の中には焦りが表情に出来てくる生徒もいる。本人は表情の変化に気づいていないかもしれないが、毎日のように見てきたこちらは敏感に変化を感じる。必死に頑張ってきたが、目標としている点数に未だ届いていないという状況の生徒は苦しい表情になりがちだ。

そういう時にありがちだが、必要以上に夜遅くまで勉強するなどして生活のリズムを崩してはいけない。受験当日までに可能な限り力を高めることは大切だが、受験当日に体調をベストの状態に持っていくことの方が大切だ。

受験が近づいてくると、勉強すればするほど不安になったりする。本来なら出来ないところが見つかることは良いことなのだが、出来ないところが見つかると焦ってしまう。そして、練習で今まで取ったことないような点数を取ろうものなら不安が込み上げてくる。

ただ、それはあくまでも練習であって、練習でどんなに良い点を取っていても本番で失敗することもあるのだから、いちいち気にしてはいけない。練習でも本番でも点数を取らなければいけない、などと思ってしまうと、むしろ点数は下がるものだ。

本番が近くても遠くても、練習で大切なのは結果ではなく過程であることを忘れてはいけない。本番までに出来ていないことを修正して出来るようにしていく。その作業を最後までやりきるという気持ちが、表情を焦りから覚悟に変えてくれるのだと思う。


12月27日 条件付き確率

冬休みを利用して行ってきた復習講座も今日が最後で、条件付き確率の授業を行った。
苦手に感じる生徒が多いのか、復習講座の中では出席した生徒の数が最も多かった。

条件付き確率をよく分かっていない生徒は、時制を考える確率だということが理解出来ていないことが多い。普通の確率は何も起きていない状況で事象がスタートするが、条件付き確率は既に何かが起こった状況で考える。

下のような問題を使って解説した。


<問題>
袋の中に赤玉が2個、白玉が4個入っていて、1個ずつ順番に2個取り出す。
このとき、2個とも色を見ずに箱に入れて何が出たのか分からないようにする。

状況1   箱1     箱2

という状況1では箱1に赤玉が入っている確率は3分の1であるが

状況2   箱1     赤玉

というように、2個目の箱を開けて赤玉入っていると確認したとき、箱1に入っている玉が赤玉である確率は状況1の3分の1から変化するか。(答は下に書いておきます)



なぞなぞのような問題を論理的に考察するのが、条件付き確率の分野だ。意味が分かれば簡単なのだが、普段の感覚が邪魔をしてなかなか納得できなかったりする。論理的に考える訓練にはとても良い分野なので、問題の解き方だけでなく、起こっていることの意味を理解してもらいたい。










































答 3分の1から、5分の1に変化する。


12月28日 思い込み

問題を解いていると問題の内容による思い込みや、問題と関係ない部分での思い込みで、解けるはずの問題が解けないということがある。

問題の内容による思い込みは、センター試験形式の数学では特に多い。

大問の中に(1),(2)とあった場合、(1)が解けていなくても(2)が解けるということは多々あるのに、(1)の途中で解けないと問題があると(2)は解けないと思い込んで問題を読もうともしない生徒が多い。本番でそのようなことが無いように、注意して指導している。

また、センター形式の問題でよくある思い込みとして(1)ではa=2など代入した値で問題を解かせておいて(2)ではaのまま考えるという問題で、(2)を(1)の条件のまま考えてしまっているというものがある。これは問題のクセのようなものなので出題形式に慣れないといけないが、なかなか慣れない生徒もいる。

次に、問題と関係ない部分の思い込みとして次のようなことがある。

問題文の最後に(08 東京大学)などと出題された大学名が書かれていると、難しそうだという先入観で問題を解くことを諦めてしまう生徒がいる。東京大学や京都大学でも、頻出問題のような出題もあり、必ずしも難問ということではない。

このような思い込みは、ただ練習を繰り返すだけでは改善しないことがあるので、指導者が気づいたときに生徒に自覚を促していかないといけない。生徒が一人で勉強したときの効率がよくなるように、このような思考パターンを変えていくことも必要だと思っている。


12月29日 今年最後

今日で2014年の授業が全て終わりました。

4月から塾を始めましたが、たくさんの方に助けていただいて、2014年を終えることができました。関わっていただいた全ての方に心から感謝しています。

また、当初思っていた以上の多くの方に入塾していただきました。これからもこちらの出来る限り、生徒をサポートする姿勢で接していきたいと思っています。

2014年は終わりますが、3年生の入試はこれからが本番です。センター試験、2次試験と力を出し切れるように指導をしていきます。

来年もよろしくお願いします。それでは、良いお年を。



松山数学塾
住所 愛媛県松山市小坂3丁目4−32 ホワイト岡田ビル1F
TEL 089-948-8908